2017年6月定例会 一般質問 伊藤達也議員
議員 | 伊藤達也 |
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所属会派 (質問日現在) | 公明党 |
定例会 | 平成29年6月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 6月28日(水曜日) |
7番(伊藤達也君)公明党の伊藤達也です。通告に従い、質問をさせていただきます。
初めに、改正福島復興再生特別措置法についてであります。
5月19日に改正福島復興再生特別措置法が施行され、福島復興加速へさらなる期待が高まっています。公明党も県並びに被災自治体と連携し、現場に即した法改正を強力に推進してきましたが、何よりもいまだ避難生活を余儀なくされてい る多くの方々の心情を思えば、再スタートと捉え、確実に復興加速をしていくことが重要であると考えます。
同法が7市町村にまたがる(1)帰還困難区域に居住可能な復興拠点を設け、除染やインフラ整備を一体的に推進、5年後をめどに避難指示の解除を目指す、(2)全国各地に避難した児童生徒へのいじめ問題の根絶に向けた国の支援、(3)農産品の風評被害対策、(4)商工業再開を支援する官民合同チームの体制強化、(5)ロボット開発などの新産業創出を目指す福島イノベーション・コースト構想の推進、これらを法定化したことの意義は大きいと確信します。
私は、法改正を受け、今こそ知事が先頭に立って復興の加速化に取り組んでいくことが重要であると感じております。
そこで、知事は本県の復興の加速化に向けどのような思いで取り組んでいくのかお伺いいたします。
帰還困難区域の状況は各自治体によってさまざまであり、市町村の意向を十分に踏まえつつ、震災から既に6年3カ月が経過しており、避難されている住民のふるさとへの帰還への願いをかなえるため、遅滞なく着実に進める必要があります。
そこで、県は特定復興再生拠点区域の整備を早急に進めるためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
今回法定化されたイノベーション・コースト構想に基づき、国内随一のロボットテストフィールドや国際産学官共同利用施設などの国際的な研究拠点が計画整備されてきております。重要なのは、これらの拠点に国内外から多くの来訪者を呼び込み、交流人口の拡大につなげることであると考えます。
そこで、県は福島イノベーション・コースト構想に基づく拠点を活用した交流人口の拡大にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
さらに、県は避難解除区域の営農再開に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、沖縄県との交流についてであります。
平成15年2月13日、本県と9・11テロの風評被害を受けていた沖縄県との間でうつくしま・ちゅらしま交流宣言を締結し、現在も継続中の雪だるま親善大使派遣事業やさとうきび大使派遣事業を初めとしたうつくしま・ちゅらしま総合交流事業が行われました。宣言文にあるとおり、本県と沖縄県は豊かな自然や歴史や文化に彩られた独自性や多様性、また風評被害の経験という共通点を持っており、今こそ福島復興と沖縄振興のきずなをさらに強めるべきだと考えます。
そこで、県はうつくしま・ちゅらしま交流宣言を生かしながら相互の観光や経済のさらなる交流発展に取り組むべきだと考えます。
また、うつくしま・ちゅらしま交流宣言締結当時は平成6年9月から続く両県を結ぶ航空路線があり、一時は年間8万9千人以上が利用していました。平成21年度以降は航空路線が途絶えており、やはり沖縄定期路線、いわゆる「うつくしま・ちゅらしまエアエクスプレス」の再開が福島県と沖縄県の交流拡大と相互の経済、観光の拡大に寄与すると考えます。
また、本県から沖縄県への避難者は本年3月時点で389人おり、定期路線があれば、心理的にふるさとへの距離がより近くなるのではないでしょうか。福島県は、チャーター便運航の航空会社への補助や旅行会社への支援、着陸料や停留料の減免措置等を行っていますが、沖縄定期路線の再開に向けた新たな働きかけが必要だと考えます。
沖縄定期路線再開には、観光交流需要の喚起が必要であり、やはり相互の観光素材を生かした教育旅行の充実を図るべきと考えます。
今月15日、公明党福島県議団は沖縄県を訪問し、公明党沖縄県議団と意見交換を行い、うつくしま・ちゅらしま交流宣言のさらなる深化と定期路線再開に向けて、両県の公明党県議団により、両県の協議会などの連携体制の構築に向けて協力していくことを確認いたしました。あすの沖縄県議会の代表質問でも提案される予定です。
