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2017年9月定例会 代表質問 渡辺義信議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年12月4日更新

渡辺義信議員 

議員

渡辺義信議員

所属会派(質問日現在)

自由民主党

定例会平成29年9月
質問等代表質問
質問日9月21日(木曜日)

40番(渡辺義信君)自民党議員会の渡辺義信であります。9月定例会に当たり、会派を代表して質問させていただきます。


 初めに、復興・創生期間における行財政運営についてであります。
 県は、知事部局の職員定数を300人増員した職員定数条例の特例期限について、本議会において平成32年度末まで延長する改正案を提出し、高どまりの業務量に引き続き対応していく考えを示したところであります。
 平成32年度末までの復興・創生期間の間には、浜通り地域の産業再生を担う福島イノベーション・コースト構想の実現に向けた取り組みやオリンピック・パラリンピック競技の県内開催への対応など、復興・創生のための重要な課題を数多く抱えており、県としては全庁を挙げた部局連携により的確に対応していかなければならないと考えます。
 そこで、県は現在行財政運営方針の見直し作業を進めていますが、復興・創生期間における行財政運営にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、北朝鮮のミサイル発射等への対応についてであります。
 9月15日早朝、北朝鮮はこれまでの国際社会からの批判を省みず、またしても弾道ミサイルを発射する暴挙に出ました。我が国の安全を脅かす断じて許されない行為であり、国は国際社会と強く連携した北朝鮮に対する断固たる対応を強く望むところです。
 本県においては、Jアラートが作動し、県や警察本部を初め各自治体等が被害確認など情報収集に努め、県内では被害がないことが確認できました。ミサイルの発射によるJアラートの第一報から我が国の上空通過までわずか5分程度であり、また北朝鮮は太平洋に向けた弾道ミサイル発射を継続する方針を表明しているなど、予断を許さない状況が続くことから、県民の安全・安心確保に向けた対応が求められます。
 そこで、県は北朝鮮のミサイル発射等に備え、どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、福島イノベーション・コースト構想についてであります。
 8月に行われた福島復興再生協議会において、協議会のもとに地元の意見や要望を集約して施策の提言を行い、事業化を推進する法定組織の設置が決定されたところであります。
 福島イノベーション・コースト構想の実現に向けて、復興庁及び経済産業省の両副大臣と知事が共同議長になり、構想関連の産業創出や生活環境の整備など各種事業の推進を目指すものであります。
 国と地元が強く連携して、県内の市町村や企業などの意見を施策に反映させていくための推進体制が整い、県民は大きな期待を寄せております。今後さらに、構想の実現に向け、県が積極的にかかわっていくことが求められています。
 そこで、県は福島イノベーション・コースト構想の推進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 また、県は福島イノベーション・コースト構想の担い手を育てる事業として磐城高校を福島スーパー・イノベーション・ハイスクール(仮称)に指定したところであります。
 これまでのスーパー・サイエンス・ハイスクールとしての取り組みを生かし、福島の復興と将来を背負う人材育成の環境が整えられていくことに大きな期待を寄せるものであります。今後福島イノベーション・コースト構想にかかわる数多くの企業や研究機関などと連携しながら、充実した教育プログラムの策定が求められます。
 そこで、県教育委員会は福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材の育成にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、ガソリンスタンド過疎地についてであります。
 日常生活に必要不可欠なガソリンや灯油などを供給しているガソリンスタンドは、生活インフラとして必要不可欠でありますが、関係団体によれば、県内の給油所は平成8年の約1,200カ所をピークに減少を続け、現在はほぼ半分となっており、県内では15町村がガソリンスタンド3カ所以下のいわゆるガソリンスタンド過疎地に該当しております。
 該当地域の多くは中山間地域で、生活を支える石油などの資源供給の拠点がなくなれば、通常生活はもとより、災害時の燃料供給にも支障を来すこととなります。
 国は、小型の貯蔵タンクを利用するミニガソリンスタンドの設置について各自治体の後押しを始めており、県においても広域自治体としてガソリンスタンド過疎地解消に向けた取り組みが求められます。
 そこで、県はガソリンスタンド過疎地の現状をどのように認識し、どのように対応していくのか伺います。
 次に、FIT構想についてであります。
