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2017年12月定例会 代表質問 阿部裕美子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年2月15日更新

阿部裕美子議員

議員

阿部裕美子

所属会派
(質問日現在)
日本共産党
定例会平成29年12月
質問等代表質問
質問日12月8日(金曜日)

38番(阿部裕美子君)日本共産党の阿部裕美子です。県議団を代表し、質問いたします。


 10月22日投票で行われた衆議院選挙は、「森友、加計学園問題、国政私物化疑惑隠し」と指摘された選挙でしたが、自民党・公明党与党が議席の3分の2を占める結果となりました。自民党が得た比例得票は33%ですが、全議席の61%の議席を占めるという民意をゆがめる小選挙区制度によるものであり、国民の安倍政権への厳しい批判は続いています。総選挙直前に野党共闘への逆流が生まれる中、立憲民主党、社民党、日本共産党の3党が38から69議席へ伸ばし、市民と野党の共闘こそ安倍暴走政治を転換できる力であることが、全国でも福島県でも示されました。
 安倍首相は、憲法9条に自衛隊を明記することを明言しており、今国会の所信表明でも改憲の議論を前に進めると述べました。「存在する自衛隊を憲法九条にただ書くだけで何も変わらない」と言いますが、後からつくった法律は前の法律に優先する原則から、9条2項は死文化し、狙いどおり武力行使を目的にした海外派兵や集団的自衛権の全面的発動が可能となります。戦死者を出すことになりかねません。
 今直面している北朝鮮の無法行為、弾道ミサイル発射や核実験をどう解決していくのか、韓国の文在寅大統領初め世界各国は、戦争だけは避けなければならない、対話こそ必要であり、平和的に解決することを切望しています。まさに日本国憲法の精神ではないでしょうか。
 憲法9条は世界の宝です。日本が再び戦争する国になることを許さないために、憲法9条を変える発議をさせない国民的世論を巻き起こそうと3千万署名が動き始めました。
 憲法九条改定の発議に反対すべきと思いますが、知事の考えを伺います。
 なりわい裁判判決を踏まえた福島第一原発事故対応についてです。
 10月10日、県内全ての市町村から、約3,800名が原告となった「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」、なりわい裁判の判決が下されました。前橋地裁判決に続き、予見可能な津波対策を怠った国の法的責任と東京電力の加害責任を認め、国の中間指針よりも面的、量的に上回る賠償を認める判決であります。住民の4年半にわたる戦いでかち取られたものです。救済の対象は原告にとどまらず、対象地域の拡大によって福島県民の4分の3に当たる150万人が対象となるものです。
 知事は、予見可能な津波対策を怠った国の法的責任と東京電力の加害責任を認め、中間指針を超える賠償を命じた福島地裁判決を生かし、事故収束、賠償、被災者支援等、あらゆる面で加害責任を求めていく立場に立つべきです。
 津波対策を怠ったことにより発生した福島第一原発事故について、なりわい裁判判決を踏まえ、廃炉、賠償、被災者支援等、あらゆる面で国及び東京電力の加害責任を求めるべきと思いますが、知事の考えを伺います。
 柏崎刈羽原発再稼働と福島第一原発事故対応についてです。
 東京電力は、事故の原因究明も反省も賠償もまともに行わないもとで、柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働申請を行い、原子力規制委員会は原発を運転する適格性について、「技術的能力がないとする理由はない」として容認し、新規制基準に適合を了承しました。炉心溶融事故への備えであるコアキャッチャーなどのヨーロッパ並みの事故対策もなく、広域防災、避難計画も審査の対象にされていません。
 原発事故による福島県民の塗炭の苦しみを前に、加害に向き合うことなく、技術的に一通りの確認を行ったにすぎない状況で再稼働容認など許されることではありません。なりわい裁判の判決は、事故が起こることがないよう万全の対策をとらなければならないとするもので、今の新基準への警告であり、事故の検証や住民の安全確保なしでの再稼働は許されないというメッセージであります。
 原発が一旦事故を起こせば、とんでもない被害になってしまうことは、チェルノブイリ、そしてこの福島の現実が示しています。浪江町馬場町長は「被災地からいえば、柏崎刈羽原発再稼働の動きはとても信じられない。私たちの苦難は一体何だったのか。」と述べています。
 新潟県の米山知事は、県独自の検証を終えるまで再稼働の判断をしない姿勢を示しています。
 東京電力柏崎刈羽原発6号機及び7号機の再稼働は容認できないことを表明すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 東京電力が今やらなければならないことは、再稼働ではなく第二原発の廃炉を明言し、県民の安全・安心の大前提である廃炉作業を安全に進めることではないでしょうか。廃炉作業は、今後ますます困難な放射線量の高いところでの作業が求められます。30年から40年以上もかかる廃炉作業を確実に、安全に行うためには、労働者の確保、健康管理が不可欠です。
