2017年6月定例会 代表質問 太田光秋議員
議員 | 太田光秋 |
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所属会派 (質問日現在) | 自由民主党 |
定例会 | 平成29年6月 |
質問等 | 代表質問 |
質問日 | 6月23日(金曜日) |
43番(太田光秋君)自由民主党議員会の太田光秋であります。
ことしの3月、私の地元の青年が福島県警察学校へ入校することを報告に来てくれました。「福島県のために頑張ります。」。野球部で鍛えられた真っ黒な顔に満面の笑みを浮かべて話をする彼の瞳は輝いており、実に頼もしいなと感じました。また、6年前幼かった彼の姿を思い出し、月日の流れを改めて感じたところであります。
この6年間、福島県民はそれぞれ悲しい気持ち、つらい気持ちを持ちながらもそれらを胸に秘め、いただいた御支援に感謝をしながら、励まし合いながら、助け合いながら、それぞれの地域でさまざまな課題がある中で必ずふるさとを復興させるという強い意志のもと、前に向かって努力を続けております。さらに、若者たちは復興のバトンを受け継ぐという情熱と覚悟を持って、自分たちには何ができるかをしっかりと考え続けています。
これら県民の皆様のふるさと福島への思いを受けとめて、復興・創生2年目の今年度、復興を加速させ、基盤を強固にし、将来のすばらしい福島をつくるため、我々自民党議員会は今後とも一致結束し、国と連携し全力で活動することをお約束し、質問に入ります。
初めに、県の行財政運営についてであります。
5年間の集中復興期間が終了し、復興・創生期間の2年目となる今年度の一般会計当初予算額は1兆7,184億円であり、うち復興・創生分は8,750億円となっております。自民党県連は、県やさまざまな団体と協力し、財源確保に対して要望活動等を行ってまいりましたので、この大型予算を組めたことは大変うれしいことであります。
本年度は、この予算を活用し、復興をさらに加速させるとともに、福島ならではの地方創生を一層果敢に推進していかなければならないと感じております。
こうした中で、今後も本県を取り巻く諸課題に適切に対処するためには、将来的に必要な財源を具体的に国に対してしっかりと求めるとともに、刻々と変化する時勢を的確に捉え、年度間の見通しに立った計画的な財政運営を図っていくことが極めて重要であり、それこそが復興・創生の実現に向けた礎であると考えているところであります。
そこで、県は財政運営に際し、どのような中期的見通しを立てているのかお伺いいたします。
次に、執行体制についてであります。
今月5日に開催された福島県行財政改革推進本部会議において、県は平成32年度までの復興・創生期間の行財政運営のあり方について、引き続き復興・創生に重点を置いた現行の行財政運営方針の考え方を継承しつつ見直しを行うこととしました。
本県は、震災から6年が経過した今もなお世界でも前例のないさまざまな課題を抱えており、復興はいまだ道半ばにありますが、こうした課題に全力で取り組み、成果を一つ一つ積み重ねながら、復興と地方創生をさらに前に進めていく必要があります。
そのためには、復興・創生のおくれや県民サービスの低下が生じることのないよう、将来にわたりしっかりとした持続可能な執行体制を整備することが重要であります。
そこで、行財政運営方針の見直しの方向性を踏まえ、復興や地方創生を推進するための執行体制について、県の考えを伺います。
次に、福島イノベーション・コースト構想についてであります。
改正福島復興再生特別措置法が5月19日に施行されました。これまで我が党も県とともに要望活動を重ねてまいり、政府が本県の要望にしっかりと応えた内容であると感じております。
一部改正により法定化された福島イノベーション・コースト構想は、廃炉やロボット技術に関連する研究開発拠点の整備を初め再生可能エネルギーや次世代エネルギー技術の積極導入、さらには研究者や来訪者に向けた生活環境の確保や必要なインフラなど、さまざまな環境整備を推進することとしております。
構想の取りまとめから3年が経過し、楢葉遠隔技術開発センター、福島ロボットテストフィールドなど拠点の整備が進められており、今回の構想の法定化によってさらなる進展を期待しております。
そこで、知事は福島復興再生特別措置法の一部改正を踏まえ、福島イノベーション・コースト構想の推進にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
本構想をさらに強力に推進し、福島の復興を実現させるためには、浜通り地域等に所在する多くの県立高校において、高度な技能を習得し、復興の担い手として強い使命感を持った人材を輩出することが急務であると考えております。
そこで、県教育委員会は福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材の育成にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
イノベーション・コースト構想の中核となるロボットテストフィールドの拠点整備が進められており、5月22日に産学官連携のロボット産業推進協議会が設立され、その後六月一日には南相馬市と浪江町が地域発展のための協議を開始するなど、新たな産業集積や地元企業の参入による地域振興等、今後のロボット産業の取り組みに大きな期待が寄せられておりますが、将来像が見えにくいという声もあるのも事実であります。