 構想策定当時は、交通インフラの拡充や首都機能移転など、当該地域の活性化についてさまざまな事業がなされてきました。昭和62年のFIT構想開始からはや30年、現在のFIT構想の推進期間が来年度満了を迎えるに当たり、今回10年程度の延長がされることとなりました。
 3県に共通する人口減少問題を初めとした地域に潜在する課題に加え、東日本大震災の発生と原子力災害が継続中であることなど、構想策定当時とは違った環境の中でこれまでの取り組みを総括しつつ、3県地域の魅力を最大限に生かすための新たな構想策定が望まれます。
 そこで、知事はFIT構想の推進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、避難者の生活再建についてであります。
 避難指示区域などから避難されている方々の応急仮設住宅の供与期間について、県は平成31年3月末までの延長を決定したところであります。川内村、川俣町、南相馬市、葛尾村、飯舘村の5市町村の避難解除地域は、復興公営住宅の整備などの地域の実情を踏まえ、今回の延長が最後となります。
 今後、新たな住宅の確保のほか、メンタルヘルスの問題、就労の問題など、避難の長期化に伴い、個別化、複雑化しているさまざまな課題への取り組みとあわせて、一日も早い生活再建に向けた支援が求められております。
 そこで、県は避難者の生活再建にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、本県の環境回復についてであります。
 我が県は、尾瀬や猪苗代湖、裏磐梯など日本を代表する美しい自然を初め広大な森林と数多くの河川を有する自然豊かな地域であります。しかしながら、東日本大震災、とりわけ原発事故は、今も根強く残る風評被害も含め、誰もが経験したことのない深刻な影響をもたらしました。
 本県の環境回復に向けては、市町村による面的除染の推進や帰還困難区域における特定復興再生拠点区域において除染の本格化が見込まれる中、中間貯蔵施設においては、秋の本格稼動に向け、大熊・双葉両町で受入・分別施設の試運転が開始されており、今月には平成30年度の輸送量に対応する施設の本格工事の着工が予定されているなど、施設整備の取り組みが進んでおります。
 国は、環境再生・資源循環局を創設し、本県の環境回復の加速化を推進するための組織を強化したところです。今後、市町村の意向を踏まえ、国や関係機関と連携を密にし、環境回復の早期実現を図っていくべきであります。
 そこで、知事は本県の環境回復の現状をどのように認識し、どのように対応していくのか伺います。
 次に、子供の自殺対策についてであります。
 昭和47年から平成25年の間に自殺した18歳以下の子供約1万8千人を分析した国の統計によれば、子供の自殺は新学期が始まる夏休み明けや5月連休後など長期休暇明けの前後にふえる傾向があり、全国各地で自殺防止に向けた取り組みが広がっております。
 学校生活におけるいじめや人間関係、また本県にあっては震災後の閉塞感など、子供たちは大人が考えている以上に生きることに悩み、苦しんでいると考えられ、子供を孤立させない環境づくりが重要であります。
 そこで、県は子供の自殺対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、子育て支援についてであります。
 私は、人口減少は本県の大きな課題であり、その解決のため、子育て世代への支援として、妊娠時期からの切れ目のない支援対策を充実させ、安心して子育てができる環境を整えていくことが大切であると考えております。
 先月には、県議会の海外行政視察団がフィンランドを訪問し、先進的な子育て支援拠点のネウボラの取り組みを視察したところであります。通常の子育て支援に加え、家庭訪問により孤立や子供の虐待の把握にもつながるなど、子育て支援だけでなく家族を見守る体制の構築も期待できるため、県内でも積極的に取り入れていくべきと考えております。若い世代の子育ての不安を解消していくため、出産前からの切れ目のない子育て支援の充実が求められます。
 そこで、子育て支援にどのように取り組むのか、知事の考えを伺います。
 次に、児童虐待についてであります。
 全国の児童相談所が平成28年度に児童虐待として対応した件数が12万2,578件となり、過去最多となりました。県内では956件となり、前年度から427件増加し、増加率は1.81倍と全国で最も高かったとのことです。
 我が党においても、主に女性議員や女性党員で構成している女性局を中心に、出産前や子育て中の母親が孤立しないよう、環境づくりや虐待の早期発見のための取り組みなど、児童虐待をなくすための活動を続けてまいりました。
 虐待の対応件数の増加は、これまで以上に県民の虐待に対する意識が高くなったとの見方も考えられますが、まだまだ埋もれている虐待も多いと推察され、子供たちを見守るための地域社会の体制の強化が急がれます。
 そこで、児童虐待にどのように対応していくのか、県の考えを伺います。
 次に、中小企業、小規模企業の支援についてであります。
 中小企業及び小規模企業は、これまで地域の経済を守り、住民の生活向上やさまざまな交流活動において地域の活性化に強くかかわるとともに、地方創生の中心的な役割を担っており、その重要性は県民誰もが深く理解をしているところです。