 安定的な人員確保や労働安全の確保を図るため、福島第一原発の作業員は東京電力の直接雇用とすべきです。考えを伺います。
 福島第一原発の1号機から3号機までの耐震性は、地震や津波により鉄筋が腐食するなど大きく損なわれていると言われています。事故から6年9カ月が経過し、保守点検ができず、労働者からは「雨漏れがする」とまで言われています。原子炉建屋は線量が高く、内部に入ることもできません。
 原子炉建屋の耐震安全性はどのように評価され、県としてどのように確認しているのか伺います。
 原子力損害賠償についてです。
 なりわい裁判判決では、国の中間指針を上回る賠償が命じられました。会津を除く中通りと浜通りの原告に追加賠償を命じた意義は大きく、避難の有無にかかわらず、この地域の住民全てが最低でもこれだけの被害があることを認定し、賠償を求めたものです。県はこの判決を踏まえるべきです。
 原子力損害賠償紛争審査会に対し、避難指示区域外における損害の実態を調査し、中間指針を見直すよう求めるべきと思いますが、考えを伺います。
 東京電力は来年1月以降の農林業の風評賠償について、これまで1カ月単位で減収補塡を行っていたものを3カ月ごとにすることを明らかにしました。3カ月単位で収益の増減分を合算し、相殺することで、賠償金が少なくなる仕組みです。来年1月以降の農林業の風評賠償については、これまでどおりの方法を継続するよう東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 避難者、被災者支援についてです。
 県は、避難指示区域外から避難した方たちの住宅無償提供をことし3月で打ち切りました。これに連動して高齢・障害・求職者雇用支援機構は、避難者への住宅無償提供を打ち切りました。これ以上甘えるなと言わんばかりのこのような冷たい仕打ちはやるべきではありません。不安と困窮の中で自死者も出ています。打ち切りから半年が経過しましたが、雇用支援機構は住み続けている10世帯に追い出しの提訴を行いました。これに続く形で、福島県でも住宅の明け渡しを求める裁判、調停が合わせて10件提案されました。行き場を失う県民が出ることが懸念されます。
 国の法的責任を認めたなりわい裁判判決を踏まえ、避難指示の有無にかかわらず、避難を継続している方の実態調査を改めて国に求めるべきと思いますが、考えを伺います。
 避難指示が解除されても帰還できない避難者は、避難者数のカウントからも外されましたが、原発事故がなければ避難することはなかった方たちです。帰還できずにいる避難者を自己責任とすることは無責任であり、全ての被害者が生活となりわいを再建できるまで、国と東京電力が責任を持つことは当たり前ではありませんか。さまざまな事情で帰還できずにいる避難者を最後の1人まで路頭に迷わせないとの立場に立ち、寄り添った温かい支援を継続すべきです。県は雇用支援機構に提訴を取り下げるよう求めるべきと思いますが、考えを伺います。
 また、県は訴訟や調停により、住宅の明け渡し等を求めることをやめるべきです。考えを伺います。
 除染についてです。
 一旦除染を行ったところでもホットスポットが見られます。フォローアップ除染について、県が国に求めている手順の簡便化の進捗状況を伺います。
 帰還を希望する避難者の住宅内部の清掃も除染の対象とするよう国に求めるべきと思いますが、考えを伺います。
 福島ロボットテストフィールドについてです。
 県が復興の原動力と位置づけて推進するイノベーション・コースト構想に基づく拠点施設の建設が進んでいます。医療機器開発支援センターで利用者の見込み違いが起きているように、イノベ構想に基づく施設でも同様のことが起きるのではないかと懸念されます。
 県は、南相馬市と浪江町に建設している福島ロボットテストフィールドの利用者をどの程度見込んでいるのか伺います。
 設置主体が県であっても、国の福島復興特措法に位置づけられており、法の主体は国ですから、福島ロボットテストフィールドの運営について国が責任を持ち、財源を保障すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 県民の健康管理についてです。
 本県の急性心筋梗塞の死亡率は、全国都道府県で男女ともワースト1位です。糖尿病になっていく過程で心筋梗塞を引き起こすとも言われるメタボの特定健診割合が、本県は17.1%と全国ワースト3位で、震災後はさらに悪化しています。震災でふえた肥満が今後30年の間に、心筋梗塞やがん、認知症の増加につながっていくと指摘されており、早期の対応が必要です。
 特定健診の健診項目を拡充すべきと思いますが、考えを伺います。
 がん検診の受診率を向上させるため、受診料が無料となるよう市町村を支援すべきと思いますが、伺います。
 4割に上る非正規労働者をがん検診の対象にするよう企業を支援すべきと思いますが、考えを伺います。
 社会保障についてです。