私は、来年度以降順次開所するロボットテストフィールドを活用した関連産業の育成と集積の将来像をしっかりと描き、県民へ示していくことが大切であると考えております。
そこで、県はロボット関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
避難指示が解除された地域に初めて開校した小高産業技術高校が国のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールに指定されたことは、本構想を支え、福島の復興と将来を背負う人材育成に貢献するものであり、今後の被災地の復興に欠かせないものであると感じております。
ロボットテストフィールドの整備が進む中、今後本構想と連動した企業等との連携や充実したカリキュラムなど、当校ならではの特色ある教育内容を実践していくことが重要であると考えております。
そこで、県教育委員会は小高産業技術高等学校における人材の育成にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックについてであります。
3月17日に開催されたIOC理事会は、2020年東京オリンピック競技大会の野球・ソフトボール競技を県営あづま球場で開催することを正式に承認いたしました。野球・ソフトボール競技の本県での開催は、復興に弾みをつけることであるとともに、福島の子供たちに夢や希望を与えるものであり、大変うれしく感じているとともに、本県の魅力を発信する絶好の機会であると感じております。本大会の成功には、県民が一丸となって成功に向かって取り組んでいく気運の醸成が大切であります。
一方、オリンピックを一過性に終わらせることなく、オリンピック開催によって将来的なふくしま創生に役立てていくことが極めて重要であると考えております。
そこで、2020年東京オリンピック野球・ソフトボール競技の本県開催について、知事の思いをお伺いいたします。
次に、再生可能エネルギーについてであります。
福島新エネ社会構想は、未来の新エネルギー社会実現に向けたモデルを本県で創出し、福島を再生可能エネルギーの先駆けの地とすることを目指しており、2040年までの長期的で壮大な計画であります。
このたび復興推進本部会議において、水素社会実現に向けた水素プロジェクトの実証候補地として、浪江・小高原発旧予定地などを含む地点を推薦することが正式決定されたところであります。
このプロジェクトで製造される水素は、東京オリンピック・パラリンピックでの活用が予定されており、本県を世界に発信することができますし、浜通り地域において産業振興などさまざまな面で復興に弾みがつくものと大いに期待されており、県としても本プロジェクトを地域振興へつなげるべく、地元と連携し、積極的にかかわるべきと考えております。
そこでまず、福島新エネ社会構想における水素プロジェクトを浜通り地域の復興につなげていくべきと思いますが、県の考えをお伺いいたします。
福島新エネ社会構想の目玉の一つに再生可能エネルギー導入拡大に向けた送電線の増強が盛り込まれております。阿武隈山地や沿岸部において、風力発電、太陽光発電の計画に対応するためには、送電網の増強が必要であり、再生可能エネルギー導入拡大に向けては重要な事業であります。
去る3月15日、福島発電、東京電力、東邦銀行3社が出資をし、阿武隈山地及び沿岸部における再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、送電線、変電所の建設並びに運営を担う福島送電合同会社が設立され、2020年からの運用開始を目指すと聞いております。
昨年度には事業可能性調査を行い、いよいよ本格的なスタートとなりますが、送電線は3ルート計画されており、完成には時間もかかりますし、整備費は再エネ発電事業者も負担することから、参加事業者の理解を得ながらの取りまとめなど、調整に対してもいまだ課題があり、早急に対応していかなければならないと感じております。
そこで、県は阿武隈地域及び沿岸部における送電線の増強に向けどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、中間貯蔵施設についてであります。
中間貯蔵施設の用地交渉については、県からの人員派遣もあり、5月末現在、地権者の65%の物件調査が完了し、39%が契約を締結する中、受入・分別施設がほぼ完成し、土壌貯蔵施設も造成が進んでおり、秋の本格稼働が待たれるところであります。土地の所有者の皆様、立地町の重い決断に敬意を表するところであります。しかしながら、施設の全容から見ればまだ一部であり、今後さらに整備を加速させるべく対応を求められております。
また、市町村からの除去土壌等の搬出については、国は今年度50万立米程度の輸送を計画しておりますが、フレコンバッグを抱えた地元からは一日も早い搬出を望む声が大きく、我が党が要請し、昨年実現した学校現場からの搬出を含め、市町村の意向を踏まえた早期搬出について、県として国や市町村など関係機関と協議、調整をより一層進めるべきであると考えております。
そこで、県は中間貯蔵施設の整備促進と市町村の意向を踏まえた除去土壌等の早期搬出に向けどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、被災地における医療についてであります。