 平成26年6月に施行されました小規模企業振興基本法では、地方公共団体においても小規模企業振興に関する施策を策定、実施する責務が明記されたところでありますが、我が党としても昨年、小規模企業振興基本法を初め本県の中小企業振興基本条例等における事業者を取り巻く環境について関係団体から経済活動の現状と課題を拝聴し、議論を重ねてまいりました。そして、本年の2月定例会において、これまでの福島県中小企業振興基本条例を福島県中小企業・小規模企業振興基本条例として改正し、事業の持続的かつ多様な発展が図られるよう中小企業及び小規模企業を支援していくことを明確にしたところであります。
 そのような状況の中、一部の業界においては、自治体等における地元企業への優先的な発注等について、地元以外の大手業者にいまだ仕事が流れていると感じているなど、復興需要が頭打ちになりつつある本県において、好景気を実感するにはまだまだ厳しい環境にあります。地域の持続的な発展を図っていくため、福島県中小企業・小規模企業振興基本条例の改定を踏まえた中小企業、小規模企業への支援の強化が必要であります。
 そこで、県は中小企業、小規模企業をどのように支援するのか伺います。
 次に、ふくしま産業復興企業立地補助金についてであります。
 企業立地補助金を活用し、震災後白河市に立地した太陽光発電関連会社の役員が復興関連の補助金約2億5千万円を不正に受給したとして逮捕されました。
 復興関連事業において、補助金の不正受給は相次いでおり、補助金交付時や事後調査、さらには本年2月の再調査など、複数回にわたる県の調査でも問題点は確認されなかったとのことであります。補助金の創設から6年がたつことから、審査や調査など、これまでのあり方などを検証し、不正防止に向けた取り組みが求められます。
 そこで、県はふくしま産業復興企業立地補助金の不正防止にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、知的財産戦略についてであります。
 国は、平成15年に知的財産政策を国家戦略とし、中小企業の技術を守り、農林水産物のブランド価値を高めるなど、知的財産の活用を進めてきました。本県においても、平成17年2月に「うつくしま、ふくしま知的財産戦略」が策定され、知的財産を尊重する風土づくりなどを基本戦略として、活力ある産業の発展を図ってきたところであります。
 その後、安倍政権においては、地方創生の観点から、知的財産を成長戦略の柱として位置づけ、知的財産政策を各自治体と連携を深めていく考えであります。当時の戦略策定から時代は移り変わり、東日本大震災を経て、本県では従来からの産業に加え、ロボット関連や再エネ関連など新しい産業の創出が進んでいることから、県内中小企業における新技術に係る知的財産の戦略的活用を促進していくことが求められます。
 そこで、県は県内中小企業における知的財産の戦略的活用にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、観光誘客についてであります。
 国は、7月に日本を訪問した外国人旅行者について、月間過去最多を更新し、約268万人の訪日客があったと発表しました。2020年に年間4千万人とする目標に向け、順調に推移しているとの見方を示しました。
 本県の平成28年の観光客の入り込み状況については、前年比104.9%の5,276万人となるなど、震災前の水準まで戻りつつあります。これまでのDCで積み上げた取り組みなどを持続させ、福島の魅力を存分にアピールし、外国人観光客や教育旅行の回復など、3年後の東京オリンピック・パラリンピックも見据えた積極的な観光誘客の展開が必要であります。
 そこで、県は今後の観光誘客にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、風評払拭についてであります。
 知事は、先月マレーシアとベトナムを訪問し、本県の現状や復興の取り組みとともに、県産米や桃の輸出拡大、さらには福島空港の利用促進などについて積極的な発信を行いました。
 今回のトップセールスは、福島の復興にとって大変大きな成果があったと認識しておりますが、さまざまな分野で風評被害が続く状況の中、福島を選ぶのは我々県民が発信する情報を得た全世界の消費者であります。今回のトップセールスにおいて見えてきた課題をしっかりと捉え、今後も積極的な風評払拭の展開が求められます。
 そこで、風評払拭に向け、トップセールスの成果をどのように生かしていくのか、知事の考えを伺います。
 次に、GAPの推進についてであります。
 県は7月、県独自の認証制度であるFGAPを創設し、本県の農業振興に新たな取り組みをスタートさせたところです。FGAPは、放射性物質対策を基本項目に加えており、風評払拭にも大きく寄与するものと考えております。
 10月には初めてのFGAPの取得者が出る見通しと聞いておりますが、これを契機として、GAPの認知度を高めつつ、JGAPとグローバルGAPとあわせて認証取得の一層の拡大を図り、本県の農業振興へつなげていくことが重要であると考えます。
 そこで、県は認証GAP取得の推進に向けどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、水田農業の振興についてであります。