そこで、定期路線再開を初めとした沖縄県との交流の推進に向け、協議会の設置等を検討すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
次に、日本橋ふくしま館ミデッテについてであります。
首都圏の情報発信拠点である日本橋ふくしま館は、開館から3年が過ぎ、来館者が100万人を超えるなど好調な運営を続けています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、今後海外から大勢の外国人観光客やマスコミ関係者等の訪日が見込まれています。
ことし12月には県八重洲観光交流館との発展的統合を控え、本県が誇る日本酒を初めとした県産品や県内観光の魅力を伝え、より一層の集客を図る必要があると考えます。
そこで、県は日本橋ふくしま館の集客力を高めるためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、航空宇宙産業集積の推進についてであります。
福島県は航空宇宙産業の集積を図っていますが、航空機のパーツは約300万点と裾野が広く、航空宇宙産業クラスターの形成は本県の地域産業の発展と雇用創出に大きく貢献すると考えます。
同じく航空宇宙産業の集積に力を入れ、全国一の生産額を誇る愛知県では、主に炭素繊維を活用した機体部分のシェアが高く、今後はエンジン分野への進出を模索しており、エンジン分野で強みを持つ本県として、まずは航空宇宙産産業への進出に必要なJISQ9100やNadcapなどの認証取得の際の多額の費用や複雑な手続を解消するため、県によるコンサルタント派遣や認証審査費用の補助等の支援策の継続と拡充を行いながら、現在の強みを生かしたエンジン分野でのクラスター集積や航空宇宙産業におけるJAXAとの共同研究の推進を図るべきと考えます。
そこで、県は航空宇宙関連産業のさらなる育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、救急医療の充実についてであります。
浜通りを中心に医療施設や医療人材の不足が課題となっています。本県は全国で3番目に面積が大きく、人口密度が低い特徴があり、それぞれの地域に24時間対応可能な必要な施設と人材を確保するのは非常に困難です。
例えば交通事故等の外傷患者の死亡率は経過時間とともに増加し、外傷から1時間以内に手術などの根本的治療を行えば救命率は高まります。また、受傷から治療開始までの時間がその後の機能回復に大きく影響します。
現在、本県の救急車の搬送時間は通報から病院到着まで43.4分となっていますが、相双地域は通報から病院到着まで75分となっており、1時間以内の治療開始は困難であり、早急に救急医療体制の充実が求められています。
そこで提案ですが、ヨーロッパのようにドクターヘリでの搬送体制を強化し、県内4カ所の三次救急医療病院を初め症状に合わせて専門の名医のいる病院に搬送するシステムを構築すべきです。
例えばドイツでは、ドクターヘリの年間出動が8万227件で、15分以内の治療率も84%となっています。イギリスでは、ロンドン市内の至るところに着陸でき、トラファルガー広場にも月2回程度着陸しています。
本県は現在1機体制で8時30分から17時までの運航となっており、やはり計器飛行証明を持つパイロットを配置し、また消防防災ヘリコプターも活用したヘリコプターによる救急搬送の24時間態勢の確立や、現在は小中高校のグラウンドや運動場などに確保している県内491カ所の臨時ヘリポートについて、夜間運用も視野に、例えば常磐道のサービスエリアやパーキングエリアなどにもふやすなど救急搬送体制の強化を図るべきです。
救急医療の充実のためには、こうしたドクターヘリによる搬送力の強化とともに、医療機関における受け入れ態勢の整備など総合的な対応が必要であると思います。
そこで、救急医療の充実にどのように取り組むのか、県の考えをお尋ねいたします。
次に、高齢者施設等における自然災害対策についてであります。
昨年9月の台風10号による豪雨災害で、岩手県岩泉町の高齢者施設で入所者9人が死亡するなど痛ましい被害がありました。高齢者施設や障がい者施設では、非常災害対策計画の策定と計画に基づく避難訓練の実施が重要であると考えているところです。
そこで、高齢者施設等における非常災害対策計画の策定及び避難訓練への県の対応をお尋ねいたします。
また、今通常国会に提出されていた改正水防法が先ごろ成立しました。豪雨災害の同様の被害を二度と繰り返さない対策が急務となっております。
そこで、県は河川管理者として水防法の改正に伴う対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、再生可能エネルギーの普及啓発についてであります。
2040年にエネルギー需要の100%相当分を再生可能エネルギーで賄う再生可能エネルギー先駆けの地を目指す本県にとって、その実現のためには再生可能エネルギー導入への県民の理解を得る取り組みが不可欠だと考えます。
