2017年9月定例会 代表質問 三村博昭議員
議員 | 三村博昭議員 |
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所属会派(質問日現在) | 民進党・県民連合 |
定例会 | 平成29年9月 |
質問等 | 代表質問 |
質問日 | 9月22日(金曜日) |
48番(三村博昭君)民進党・県民連合の三村博昭です。9月定例会において、会派を代表して質問いたします。
内堀知事におかれましては、日ごろにおいて県政各般にわたり意欲的、精力的に取り組まれておりますことに心から敬意を表する次第であります。また、このような多忙な中にあって、東南アジア諸国を訪問し、本県の現状を発信され、さらに本県の特産品の輸出拡大に努められ、成果を見られましたことはまことに喜ばしいことであります。
本県は復興途上にあり、本県民関係者は知事の積極的な県政運営と行動に理解を深め、さらなる期待を寄せているのであります。今後におかれましても、県民の声と思いに応えられるとともに、県勢の発展に御尽力いただきたくお願い申し上げ、以下質問いたします。
まず、本県復興に必要な財源の確保についてであります。
9月定例会における知事説明において、知事は避難地域の復興・再生について福島復興再生協議会の取り組みに係る説明をされました。その中で、特定復興再生拠点区域の復興・再生や福島イノベーション・コースト構想の推進など、特に重要な7つの項目について確実な予算化や関係制度の充実を関係大臣に直接要望されたとのことであります。
復興途上にある現状において、知事のこれら国に対する直接の要望活動は今後の施策推進に大きな役割を果たすことになると思うところであります。来年度の国の予算として確実に確保されることが何より重要であります。
そこで、県は平成30年度の復興財源の確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、県産品の海外販路拡大についてであります。
マレーシア、ベトナムへの訪問の成果はマスコミ報道の範囲で知るところであります。歴史を顧みれば、アジア諸国の中には悲惨で悲しい現実がありました。私たちは平和な生活、平和な国家を目指し、築き上げて今日があります。御訪問された国々と本県が今後どのような関係を持って交流を展開することになるのか、その取り組みに期待するところであります。
交流の促進はさまざまなことが考えられますが、人々の交流、芸術文化の交流、産業経済の交流へとその流れを考えると、アジアの国々が身近に感じ、同時に県民の国際意識の高まりにつながると思うのであります。
その一方で、本県では3・11の東日本大震災に伴い発生した原子力災害により、県産農産物が受けた被害ははかり知れないものがあります。被災者は農業者ばかりではありませんが、水と土と天候を相手としての農業者の打撃は極めて大きいものでありました。
このような中、今回の知事トップセールスの成果の中でも、特に県産品の輸出促進に関し、県産農産物の輸出拡大に努められたことは、今後の県内の農業や食品産業の発展、ビジネス拡大のきっかけとなり、さらなる農業の振興につながるものとして大きな期待を持っているところであります。
そこで、トップセールスの成果を踏まえ、県産品のさらなる海外販路の拡大にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
次に、アジアの県人会との連携強化についてであります。
世界の国々で活躍されている本県出身者は数多くいると思いますが、インド、ベトナム、タイ、シンガポール、ミャンマーの県人会はアジアで初の県人会サミットを開催したとの報道がありました。アジアで活躍されている方々が県人会を組織し、連携して福島の魅力を発信されるということは、本県にとって大変力強いことであります。
県は、5県人会を初めとするアジアの各県人会の方々との連携と協力を得て、本県の魅力をアジア各国の人々にお伝えいただくことを積極的に取り組むべきと考えるところであります。
そこで、県はアジアの県人会との連携強化にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、福島空港についてであります。
福島空港が開港して、来年で25周年を迎えます。国際便については、平成11年6月に中国上海路線と韓国ソウル路線が相次いで定期路線化され、数多くの県民が利用し、また就航先からもたくさんの訪日客の利用がありました。
しかしながら、東日本大震災以降は原発事故の影響で両路線とも運休したままとなっており、非常に残念に思います。私は、外国人観光客の方々に福島空港を利用して本県へお越しいただくことこそが風評払拭を図る上で大変重要と考えております。
そこで、平成28年度における福島空港国際チャーター便の外国人乗客数についてお尋ねいたします。
また、先月知事のベトナム訪問の結果、福島空港の開港以降最多となるチャーター便が運航されると聞きました。ここ数年、台湾やベトナムからのチャーター便の就航については、報道でも目にする機会がふえ、便数もふえてきているように思われます。そして、こうしたチャーター便の先に定期便の就航があることを多くの県民が期待しております。
