2015年12月定例会 一般質問 宮川政夫議員
議員 | 宮川政夫 |
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所属会派 (質問日現在) | 自由民主党 |
定例会 | 平成27年12月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 12月18日(金曜日) |
5番(宮川政夫君)初めて登壇させていただきます自由民主党会派の宮川政夫です。どうぞよろしくお願いいたします。
東日本大震災、そして原発事故からの集中復興を進めている中、間もなく5年を迎えようとしています。県内各地で被害の度合いは違っても、まだまだ多くの課題もありますが、復興の序章から飛躍のステージに向けて復興・創生を進め、住んでよかったと実感できる福島県づくりに努めなければならないと考えます。
私の政治信条は、「政治は人を幸せにできる」であります。子供からお年寄りまで、どの世代がどこに住まいをしても安心して豊かに生活できる環境をつくっていくことが政治の使命であると考え、こういった思いのもと、通告いたしました11点につきまして質問をさせていただきます。
1点目は、福島県復興計画風評・風化対策プロジェクトの2020年東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
福島復興から地方創生に向けての取り組みで、本定例会の知事説明要旨において「福島復興へのプロセスそのものが地方創生」と述べているように、地方創生への取り組みはこれからの復興を加速させるチャンスでもあると考えます。
福島ならではの緑豊かな自然や住環境、豊富な水や食資源など、福島県独自の魅力を地方創生に生かしていくことが真の復興にもつながっていくものだと思われます。
そういった中、福島県復興計画重点プロジェクトの風評・風化対策で、東京オリンピック・パラリンピックを契機とした情報発信、交流促進を掲げています。
現在、東京オリンピック・パラリンピックに向けては、国や東京都、大会組織委員会において検討が進められていますが、言うまでもなくオリンピックは世界最大級のスポーツの祭典であり、世界中からアスリートを初め多くの人々が我が国を訪れます。これは本県や我が国の復興の状況を世界中に発信する絶好の機会であり、本県の復興加速化のため大変重要なものと考えております。
そこで、東京オリンピック・パラリンピックに向けた知事の思いをお尋ねいたします。
2点目は、小中学校における学力向上のための施策についてです。
この学力向上については、日本中の教育界はもとより、各県の議会でも大きなテーマとして取り上げられています。
なぜ学力向上が必要なのか。これは言うまでもなく、子供たちが自分の将来に向け、夢、希望の選択肢が広がることだと考えます。
学力低下が懸念されてきたのは、完全学校週5日制を実施してきたころからではないかと思われます。学習時間と内容を減らし、経験重視型の教育方針はゆとり教育とも言われ、皮肉にも親の年収や学歴が高い家庭の子供ほど学校の成績がよいといった格差、二極化が出てきました。
現在はゆとり教育の見直しで主要教科の授業時数をふやしていますが、まだまだ不十分と考えます。土曜日授業の実施や長期休暇を短くして授業に充てるなど、質を高めることはもとより、量をふやすことが効果的であると考えます。
勤勉は日本人の美徳であると私は今も思っております。成長著しいアジア経済の中で、周辺各国は「日本に学べ」を合い言葉に、日本人の真面目さ、勤勉さを取り入れた結果、急速な経済成長を遂げたのも事実だと思います。
現在、国では全国学力・学習状況調査を行い、具体的な学力向上に向けての取り組みをしております。
そういった中、本年度の全国学力・学習状況調査、本県の結果公表において気になったことは、理科はおおむね全国平均でしたが、算数や数学については全国平均を下回っていることです。子供たちが生きる力をつけるためにも、また、将来の福島を支える医学や再生可能エネルギー、さらには新たな産業を創出する人材を育成する面からも、主要教科である理数教育の充実は極めて重要であると考えます。
そこで、県教育委員会は小中学校における理数教育の充実にどのように取り組んでいるのかをお尋ねいたします。
3点目はFIT構想についてです。
福島、茨城、栃木の3県の県際地域であるFIT地域は、県境という壁はあるものの、交通、情報、産業、文化、観光などさまざまな分野で協力し、連携、交流を図ってきました。