初めに、心のケア対策についてです。
県内外に避難している県民の多くは、避難生活の長期化を初めさまざまな生活環境の変化などによって、依然として高いストレス状態にあります。また、被災された方々の中には、大切な家族を失うなど心に深い傷を負ったまま、今もなお苦しみ、不適切なアルコール摂取に依存してしまう方もいらっしゃると聞いております。
被災者一人一人が直面している課題は、その人の受けた傷、その置かれた環境、復興の進捗状況等に応じてさまざまであり、必要なときに支援が受けられるような、一人一人の想いに寄り添ったきめ細やかな心のケアが求められております。
そこで、県は被災者一人一人に寄り添った心のケアにどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、相双地方の救急医療体制についてです。
ことし3月から4月にかけて、川俣町、浪江町、飯舘村、富岡町の四町村の居住制限区域、避難指示解除準備区域が解除されるなど避難指示解除の動きが進んでおり、相双地方における医療提供体制の充実、再構築も徐々に進みつつあります。しかしながら、この地方の医師、看護職員の数はいまだに震災前を大幅に下回る状況にあるなど、引き続き対策を進めていかなければならない課題が山積しております。
特に救急医療については、三次救急医療施設である救命救急センターが相双地方に存在せず、地域内でより高度、専門的な救急医療の充実が必要になっております。富岡町には(仮称)ふたば医療センターの整備が進められておりますが、周辺の救急医療機関との連携も必要であると考えております。
そこで、相双地方の救急医療をどのように充実させていくのか、県の考えをお伺いいたします。
次に、相馬地域の透析医療についてです。
相馬地域の透析医療については、双葉郡で透析を実施していた医療機関が休止しており、患者を相馬地方の医療機関で受け入れていることや、看護師や臨床工学技士等の医療従事者が不足していることから、新たな患者の受け入れが困難な状況が続いており、地域で透析を実施している医療機関個々の受け入れ拡大の努力だけでは対応できない状況になっております。
透析を必要とする患者は、今後もふえていくものと思われ、その多くの方が高齢者であることから、身近なところで透析ができる療養環境づくりは極めて重要であると考えております。
そこで、相馬地域の透析医療をどのように充実させていくのか、県の考えをお伺いいたします。
次に、認証GAPの取得推進についてであります。
知事は、去る5月15日にJA福島中央会大橋会長とともに我が党の小泉進次郎農林部会長が立ち会いのもと、GAP取得日本一を目指す「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を発表されました。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会への食材調達基準にGAP認証農産物が該当することとなっており、オリンピック・パラリンピックを通じて本県農産物の安全性を改めて世界に発信できるものと考えております。
本県における第三者認証GAPの取得件数は平成29年3月末で10件と決して多いとは言えない現状であり、2020年までの141件の目標達成のため、県は取得費用を全額助成、JAは支援体制の強化を図るとされております。2020年の目標達成とともに、2020年以降も継続して事業に取り組むことによって、ブランド力の向上、流通拡大による生産者の意欲向上、ひいては風評払拭につながるものと考えております。
そこで、「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」に込めた知事の思いをお伺いいたします。
次に、第69回全国植樹祭についてであります。
去る5月28日に富山県において、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、第68回全国植樹祭が開催されました。いよいよ来年は本県での開催であります。
天皇皇后両陛下におかれましては、震災後直ちに御来県いただき、県民に寄り添っていただき、励ましのお言葉を賜りました。我々は大変勇気づけられるとともに、そのお姿に深く胸を打たれたところであります。来年全国植樹祭において両陛下をお迎えし、お手植え、お手まきをいただきますことは、この上ない喜びであります。
先日の富山大会において、知事が富山県知事より全国植樹祭のシンボルである木製地球儀と、皇居内のエノキの種から長野県、富山県で大事に育てられた苗木を引き継がれました。福島の復興へ向けての思いの詰まったバトンタッチであったと感じております。
本県においても、ことし2月に基本計画が策定され、来年春の開催に向けた準備が進められております。我々森林・林業活性化推進福島県議会議員連盟においても、先駆けて記念植樹を行い、また先日は大会1年前記念イベントが開催されたところであり、引き続き大会の成功に向けて開催機運の醸成を図っていくことが重要であると考えております。
そこで、県は全国植樹祭の開催に向けどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、イノシシ対策についてであります。
イノシシ対策については、昨年度の捕獲頭数が目標の1万7千頭から1万8千頭を上回る約2万4千頭でありましたが、いまだ頭数はふえているとも言われており、引き続き個体を減らすための対応を急ぐ必要があると考えております。一方、県内で捕獲対策が加速するのに伴い、自治体や狩猟者は捕獲後の処分の対応で頭を悩ませております。