そこで、県は福島空港における国際定期路線の実現に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、豪雨災害対策についてであります。
本年7月に入り、台風や梅雨前線による記録的な豪雨により、九州北部、秋田県など、全国各地で甚大な被害が発生しており、本県においても会津地方が豪雨に見舞われました。被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
気候変動は予測しがたいものであります。特に9月から10月にかけては季節的に台風シーズンであり、今後も予断を許さないと思うところであります。先人の教えには、「災害は忘れたころにやってくる」、「備えあれば憂いなし」等がありますが、自然災害を未然に防ぐことはできないまでも、被害を最小限に抑える対策は必要であろうと考えるところであります。
大小河川が多い本県であります。大雨に伴い氾濫が予測される河川を掌握し、流域住民の避難等の対策等は講じていると思いますが、流域住民の安全確保のためには市町村との連携が欠かせないと考えます。
そこで、県は河川氾濫に備え、流域住民の安全確保のため、市町村とどのように連携していくのかお尋ねいたします。
平成29年度も半ばを迎えました。今年度の施策事業も順調に展開されていると思いますが、当初予算計上の1兆7,183億7,300万円のうち、経済活動に影響する商工費1,583億7,400万円、農林水産費1,121億5,000万円、土木費2,463億4,600万円の実施状況は県民への影響が考えられるところであります。
商工労働部における事業は、県内企業のうち大部分を占める中小企業、小規模企業の経営や地域における雇用の場の創出などを後押しする重要なものであり、確実な事業の実施が求められます。
そこで、商工労働部の平成29年度事業の進捗状況と年度後半における取り組みについてお尋ねいたします。
次に、農林水産部における現年、繰り越しを合わせた公共事業は約603億円と聞いております。
そこで、農林水産部における公共事業の8月末までの発注状況と12月末の発注見通しについてお尋ねいたします。
また、土木部における現年、繰り越しを合わせた公共事業は約2,760億円と聞いております。
そこで、土木部における公共事業の8月末までの発注状況と12月末の発注見通しについてお尋ねいたします。
次に、水産業の再生についてであります。
沿岸地域は、東日本大震災による地震と津波に加え、福島第一原子力発電所の事故により甚大な被害を受けました。震災から6年半が経過し、避難区域となっていた請戸漁港も整備が進み、本年2月には多くの漁船が港に戻って、にぎわいを取り戻しています。
水揚げのかなめとなる荷さばき施設は、復旧予定の12カ所のうち10カ所で整備が終了するなど、水産業生産基盤の復旧は着実に進んできております。また、今シーズンから松川浦のアオノリ養殖の試験操業も始まりました。一方、平成28年の試験操業の水揚げ量は震災前の8%にとどまっております。浜通りの産業振興には、水産業の再生は極めて重要であります。
そこで、県は水産業の再生にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、避難指示区域などの産業の振興についてであります。
3・11の東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故から6年半が経過いたしました。福島イノベーション・コースト構想に基づくロボットテストフィールドの整備が着実に進むなど、確実に復興を感じられる明るいニュースがある一方で、復興の機運に水を差しかねない企業立地補助金の不正受給事案が起こっております。
今後も同様な事態が発生しないよう、十分な検証を行い、発生防止のための対策が必要かと考えますが、本県の産業復興のためには、企業立地の促進、雇用の確保、地域振興等さまざまな取り組みをなお一層促進し、特に甚大な被害を受け、避難住民の帰還や産業の再生などを進めている避難指示区域等の復興を一日も早くなし遂げることが非常に重要と考えます。
そこで、知事は避難指示区域等における産業の復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
Jヴィレッジの活用についてであります。
Jヴィレッジは、平成9年に日本で初めてのサッカーナショナルトレーニングセンターとしてオープンして以来、サッカー日本代表の合宿やアルゼンチン代表など世界トップクラスの選手による利用、さまざまな年代の全国大会の開催など、まさに日本のサッカーの聖地として大きな役割を果たしてまいりました。
施設の再開については、雇用の確保など大変な御苦労もあるかと思いますが、来年度のJヴィレッジ一部再開を今から楽しみにしております。Jヴィレッジは、本県の復興を推進していく上で重要な役割を果たすものと考えますが、サッカー以外のスポーツ利用や本県に育つ若者の健全育成などを含め、幅広く活用していくべきであります。
そこで、本県の復興に向けJヴィレッジをどのように活用していくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてであります。