21世紀FIT構想の策定当時は、首都圏からの交通アクセスがよいモデルエリアとして、当該地域の発展に大きな期待が寄せられました。また、同時期には首都機能移転の議論が進められるなど、組織する市町村にとっては大きな期待を持って構想を推進していたのは事実だと思います。さらに、福島空港開港時期ということもあり、交流の目玉となり、官民挙げてさまざまな事業に取り組んでいました。
しかし、首都機能移転という言葉すらなくなってしまった現在、参加市町村の推進活動意欲がトーンダウンしてきてしまっております。さらに、北関東と南東北では取り組みに温度差が出てきている感じを受けています。
今後活動を活発化させるには、より魅力的な活動目標を具体的に立てていかなければならないと思います。これまでの成果、そしてこれからの目標、残り3年となった計画の中で、県はFIT構想の推進にどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
4点目は道路整備についてです。
ただいまのFIT構想の中でも県際地域の交通アクセスの改善は重要な施策です。国道349号は、茨城県の常磐自動車道那珂インターチェンジと本県の県南地域を結ぶとともに、福島空港のアクセス道路にもなっており、産業の振興や観光交流、地域の生活に欠かせない重要幹線道路であります。
また、付近には矢祭ニュータウンや矢祭工業団地が整備され、多くの企業の立地により大型車両の通行量が増加しているにもかかわらず、矢祭町下関河内地内は道幅が狭く歩道もないことから、大型車両同士のすれ違いが難しく、歩行者、車両とも非常に危険な状況にあり、地元からは下関工区の早急な整備が望まれております。
そこで、国道349号下関工区について整備状況と今後の見通しについてお尋ねをいたします。
次は、子育て支援についてです。
少子高齢化の問題は、福島県のみならず日本にとっても大きな問題であることは言うまでもなく、社会全体で少子化対策に取り組まなければならないと考えます。さまざまな子育て支援で少子化に歯どめをかけようとしていますが、子育てと女性の就業との両立環境が十分ではないことなどから、なかなか成果が上がらないのが現実です。
そのような中、対策として3世代同居・近居には多くのメリットがあると言われ、安倍総理も少子化対策の一環として「大家族で支え合う価値を社会全体で改めて確認し、大家族を評価するような制度改革を議論すべきだ。」と表明し、2016年度の税制改正大綱では3世代同居を推進しようとしているようです。
さらに、福島県まち・ひと・しごと創生総合戦略にも3世代同居・近居施策が盛り込まれ、推進加速が期待されています。
核家族化の進行は家族のきずな、地域とのつながりが希薄になり、子育て力、家庭・地域での教育力、さらには地域活力の低下が指摘されています。また、虐待問題なども核家族化が進んだ弊害の1つであると思われます。
同居・近居のメリットには、母親の孤立による子育ての不安が少なく、祖父母からの援助が得られるとともに、子供に伝統や習慣が伝えられる。幼児虐待、青少年の犯罪抑止につながる。高齢者の生きがいづくりにも効果的である。保育園、介護給付費など財政面で支出を減らすことができる。高齢者のひとり暮らしの健康や治安面での不安解消になる。若い夫婦が子供をもうけやすい環境になるなどが挙げられます。
しかし、本県では残念ながら核家族化が進み、3世代同居率は年々減少しております。県民が望む生活スタイルはさまざまであり、中には勤務地の関係や親の事情により同居ができない世帯もあるのも事実です。
このような状況の中、子育て家庭の地域社会とのかかわり、子供と高齢者のかかわりが少なくなるなどの身近な問題に対し、当面その対策が必要であると考えます。
こういった観点から、県は多様な世代による子育て支援をどのように推進していくのかをお尋ねいたします。
次は、児童虐待についてであります。
児童虐待は増加の一途であり、社会全体で取り組まなければならない大きな問題となっております。昨年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談件数は88,931件と過去最高を更新しています。
児童養護施設に入所を余儀なくされる児童の多くは虐待を受けていることから、大人への不信感など精神的に不安定で、その児童が抱える問題も複雑・重層化してきています。
そのため受け入れ施設側が抱える問題も深刻で、結果的に職員に大きな負担がかかり、早期退職などにより職員不足が起こるなど施設運営面にも影響が出てきております。児童虐待を減らしていくには社会全体で虐待を許さないという機運を醸成することが大切であり、そのためには啓発活動が重要となります。