 平成30年度からの米の生産調整見直しまで残り半年となりました。我が国の米政策は、来年度から新たな境地に入ることとなります。
 国による生産数量目標配分と10アール当たり7,500円の米の直接支払交付金が廃止される中、農業者からは、主食用米が増産され、供給過多になり、米価が再び下落するとの大きな不安の声も上がっております。
 今回の生産調整見直しにおいて、国の関与が弱まり、需給調整への影響や飼料用米への作付転換の取り組みのための水田活用の直接支払交付金が削減されるのではないかとの農家の懸念の声もあります。
 今後、農業者が安心して持続可能な農業生産を維持していくため、生産調整の仕組みをどのように再構築し、農家の所得向上につなげられるための取り組みが求められております。
 そこで、県は今後の水田農業の振興をどのように図っていくのか伺います。
 次に、小名浜港におけるヒアリの防除対策についてであります。
 5月に国内で初めて特定外来生物ヒアリが確認され、国はヒアリの生息国または地域との定期コンテナ航路を有する国内の68港湾の管理者に対し対策強化を要請したところです。
 本県では小名浜港が該当しており、当該港にはヒアリの拡散が広がっている中国を寄港地とするコンテナ船が運航されております。この件に関しましては、港湾での水際対策が大変重要であります。
 そこで、県は小名浜港におけるヒアリの防除対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、公立小中学校の老朽化対策についてであります。
 東日本大震災を経験した我々にとって、あらゆる災害への備えは重要であります。通常は子供たちの安全・安心な学校生活を守るための学びやが非常時には地域住民の全体の安全・安心を守るものになります。
 全国的にも、地震はもとより、異常気象による豪雨災害などにより、公立小中学校を避難所として使用する割合が多くなっております。昨年発生した熊本地震においては、避難所になった公立学校223校のうち73校の体育館が天井材の落下などにより使用できなかったとの例もあります。
 国によれば、全国の公立小中学校の体育館などの施設が今後15年間で災害時の避難所として使用できなくなる可能性が約6割あるとの試算であります。公立小中学校の老朽化対策をすることは、子供たちの安全を守るとともに、地域の安全を守ることにつながります。
 そこで、県教育委員会は公立小中学校における施設の老朽化対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、児童生徒の学力向上についてであります。
 小学6年生と中学3年生を対象として、平成29年度全国学力・学習状況調査で国語と算数・数学の5科目で平均正答率が全国平均を下回り、また課題である算数と数学についても、基礎的な算数A以外は全国平均に及ばなかったところです。
 しかしながら、全国との差は改善されつつあり、子供たちの持つ高い潜在能力を引き出す可能性は大いにあると考えます。教育先進県の成功事例を取り入れながら、身近に接する教員の意識向上はもとより、家庭や地域社会との連携によって、子供たちが積極的に学べる学習環境をつくっていくべきであります。
 そこで、県教育委員会は全国学力・学習状況調査の結果を踏まえ、公立小中学校における児童生徒の学力向上にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック教育についてであります。
 オリンピックを通じてフェアプレーの精神やさまざまな国の文化を学ぶなど、オリパラ教育は通常の学習を飛び越えて、子供たちが日本と世界を意識することのできる大変有意義な教育であると考えます。
 福島市の小中学校と特別支援学校の10校において、この2学期からオリパラ教育が始まると聞き及んでおりますが、本県は野球・ソフトボール競技の開催地でもあり、生の教材で世界を身近に感じることのできる絶好の機会であることから、さまざまな年代の子供たちに触れてほしい分野であり、より多くの子供たちに学習の機会を与えてあげるべきだと考えます。
 そこで、県教育委員会は公立学校におけるオリンピック・パラリンピック教育にどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、警察行政についてであります。
 昨日、国道114号の自由通行が実現いたしました。東日本大震災から実に6年半ぶりの自由通行化であります。
 国道114号は、双葉郡と中通りを結ぶ基幹道路であり、浪江町や葛尾村を初め被災地域の復興を推進する上で大変重要な路線であります。自由通行化により、今後復興が一層加速していくことが期待されております。
 しかし一方で、国道114号の交通量や人の出入りが大幅に増加することによる交通事故の増加や、無人となっている区域等の防犯面での不安が取り沙汰されております。帰還した住民が安心して暮らしていくため、そして復興のさらなる進展のためには、国道114号やその周辺での交通安全対策、防犯対策など、総合的な治安対策の強化が不可欠となります。
 そこで、国道114号の自由通行化に伴う治安対策について県警察の取り組みを伺います。
 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。