県は、3年後に控えた東京オリンピック・パラリンピック野球・ソフトボール競技の一部開催に向けて、官民連携による2020東京オリンピック・パラリンピック復興ふくしま推進会議を設立いたしました。本県での競技開催を成功させるためには、さまざまな関係機関が連携し、取り組む必要があり、東日本大震災から10年の節目となる2020年の大会開催においては、本県の復興の姿を確実に世界に示すべく、着実に準備を行う必要があると考えております。
オリンピック・パラリンピックという世界最大の国際的な競技大会でありますので、会場のあり方については組織委員会等との調整を行っていると聞いております。
そこで、県はあづま球場の改修にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
また、本県での競技開催に伴い、外国人などの来県も想定されるところであります。
そこで、県は外国人観客等の受け入れにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
さらに、東京オリンピック・パラリンピックにおいては、本県出身選手の活躍が期待されるところであります。
そこで、県はスポーツ選手の育成、支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
また、原子力災害、風評・風化という逆風に苦しむ福島県にとって、オリンピック・パラリンピック大会競技の一部が福島県で開催されることは、知事も所信演説で述べられたように復興五輪のシンボルとなるものであります。私も同感であります。福島県での開催が本県の復興の姿を世界に発信する絶好の機会であると考えます。
そこで、県は東京オリンピック・パラリンピックに向け復興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
最後に、福島県立矢吹病院の今後のあり方についてであります。
矢吹町に立地している県立矢吹病院は、公立では唯一精神科を備えた病院として精神科医療に貢献してきたところであります。当病院は昭和30年に設置され、増改築がされ、また看護職員寮等も併設された病院機能でありましたが、現在では老朽化が進み、医療活動に支障を来す状況にあると言われております。また、一般精神科に加えて子供の心のケアや司法精神科医療も県立病院に求められているところであります。
県は、矢吹病院の老朽化に伴い、改築と診療体制の強化に積極的に取り組むべきと考えますが、県立矢吹病院の今後のあり方について県の考えをお尋ねし、私の質問といたします。ありがとうございました。
議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)三村議員の御質問にお答えいたします。
県産品の海外販路の拡大についてであります。
先月のマレーシア、ベトナムへの訪問を通じ、私は県産農産物等の輸出にかかわる全ての人々の思いが情熱となって共鳴し、大幅な輸出拡大につながる成果があったと考えており、こうした成果はアジア、そして世界全体へと広がっていく可能性を感じたところであります。
マレーシアで面談した現地の貿易会社では、福島県の農産物を輸入する理由として、「福島の農産物は品質も高くおいしい。」、「ぜひマレーシアの人々に食べさせたい。」、「福島の熱意が伝わってきた。」などの声をいただき、その熱い思いに心を動かされました。
今なお福島県産品の輸入規制を続けている国、地域がある中、情熱を持って努力を重ね、一つ一つの取り組みを丁寧に進めていくことにより、理解が進み、道は開けると確信をいたしました。
先般EUにおいて輸入規制緩和を再検討する動きがあることを受け、先週12日、官房長官、農林水産大臣等に対し、国が前面に立ち、正確な情報発信を行い、輸入規制の緩和が実現されるよう直接要望を行ったところであります。
今後とも私自身が先頭に立って、これまでの海外訪問で築いたさまざまなネットワークを生かし、世界の人々に福島県産品をお届けできるよう、輸入規制緩和に向けて働きかけを行うとともに、本県の復興の正確な状況や県産品の安全性に加え、そのおいしさと品質の高さを力強く発信し、さらなる海外販路の拡大に向け取り組んでまいります。
次に、避難指示区域等の産業の復興につきましては、東日本大震災及び原子力災害により甚大な被害を受けた避難指示区域等の産業を復興させ、さらに住民の帰還や若者の定着を進めるためには、これまで地域の経済を支えてきた商工業や農林水産業の分野において、事業、なりわい再開支援にしっかりと取り組み、被災事業者の生活基盤を確かなものにするとともに、再生可能エネルギーやロボットなど新産業の育成・集積を図り、浜通り地域の産業を力強く再生していくことが極めて重要であると考えております。
このため、地元市町村、官民合同チーム等と連携しながら、被災された企業や農林水産業者等に対し、個々の要望や地域の実情を丁寧に伺いながら、商工業や営農の再開等、なりわいの再建に向け、きめ細かな取り組みを行っているところであります。
