2015年12月定例会 一般質問 渡部優生議員
議員 | 渡部優生 |
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所属会派(質問日現在) | 民主・県民連合 |
定例会 | 平成27年12月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 12月17日(木曜日) |
11番(渡部優生君)民主・県民連合議員会の渡部優生でございます。
初めての質問となりますが、本県の最大の課題であります震災からの早期の復旧や復興、そして出身地であります会津地域の抱えるさまざまな課題への県の対応について順次質問をさせていただきます。
まず初めに、東日本大震災からの復旧・復興対策についてお伺いをいたします。
東日本大震災から5年が経過しようとしております。国が定めた東日本大震災からの復興の基本方針における10年という期間も折り返しを迎えます。前半の5年を国は「集中復興期間」と位置づけ、全体で25兆円を上回る財源を確保し、復興を進めてまいりました。これにより本県においても除染やインフラ整備など一定の進歩が見られましたが、一方で、いまだ10万人を超える方々が不便な避難生活を続けておられます。
国は来年からの後半5年を「復興・創生期間」と位置づけ、全体で6.5兆円程度の財源を確保し、復興を加速させるとしております。岩手、宮城2県と比較して、福島県は原子力災害からの復旧・復興という特殊な課題を抱えており、次の5年間においてもしっかりと財源を確保して復興を進めていかなければならないものと考えております。
つきましては、知事は集中復興期間の本県の復興状況を踏まえ、復興・創生期間にどのように取り組むのか、お尋ねをいたします。
また、これまで震災により低迷した県内の新規の企業立地や既存企業の事業支援など雇用面でも効果を上げてきたふくしま産業復興企業立地補助金や津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金が集中復興期間の終了と同時に終了となりますが、本県の産業再生、雇用の創出にはこれらの補助金制度はまだまだ必要と考えております。
つきましては、ふくしま産業復興企業立地補助金や津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金の継続に向けどのように取り組んでおられるのかお尋ねをいたします。
次に、地方創生・人口減少対策についてお伺いをいたします。
全国的な少子・高齢化や東京圏への人口の一極集中、地方における人口減少に歯どめをかけ、持続的な地域の発展を目指す政策を推進するため、国はまち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、地方版総合戦略を平成27年度中に各都道府県や各市町村に策定するよう求めております。
福島県内においては10月1日現在、59町村のうち17市町村が策定をし、県においては現在、本年中の策定に向け取りまとめている最中とお聞きをいたします。
このように、いまだ3割程度の自治体しか策定に至っておらず、27年度中に全ての自治体が策定を終えることができるのかが心配されるところであります。総合戦略の策定がなければ国からの交付金は受けられず、地方創生への取り組みにも自治体間における地域格差が生じることとならないかも心配されるところであります。
また、このたびの地方創生における国の平成28年度予算は、1,080億円とお聞きいたします。全国には1,700の自治体があり、1自治体当たり1億円に満たず、人口割でいきますと小規模な自治体ではわずかな交付金にしかならないのではないかと思われます。
ついては、総合戦略の実現に向けた財源の確保について県の考えをお伺いいたします。
また、総合戦略の策定や実施に当たっては、1つの自治体で個別に策定をし行っても効果は薄く、限界があるものと思います。効果的で実効性を上げるためには、生活圏を1つとする地域としての総合戦略や他自治体と連携しての取り組みなどが重要と考えます。
ついては、県は市町村と連携をし、総合戦略をどのように実現していくのかお尋ねいたします。
次に、会津地域における地方創生・活力再生についてお伺いをいたします。
会津地域は、東日本大震災による直接的な被害は少なかったものの、潜在的に少子・高齢化が進んでおり、ここに来てそのスピードも増してきております。10年前、平成の合併と叫ばれたころ、会津地域全体では31万人ほどの人口がおりました。平成27年現在、27万5千人ほどに減少しており、この10年間で3万5千人の人口減少となった計算であります。年間にしますと3千5百人ほどの人口減少であり、大げさに言うならば、毎年小さな町や村が1つずつ消滅しているような厳しい状況となっております。