 安倍政権が来年度から実施しようとしている社会保障予算の大幅削減は、国民に耐えがたい痛みを押しつけるものです。75歳以上の高齢者の所得は2015年で1人当たり82万8千円にすぎません。また、所得ゼロの人は53.2%を占めます。この75歳以上の高齢者の医療費について、窓口負担を1割から2割へ引き上げるのを初め診療報酬の引き下げ、症状が重い急性期の病床の削減、介護では要支援1、2の介護保険外しに続いて、要介護1、2の介護保険外しが行われようとしています。
 そうなれば、要支援、要介護と認定された人の6割が保険料を納めているのに介護保険サービスを受けられないということになります。生活保護の子供がいる世帯への加算、扶助の見直しや低所得の障がい者に提供する食費の負担軽減措置まで廃止するなど、広範な分野の削減です。「わずかな年金は減らされ、介護や医療の負担がふえていく。どうやって暮らせばいいのか。」と悲鳴が上がっています。国民に負担を負わせる一方で、大企業、富裕層へは法人税の減税などの優遇です。やり方が逆ではありませんか。暮らしを守る財源は、5兆円を超えてなおふえ続ける軍事費の削減や税の原則に立って富裕層や大企業に応分の負担を求めれば、消費税増税など弱い者いじめをやらなくても確保できます。
 国民に負担を負わせる社会保障の削減は、県が掲げている日本一子育てしやすい県、全国に誇れる健康長寿の県の実現にも影響を及ぼします。
 社会保障費の大幅削減をやめるよう国に求めるべきと思います。考えを伺います。
 国民健康保険事業についてです。
 来年度から国保の財政運営主体が都道府県に移行します。県は納付金と標準税率を市町村に示しますが、来年度に向けた試算結果が8月に公表されました。1人当たりの国保税額が引き上げとなる可能性がある自治体は、県内で5つとなる見込みです。
 所得ゼロ世帯にも容赦なくかかるのが国保税であり、高過ぎて払い切れず滞納を抱える世帯は県内でも18.3%に上り、差し押さえ件数は2016年度では13,172件に上っています。
 所得はふえないのに国保税の負担がふえてきた最大の原因は、5割だった国庫負担割合を2割台まで削減したことにあります。全国知事会の会長は、国保の国庫負担金を1兆円くらい上乗せが必要だと発言し、国は3,400億円を新たに増額して広域化をスタートさせますが、それでも引き上げになる自治体が出てしまう現状であります。
 国保税引き上げが見込まれる市町村には激変緩和措置を講じ、県内全ての市町村で引き下げとなるよう支援すべきと思いますが、考えを伺います。
 そもそも国保税が払えない生活困窮世帯があること、また病気や失業等により生活困窮に陥った世帯に、前年の収入に基づき国保税が課税されるため、負担が重くなる問題もあります。国税通則法、国税徴収法にのっとり、徴収猶予や執行停止等の制度を積極的に活用すべきです。
 国保税納税の緩和制度である徴収の猶予、換価の猶予及び滞納処分の停止について、県内市町村が平成28年度に決定した件数を伺います。
 高齢者福祉についてです。
 来年度は、第7次介護保険事業計画のスタートの年に当たります。市町村は今後3カ年の事業計画を策定し、保険料を決定します。かなり高額になる心配があります。
 介護施設整備計画の策定に当たっては、依然として待機者が1万人を超す深刻な特別養護老人ホームの待機解消に見合う整備を促進するため、市町村を支援すべきと思いますが、考えを伺います。
 国は来年度も引き続き介護報酬の引き下げを検討しています。今年度介護報酬の中に、介護職員1人当たり月額1万円の処遇改善加算がつきましたが、実質的な介護報酬引き下げにより処遇改善には回らないのが現場の状況です。今必要なのは、介護報酬全体を引き上げて職員の処遇改善を図ることです。
 今年度の県内の介護職員処遇改善加算を届け出た事業所数と対象事業所に占める割合を伺います。
 介護職員不足の解消に向けて、介護報酬の引き上げを国に求めるべきですが、考えを伺います。
 子育て支援についてです。
 食育基本法では、給食、食育が知育、徳育、体育の基礎をなすものとされています。県内では既に全額無料の金山町を初め16町村が学校給食費の補助を実施しています。全ての市町村立小中学校の給食費無償化を実現するために市町村を支援すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 就学援助制度に基づく学用品費等の小中学校入学前支給については、県内54市町村で実施の見込みです。全ての市町村で実施できるよう支援すべきですが、考えを伺います。
 我が国の高等教育は学費が高く、学生、保護者に多額の負担を強いています。家計収入も減少する中、負担も限界を超え、進学を断念する人も少なくありません。
 国は今年度から給付型奨学金制度を先行実施しましたが、支給対象が住民税非課税世帯であり、かつ成績優秀者に限定し、住民税非課税世帯の1割しか適用されません。学びたい人が学べるようにしなければなりません。