埋設処分する場合は、さらなる用地の確保や衛生面での対応が必要ですし、焼却処分する38市町村のうち35市町村では事前に解体処分が必要であり、作業負担が増大しております。
平成27年3月に策定された福島県イノシシ管理計画には、捕獲個体の適切な処分に関して、関係機関や自治体等と連携し、適切な処分のための環境整備について対応を検討するとされておりますが、もう2年が経過いたしました。現状を鑑み、早急に対応すべきと考えております。
そこで、県はイノシシ対策にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、JR只見線についてであります。
JR只見線は、地域住民の生活を支える基盤であるとともに、人口減少対策、地方創生に取り組む奥会津地域にとって、なくてはならない、かけがえのない路線であり、一日も早い鉄道復旧が強く望まれております。
今般、県と全会津17市町村が一丸となったこれまでのさまざまな取り組みが実を結び、県とJR東日本とで只見線の鉄道復旧に関する基本合意がなされました。これは復旧工事着工に向けた第一歩であると高く評価しております。
我が党においては、地元負担を軽減するため、災害復旧に取り組むJR東日本に対し、議員連盟が中心となって、国の支援を可能とする鉄道軌道整備法改正案の成立を目指しているところでありますが、一日も早い鉄道復旧を待ち望む地元の期待に応えるためには、これからも県が先頭に立って取り組みを加速化させなければなりません。
そこで、只見線復興推進会議検討会の座長である鈴木副知事はJR只見線の復旧工事への早期着手及び利活用の促進にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、浜通り地域の交通体制についてであります。
まず初めに、常磐自動車道の整備についてであります。
常磐自動車道が全線開通し、2年が過ぎ、産業、医療、交流などさまざまな面で効果を発揮しております。私の地元の南相馬市鹿島区にあるサービスエリア「セデッテかしま」は、ゴールデンウイーク期間中の集客数は約12万人となるなど年々増加しており、地域経済にとっても大変大きな効果をもたらしていると実感しております。
また、(仮称)大熊インターチェンジとならはスマートインターチェンジが2019年3月、(仮称)双葉インターチェンジが2020年3月にそれぞれ完成する予定であり、双葉郡の復興に大きな役割を果たすものと感じております。しかし、ほとんどが片側1車線区間であり、交通量の増大や無理な追い越しなどに伴い、死亡事故を含めた交通事故の発生件数も増大しております。
常磐自動車道常磐富岡インターチェンジ─新地インターチェンジ間の計画交通量は最大1日8,100台ですが、現在既に1日平均8,800台から12,000台の交通量があり、計画を超えておりますし、中間貯蔵施設の本格輸送時の輸送台数は1日1,500台以上とされており、渋滞や事故発生の危険性がさらに高まると考えられ、早期の全線4車線化が不可欠であります。
そこで、県は常磐自動車道の全線四車線化に向けどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
また、避難解除された南相馬市小高区においては、通勤や緊急搬送等を考慮し、スマートインターチェンジの整備が強く求められており、浜通りの復興に欠かせない事業であることから、県として積極的にかかわっていくべきと考えております。
そこで、県は南相馬市小高区におけるスマートインターチェンジの設置に向けどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、被災12市町村における公共交通の充実についてです。
原発事故からの再生・復興を果たすためには、住民の皆様の生活環境を一つ一つ着実に回復させていくことが極めて重要であります。とりわけ住民生活に密接にかかわる公共交通については、この4月に広域幹線バスの運行が一部で再開されるなど一定の進展があったところですが、被災12市町村全体から見れば、まだまだ道半ばの状況であることは否めません。
先ほど申し上げました改正福島復興再生特別措置法においては、持続可能な地域公共交通網を形成するため必要な措置を講ずると明記されるなど、公共交通の再生に向けた国のかかわりや重要性が法的にも明確化されました。この法改正を追い風にして、帰還した住民や新たな住民、さらには被災地を訪れる皆様の利便性の確保を十分視野に入れながら、都市や拠点間を結ぶ広域的な公共交通網の整備に向けた取り組みを一層加速させなければなりません。
そこで、被災12市町村における広域バス路線を初めとした公共交通のさらなる充実に向けどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお伺いいたします。
次に、教員の授業力の向上についてであります。
県教育委員会は、本年3月に頑張る学校応援プランを策定し、学力向上など、本県教育の現状を分析し、課題克服に向けて5つの主要施策を掲げ、戦略的に実行するとしております。