また、高齢化も深刻であります。福島県内59市町村のうち高齢化率の最も高い自治体として、上位7つまでが会津地方の自治体で占められており、50%を超える自治体も3自治体に上ります。八重の桜など観光面で賑わいを見せている会津地域ではありますが、現実は大変厳しい状況となっております。
第一義的に福島県の最大の課題は、紛れもなく震災や原子力災害からの復旧・復興ではありますが、一方で、会津地域においてはこのような状況が急速に進行していることを県としてもぜひ御認識いただき、総合戦略の策定に当たっては十分な配慮をもって臨むことを望むものであります。
ついては、会津地域の地方創生・活力再生について、以下6点について質問をさせていただきます。
1点目は、地域産業を支える各種人材の育成についてであります。
地域の持続的な活力再生を図るためには、もともとある地域の産業や会津大学など地域の資源を有効に活用して、経済の地域内循環を図ることが効果的であります。
特に会津大学など情報通信技術を地域産業の発展に生かすことは重要であり、また、これら学生を福島県内や会津地方に取り込んでいくことが重要と考えます。
ついては、県は地域の産業振興に貢献する人材の育成に向けた会津大学の取り組みをどのように支援しているのかお尋ねをいたします。
また、会津地域にはさまざまな業態のものづくり企業も根づいております。会津産業ネットワークフォーラムと言われる団体などは、会津にある中小企業同士およそ60社が自治体の垣根を越えて互いに情報交換し、ビジネスに生かすなど地域産業を支えております。
ついては、県は地域産業を支えるものづくり人材の育成の強化にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
さらに、県は会津地域の漆や酒づくりなどの地場産業の振興を担う人材の育成に当たってどのように取り組んでいるのか、お尋ねをいたします。
2点目は、観光振興のうち外国人観光客の誘客対策についてであります。
外国人の観光誘客については、このところの円安を背景として、国の目標である年間2千万人に迫り、さらに増加傾向にあるなど日本経済に一定の活力を与える結果となっております。本県における基幹産業の1つは観光業であり、国内における観光誘客がままならない中、こうした外国人の観光誘客は増加の可能性があり、本県や会津地域の活力再生に大いに寄与するものと考えております。
そうした中、平成27年度観光庁の広域観光周遊ルート形成促進事業において、訪日外国人向けの周遊ルートとして東北観光推進機構が申請した東北6県、新潟県をめぐる「日本奥の院・東北探訪ルート」が認定を受けました。こうした取り組みの中心的な観光地として、今会津地域が注目されておりますが、広域連携のあり方が課題となっております。
ついては、この機会に外国人観光客の会津地域への誘客を図るため広域連携を進めるべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
3点目は、林業振興についてであります。
会津若松市では平成24年から木質バイオマス発電施設が稼働しており、県産材の利用拡大と再生可能エネルギーの普及促進に大きく貢献をしております。
発電などのエネルギー源として木質バイオマスを活用することは、地域の森林整備が進むだけではなく、林業・木材産業などにおける雇用創出にもつながり、山村地域の活性化のために極めて有効であると考えます。
そこで、県は森林・林業の再生に向け木質バイオマスの発電への利用にどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
4点目は、いわゆる雪国ゼロ国制度の創設についてであります。
積雪寒冷地である会津地域においては、積雪による施工期間の制約に加え、日照時間や除雪作業の影響により冬季の施工時間が減少することなどから、比較的天候が安定をしている第1・四半期の工事をふやすことが重要であります。
国土交通省の社会資本総合整備事業は、地方自治体が社会資本整備を推進する上で大きな役割を担っておりますが、予算の内示から交付の申請、交付決定の手続を経ると工事契約は6月以降となることが多く、工事施工に最も適した時期を逸してしまうなど、効率的に施工する上での課題となっております。
ついては、積雪寒冷地域における社会資本整備総合交付金事業のゼロ国庫債務負担行為の制度化について県の取り組みをお尋ねいたします。