 給付型奨学金制度の対象者を非課税世帯に限定せず、拡大するよう国に求めるべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 神奈川県座間市で起きた事件で、本県の高校生が殺害されるという本当に残念なことが起きました。単にSNSへの対応に済まされない、子供たちを取り巻く深い問題を含んでいると考えられます。
 県は座間市で起きた事件を踏まえて、不安や悩みを抱える子供たちに寄り添い、支援する体制の構築について考えを伺います。
 障がい者支援についてです。
 特別支援学校の過密化、教室不足、長距離通学の解消に向け、二本松市、伊達市、南会津地区などの新設要望を盛り込んだ県立特別支援学校の新たな整備計画を早期に示すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 避難指示が解除された地域の障害福祉サービス事業所は、帰還する障がい者を受け入れるため開設してきましたが、利用者に応じた給付費の収入しかないため、職員の確保など厳しい運営を強いられています。
 避難指示が解除された地域の障害福祉サービス事業所の状況を把握し、必要な支援を行うべきと思いますが、考えを伺います。
 昨日の代表質問で、知事は手話の普及のための施策を計画的に推進することを盛り込んだ条例を制定する考えを明らかにしました。特別支援学校の整備計画も明らかにされました。これまで求めてきたものとして、私たちも大いに歓迎するものです。
 エネルギー政策についてです。
 ドイツのボンで開かれた地球温暖化防止のための会議COP23は、気象災害で国の存亡の危機に立たされた途上国の政府や国民の悲しみ、怒りが噴出し、世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるという昨年のパリ協定を改めて確認したものとなりました。アメリカトランプ政権のパリ協定脱退に大化石賞が、石炭火発を進め、脱石炭に逆行している日本は化石賞がまたもや贈られ、厳しい批判を浴びました。安倍政権のエネルギー政策の根本が問われています。
 県は地球温暖化防止に逆行する石炭火力発電所の新増設やIGCCを依然進めるとしていますが、COP23で確認された内容に基づいて、地球温暖化防止のため、石炭ガス化複合発電推進の立場を見直すべきと思いますが、考えを尋ねます。
 日本の自然エネルギーは、大きな可能性を持っています。太陽光、中小水力、地熱、風力だけでも20億キロワット以上と推定されています。新しい仕事と雇用の創出、地域に与える経済効果が期待できます。福島県は再生可能エネルギーの先駆けの地を目指すことを掲げてきましたが、新たな課題も見えてきました。いわき市での風力発電の集中立地や田村市での放射能が心配されるバークを使用する木質バイオマス発電など、地域住民から反対の声が上がり、環境問題が各地区で重大化してきています。
 再生可能エネルギーの導入に当たっては、地域の住民合意を前提とし、かつてゴルフ場の開発が集中したときに環境を守るための水源保護条例がつくられたように、個別審査にとどまらず、再生可能エネルギーの導入について集中立地を規制する新たな仕組みが必要と思いますが、伺います。
 農業問題についてです。
 日本の食料自給率はついに38%となりました。安倍内閣の目標四五%から逆行です。根本には農畜産物、水産物の輸入自由化と価格保障廃止、海外依存を強める日本農業切り捨ての政治があります。酪農を初め農山漁村が大きな打撃を受けるTPP11、日欧EPA交渉を続けていますが、国は影響試算もしていません。来年は、米の生産調整の廃止と稲作農家への10アール7,500円の交付金廃止も待ち受けています。
 原発事故で甚大な被害を抱えている本県農林水産業の復興は、地域経済復興の最重要課題です。再生産を保障する価格保障、所得補償に力を入れ、家族経営を守り、多様な担い手が農業を続けることができるようにすることこそ必要ではないでしょうか。
 国民の主食である米政策に国が責任を持って取り組むよう、農業者戸別所得補償制度の復活を国に求めるべきと思いますが、考えを伺います。
 安全・安心のための米の全量全袋検査の継続と生産者の負担軽減を図るべきと思いますが、見解を伺います。
 災害に強い県づくりについてです。
 巨大地震や地球温暖化の影響による集中豪雨がいつどこで起きるかわからない状況の中、防災対策の強化が迫られています。いざというときに助け合って対応できるよう現実的な対策を地域ぐるみで進めることの重要性も語られています。
 総務省の公表では本県の災害対策本部が設置される市町村の庁舎の耐震化率は71.7%と、全国の耐震化率78.1%に比べても低い現状です。早期に促進すべきと思います。県は市町村の防災拠点建築物の耐震化を早期に促進するため、どのように支援していくのか伺います。
 災害時に避難所となる県立学校において、多目的トイレの設置など施設のバリアフリー化に取り組むべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 県内の土砂災害危険箇所における基礎調査結果の公表箇所数と施設整備の完了箇所数について伺います。
 県は洪水被害を防止するため、河川の維持管理にどのように取り組んでいくのかお伺いいたしまして私の質問を終わります。