議長(杉山純一君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)渡辺義信議員の御質問にお答えいたします。


 FIT構想の推進についてであります。
 本構想は、茨城、栃木両県や関係市町村との連携のもと、県境を越えた取り組みを進め、地域の魅力を磨き上げながら、地域力の向上や交流人口の拡大に貢献するなど、重要な役割を果たしております。
 FIT地域では、豊富な地域資源を生かし、地域ブランドの創出、広域観光交流、交流・二地域居住に力を入れるなど、構想の推進に取り組んでいるところであります。
 さらに、本県では今年度新たに県南、南会津と那須を中心に自転車インバウンドツアーを実施するとともに、発信力の高い海外出版社による会津、日光の英語版ガイドブックを作成し、国内外で配布するなど、訪日外国人等の新たな人の流れをつくり出し、FIT地域の交流人口のさらなる拡大を図ってまいります。
 構想の目標像である「人と自然と文化が育むFIT交流圏」やその柱となる基本理念の「連携・協働による地域・交流圏の発展」等は、全国のモデルとなる広域交流圏を形成し、地域のさらなる発展を目指す上で引き続き核となるものであります。
 今後は、推進期間が平成30年度までの現構想を10年程度延長するとともに、これまでの取り組みを検証し、東日本大震災や人口減少などの社会経済情勢の変化を踏まえ、必要な改定を行うなど、新しい時代にふさわしいFIT地域の魅力と強みを生かしながら、構想の実現に積極的に取り組んでまいります。
 次に、本県の環境回復につきましては、福島の復興に向けた最優先の課題であり、これまで除染や中間貯蔵施設の整備等に国や市町村と一体となって取り組んでまいりました。
 昨年度末の時点で県内の面的除染についてはおおむね終了し、中間貯蔵施設の整備に関しても、現在地権者の五割近くの方々に御承諾をいただき、来年度の除去土壌等の搬入について、最大で今年度の3倍を超える180立方メートルとなる見通しが示されている中、この秋にも土壌貯蔵施設等の運用が開始される見込みとなっております。
 また、特定廃棄物埋立処分施設についても、地元への丁寧な説明を続けながら搬入に向けた準備が進められるなど、本県の環境回復に向けた取り組みは進捗を見せております。
 面的除染の終了後も、引き続きフォローアップ除染や森林の放射線量低減のための取り組み、帰還困難区域の除染、除去土壌等の一日も早い搬出など重要な課題への対応が求められていることから、先般の福島復興再生協議会において、私から国に対して、地元の意向を十分に踏まえ、責任を持って確実に実施するよう改めて強く求めたところであります。
 引き続き、組織体制の強化が図られた国や市町村等との連携を密にしながら、本県の一日も早い環境回復の実現に向け全力で取り組んでまいります。
 次に、子育て支援についてであります。
 子供は社会の宝であり、子供たちを健やかに育むためには、社会全体で切れ目なく子育てを支えていくという機運を高める必要があると考えております。
 このような中、ことし5月に開催された日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットにおいて、ほかの12県の知事とともに11月19日を「いい育児の日」と定め、各県が行動を起こすことを確認しました。
 ことしは、この「いい育児の日」に福島市において多世代参加型イベントを開催し、地域や社会で子育てを支えていく大切さを訴えてまいります。
 また、本県ではこれまで18歳以下の医療費無料化や第3子以降の保育料支援など子育て世帯の経済的負担の軽減を図るとともに、地域の協力のもと小学生の放課後活動の充実に取り組むほか、仕事と生活との調和を図るため、働きやすい環境づくりに経営者みずからが取り組むイクボス宣言を推進するなど、総合的に施策を進めてまいりました。
 今後もこうした施策に加えて、妊娠期から子育て期にわたりワンストップで切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターについて、未設置市町村に対し働きかけるとともに、地域の実情に応じた保育施設等の整備や子育て支援に携わる人材の育成、確保に努め、若い世代が安心して子供を産み育てることができる福島県を実現するため、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、トップセールスについてであります。
 私は、海外における風評払拭には、現地の人々に直接県産品の安全性や品質の高さ、本県観光の魅力などを丁寧にお伝えし、信頼という名のきずなを紡いでいくことが重要であると考えております。
 先月、東南アジアで成長を続けるマレーシアとベトナムを訪問し、マレーシアでは、現地輸入会社と面談を行い、県産農産物の安全に対する取り組みや品質の高さを説明し、県産米を年間100トン、桃を前年の倍となる15トンとする輸出目標で合意してまいりました。
 ベトナムでは、国家副主席と面談し、経済、観光、文化などの交流について率直な意見交換を行うとともに、航空会社と旅行会社との面談では、ベトナムとのチャーター便として福島空港開港以来最大となる15本、30便の連続チャーター運航と旅行商品の造成をしていただくなど、大きな成果を得たところであります。
 また、本県が輸出した梨を店頭でお客様にお勧めした際、母親と一緒に試食した乳児がおねだりまでして笑顔で食べている姿を目の当たりにし、県産農産物のおいしさと品質への信頼の大切さを実感いたしました。
 いまだ世界には風評により渡航自粛や県産品の輸入規制をしている国、地域がある中、情熱を持って相手方と話し合い、互いに笑顔になれる信頼関係を築くことが風評を払拭するために極めて重要であると改めて確信いたしました。
 今後とも私自身先頭に立ち、また県を挙げて国内外に福島の今を発信してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。