5点目は、旧会津総合病院及び旧喜多方病院の跡地についてであります。
旧喜多方病院については、既に解体され更地となっており、旧会津総合病院については平成28年度に解体、撤去する方針が示されたところであります。
両病院跡地については、地元自治体や商工団体などからもさまざまな利活用に関しての提案も出されているようでありますが、地域振興や住民の福祉向上に寄与するような利活用が望まれるところであります。
ついては、旧会津総合病院及び旧喜多方病院の跡地についてどのように考えておられるのかお尋ねをいたします。
6点目は、会津縦貫道の整備についてであります。
会津縦貫道は、福島県の地域整備の骨格をなす多極形成軸の1つとして会津軸を形成する重要な道路であります。本道路については福島県復興計画にも位置づけられ、広域的な道路ネットワークが形成されることにより、会津地域の豊かな自然や文化を生かした産業振興と地域づくり、さらには災害時の避難や物資の輸送経路としての役割も期待されております。
こうした中、本年9月には会津縦貫北道路がほぼ全線開通し、これまでの交通渋滞の緩和や交流人口の増加に大きく寄与しており、今後は会津縦貫北道路と南道路との接続線並びに南道路本体の整備が急がれます。
つきましては、会津縦貫道の整備にどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
次に、地域医療の体制強化について3点お伺いをいたします。
1点目は、地域医療における産科医の確保対策についてであります。
産婦人科の医師不足は県内においても深刻な問題となっておりますが、特に僻地と言われる奥会津地区は、会津若松市や喜多方市の数少ない分娩受け入れ先に頼らざるを得ず、妊産婦の体力、精神的及び経済的な負担はその家族にとっても大きな負担となっております。
ついては、県は産科医を確保するためどのように取り組んでいくのかお尋ねをいたします。
2点目は、僻地医療支援システムの堅持についてであります。
県立医科大学から会津医療センターへ医師を派遣し、会津医療センターから宮下病院に、宮下病院から各僻地診療所に医師を派遣するへき地医療支援システムは、会津地方で暮らしている住民の安全・安心につながっております。このため今後も引き続きへき地医療支援システムを堅持すべきと思いますが、県の考えをお伺いをいたします。
3点目は、県立宮下病院の充実についてであります。
県立宮下病院については、奥会津地方の中核医療機関として内科、外科の医療機能を確保しながら、圏域内の国保診療所へ代診医を派遣し、第二次救急医療機関に位置づけられるなど救急病院として地域住民の信頼と期待に応えているところであります。
また、近年は介護と医療連携を念頭に、近隣の特別養護老人ホームの増床が計画されるなど、宮下病院の果たす役割はますます大きいものがあります。
つきましては、県は宮下病院の充実に向けどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
次に、空き家対策についてお伺いをいたします。
近年の少子化、核家族化、都市への人口の流出などを背景として全国的に空き家が増加し、社会問題となってまいりました。平成25年時点で空き家の数は全国で820万戸と言われており、400を超える自治体が独自に空き家条例を制定するなど対策を講じております。
これを受け、国においても空家等対策の推進に関する特別措置法を制定し、本格的に空き家対策に乗り出しました。この法律においては、空家等対策計画を実施主体である市町村が策定、協議会を設置することができることとされており、都道府県は市町村に対して技術的な助言、市町村相互の連絡調整等必要な援助を行うこととなっております。
適切に管理されない空き家は、防災、衛生、景観上、地域住民の生活環境に悪影響を及ぼします。また、逆に空き家を有効利用して地方創生につなげることも可能であります。この機会に県としても取り組みを強化すべきと考えるところから、以下質問をいたします。
1点目は、市町村における空き家等実態調査の実施状況についてお尋ねをいたします。
2点目は、空き家対策を促進するため市町村の取り組みをどのように支援していくのかお尋ねをいたします。
最後に、教育行政について4点お伺いをいたします。
1点目は、正規教員の増員についてであります。
教職員の定数につきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律により、各県において配当基準を設け定めることとなっております。