議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)阿部議員の御質問にお答えいたします。


 憲法9条の改定につきましては、我が国の防衛、安全保障政策に大きなかかわりがあることから、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。
 次に、福島第一原発事故への対応につきましては、原子力安全規制を一元的に担ってきた国及び事故の原因者である東京電力の責任において、将来にわたるさまざまなリスクを想定し、安全かつ着実に廃炉を進めることが本県復興の大前提であると考えております。
 また、国及び東京電力においては、被害者それぞれの立場に立った賠償を迅速かつ的確に行うことはもとより、避難を余儀なくされた被災者の生活再建への支援を確実に行うなど、地域が抱える課題の一つ一つに真摯に向き合い、責任を全うするようあらゆる機会を捉えて強く求めてまいる考えであります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。


危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。


 原発作業員の安定確保等につきましては、これまでも国や東京電力に対し、作業員の計画的な育成確保対策や労働環境の整備改善等に取り組むよう繰り返し求めてきたところであります。
 次に、原子炉建屋の耐震安全性につきましては、事故直後から国及び東京電力において、ロボットによる建屋内部の損傷状況の調査結果等をもとに地震応答解析モデルを用いた評価を行い、その後も燃料取り出し用カバーの設置など、主要な作業の進捗に応じて安全性を確認しております。
 県といたしましては、国の委員会や廃炉安全監視協議会などを通じて、引き続き国及び東京電力の取り組みをしっかり確認してまいります。