さらに、福島イノベーション・コースト構想に基づき、福島ロボットテストフィールドの整備やロボットトラクターの開発実証を進めるなど、復興に向けたプロジェクトを積極的に推進するとともに、企業立地補助金等を有効に活用しながら、地元企業の参入及び新たな企業の立地支援に取り組んでおります。
今後も既存産業の再生、活性化と新産業の創出を地域再生の両輪と位置づけ、多くの住民が復興を実感し、笑顔を取り戻すことができるよう、避難指示区域等の産業の復興に全力で取り組んでまいります。
次に、復興に向けたJヴィレッジの活用についてであります。
Jヴィレッジの再生は、本県復興のシンボルとなるものであり、全天候型練習場や新しい宿泊棟など新たな魅力を有する施設として、スポーツの振興はもとより、地域の中核的な施設として、交流人口の拡大や雇用の創出、原発事故の風評払拭などに大きく寄与するものであります。
このため、この国内屈指の施設を生かし、2020年に開催される東京オリンピックのサッカー男女日本代表などを初めとするトップチームや、ラグビー、アメリカンフットボールなどさまざまな競技の合宿利用に加え、復興ツーリズムや教育旅行などスポーツ以外の拠点としての利用も促進してまいります。
また、日本サッカー協会やJリーグにより本年3月に策定されたDREAM福島アクションプランや今年度から県が取り組んでいるふくしまサッカーチャレンジプロジェクトにより、Jリーガーを招いたサッカー教室を開催するほか、子供たちとトップアスリートなどとの交流の場としても活用してまいります。
今後もJヴィレッジの再整備を着実に進め、次世代を担う子供たちが夢と希望を持てるような復興を目指し、サッカーを初めとするスポーツ振興に取り組むとともに、国内外に向けて力強く復興の歩みを進める本県の姿を発信してまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。
企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。
復興財源の確保につきましては、これまで国の担当省庁との協議を重ね、8月の福島復興再生協議会においても改めて本県が抱える重要課題について強く訴えた結果、国の来年度予算概算要求において、被災者等の生活再建や福島イノベーション・コースト構想の推進、風評払拭・風化防止対策の強化、新産業の創出などが盛り込まれたところであります。
今後も、事項要求となったものを含め、来年度予算へ確実に反映されるよう、あらゆる機会を捉えて本県の実情を訴え、復興に必要な財源の確保に向けて取り組んでまいる考えであります。
次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた復興の取り組みにつきましては、避難地域における生活環境の整備が進み、日常生活を取り戻している様子、サッカー日本代表の合宿などによりにぎわいを取り戻したJヴィレッジの姿、福島イノベーション・コースト構想による新たな雇用の創出、水素社会のモデル構築等による再生可能エネルギー先駆けの地の実現など、しっかりと発信できるよう積極的に取り組んでまいります。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
アジアの県人会につきましては、現在活動している10の県人会のうち、インドを初めとする6つの県人会が震災後、現地駐在員の方々などにより新たに設立され、それぞれが会員相互の親睦を深める活動に加えて、風評の払拭や本県の魅力の発信に御協力いただいているところであります。
今後とも県産品の販路拡大やインバウンドの誘客等に御尽力いただいているアジアの県人会に対して、復興状況のパンフレットや県産品を提供するなど、きめ細かな情報提供や支援を行うとともに、今後の県人会活動の一層の充実につなげていただくために、本年11月に開催する在外県人会サミットへお招きするなど、さらなる連携強化に取り組んでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
平成29年度事業の進捗状況につきましては、これまで被災事業者の事業再開に向けた補助、企業立地補助金を活用した雇用の創出、成長産業分野における技術開発の支援等に計画的に取り組んでおり、当初予算に対する執行率は8月末現在で約55%となっております。
今後とも本県産業の基盤を支える中小企業等と緊密に連携しながら、きめ細かな経営支援はもとより、新産業分野に対応した高度な人材育成やREIFふくしま等の各種展示会による取引拡大、さらには知的財産を活用した技術の実用化等を支援することにより、産業の復興・再生を積極的に進めてまいる考えであります。
農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。
農林水産部の公共事業につきましては、執行予定額の約603億5千万円に対し、8月末までの発注は263億円、発注率44%であります。
また、12月末の発注見通しは、発注工事の速やかな公表、実勢価格による適正な工事価格の算出、地域の実情に応じた発注規模の設定、債務負担行為制度等の活用による工期の確保により九五%としております。