総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 行財政運営につきましては、震災以降さまざまな課題に迅速かつ柔軟に対応するため、平成24年に行財政運営方針を策定し、取り組みを進めてきたところであります。
 真の復興の実現に向けては、今後も山積する課題を解決していく必要があることから、現方針に掲げた財源確保、執行体制強化及び市町村との連携強化の3つの視点に新たに効果的な情報発信を加えた方針を10月に策定し、復興のステージに応じた取り組みを適切に講じながら、復興・創生を着実に進めるための行財政運営に取り組んでまいります。


危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。


 北朝鮮のミサイルへの対応につきましては、発射から飛来までの時間が極めて短いことから、国から提供される情報を速やかに県民に伝えることを第一に、職員が休日等も待機し、迅速な庁内参集態勢等の構築に努めているほか、核実験に備えた空間線量率と大気浮遊じんの監視を行っております。
 また、市町村に対しては、Jアラートに接続する機器の動作確認訓練の呼びかけや伝達手段の多重化に向けた技術的な助言、さらに県民に対しては、落下時の爆風等から身を守る行動パターンについて、さまざまな媒体を介して繰り返し周知しているところです。
 今後は、市町村と連携して、身体への被害を軽減できる避難施設の指定等を行うとともに、引き続き現在の警戒態勢を維持してまいります。