企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 柏崎刈羽原発につきましては、東京電力福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び東京電力の責任において検討されるべきものと考えております。
 県といたしましては、引き続き国及び東京電力に対し、県民の強い思いである県内原発の全基廃炉を強く求めてまいります。
 次に、石炭ガス化複合発電につきましては、従来の石炭火力に比べ発電効率が高く、二酸化炭素の排出削減が図られるなど、本県において開発が進められた将来の発展が期待される技術であり、雇用の創出及び地域経済への波及効果も見込まれるものであります。
 引き続き環境にもしっかりと配慮しながら、計画が進められていくものと認識しております。
 次に、再生可能エネルギーの導入につきましては、地元の理解のもと、環境影響評価の手続など、関係法令に基づき適正になされるべきものと認識しております。
 事業者に対しては、周辺で計画されている他の発電事業と連携しながら、事業計画について住民への丁寧な説明を行い、環境対策や災害対策等について十分な理解を得るとともに、地元市町村の意向を踏まえながら、売電収入の一部の地元還元などの地域貢献に取り組むよう奨励、助言し、地域と共存する再生可能エネルギー事業を推進してまいる考えであります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 フォローアップ除染につきましては、機会を捉えて国に対し、手順の簡便化を求めてきたところであり、その結果、個人被曝線量の判定にガラスバッジによる既存の測定データを活用することや、林縁から5メートルまでの堆積有機物残渣の除去等が協議を経ることなく可能となるなど、簡便化が図られてきております。
 次に、住宅の除染につきましては、屋内の空間放射線量の低減を目指すためには周辺屋外の除染が重要であることから、国は除染関係ガイドラインに基づき、屋根や雨どいの洗浄、庭の表土の削り取りなどを行っているところであります。
 県といたしましては、引き続き必要な除染が確実に実施されるよう国に求めてまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 特定健診の健診項目につきましては、科学的根拠に基づいた検査項目として、厚生労働省令により定められております。検査項目の拡充は、市町村や医療保険者が判断するものでありますが、県といたしましては健診等のあり方を検討する協議会で、有効性や対応方針等について意見交換を行うとともに、必要に応じ情報提供してまいります。
 次に、がん検診費用の無料化につきましては、実施主体である市町村が未受診者の状況や費用負担のあり方を踏まえ判断するものと考えております。
 県といたしましては、県民一人一人に検診の大切さを理解していただくことが重要であることから、がん検診推進員等による普及啓発や検診を受けやすいよう受診機会の拡大を図るなど、市町村を支援することにより受診率の向上に努めているところであります。
 次に、非正規労働者のがん検診につきましては、がん対策の推進に関する協定を締結した民間企業17社と連携し、啓発や広報など職域の受診促進対策を行ってまいりました。
 今後は、従業員の心身の健康に配慮する健康経営の取り組みとあわせ、正規、非正規を問わず、企業における受診が促進されるよう働きかけてまいります。
 次に、社会保障費につきましては、医療費や介護保険等の分野で、県民にとって過度な負担や急激な変化とならないよう、これまで国に対して十分な配慮を求めてきたところであり、今後とも国の動向を注視しつつ、全国知事会や他団体との連携を図りながら、国に対して要望してまいります。
 次に、国保税の激変緩和措置につきましては、急激な上昇が生じる市町村に対して、市町村と協議して定めた福島県国民健康保険運営方針に基づき、国が措置する財源などを活用し、可能な限り国保税の上昇を抑えることとしております。
 次に、国保税納税の緩和制度の件数につきましては、納期ごとの累計で徴収の猶予が3件、差し押さえ財産の売却などを猶与する換価の猶予が26件、差し押さえできる財産がない場合などに適用される滞納処分の停止が49,300件であります。
 次に、特別養護老人ホームの整備を促進するための支援につきましては、要介護認定者の推移見込みや入所希望者の状況などを踏まえ、市町村が必要とする整備量を積み上げた介護保険事業支援計画に基づき、施設整備への補助を行っているところであり、今後とも市町村の計画的な施設整備を支援してまいる考えであります。
 次に、今年度の介護職員処遇改善加算を届け出た事業所数につきましては、11月1日現在、対象2,453事業所のうち2.232事業所で、全体の約91%となっております。
 次に、介護報酬の引き上げにつきましては、国における改定に向けた検討を注視するとともに、介護人材の安定的な確保につながる処遇改善は喫緊の課題であることから、全国知事会の提案、要望や緊急決議などを通じて、介護報酬に適切に反映させるよう、国に対し求めているところであります。
 次に、避難指示が解除された地域の障害福祉サービス事業所につきましては、施設設備の復旧費を補助しているほか、被災事業所への支援を行う拠点にコーディネーターを配置し、事業所の再開や経営上の課題等に応じ、アドバイザーの派遣による助言を行うなどの支援を行っております。
 今後ともコーディネーターの活動を通して、きめ細かな状況把握に努めながら必要な支援を行ってまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 福島ロボットテストフィールドの利用者の見込みにつきましては、浜通りロボット実証区域の取り組みにおいて、日本無人機運行管理コンソーシアムが10月に施設整備予定地で行った実証試験では、30を超える企業や団体が参加したほか、先月福島ロボットテストフィールドの利用等に関する協力協定を締結した新エネルギー・産業技術総合開発機構が進める実証プロジェクトにおいても、40以上の企業や団体が加わっております。
 今後は、これらの企業等に施設をしっかり利活用いただけるよう、国や地元市町村等との密接な連携のもと、働きかけを強化してまいります。
 次に、福島ロボットテストフィールドの運営につきましては、昨年1月に県と国との間で施設の整備・運営等に関する協定を締結しており、国は安定的な運営が可能となるまでの当分の間、必要な運営費の確保に努めることとなっております。
 今後は、施設の効果的かつ効率的な運営に向けて着実に準備を進めるとともに、必要な財源の確保について引き続き国に要望してまいる考えであります。


農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 農業者戸別所得補償制度につきましては、一部継続されていた米の直接支払交付金が本年度で廃止されることとなっております。
 平成30年度からの国の米政策の見直しは、食生活の多様化に応じた水田フル活用による麦、大豆等の生産拡大、助成による作付誘導から作物選択の自由度の拡大等を基本としており、農業経営のセーフティーネットとして、米価が下落した際に収入を補塡する収入減少影響緩和交付金や平成31年からスタートする農業経営収入保険制度の円滑な運営について国に求めているところであります。
 次に、全量全袋検査の方向性につきましては、消費者、農業者、流通関係者等から幅広く意見を聞きながら検討しているところであり、「風評対策としてすぐにはやめられないが、より効率的な検査方法に移行すべき」、「農家等の負担軽減を図るため出荷米のみを対象としてもよいのでは」など、さまざまな意見をいただいております。
 引き続きこれらの意見を踏まえ、本年度内に今後の方向性を取りまとめていく考えであります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 市町村の防災拠点建築物につきましては、市町村地域防災計画で定められた庁舎や避難所などについて、福島県耐震改修促進計画で指定することにより国庫補助の活用を可能とし、耐震化を促進しているところであります。
 今後とも各建設事務所に設置している市町村耐震化支援チームにより、市町村の建築物の耐震化が円滑に図られるよう技術的支援に取り組んでまいる考えであります。
 次に、土砂災害危険箇所における基礎調査結果の公表箇所数につきましては、全体の7,867カ所のうち11月末現在で6,453カ所となっております。また、施設整備の完了箇所数につきましては、人家が多く緊急性の高い3,009カ所のうち平成28年度末で827カ所となっております。
 次に、河川の維持管理につきましては、洪水時の氾濫の危険性を低減するため、優先度や緊急性を見きわめながら、堆積した土砂の除去や伐木、除草等を行っております。さらに、除草作業の効率化を図るため、手押し型除草機械を出先機関に配置したところであり、今後とも県民の安全・安心の確保に向け、財源の確保に努めながら、適切な維持管理に取り組んでまいります。