主要施策の一つの「学力向上に責任を果たす」では、公立小中学校において授業のポイントなどを示した授業スタンダードを活用し、「学びのスタンダード」推進事業を実施していると聞いております。児童生徒に確かな学力を身につけさせることは大変重要なことでありますが、これまでなかなか成果に結びついてこなかったのが現状であります。
このプランを実現させていくためには、教育委員会と学校現場が本県の学力の現状に危機感と責任感を共有して、全国の成功事例を積極的に取り入れるなど、教員の授業に対する意識や取り組みを改善することが極めて重要であります。
そこで、県教育委員会は教員の授業力の向上にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、いじめ問題についてであります。
平成27年9月に発生した会津地方のいじめによる重大事態について、いじめ防止対策推進法第30条第3項の規定に基づき、県いじめ問題調査委員会がまとめた調査結果報告書が本議会に提出されました。この報告書では、いじめに対する学校の不適切な対応について厳しく指摘され、11項目にわたる再発防止に向けての提言がなされており、また県教育委員会はこの調査結果について大変重く受けとめると表明しております。
子供たちにとって、学校は楽しいところでなくてはなりません。行きたくない場所や行きたくても行けない場所であってはなりません。子供たちは元気に学校へ登校し、勉強やスポーツに打ち込んだり、友と語り合ったり、いろいろな経験を通して成長していきます。
家族は、子供たちが汗を流して頑張る姿や学校での出来事を目を輝かせて話をする笑顔などに励まされ、元気をもらっております。いとおしい子供たちがいじめに遭って、苦しんだり辛い思いをしたりすることで、楽しい学校生活を送れないことは絶対にあってはならないことです。
各学校は、このような重大事態が二度と起こることのないよう、提言の内容を教職員全員に十分理解させ、再発防止に向けた実効性のある取り組みにつなげていくことが重要であると感じております。
そこで、県教育委員会は県いじめ問題調査委員会がまとめた調査結果報告書を踏まえ、いじめ問題にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
次に、警察行政についてであります。
被災地では、避難者の帰還が徐々に進んでいるところであり、県警察では帰還者が増加しつつある現状を踏まえ、復興に資する治安対策を最重要課題と位置づけ、避難地域における警察力を増強し、警戒活動や帰還住民への訪問活動、大規模検問などを推進しているところであります。
しかし、帰還した住民の治安に対する不安を払拭するためには、警察力のみならず、今後は地域全体の力を結集した防犯活動が重要になってくるものと思います。
そこで、避難指示が解除された地域における今後の防犯対策について、県警察の考えをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)太田議員の御質問にお答えいたします。
福島イノベーション・コースト構想につきましては、今般の福島特措法の一部改正により、国家プロジェクトとして位置づけられ、各拠点の整備とあわせ、新産業や雇用の創出などを具体的に進める新たな段階を迎えております。
このため、国においては、関係閣僚会議を創設し、省庁間の連携を強化するとともに、福島復興再生協議会のもとに分科会を設けることとしております。
こうした国の動きにあわせ、県においても先月推進本部を立ち上げ、庁内の推進体制を強化するとともに、産業集積や交流人口の拡大など5つの重点方針を掲げ、取り組みを進めることといたしました。
さらに、この夏を目途に産学官連携等の中核的な機能を担う推進法人を設立し、構想をさらに推進してまいります。
今後は、国において決定される見込みの基本方針や必要な施策を盛り込んだ新たな重点推進計画など、法定化による枠組みを活用しながら、産学官一体となって構想の具体化を推し進め、世界が注目する浜通りの再生はもとより、福島県全体の復興・創生に資するよう全力で取り組んでまいります。
次に、東京オリンピック競技の本県開催についてであります。
3月のIOC理事会において、野球・ソフトボール競技の一部が県営あづま球場で開催されることが正式に決定いたしました。
2020年は、東日本大震災の発生から10年の節目の年であり、福島の復興が着実に進んでいる姿とこれまでの温かい御支援への感謝を国内外に発信する絶好の機会であります。
私は、オリンピックという世界最大のイベントの県内開催を契機に、本県選手の競技力の強化はもとより、農産物や伝統工芸品などの県産品の大会での活用や県産水素エネルギーの研究開発の推進、外国人旅行者の受け入れ態勢の充実など、さまざまな分野で関係団体と連携し、挑戦を続けていくことが重要だと考えております。
このため、オール福島による推進組織を2020年東京オリンピック開会式の3年前に当たる来月7月24日に立ち上げ、市町村や商工業、農林水産業、観光、スポーツ等の関係団体と一体となった取り組みを進めてまいります。
2020年まであと3年、福島県での競技開催が未来を担う子供たちを初め多くの県民が笑顔で選手を応援する復興五輪のシンボルとなるよう、官民が連携し、本県独自のさまざまな挑戦と復興・創生をさらに加速させてまいります。
次に、「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」についてであります。
先月JA福島中央会の大橋会長とともに行ったGAP認証取得日本一を目指すこの宣言に私は2つの思いを込めました。