そこで、県は再生可能エネルギーの普及啓発にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、クールシェア事業についてであります。
米国のトランプ大統領はパリ協定からの離脱を発表しましたが、地球温暖化防止は避けては通れない世界共通の課題であります。
県では、本年3月に地球温暖化対策推進計画を改訂し、温室効果ガスを2013年度比で2030年には45%削減するとともに、従来からの省エネルギー等の取り組みに加えて、気温上昇に対応する適応策の取り組みなども盛り込んでおります。
その中で、新たにクールシェア事業への取り組みを加えておりますが、県はクールシェア事業にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、動物愛護施策についてであります。
本年4月に待望の県動物愛護センターが三春にオープンしました。今夏にはセンターの愛称が募集されます。また、5月19日に福島県、郡山市及びいわき市が県獣医師会と災害時における被災動物対策に関する協定を締結しました。
さらに、本年度は2回目のふれあい譲渡事業も開催されているとのことで、センターが核となり、会津支所と相双支所と連携しながら犬猫殺処分ゼロに向けた施策が大きく前進し、いずれ本県が動物愛護モデル県を宣言できる日が来ることを期待しております。
そこで提案ですが、動物愛護のさらなる推進を図っていくため、9月20日から26日の動物愛護週間に本県で動物愛護啓発事業を盛大に開催してはいかがでしょうか。その会場には、警察犬や盲導犬、聴導犬などの紹介ブースを設け、人と動物の共生社会の大切さを発信してはいかがでしょうか。
そこで、県は動物愛護の推進のため今後動物愛護週間事業をどのように実施するのかお尋ねいたします。
次に、有期契約労働者の雇用の安定についてであります。
無期転換ルールは、雇用期間の定めのある労働者が労働契約を繰り返して更新して通算5年を超えた場合、労働者が雇い主に対して期間の定めのない労働契約を申し込んだときに、雇い主はこれを承諾したものとみなされ、無期労働契約に転換できるものです。この無期転換ルールについて、非正規社員の85.7%が制度の存在や内容を知らないことが民間の調査会社の調べで判明しました。
調査は本年3月にインターネットで行い、回答は男女合わせて679人で、年代は20代から40代、雇用形態は同じ勤務先に6カ月以上働くパート、アルバイトや契約社員となっています。無期転換ルールを「知らない」と答えたのが58.6%、「知っているが、内容はよくわからない」と答えたのが27.1%でした。
無期転換ルールは、有期契約労働者の雇用の安定を目的に改正労働契約法に定められ、平成25年4月1日に施行されたことから、例えば平成25年4月から1年ごとの契約の更新を繰り返した労働者であれば、来年4月に更新した後、無期転換が可能になるものですが、当事者に十分浸透していない実態が浮き彫りになりました。
また、この調査は従業員30人以上の企業の経営者や人事担当者にも行っており、554人の回答がありましたが、企業が無期転換ルールをパート、アルバイトや契約社員に対し既に周知説明した割合は48.2%にとどまっている現状です。
そこで、労働者及び企業に無期転換ルールをより一層周知すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
最後に、朝河貫一博士についてであります。
福島県民が誇りと郷土愛を持ち続けるためには、福島県の歴史を学ぶことが重要だと考えます。特に本県が生んだ世界的歴史学者朝河貫一博士は、二本松市出身で、福島尋常中学校を卒業、イエール大学の教授を務め、日米開戦回避のため、ルーズベルト大統領から昭和天皇に親書を送るように働きかけを行った国際平和の提唱者であります。
博士の多くの功績は私たち福島県民としての誇りであり、その著書や論文、手紙や書状などは多言語に翻訳し、インターネット等で日本のみならず世界に広く情報発信するに値するものであります。
また、来年8月10日は朝河貫一博士の御命日で、没後70年を迎えますので、それらを記念し、県立図書館で「没後七十年 朝河貫一展」やシンポジウム等を開催すれば、県民に広く朝河博士の功績を周知する好機となると思います。
特に東日本大震災において海外から多くの支援を受け、世界とのつながりを改めて実感した本県の青少年に対して朝河博士の御功績を伝えることは、国際社会の平和と発展のために活躍できる人材の育成を図る上で重要であると考えます。
そこで、県教育委員会は朝河貫一博士の功績を多くの児童生徒に伝えるためどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)伊藤議員の御質問にお答えいたします。