企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 福島イノベーション・コースト構想の推進につきましては、本年5月の福島特措法の一部改正により構想が法定化されたことを踏まえ、知事を本部長とする推進本部を設置し、庁内体制を強化したほか、7月には福島イノベーション・コースト構想推進機構を設立し、来年度以降の本格業務開始に向けた事業を開始したところです。
 今後は、福島特措法に基づき、国が新たに設置する法定分科会を通して県の取り組みを発信するとともに、必要な施策を盛り込んだ重点推進計画を策定するなど、国や市町村等とも緊密に連携しながら構想を力強く推進してまいります。
 次に、ガソリンスタンド過疎地につきましては、人口減少や燃費向上等による需要の縮小、価格競争による採算性の悪化などによりスタンド経営が厳しくなっている中、日常生活や産業活動に必要不可欠なガソリンや灯油等の安定供給の確保が重要な課題であると認識しております。
 引き続き、国の動向も注視しながら、広域自治体として市町村や事業者に対し、支援策等が示されたハンドブックを活用した情報提供や経営相談窓口における助言、制度資金による支援等を行ってまいる考えであります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 子供の自殺対策につきましては、未来を担うかけがえのない命を守る観点から極めて重要であると考えており、これまで市町村や教育委員会などとともに、中高生にストレスの対処法などを学んでもらう出前講座の開催や、子供が不安や悩みを打ち明けられる電話相談窓口の設置などに取り組んできたところであります。
 子供の自殺の予防には、悩み苦しんでいる子供を孤立させることなく、学校や地域を初め社会全体で取り組む必要があることから、自殺予防の担い手となるゲートキーパーのさらなる養成や教職員を対象とした研修の拡充など、子供の自殺対策の一層の充実に努めてまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 中小企業、小規模企業の支援につきましては、これまで産業振興センターや商工会等を通じた経営支援、県制度資金による金融支援等を通して経営基盤の強化に努めてまいりました。
 小規模企業等は、依然として厳しい経営環境に置かれていることから、今後とも小規模企業支援資金などの制度資金の充実を図るとともに、よろず支援拠点等、関係機関と連携したきめ細かな経営相談、オールふくしま経営支援連絡協議会サポート委員会による具体的な経営改善方針の提示、さらにはクラウドファンディングの手法を活用した資金調達、顧客開拓など、中小企業、小規模企業に対するさまざまな支援に引き続き積極的に取り組んでまいります。
 次に、ふくしま産業復興企業立地補助金につきましては、復旧・復興に県を挙げて取り組んでいる中、今回新たな不正事案が発生したことは極めて遺憾であり、大変重く受けとめているところであります。
 このため、今後申請時における審査や補助金交付時における現地調査等をこれまで以上に徹底するとともに、新たに公認会計士や中小企業診断士等の専門的な知識を備えた資格者を有する団体に委託し、補助金を交付した企業に対する現況確認調査や納入業者への仕入れ状況調査等を実施するなど検査体制の強化を図り、不正事案の発生防止にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、知的財産の戦略的活用につきましては、これまで特許出願経費への助成を初め無料相談窓口の開設やセミナーの開催等に取り組んできたところであり、また震災後はエネルギー、ロボット等の新たな産業分野において県内企業の技術開発が進展するなど、知的財産の活用はますます重要となってきております。
 このため、技術開発等の成果を着実に事業化、実用化に結びつけ、優位な事業展開ができるよう、研究開発の着手前に先行する特許等に関する調査を行う企業への支援制度を今回新たに創設することとしたところであり、今後とも関係機関と連携しながら、県内中小企業における知的財産の戦略的活用を積極的に進めてまいる考えであります。


農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 認証GAPの取得につきましては、先月末でグローバルGAPが3件、JGAPが10件であり、新たに38件の生産者が着手しております。
 また、農林水産省のガイドラインに準拠し、放射性物質対策を追加した本県独自のFGAPを7月にスタートさせたところであります。
 引き続き、多くの生産者が認証GAPの取得に取り組めるよう、認証申請に具体的な助言ができる指導者の育成、認証・更新費用に対する助成、生産部会等による産地としての団体認証の取得支援など、農業団体と一体となって「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」の実現にしっかり取り組んでまいります。
 次に、水田農業の振興につきましては、全国ベースでの米の消費量が毎年8万トン減少、中食や外食ニーズが3割を超える現状を踏まえ、需要と用途に合わせた米づくりと水田のフル活用により産地間競争に打ち勝っていく必要があると認識しております。
 そのため、「30年以降の福島県水田農業の推進方針」に基づき、米の生産数量の目安を提示した上で、水田活用の直接支払交付金を活用した麦、大豆、飼料用米等の生産拡大、地域の特性を生かした園芸作物の導入とともに、本県オリジナル品種による特色ある米づくり、農地利用集積による経営規模の拡大、新技術導入による低コスト化などにより、生産者の所得の向上にしっかり取り組んでまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 小名浜港におけるヒアリの防除対策につきましては、これまで環境省や国土交通省と協力しながら、定期的に中国等からの国際貨物を取り扱う大剣地区コンテナターミナルにおいて目視や捕獲わなの設置により生息調査を行ってまいりましたが、現在のところヒアリは確認されておりません。
 引き続き関係機関や港湾荷役事業者と連携を図りながら生息調査を継続し、パトロール等の監視体制を強化するなど、水際でのヒアリ防除対策に取り組んでまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。