1つ目の思いは、震災と原発事故で傷ついた生産者のプライドを認証取得のプロセスを通して新しい誇りとしてつくり上げていくこと、そしてもう1つの思いは、東京オリンピック・パラリンピックの調達基準をクリアして、福島のおいしい食材を食べていただくことにより、震災以降の国内外からの応援に対する感謝の気持ちを伝えていくこと、この2つの思いであります。
また、放射性物質対策を含む安全な農産物の生産工程管理であるGAPの実践は、本県農林水産物の風評を払拭し、GAP認証を取引条件とする流通業界の動きを好機として、市場での福島県の優位性を高めていくことにもつながると考えております。
昨年度までの認証件数は10件でありましたが、宣言後この1カ月で新たに認証取得に着手した数が23件に上るなど、多くの皆さんが動き出しています。
消費者の皆さんから信頼され、選択していただける産地づくり、そして「ふくしまプライド。」として実を結ぶよう、JAを初めとする関係機関と密接に連携をしながら、指導者の育成や本県独自の新たな認証制度の創設などに積極的に取り組んでまいります。
次に、被災12市町村における公共交通の充実につきましては、ふるさとへの帰還に向けた生活環境の回復を図る上で極めて重要であります。
今月3日開催されました12市町村の将来像検討会の席上においても、複数の市町村長や有識者委員から公共交通の早期再開や充実を求める意見が数多く出され、私自身改めて将来を見据えた着実な取り組みの必要性を強く認識したところであります。
県では、これまで関係市町村や交通事業者、有識者等による法定協議会を設置するとともに、ことし4月に運行開始となりましたいわき─富岡間を初め3つのバス路線の財源確保や広域調整に取り組んでまいりました。
今後は、復興の進展に応じた地元市町村の強い要望等を踏まえ、新たなバス路線として、年度内に川内から小野方面及び南相馬から医大方面、来年4月には富岡から川内方面の3路線の運行開始を目指し、取り組んでまいります。
さらに、今般改正された福島特措法において、公共交通に係る国の役割が明確化されたことから、これらを踏まえ、福島イノベーション・コースト構想や復興拠点等の進展など中長期の展開も視野に法定協議会等での議論を深め、今年度中には被災地域の公共交通に係るマスタープランを策定し、さまざまな施策を積み重ねることにより、住民が安心して日常生活を送ることのできる持続可能な公共交通ネットワークを構築してまいります。
その他の御質問につきましては、副知事等から答弁させますので、御了承願います。
副知事(鈴木正晃君)お答えいたします。
只見線の復旧につきましては、今般JR東日本との間で関係自治体を代表して県が鉄道施設の所有者となることや復旧工事に要する費用の負担割合などを定めた基本合意書、覚書を締結いたしました。
今後は、事業着手に当たり、事業費総額や工事期間などを盛り込んだ施行協定を別途締結する必要があることから、6月補正予算において債務負担行為の議案を提出したところであり、一日も早い全線復旧に向け、JR東日本との協議を加速してまいります。
また、只見線の復旧には国による支援も重要な要素となることから、現在自由民主党の国土交通部会等において審議が進められている鉄道軌道整備法の改正の動きを注視するとともに、法改正の実現に向け、要望活動等を通じて積極的に働きかけてまいります。
さらに、鉄道復旧の取り組みと並行して、年内には住民による鉄道利用の促進や観光、教育旅行などによる新たな利用機会の創出を図り、只見線の全線開通を地域振興に結びつける実効性の高い利活用計画を只見線復興推進会議検討会で取りまとめ、日本一のローカル線として多くの方々に愛され、利用される只見線をつくり上げてまいります。
総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。
財政見通しにつきましては、平成28年度から5年間を期間とする財政見通しを策定し、年度間の見通しに立った財政運営に取り組んでまいりました。
策定後2年が経過したことから、復興・創生期間における財源の枠組み等を踏まえた見直しを行うこととし、平成30年度からの3年間で復興・創生分の事業費を1.5兆円程度、うち今後確保が必要な財源を1.2兆円程度と見込むとともに、通常分については1,100億円程度の財源不足を見込んだところであります。
今後とも復興と地方創生の着実な進展に向け、長期にわたる十分な財源の確保を国に対して強く求めていくとともに、事務事業の効率化等にも努めながら安定的な財政運営に取り組んでまいります。
次に、執行体制につきましては、これまで正規職員や任期付職員の採用を初め他県や国の独立行政法人等からの職員の受け入れなど、多様な方策により必要な人員の確保に努めてきたところでありますが、本県の復興と地方創生をさらに加速していくためには、引き続き事業を着実に推進するための人員確保が必要であると考えております。
本年10月には、知事部局の職員定数を時限的に300人増員した職員定数条例の見直し期限を迎えることから、今後の職員定数の取り扱いについて検討を進めるとともに、復興・創生の進捗状況や中長期的な行政需要等を踏まえながら、引き続き適正な人員配置に努めてまいります。
企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。