復興への思いについてであります。
震災から7年目に入り、この春には常磐線の浪江─小高駅間の運転が再開し、相馬福島道路が一部開通したほか、4町村において帰還困難区域以外の避難指示が解除されるなど、復興は着実に進んでおります。
一方、今もなお多くの県民が避難生活を続けており、ふるさとへの帰還に向けた生活環境の整備を初め事業、なりわいの再建など課題は山積しております。
復興・創生期間の2年目となることしは、これまでの取り組みから次の段階へと一歩踏み出し、復興への流れを加速させていく大切な一年となります。
先般改正された福島特措法は、直面する復興の課題への対応に向けて大きな力となるものであります。これを最大限活用することにより、避難者の支援や特定復興再生拠点の整備、福島イノベーション・コースト構想の具体化を進めるとともに、風評・風化対策、地方創生や交流人口の拡大に積極的に取り組み、復興の加速化につなげてまいります。
今後とも市町村や国と力を合わせ、復興の歩みを強く確かなものとし、県民が将来に向かって誇りと希望を持つことができる魅力ある福島を築いてまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。
企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。
福島イノベーション・コースト構想における交流人口の拡大につきましては、先進的な施設や研究機関等の集積が進む浜通り地域等の優位性を生かし、来訪者の増加につなげることが重要であります。
今後は、各拠点と地域資源との組み合わせによる訴求力の向上、さらには研修、学会等の開催を促す取り組みについて、さまざまな角度から調査分析を進め、国内外からの新たな人の流れを創出し、本県の復興に取り組んでまいります。
次に、再生可能エネルギーの普及啓発につきましては、県民理解の促進や県民や地域と一体となった取り組みが重要であると考えております。
このため、県民に身近な公共施設での太陽光発電の率先導入や県内の先進的な施設における見学体験の実施とともに、発電事業の事業化支援セミナーの開催、さらには住宅用太陽光発電への補助等によりさらなる機運の醸成を図りながら、再生可能エネルギーの導入拡大に積極的に取り組んでまいる考えであります。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
クールシェア事業につきましては、地球温暖化対策の一環として今年度から新たに、7月から9月までの酷暑期に家庭でのエアコン等の使用を控え、あらかじめ登録された図書館や公民館、ショッピングセンターなどの施設で冷房を共有することにより家庭でのエネルギー使用量の削減等を目指す取り組みであります。
これまでにクールシェアスポットとして250を超える施設に登録いただいており、オープニングのイベントやさまざまな広報媒体を通じて広く周知を図り、省エネ意識の醸成につなげてまいります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
救急医療につきましては、県内に三次救急医療機関を4カ所設置し、運営費の支援を行うとともに、救急医が一刻も早く治療を開始できるよう、ドクターヘリを導入し、運用してまいりました。
引き続き、二次救急医療機関を含め、救急対応に当たる病院間の連携強化を図るとともに、今後は大規模災害に備えた関係機関による参集訓練の実施や昨年度県が開発した救急搬送受入支援システムについて全県的な展開を図るなど、救急医療のさらなる充実に取り組んでまいる考えであります。
次に、高齢者施設等の非常災害対策につきましては、これまで県所管の高齢者施設及び障がい者施設に対し、非常災害対策計画の策定及び避難訓練の取り組み状況を実地で確認するほか、事業者に対する集団指導等により災害の種別に応じた計画の策定等を促してきたところであります。
また、昨年度から県内全ての施設における計画の策定状況等の調査も実施しており、今後は調査結果を踏まえ、市町村とも連携し、施設に対し適切な指導を行ってまいります。
次に、動物愛護週間事業につきましては、広く県民に動物の愛護と適正飼養についての理解を深めるため、県内各地で啓発を行ってまいりました。
今後は、動物愛護センターにおいて、犬、猫の譲渡や警察犬などの使役犬の紹介、動物のしつけ方教室の実施に加え、ドッグランを活用した触れ合いや被災動物保護の記録写真が展示されているセンター内のスペースにおいて生命尊重や動物愛護を学ぶ機会を提供するなど、センターの特徴を生かした事業の充実に積極的に取り組んでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