福島県における高校教員の臨時職員の割合は6.5%と、他県と比較して決して高いものではありません。家族関係や社会環境が大きく変化する中、子供たちへの適切な教育を実践していくためには、児童生徒や保護者との深い信頼関係に基づきながら継続的な教育の実践が求められており、とりわけ正規教員の配置については重要であります。
つきましては、正規教員の増員を図るべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
2点目は、小規模校における教職員等の配置についてであります。
少子化により児童生徒の数が減少し、複式学級を選択せざるを得ない学校が近年多くなってまいりました。県においては、複式学級の学力向上のため非常勤講師の加配をするなど対応しているところでありますが、基準に合わない自治体などにおいては独自に講師を確保するなどしております。
また、事務職員の配置がなされていない学校では、教頭先生が事務処理を担うなど多忙な職務をこなしているのが実態であります。
ついては、児童生徒の健全育成や円滑な学校運営を行うため、小規模な市町村立小中学校に手厚く教職員を配置すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
3点目は、薬物乱用防止教育についてであります。
近年、危険ドラックなどによる事件・事故などが目立つようになってまいりました。大変嘆かわしい社会情勢と思っておりますが、児童生徒の間にも知らず知らずに危険のわなは入り込んでまいります。こうした状況においても、本県の未来ある児童生徒を我々は守っていかなければならないものと考えております。
そこで、教育委員会は児童生徒への薬物乱用防止教育にどのように取り組んでいるのかお尋ねをいたします。
4点目は、公立小中学校における土曜授業の実施の状況についてであります。
学校週5日制が完全実施され14年目となりますが、ゆとり教育が見直され、授業カリキュラムも増加する中、土曜授業について見直されるようになってまいりました。
平成25年度には学校教育法施行規則が改定され、設置者である市町村の判断でこれまで以上に土曜授業に取り組みやすくなりました。土曜授業を実施している自治体からは、土曜日に課外のカリキュラムを実施することにより、正規の授業時間の確保がしやすくなったなど学習面での効果も報告されております。
そこで、公立小中学校における土曜授業の実施の状況についてお尋ねをし、私の質問を終わります。
副議長(満山喜一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)渡部議員の御質問にお答えいたします。
復興に向けた取り組みについてであります。
震災から4年9カ月が経過をいたしました。この間、県民の皆さんのたゆまぬ努力と県内外からの温かい御支援により、会津と中通りの公共土木施設の復旧完了、研究拠点である会津大学先端ICTラボの開所、環境創造センターの一部開所、ふたば未来学園高等学校の開校など、本県の復興は確実に進んでおります。
一方で、不透明な原発事故収束の見通しや除染など原子力災害特有の影が本県を覆い、山積する課題が局面に応じ刻々と変化をし、複雑化しているとの認識から、現在見直しを進めている復興計画においては、新たな重点プロジェクトとして、第1に避難地域等の復興加速化を掲げ、帰還に向けた生活環境の整備やイノベーション・コースト構想を初めとする産業、なりわいの再生に取り組むとともに、風評・風化対策及び新産業創造を掲げ、県全域で根強く残る風評等への対応や失われた産業、雇用の回復を強化していく考えであります。
私は、これからの復興・創生期間においても、まずは前提となる復興財源の確保を図りながら、現場主義に基づき、市町村や国と力を合わせて全力で復興を加速させてまいる考えであります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。
総務部長(藤島初男君)お答えいたします。
地域の産業振興に貢献する人材の育成に向けた会津大学の取り組みにつきましては、従来、IT技術の習得のみならず、起業意識の醸成などにも努めてまいりました。また、新たにソフトウエア開発を通じた実践的な起業能力の養成向上やICTを活用した地域中小企業の課題解決に学生等が参画する事業に取り組むなど、先端的なICT人材の育成を進めております。
県といたしましては、こうした取り組みへの補助を通じて、大学による地域産業への貢献を支援しているところであります。
企画調整部長(近藤貴幸君)お答えいたします。