県は児童虐待を防止するための啓発活動にどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
また、虐待に対して啓発活動のほか、子育て中の親が我が子を虐待するまでに至らせないための支援、起きてしまった虐待の早期発見、早期対応、再発を防止するための対策が重要です。
虐待に対応する児童相談所を初めとした関係機関の連携や高度な専門性も必要だと考えます、増加する一方の虐待通報に対応する児童相談所の限界も指摘されています。今後児童家庭支援センターの設置や家庭の見守り支援の役割は重要になってくると考えます。
現在厚生労働省の専門委員会が児童虐待の防止策を強化するための議論を行っており、緊急事態に一時保護を行う介入と家族への支援を別組織に分離する案や、虐待通報の緊急の度合いを判断して適切な対応機関へ振り分けるトリアージセンター的な機関を設ける案などが具体化していると報道されていますが、県は児童虐待への対応を強化するためにどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
次は、旧棚倉高等学校校舎等についてです。
旧棚倉高校は平成21年3月をもって旧東白川農商高校と統合し、修明高校が誕生しました。統合後の校舎は旧東白川農商高校校舎を使用していることから、旧棚倉高校校舎は閉鎖され、一部グラウンドは修明高校で使用しております。
現在の旧棚倉高校校舎の状態は傷みも激しく、周囲も雑草が生い茂り、不気味な様相と化し、景観が損なわれている上、敷地内に容易に入れることから危険な建造物となっております。ガラスを割れたままにしておくと、その建物は十分に管理されていないと思われ、ごみが捨てられ、やがて地域の環境が悪化し、凶悪な犯罪が多発するようになるという犯罪理論、いわゆる割れ窓理論が現実なものと感じられています。校舎を解体し更地にすれば利用価値も上がり、当該地区の活気を取り戻す起爆剤となります。
そういったことから旧棚倉高等学校の校舎等の解体を早期に進めるべきと思うが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
次は、除染による除去土壌等についてです。
汚染土壌の除染が進められている中、仮置き場のあり方に市町村は苦慮しています。除染に伴って生じた除去土壌等については中間貯蔵施設に搬送されるまでの間仮置き場で保管されることになりますが、仮置き場の確保や保管が長期化してしまうのではないかということから、地元の負担・不安も大きくなっています。
そこで、保管状況等についての情報提供や地域住民の安全・安心を確保しながら、仮置き場を適正に維持管理し、住民の不安を払拭させていくことが求められています。
さらに、ことしからパイロット輸送が始まっておりますが、除去土壌等の輸送に当たっては、仮置き場から搬出、輸送、中間貯蔵施設への搬入までの各段階でしっかり安全が確保されなければなりません。
そこで、県は中間貯蔵施設へのパイロット輸送の安全・安心の確保のためどのように取り組んでいるのかをお尋ねいたします。
次は、中山間地域の耕作放棄地についてです。
農地の大規模化を進めて競争力を強化する積極的な攻めの農業施策は大変重要でありますが、大規模化も集約も困難な耕作地が中山間地域には数多く点在し、農地の荒廃が懸念されます。
来年度の税制改正では、耕作放棄地には課税を強化するなど小規模農家にとっては大きな方向転換を迫られることが予想されます。
平成26年における調査によれば、荒廃農地の発生原因は高齢化、労働力不足、土地持ち非農家の増加、農作物価格の低迷など挙げられます。TPPの大筋合意により農作物の価格下落などが顕著になれば、耕作放棄地はさらにふえることが予想されます。こういった状況では、このまま農地として維持するのではなく農地以外の用途を検討し、支援する施策も必要と考えます。
そこで、県は中山間地域の荒廃が進んだ耕作放棄地への対応についてどのように考えているのかお尋ねいたします。
次は、有害鳥獣被害対策についてであります。
今回は、有害鳥獣でもイノシシに限定して御質問させていただきます。これまで本議会や市町村議会でも取り上げられているように、被害状況は深刻です。今回の選挙期間中、山間部を遊説していると、田畑の周りにはトタンやネット、ワイヤーメッシュなどでのイノシシ侵入防止柵が多く見受けられました。年々被害が拡大しているということで、さまざまな防止対策、駆除を行っているにもかかわらず、結果的に被害が減っていないことが農家の方々のいら立ちを増幅させていると思われます。