航空宇宙関連産業につきましては、県内企業の参入を促進するため、これまでシンポジウムや航空宇宙フェスタを開催するとともに、参入に必要な認証取得や福島大学と連携した人材育成等を支援してきたところであります。
今年度は新たに、参入を目指す企業に対し、認証取得に必要な経費等を助成するほか、9月開催のエアロマート名古屋に出展し、県内企業の技術力をアピールしながら取引拡大を支援するなど、航空宇宙関連産業のさらなる育成・集積に向け、積極的に取り組んでまいります。
次に、無期転換ルールにつきましては、雇用期間の定めのある労働者の雇用の安定につながる制度であり、現在国において企業向けの説明会やセミナーで制度の周知を行っているところであります。
県といたしましても、今後ホームページやテレビ、新聞、市町村の広報紙等を通して制度の周知を図るとともに、企業を直接訪問するなど、関係機関と連携しながら、さまざまな機会を捉えて一層の周知に努めてまいります。
農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。
避難解除区域の営農再開につきましては、地域ごとに異なる復興の状況を踏まえながら、福島再生加速化交付金等の活用や技術指導など、ハード、ソフト両面の支援を行っているところであります。
また、本年4月からの相双復興官民合同チームとの連携強化による約1,400件の農業者への戸別訪問、人・農地プランの策定支援に加え、地域農業の面的再開と担い手確保を目指し、先端技術等の活用によるホウレンソウなど安定した需要が見込める園芸品目の大規模経営モデルの調査実施など、地域農業の再生を強力に進めてまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
水防法の改正に伴う対策につきましては、市町村長と関係機関で構成する県内8つの水災害対策協議会において、洪水時の逃げおくれによる人的被害を防止するための具体的な取り組み方針を年内に策定することとしております。
特に要配慮者利用施設の管理者に避難確保計画の作成が義務づけられたことから、河川管理者として関係部局や市町村と連携し、水害に対する危険性の周知や避難行動に活用する河川情報の提供など積極的に支援してまいる考えであります。
避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。
特定復興再生拠点区域の整備につきましては、市町村が復興再生計画を作成し、県に協議をした上で国の認定を受けることとなっております。
県といたしましては、市町村の意向が最大限に尊重された計画が認定され、拠点区域の整備が速やかに行われるよう、市町村による計画作成の段階から関係部局がしっかりと連携し、市町村、国との調整を進めてまいります。
引き続き帰還困難区域の復興・再生に向け全力で取り組んでまいります。
観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。
沖縄県との交流につきましては、子供親善大使の派遣を互いに行うとともに、県内自治体や学校、民間団体など、さまざまなレベルでの交流が行われております。
今後、歴史的にきずなの深い両県が友好関係を継続的に発展させていくためには、定期路線の再開を目指していくとともに、教育や文化、産業などのさまざまな分野で交流を深めていくことが重要であります。このため、県内市町村や関係団体、沖縄県と連携し、交流推進のあり方について検討を進めてまいる考えであります。
次に、日本橋ふくしま館につきましては、本県が誇る県産品や観光、定住・二地域居住に関する情報の発進力を強化するため、12月に八重洲観光交流館を統合し、館内をリニューアルするとともに、お客様のニーズに応え、開店時刻を早めて営業時間を拡大するなど、来館者数の増加を目指していくこととしております。
さらに、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、8月と9月を外国人誘客の強化月間として、免税店の機能を生かした新たなキャンペーン企画を展開するなど、集客力を高める取り組みを進めてまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
朝河貫一博士の功績を児童生徒に伝える取り組みにつきましては、郷土の偉人の業績等をインターネットで検索できるうつくしま電子事典に博士のページを作成し、授業で活用できるようにしているほか、中高生を対象に博士の名を冠した賞を制定し、日本人の国際社会におけるあり方や生き方等に関する論文募集を行っております。
今後は、表彰式での最優秀論文の発表に加え、英訳して県教育委員会のホームページに掲載するほか、博士の功績をまとめた資料を各中学校、高等学校に提供し、活用を促すなど、博士の功績を児童生徒に伝えてまいります。