原子力損害対策担当理事(大島幸一君)お答えいたします。


 原子力損害賠償につきましては、避難指示区域外における損害も含め、被害の実態に見合った賠償が確実かつ迅速になされるよう、これまで原子力損害賠償紛争審査会に対し、現地調査などを通して本県の現状をしっかりと把握するとともに、原子力損害賠償の指針について適時適切な見直しを行うよう求めてまいりました。
 引き続き個別具体的な事情への対応を含め、被害者の立場に立った賠償が的確になされるよう取り組んでまいります。
 次に、農林業の風評賠償につきましては、損害がある限り賠償は継続するという基本的な考えのもと、原発事故からの時間の経過に伴う状況の変化を踏まえ、現在東京電力とJA等の関係団体で来年以降の賠償基準等について協議が行われているところであります。
 引き続き東京電力に対し、関係団体や農林業者の理解が得られる賠償基準等を早期に取りまとめるよう求めてまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。


 避難者の実態調査につきましては、国、県、市町村が共同で住民意向調査を実施しているほか、県としても復興支援員による戸別訪問や生活再建支援拠点での相談対応などにより個別課題の把握に努めております。
 今後とも把握した課題の解決に努め、避難者が生活再建を図ることができるよう支援をしてまいります。
 次に、雇用支援機構の提訴につきましては、県としてもこれまで住宅を提供してきた機構等と連携し、戸別訪問等を通して避難者の生活再建に向け、丁寧に対応してきたところですが、これまでの当事者間の話し合いの経過を踏まえ、これ以上の進展が見込めないとして機構が判断したものと考えております。
 次に、住宅の明け渡し等につきましては、応急仮設住宅の供与終了後も退去できない方に対し、これまで戸別訪問や相談対応等を通して生活再建の支援に努めてまいりました。こうした中、相手方との話し合いにおいて進展が見込めない場合など、状況によっては訴訟や調停などの法的措置をとることも解決を図るための手段の一つと考えております。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 不安や悩みを抱える子供たちに寄り添い支援する体制の構築につきましては、青少年総合相談センターや子どもと家庭テレフォン相談を設置しているほか、教育委員会や県警本部においてもダイヤルSOSやいじめ110番などそれぞれに相談窓口を設けており、子供たちからのさまざまな相談に応じております。
 引き続き各機関が相互に連携を図りながら、不安や悩みを抱える子供たちを支援してまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 市町村立小中学校における給食費につきましては、学校給食法により保護者が負担することとされており、そのあり方については学校の設置者である市町村が判断すべきものであります。
 また、いわゆる要保護、準要保護及び被災児童生徒に対しては、保護者が負担する給食費への支援が行われていることから、県教育委員会による支援については困難であると考えております。
 次に、就学援助制度に基づく学用品費等の入学前支給につきましては、県教育委員会としても制度の趣旨の積極的な周知を図ってきた結果、現在54市町村が実施する意向であることを確認しております。
 今後とも全ての市町村において円滑に実施されるよう、きめ細かな情報提供や丁寧な助言に努めてまいります。
 次に、給付型奨学金制度につきましては、国に対し可能な限り多くの学生に給付できるよう、制度のさらなる充実強化を全国都道府県教育長協議会等を通して要望してきたところであります。
 今般政府において、対象者の拡充について検討されていることから、その動向を注視するとともに、家庭の経済状況等にかかわらず、より多くの学生に給付できるよう引き続き求めてまいります。
 次に、県立特別支援学校の新たな整備計画につきましては、これまで特別な支援を必要とする児童生徒数の推移や通学状況などを調査、分析し、策定に向けた検討を進めてまいりました。
 今後は県立特別支援学校の規模の適正化や通学時間の短縮を図るため、また地域における特別支援教育の拠点として、伊達、安達及び南会津の各地区に新たな学校を設置することを主な内容とした整備計画を年内に策定する考えであります。
 次に、県立学校における施設のバリアフリー化につきましては、全ての児童生徒が障がいの有無にかかわらず安心して学び、1日のうちの多くの時間を過ごす場であり、また災害時には県民の避難所としても利用されることから、思いやりがあり、使いやすい学校施設を整備する必要があると考えております。
 このため、校舎等の改築や大規模改造事業の際に、多目的トイレへの改修やスロープの設置による段差の解消などを進めてきており、引き続き県立学校における施設のバリアフリー化に取り組んでまいります。