平成26年度の農作物被害は、平成22年度の約2倍となり、今年度はさらに拡大していると思われます。駆除については狩猟者の高齢化による減少、放射能汚染による狩猟意欲の低下などにより駆除が追いつかない状況で、最近の報道でも白水阿弥陀堂の敷地内の芝生が荒らされたり、自動車との事故が発生するなど、農作物への被害だけでなく日常生活や観光への影響も出てきています。
そこで、県はイノシシ被害の防止にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
最後は、木質バイオマスの利用促進についてです。
本県の阿武隈山系や福島、茨城、栃木の3県にまたがる八溝山系は豊富な森林資源に恵まれ、林業・木材産業を主要な産業として発展してきました。
このような地域の森林資源を生かし、中産間地域のさらなる産業振興を図るためには資源の循環利用を進め、森林環境を保全し、林業従事者の雇用確保や地場産業の活性化を進める必要があります。
しかし、原発事故以降、塙町で計画をしていた木質バイオマス発電所建設が中止に追いやられるなど利用促進が滞っています。
そこで、県は木質バイオマスの利用促進にどのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
以上で私の質問を終わりにします。どうもありがとうございました。
副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)宮川議員の御質問にお答えいたします。
東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
私は、スポーツには多くの人々に元気や勇気、感動を伝える力があり、復興への原動力になるものと考えております。
ことしのラグビーワールドカップでの大野選手の活躍やバドミントンでの桃田選手の国内外での優勝など震災を乗り越え活躍する本県関係選手の姿は、多くの課題に立ち向かう本県の姿と重なり、改めて復興に取り組む思いを強くいたしました。
東京オリンピック・パラリンピックに向けて、本県関係選手の活躍などにより未来を担う子供たちの夢を育み、県民の誇りや活力が高まるようスポーツの振興に取り組むとともに、県内の各地域、各産業など、こういった分野に幅広く復興五輪としての効果がもたらされるよう、今後も国や大会組織委員会等に対して本県での追加競技開催や事前合宿の誘致を初め関連事業の実施を働きかけながら、復興に向かって着実に歩みを進める本県の姿を国内外へ積極的に発信し、福島県復興のさらなる加速化につなげてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。
企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。
FIT構想につきましては、茨城・栃木両県や関係市町村との連携のもと、首都圏への近接性やFIT地域特有の魅力とポテンシャルを活用し、交流人口の拡大や社会基盤の整備等に取り組んでまいりました。
現在、後期5カ年の行動指針に基づき、広域観光交流や定住・二地域居住の促進、情報発信や風評対策の強化など地域力の向上等に努めているところであります。
今後は、豊かな地域資源や多様な交流施設等FIT地域の魅力と強みを生かしながら、地方創生の交付金等を活用し、県際地域のさらなる活性化に向け、FIT構想の推進に取り組んでまいります。
生活環境部長(長谷川哲也君)お答えいたします。
パイロット輸送の安全・安心の確保につきましては、市町村からの搬出開始に合わせ、安全確保協定に基づき職員が仮置き場においてフレキシブルコンテナの状態や車両の空間線量率、また、輸送中の飛散防止対策や輸送ルートの道路交通対策、さらに荷おろし後のスクリーニング結果等を確認し、ホームページで公表しております。
県といたしましては、引き続き協定に基づき現地確認を行うなど、輸送が安全・確実に実施されるようしっかりと取り組んでまいります。
次に、イノシシによる被害につきましては、農業被害や生活環境被害を防止するため、やぶの刈り払いなどの生息環境管理、電気柵の設置などの被害防除対策、有害捕獲や狩猟による捕獲の強化、さらに狩猟者の確保など総合的な対策を講じてきております。