 避難者の生活再建につきましては、復興支援員等による戸別訪問や全国に設置した生活再建支援拠点での相談対応などにより、きめ細かな支援を行っております。
 また、他の自治体等と連携した対応が重要であることから、受け入れ都道府県に対し、支援についての協力を改めて依頼したほか、今年度末で応急仮設住宅の供与が終了する楢葉町と国、県などで構成する生活再建調整会議を設置し、避難者が抱える課題の解決に努めております。
 今後とも関係機関との連携を十分に図りながら、避難者の帰還や生活再建に向けてしっかりと取り組んでまいります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 児童虐待につきましては、近年社会的関心の高まりにより通告件数が増加していることから、児童相談所の機能の強化や職員の資質向上に努めるとともに、市町村職員の相談援助技術の向上を図るため、研修を行っているところです。
 また、発生を未然に防ぐため、医療機関との連携により、子供の養育などに不安を有する妊産婦の把握に努め、市町村と情報の共有を図るとともに、支援を必要とする児童を地域で支える要保護児童対策地域協議会への援助を行うことにより、市町村との連携を深め、地域での見守りから児童虐待の早期発見、発見後の対応まで一貫した相談支援体制の充実を図ってまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 観光誘客につきましては、これまで春の観光に力を置いて取り組んでまいりましたが、年間を通した切れ目のない誘客につなげるため、来月からJR東日本と連携し、本県が誇る絶景、温泉、食と日本酒をテーマに秋・冬観光キャンペーンを実施いたします。
 期間中、震災後初めて浪江町で開催される復興なみえ町十日市祭など、地域がそれぞれの特色を生かした28の特別企画を実施するとともに、本県の強みである日本酒や食をテーマとした広域周遊観光に取り組むほか、外国人に人気がある紅葉や雪遊びに焦点を当てた誘客を図るなど、市町村や地域と一体となって国内外からの観光誘客に取り組んでまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 福島イノベーション・コースト構想の実現に貢献する人材につきましては、構想を牽引するトップリーダーや工業及び農業分野の即戦力の育成が重要であると考えております。
 このため、現在行っている調査事業において、磐城高校でのスーパー・サイエンス・ハイスクールの蓄積を生かしたより高度な課題探求力の育成、さらには再生可能エネルギー、ロボットに関する工業技術や、環境制御による作物栽培等の農業技術を活用する実践力の育成などに資する教育プログラムを大学や地域企業等と連携しながら開発することにより、構想に貢献する人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、公立小中学校における施設の老朽化対策につきましては、学校施設が子供たちの安全でよりよい学びの場として、また大規模災害時には多くの県民の避難所としても利用されることから、設置者である市町村において、施設の耐久性や機能性等を高めるための長寿命化の取り組みが計画的に進められる必要があると考えております。
 このため、県教育委員会では本年8月に市町村の担当者を対象に施設を改修するための国の有利な補助制度や全国の先進的な取り組み事例の紹介などを内容とした研修会を開催したところであり、施設の老朽化対策が着実に促進されるよう引き続き支援してまいる考えであります。
 次に、全国学力・学習状況調査の結果につきましては、昨年度と比較すると、小中学校ともに全ての科目において平均正答率が改善し、知識、技能の定着は進んでいるものの、改善幅の小さい応用力をさらに育成することが課題であると考えております。
 このため、調査結果の分析に基づき、教員向けの指導資料を今般新たに作成したところであり、これを活用することにより、改善のポイントを押さえた授業の浸透を図るとともに、児童生徒の自主的な学習方法や保護者の効果的なかかわり方を示した家庭学習スタンダードを年内に配布し、さらなる学力向上に取り組んでまいります。
 次に、公立学校におけるオリンピック・パラリンピック教育につきましては、大会への関心を高めることに加え、国際理解や多様性に関する理解を深めるよい機会であると考えております。
 このため、モデル地域である福島市の推進校10校において、航空会社の元社員によるおもてなしに関する講演会やブラインドサッカー元日本代表選手との交流など、創意工夫した教育活動を実施しております。
 今後は、推進校における取り組みの成果を発表する報告会を開催するとともに、県内全ての公立学校へ報告書を配布するなど情報発信にも努め、積極的にオリンピック・パラリンピック教育に取り組んでまいります。


警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。


 国道114号の自由通行化に伴う治安対策につきましては、犯罪抑止対策として、本県警察及び全国警察からの特別派遣部隊による警戒、航空隊による上空からの警戒を実施するほか、民間パトロール隊との連携強化などの対策を推進しているところであります。
 また、交通安全対策としては、劣化した標識や路面標示の点検、更新を行ったほか、警察署、交通機動隊によるパトロールの強化や多目的検問を推進し、交通事故の抑止を図ることとしています。
 国道114号については、被災地域の復興を進める上で極めて重要な路線となることから、今後とも周辺地域の犯罪抑止対策と路線上の交通安全対策を強化してまいります。


議長(杉山純一君)これをもって、渡辺義信君の質問を終わります。

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