総合戦略の財源につきましては、国の平成26年度及び平成27年度補正予算における合計2,700億円の交付金や来年度当初予算で見込まれる1,080億円の新型交付金、さらにはその他各省庁の地方創生、1億総活躍社会関連予算なども積極的に活用してまいります。
今後も引き続き、戦略期間に見合った十分な規模の財源の確保を国に対し求めてまいる考えであります。
次に、市町村との連携による総合戦略の実現につきましては、これまで先進優良事例や連携して取り組むべき課題等について共有を図ってきたほか、本年度からはさまざまな地域課題にきめ細かに対応するため、市町村への自由度の高い補助制度を大幅に拡充するとともに、各地方振興局が主体的に予算を執行できる仕組みを創設したところであります。
今後とも地方振興局と連携を密にしながら、広域連携での課題解決を模索する市町村を初め意欲ある市町村や企業等を積極的に支援し、モデルとなる成功事例を積み重ねながら、総合戦略の効果的な推進を図ってまいります。
保健福祉部長(鈴木淳一君)お答えいたします。
産科医の確保につきましては、これまで研究資金の貸与等による県外医師の招聘、産科医の分娩手当や診療応援への支援など、処遇改善のための事業に取り組んできたところであります。
本年度は、産科医等を志望する学生に対する修学資金制度の義務要件を緩和し、貸与額を大幅に増額したほか、来年4月に県立医科大学に開設するふくしま子ども・女性医療支援センターの教員の招聘活動を行うなど、産科医の養成・確保対策を強化しており、今後とも安心して子供を生み育てることができる医療体制の構築に取り組んでまいります。
次に、へき地医療支援システムにつきましては、自治医科大学卒業医師や修学資金の被貸与医師を僻地の医療機関に派遣するとともに、拠点となる病院と連携しながら、僻地診療所等の診療体制を組織的に支援する制度であり、過疎・中山間地域の医療を確保する上で極めて重要な役割を担うものと考えております。
このため今後も引き続き県立医科大学と連携し、こうした派遣制度を活用して僻地の医療機関への安定的な医師派遣に努めてまいる考えであります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
企業立地補助金につきましては、これまで619社の新増設を指定し、7千名余りの新規雇用が見込まれるなど、復興に向け安定した雇用を創出する極めて重要な制度であります。
このため国に対して来年度以降も全県域を対象に制度の継続を要望し、平成28年度概算要求に盛り込まれるなど国において検討が進められていることから、今後も継続して実施されるよう引き続き強く働きかけ、産業の復興に取り組んでまいります。
次に、ものづくり人材の育成につきましては、テクノアカデミー会津で実施している電気・配管技術や自動車分野の教育訓練のほか、関係機関との連携のもと、ポリテクセンター会津における離職者、在職者を対象とした機械加工の訓練や地域主体で行われる高校生、若手社員を対象とした製造技術に関する研修などへの支援に取り組んでいるところであります。
今後とも地域の産業界等のニーズを的確に捉えながら、ものづくり人材の育成の強化に取り組んでまいります。
次に、会津地域の漆や酒造などの地場産業振興を担う人材の育成につきましては、会津漆器協同組合や県酒造組合などの事業主団体等が行う後継者の育成や技能の継承を目的とした認定職業訓練に対する運営支援を行うとともに、ハイテクプラザ会津若松技術センターにおける醸造などの技術指導や漆を活用した商品開発支援などを行っているところであります。
今後とも関係機関との連携のもと、地場産業の振興を担う人材の育成に積極的に取り組んでまいります。
農林水産部長(小野和彦君)お答えいたします。
木質バイオマスの発電への利用につきましては、木材チップ等の木質燃料製造施設や火力発電所における燃料供給施設の整備、燃料となる木材の安定供給を図るための森林内の路網整備や高性能林業機械の導入、木材の運搬経費などの支援に取り組んでいるところです。
今後とも森林整備の加速化と地域内での森林資源の循環利用につながるよう、木質バイオマスの発電への利用の促進に向けて積極的に支援してまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
社会資本整備総合交付金事業におけるゼロ国庫債務負担行為の制度化につきましては、年度初めに工事に着手できることから、降雪により工事の施工期間が制約される積雪関連地域において、工期の確保や施工時期の平準化等に効果があると考えております。
このため本年7月には、制度化について北海道・東北地方知事会を通じて国へ要望しており、今後とも関係道県や市町村と連携し、必要性を訴えてまいります。