今年度はこれらの対策に加え、県の直接捕獲事業による捕獲のさらなる強化とともに、若手狩猟者確保のための助成制度の新設による狩猟者の育成確保対策の充実を図るなど、今後とも市町村や関係機関と一体となって被害防止対策に積極的に取り組んでまいります。
農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。
荒廃が進んだ耕作放棄地につきましては、毎年国の指針に基づき市町村と農業委員会が合同で荒廃農地調査を実施し、再生が困難と判断された農地については、農業委員会から所有者に対し非農地通知を行い、農地台帳を整理することとなっておりますが、税制の優遇措置や相続未登記などの理由から非農地化が進まない状況にあります。
県といたしましては、農業委員会と連携し、市町村や所有者の意向等を踏まえながら、中山間地域の特性に応じた農地以外での利活用が進められるよう支援策について検討してまいる考えでございます。
次に、木質バイオマスの利用促進につきましては、燃料用木材の生産や安定供給の取り組み、木質バイオマス利用施設の導入などを支援してきたところです。
さらに、新たな需要の創出に向けて、これまで困難とされていた木材を発酵させメタンガスを取り出す技術の確立を目指し、全国で初めてとなる実証試験を行うこととしております。
今後とも発電関連施設やボイラーなどの導入支援に積極的に取り組むとともに、木質バイオマスのさらなる需要の開拓に努めてまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
国道349号下関工区につきましては、大型車の交通の支障となっている急カーブや道幅の狭い箇所の解消を図るため、平成21年度から全長4.4キロメートルの整備に着手し、本年9月に下関河内小学校付近の1キロメートルの区間を供用したところであります。
引き続き、残る区間についても速やかな用地取得に努めながら、早期完成に向け、重点的な整備に取り組んでまいります。
こども未来局長(尾形淳一君)お答えいたします。
多様な世代による子育て支援につきましては、核家族化の進行などにより子育て世代の孤立化が進む中、地域全体での支援が大切なことから、これまで豊富な知識と経験を有する高齢者が昔遊びなどを通して子供たちと交流する事業などを県内各地で実施してまいりました。
今後は、保育や放課後活動などにおいても地域での支援が求められているため、実情やニーズに応じて多様な世代を対象に担い手となれる人材の育成を行い、子育ての支援の充実に努めてまいります。
次に、児童虐待を防止するための啓発活動につきましては、地域全体での見守りが重要であることから虐待防止を啓発するポスターやテレビ等のスポット放送を活用し、広く相談窓口の案内などに努めております。
また、今年度から虐待の通報や相談を24時間受け付ける全国共通ダイヤルの運用が開始されたことからその周知にも努めてきたところであり、今後ともこうした啓発活動を通して児童虐待に対する地域の関心を高め、未然防止と早期発見に取り組んでまいります。
次に、児童虐待への対応の強化につきましては、複雑困難な虐待事例が増加していることから児童相談所において虐待の相談等に対応する児童福祉司を計画的に増員するとともに、弁護士や精神科医等の外部の専門家を配置してきたところであります。
現在国において、身近な地域における支援の強化という観点から児童虐待への市町村のかかわりを深める議論が進められていることも踏まえ、市町村を初め学校や保育所等の関係機関と児童相談所との連携を一層強化し、問題を抱える親子等への的確な支援に努めてまいります。
教育長(杉 昭重君)お答えいたします。
理数教育の充実につきましては、児童生徒の算数・数学や理科に対する興味、関心を高めるとともに、思考力や応用力を育成することが重要であると考えております。
このため、本県独自の算数・数学や理科の実践事例集の有効活用を図るとともに、過去最高の参加者数となった算数・理科講座や科学の甲子園ジュニア福島県大会、福島県算数・数学ジュニアオリンピックの内容を一層充実させて開催したところであり、今後も理数教育のさらなる充実に取り組んでまいる考えであります。
次に、旧棚倉高等学校の校舎等につきましては、廃校の有効活用について地元との調整はもとより、文部科学省が行っている情報集約・提供の仕組みを利用して要望等の把握に努め、土地の売却とあわせた処分を検討しながら公共施設等の解体に充当できる地方債の活用要件となる公共施設等総合管理計画の策定に関係部局と取り組むなど、できる限り早期の処分に向けて取り組むとともに、処分までの間、適切な財産管理に努めてまいります。