阿武隈地域及び沿岸部における送電線の増強につきましては、送電網が脆弱なため事業化が困難であった風力発電や太陽光発電等の導入を拡大し、産業集積を図る基盤になるものであります。
これまで国や事業者等と連携しながら、再生可能エネルギーの利用可能量や送電ルート及び費用等の基礎調査を行い、事業採算性について検証してきたところであり、引き続きルートの具体化や整備手法、運営管理についての検討を進め、2020年の送電開始を目指し、基盤整備を着実に推進してまいります。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
中間貯蔵施設につきましては、5月末現在で全体の3割に近い461ヘクタールの用地が取得され、秋の本格稼働に向けた受入・分別施設の試運転が開始されたほか、年度当初から学校等現場保管分を優先して除去土壌等の輸送が進められております。
県といたしましては、今後増加する輸送量に的確に対応するため、計画的な施設整備を初め事業のさらなる加速化を国に強く求めるとともに、道路改修や運転者教育などの対策を適切に講じながら、輸送が安全、確実に実施されるよう、国、市町村等関係機関と協議、調整を進め、一日も早い除去土壌等の搬出に向け全力で取り組んでまいります。
次に、イノシシ対策につきましては、有害捕獲、狩猟捕獲、県の直接捕獲に加え、河川敷の刈り払いや侵入防止柵の設置など、地域ぐるみの総合的な対策を講じた結果、昨年度の捕獲実績が目標を大きく上回ることができた一方で、捕獲したイノシシの処分が課題となっております。
このため、市町村や猟友会と連携し、埋設処分に関する地域の合意形成への支援や既存の焼却炉を活用する際に必要となる解体作業の担い手の確保、さらには微生物による分解処理などの新たな手法も視野に検討を深め、年内を目途に地域の実情に合った処分の仕組みが構築できるよう取り組みを進めてまいります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
被災者の心のケアにつきましては、一人一人の状況に応じたきめ細かな支援が必要であることから、これまで心のケアセンターによる個別訪問などを行ってきたところであり、今年度はさらにふるさとへ帰還された方などがより身近な場所で支援が受けられるよう新たな拠点を設置することとしております。
また、被災者が直面している課題は依然として深刻であることから、国と被災3県による会議や県外避難者の支援団体等との会議を通して課題や支援策の情報共有に努めるとともに、相談対応の充実や各種の生活相談と専門的な心のケアとの連携強化を図り、被災者一人一人に寄り添った支援に取り組んでまいります。
次に、相双地方の救急医療につきましては、浜通り地方医療復興計画に基づき、南相馬市立総合病院の脳卒中センターの整備や他の二次救急医療機関の医療機器整備等への補助を行ってまいりました。
さらに、双葉地域においては、ふたば救急総合医療支援センターの救急医が現地に駐在することにより、初期治療を開始するまでの時間を1時間近く短縮したほか、平成30年4月の開院を目指して整備している(仮称)県立ふたば医療センターを中心とした救急医療体制の構築を進めております。
今後も現在策定中の次期医療復興計画に基づき、設備整備に対して補助等を行い、救急医療機関の機能強化や連携体制の構築を支援することにより、相双地方の救急医療のさらなる充実を図ってまいります。
次に、相馬地域の透析医療につきましては、県、相馬郡医師会、地元医療機関との協議の場を設け、人工透析を実施している医療機関の透析患者の受け入れ枠の拡大や人工透析未実施の医療機関における新規透析患者の受け入れについて調整しております。
今後、現在策定中の避難地域等医療復興計画に基づき、人工透析機器等の整備、看護師等必要なスタッフの確保などの支援により、スピード感を持ちながら相馬地域における透析医療の充実に取り組んでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
ロボット関連産業の育成・集積につきましては、県内企業が広く参入できるよう、センサーなどの要素技術開発への助成や県産ロボットの導入支援等を行っているほか、先月には技術基盤の強化や取引拡大を目指し、200を超える企業、団体による産学官連携の協議会を設立したところであります。
今後は、世界に類のない開発拠点となるロボットテストフィールド等の整備を着実に進めるとともに、ロボットの実用化に向けた研究開発への支援や企業立地補助金等を効果的に活用し、最先端の研究者や企業を呼び込むなど、関連産業の育成・集積に積極的に取り組んでまいります。
次に、福島新エネ社会構想における水素プロジェクトにつきましては、水素社会実現に向けた国家プロジェクトであり、その中核となる再生可能エネルギーによる世界最大級の水素製造実証施設は福島復興の姿を世界に示す重要な拠点になるものであります。
このため、県では2020年度の実証開始に向け、実証予定地の整備を行う浪江町に職員を派遣するなど、国や実証事業者と連携しながら本プロジェクトを推進するとともに、福島再生可能エネルギー研究所との連携による県内企業の技術開発や水素関連分野への進出を支援することにより、浜通り地域の復興につなげてまいりたいと考えております。
農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。