次に、会津縦貫道につきましては、北道路のうち喜多方市から会津若松市間の約13キロメートルが自動車専用道路で結ばれ、残る南道路との接続区間については、来年度での補助事業新規採択を国に要望しており、南道路については下郷町から南会津町までの約21キロメートル区間を国と連携し、計画的に整備を進めているところであります。引き続き関係機関と連携を図り、事業区間の整備を推進するとともに、未着手区間の調査を進め、会津地方の高速ネットワークの早期形成に向け、全力で取り組んでまいります。
次に、市町村における空き家等実態調査につきましては、空き家等の所在や状態、周辺環境への影響を把握するために行われており、喜多方市など4市町村で調査が完了し、現在、会津若松市など20市町村で実施しているところであります。
次に、空き家対策における市町村への支援につきましては、対策を進める上で必要となる実態調査に対し昨年度から補助金を交付しているところであり、さらに本年8月からは空き家対策を総合的かつ計画的に推進するため、関係部局、市町村及び関係団体で構成する空家等対策連絡調整会議を設置し、広範かつ専門的な見地から技術的助言や先進事例の情報提供等を行っております。
県といたしましては、今後とも空き家対策の促進に向け市町村の取り組みを積極的に支援してまいる考えであります。
観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。
外国人の観光誘客につきましては、東北観光推進機構や近隣県、国等と連携して海外旅行博での出展や招聘事業を実施し、会津地域を初めとする本県の魅力を発信してきたところであります。
今後はこれらの取り組みに加え、推進機構や近隣県等と連携して会津地域を含む新たな広域観光周遊ルートの設定や東京都との協定により新たに開設されたウエブサイトにおいて、会津地域を初めとした本県の観光情報の発信を行うなど、さらなる誘客に努めてまいる考えであります。
病院事業管理者(丹羽真一君)お答えいたします。
宮下病院につきましては、高齢化が進む奥会津地方の拠点病院として、救急搬送の受け入れを初め診療所等への医師派遣、訪問診療や訪問看護など地域に密着した医療サービスを提供しております。
今年度は外科の常勤医を新たに配置して5名体制にするなど、診療体制の充実を図るとともに、病院建物の耐震化工事の実施や最新の医療機器の導入など宮下病院の充実に取り組んでいるところであります。
病院局長(佐竹 浩君)お答えいたします。
旧会津総合病院及び旧喜多方病院の跡地につきましては、病院事業会計として有償による譲渡を基本としております。
旧会津総合病院の敷地面積が約3万平方メートル、旧喜多方病院の跡地面積が約8千平方メートルと、市街地の中心部にまとまった土地があり、まちづくりと密接不可分でありますことから、地元市等の土地利用を確認しながら丁寧に対応してまいる考えでございます。
教育長(杉 昭重君)お答えいたします。
正規教員の増員につきましては、教職員の数は法律に定める基準に基づいて決定されており、採用者数の算定に当たっては、児童生徒数の推移や退職予定者の動向等を見きわめながら決定していることから、今後とも本県の児童生徒の教育を担う優秀な正規教員をできるだけ多く採用できるよう努めてまいる考えであります。
次に、小規模な市町村立小中学校への教職員配置につきましては、いわゆる標準法に基づく教職員配置に加え、指導が困難な複式学級を持つ学校や中学校で教科担任が不足する学校に非常勤講師を配置して指導体制の充実を図っているほか、養護教諭や学校事務職員が未配置の小規模校においては、近隣校の協力や学校事務の共同実施などにより対応しているところであります。
今後とも小規模校において十分な教育活動が展開できるよう支援してまいる考えであります。
次に、薬物乱用防止教育につきましては、児童生徒に薬物に関する正しい知識を身につけさせ、適切に意思決定や行動選択ができる力を育むことが重要であることから、教育指導上の重点の1つとして位置づけ、保健学習を中心とした事業や外部講師を活用した薬物乱用防止教室などを通して、児童生徒の発達段階に応じた薬物乱用防止教育を推進しております。
今後とも関係機関と連携を図りながら、各学校における指導が一層充実するよう努めてまいります。
次に、土曜授業につきましては、各学校の教育課程に位置づけた各教科等の授業や校外学習、体験活動、家庭、地域と連携した学校行事などを行っているところであり、昨年度は2つの町の8校で、今年度は15市町村の142校で実施しております。