次に、水産業の再生につきましては、本県の海産物は2年5カ月にわたり放射性セシウム濃度の基準値を超えておらず、今後も安全性を確認しながら収益性の高い生産体制を構築し、市場における競争力を高めていくことが極めて重要であります。
そのため、引き続きモニタリング検査のデータ蓄積による出荷制限解除に向けた取り組み、操業自粛で増加、大型化した魚を持続的、効率的に利用する資源管理型漁業の促進に加え、若い漁業者の技術研修等を支援してまいります。
さらに、本年6月に設置したふくしまの水産物販売戦略会議の意見を踏まえ、鮮度、うまみの数値化による魚を傷めない操業方法や輸送技術の改良等に取り組んでまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
河川氾濫に備えた市町村との連携につきましては、これまで市町村が作成するハザードマップの基礎となる浸水想定区域図の提供や水害危険箇所の合同パトロールなどを実施してきたところであり、本年6月からは避難勧告等発令の目安となる河川情報等を県から直接市町村長に伝達するホットラインの運用を開始いたしました。
さらに今後は、水防法に基づき指定した29河川を対象に、豪雨災害の発生に備え、誰がいつ何をするかを時系列で明示した水害対応タイムラインを共同で作成するなど、流域住民の安全確保に向け、より一層市町村との連携を図ってまいります。
次に、土木部における公共事業の発注につきましては、発注見通しの速やかな公表、債務負担行為の積極的な活用、課題解決型の執行管理により、8月末までに66%となる1,818億円を契約しております。
また、12月末までの発注目標を八九%としており、引き続き計画的な執行に努め、復旧・復興を着実に推進してまいります。
文化スポーツ局長(安齋睦男君)お答えいたします。
東京オリンピック野球・ソフトボール競技の開催に向けたあづま球場の改修につきましては、供用開始から30年経過していることや外国人も利用することなどを踏まえ、ロッカー室、シャワー室等の改善やトイレの洋式化など、必要な改修に向けた調査設計業務を現在行っております。
改修工事は来年度から着手する予定であり、オリンピックに向けた準備はもとより、日ごろ球場を利用する県民の利便性の向上を念頭に置き、改修を行ってまいります。
次に、外国人観客等の受け入れにつきましては、駅や宿泊施設などにおける外国語表記の普及拡大や無料公衆無線LAN環境の整備、医療機関での外国人患者の受け入れ準備など環境の整備について、官民が連携した取り組みが重要であると考えております。
このため、現在大会を運営する組織委員会や民間を含めた関係機関との協議を行っているところであり、オリンピックの県内開催を契機とした外国人来訪者への対応についてオール福島で取り組んでまいります。
次に、スポーツ選手の育成、支援につきましては、これまでもジュニア選手の発掘、育成や競技団体が行う強化合宿などへの支援に取り組んできたところであります。
今後ともこれらの取り組みを進めながら、選手の有する資質、能力をさらに伸ばすため、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会復興推進ふくしまアクションプランに基づき、優秀な選手の活動に対する支援に加え、日本オリンピック委員会等から選手強化にすぐれた講師を招聘して研修会を開催し、専門性の高い指導者の養成に努めるなど、国際大会等で活躍できる選手の育成に引き続き取り組んでまいる考えであります。
観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。
平成28年度における福島空港国際チャーター便につきましては、合計39便が運航され、4,894人の利用があり、そのうち外国人乗客数は、台湾便が1,314人、ベトナム便が1,124人、合計2,438となっております。引き続き、福島空港を利用した国際チャーター便による外国人観光客の誘客を図ってまいります。
次に、国際定期路線につきましては、これまで中国及び韓国の政府機関や航空会社等に対し、路線の再開に向け働きかけを行ってきたところであり、引き続き本県の正確な情報や魅力を発信しながら粘り強く取り組んでまいります。
一方、ここ数年は台湾やベトナムなどとのチャーター便が毎年運航されており、特にベトナムとは来年2月以降の連続チャーター便の運航が予定されております。
今後は、旅行会社への支援や現地でのPRイベントの開催等を通じてさらなる利用促進に取り組み、連続チャーター便による着実な誘客と運航実績を積み重ねることにより、国際定期路線の実現につなげてまいりたいと考えております。
病院事業管理者(阿部正文君)お答えいたします。
県立矢吹病院につきましては、施設の老朽化や精神科医療の変化に対応し、病院機能を強化するため、現在全面建てかえを計画しております。
具体的には、県内では未整備である重篤な精神疾患を有する子供専用の病床や心神喪失等により重大な他害行為を行った患者の社会復帰を支援する医療観察法病床に加え、軽度の鬱等による不調でも気軽に受診できるような明るく開放的な施設の整備などを盛り込む考えであります。
今後も県内唯一の公立精神科病院として先進的な医療が提供できるよう、医師など医療スタッフの充実を図るとともに、地域の理解を得ながら整備を進めてまいります。