全国植樹祭につきましては、「育てよう 希望の森を いのちの森を」を大会テーマとし、南相馬市の海岸防災林を式典会場に、被災地で初めて開催する大会であります。
そのため、復興・創生の歩みを進める本県の姿、震災以降の支援に対する感謝の気持ち、命を守り、未来へと希望をつなぐ森林づくりを表現する式典構成の検討を進めるとともに、全国植樹祭のシンボルである木製地球儀の全ての市町村への巡回展示、200日前、100日前イベントの開催、植樹祭会場で使用する苗木を131の小学校で育てるスクールステイ等を通じ、全県的な開催機運の醸成にしっかり取り組んでまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
常磐自動車道の4車線化につきましては、東日本高速道路株式会社において今月1日、いわき中央─広野間の着工式を行い、本格的な工事に着手したところであり、広野─新地間での6カ所の付加車線設置工事とあわせて平成32年度の完成を目指しております。
県といたしましては、全線開通後、交通量が大幅に伸びている中、安全な通行の確保と浜通り地方全体の復興を推進するため、全線4車線化の早期実現に向け、引き続き関係機関との調整を積極的に行うとともに、沿線自治体等と連携し、国等に強く働きかけてまいります。
次に、南相馬市小高区におけるスマートインターチェンジにつきましては、イノベーション・コースト構想におけるロボット関連産業の集積など、浜通り地方の産業と雇用の回復や地域の活性に寄与することから、現在南相馬市が主体となり、県や国等の関係機関と設置位置や構造などの具体的な検討を進めているところであります。
県といたしましては、引き続きスマートインターチェンジの設置を国等へ強く働きかけるとともに、関係機関との協議が着実に進むよう南相馬市へ技術的助言を行うなど、しっかりと支援してまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材につきましては、工業及び農業分野において即戦力となる技術者のほか、トップリーダーとして構想を推進する研究者や起業家などを育成することが重要であります。
このため、今般補正予算を計上し、構想対象地域の9つの高校において、構想を支える人材を育成する手法の可能性を調査することといたしました。
今後は、自治体や大学、企業との連携を図りながら、各学校の特色を生かした魅力ある教育プログラムを開発し、構想の実現に貢献する人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。
次に、小高産業技術高等学校につきましては、今年度から文部科学省のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールに指定され、福島イノベーション・コースト構想の実現に寄与する人材の育成に先行して取り組んでおります。
今後は、工業科において、ロボットやドローンの制御及び再生可能エネルギーによる効率的な発電方式などを学習するとともに、商業科において、企業活動の疑似体験を通してビジネスの全体像を学習することなどにより、復興に向けた新たな技術を開発する力やビジネスモデルを発想する力を育成し、地域に貢献する専門的職業人を育んでまいります。
次に、教員の授業力の向上につきましては、個々の指導力を高めるとともに、教員相互の学び合いにより授業の改善を図ることが不可欠であることから、学校における組織的な対応が重要であると考えております。
このため、今年度新たに県内14地区に28のパイロット校を指定し、小学校では、算数などの教科において、専門性にすぐれた教員が学級担任にかわって授業を行う教科担任制を、中学校では、数学科などにおいて、一人の教員が複数の学年の授業を担当する、いわゆる教科の縦持ちを導入するなど、先駆的な取り組みを行っております。
今後は、これらチームで指導する実践例を公開授業や成果報告会などを通して県内全域に普及を図り、教員の授業力の向上に取り組んでまいります。
次に、いじめ問題への取り組みにつきましては、各学校において児童生徒の発するサインを見逃すことなく適切に認知し、早期に対応することが重要であります。
このため、今回の調査結果報告書を県立学校の教員一人一人に配布するとともに、本事案に基づいた校内研修会を実施し、改めて教員のいじめ問題に対する理解を深めることといたしました。
研修においては、児童生徒への定期的なアンケート調査や個人面談などから得られた情報を各教員が速やかに共有し、チームとして適切に対応するよう徹底することにより、いじめの再発防止にしっかりと取り組んでまいります。
警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。
避難指示が解除された地域における防犯対策につきましては、警察の警戒活動に加え、復興事業者や民間パトロール隊と警察との合同によるパトロールを推進してきたほか、避難により失われた地域の防犯力を補うため、自治体へ働きかけて、犯罪が予想される地区への防犯カメラの設置促進を図ってきたところです。
今後は、帰還する住民の増加に伴い、窃盗などの犯罪の増加も懸念されることから、避難により活動を停止していた防犯指導隊など防犯ボランティアの再構築を強力に支援することによって地域の防犯力の回復を図るほか、引き続き民間パトロール隊との合同パトロールを推進することなどで、帰還した住民や帰還を考えている方の不安の払拭に努めてまいる考えであります。