38番(阿部裕美子君)再質問をいたします。


 初めに、知事に伺います。
 知事の答弁では、なりわい裁判の判決には触れられておりませんでした。私はこのなりわい裁判の判決は、県民、住民が闘い取ったものであり、前橋地裁、千葉地裁に続いて示された司法の判断でありますから、これを重く受けとめるべきだと思います。そして、今後の対応に生かすべきだと思います。巨大津波は想定外という国と東電の言い分は、もはや通用しなくなりました。
 さらに、判決は救済の範囲を広げたことです。裁判所は現地調査も行って、被害のスケールを目の当たりにして判決が出されましたが、判決の基準に従えば、150万人以上が救済の対象になります。全ての被害者の救済のため、賠償の範囲の見直しなど、この判決を生かすべきだと思います。再度知事に答弁を求めます。
 それから、避難地域復興局長にお伺いいたします。
 訴訟、調停はやめるべきだということであります。新潟県で避難者を受け入れて支援をしてきた大学教授が述べております。原発事故から6年9カ月になって、生活再建が困難な人、支援を必要とする人の存在が顕在化している。避難をされている人たちが、自分たちは見捨てられたと感じているということも伝わってくると言われておりました。中越地震の教訓からも言えることとして、ダメージは人それぞれ違っていて、人生の再構築を支えるために長い時間をかけて寄り添い、支えていくことが必要だと述べております。
 原発事故の被災県の福島県が対応の公平性を言いながら、困窮している被災者を訴訟や調停で断罪することは許されないのではないでしょうか。
 住宅の支援の打ち切りがそもそも問題であります。自死者が何人か出ているということも聞いております。住宅支援が打ち切られて、生活保護を申請に行ったらば、進学等のためにためていたお金があるため受けられなかった、生活困窮の状況が続いているという方もおりますし、非常にさまざまな状況であります。これらを新たな生活に踏み出せる人もいるでしょうが、なかなか踏み出せない困難な問題を抱えている方たちもいるわけですから、最後の一人まで切り捨てない、その立場に立って寄り添った支援を行っていく必要があると思います。
 県が訴訟や調停という方法をとるべきではありません。再度答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)再質問にお答えいたします。


 福島第一原発事故の裁判につきましては係争中であることから、今後の状況を注視してまいります。
 いずれにしても、国及び東京電力においては廃炉、賠償、被災者支援などそれぞれの面において、みずからの責任を全うするよう強く求めてまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)再質問にお答えをいたします。


 訴訟や調停をやめるべきというような御質問でございますが、今回提案をしております案件につきましては、これまでも避難元と連携をいたしまして、何度も戸別訪問を行うなど誠意を持って対応してきたわけでございますけれども、話し合いにこれ以上の進展が見込めないということから、やむを得ず提訴をすることとしたものでございます。御理解をいただきたいと思います。


38番(阿部裕美子君)再々質問をいたします。


 教育長に学校給食の問題で伺います。
 給食費の無償化についてですが、学校給食法では保護者が負担することとされていますが、同時に設置者の判断で保護者の負担を軽減することは可能とされております。新日本婦人の会が行ったアンケートでは、学校に支払う教育費の中で、公費で賄ってほしいと思うものの第2位に給食費が挙げられております。多くの父母の皆さんが給食費の負担を軽減してほしいという要望をされております。県が実施に踏み切れば、県内全ての市町村でひとしく子供たちが恩恵を受けるということができるようになります。
 子供の貧困の問題も指摘されている中で、日本一子育てしやすい福島県を実現していくためにも、これについては一歩踏み出していただきたい。県が県内市町村を支援するという立場で、学校給食費無償化に踏み出していただくことについて再度答弁を求めます。
 次に、企画調整部長に、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働反対表明についてであります。
 柏崎刈羽原発は、事業者が東京電力でありますから、当然新規制基準の適合以前に事業者としての適格性が問題になってしかるべきです。その点では、司法の判断でも適格性に欠けることが示されております。東京電力は福島第一原発の敷地の高さを超える津波の発生を予測できていたし、前橋地裁と千葉地裁の判決もそう認定していますが、実際には何らの対策を講じてこなかったこと、さらにメルトダウンは存在しないと言い続け、審査でも免震重要棟の耐震性不足について虚偽の報告をしていたなど隠蔽体質は根深く、このような事業者が適格であろうはずはありません。
 県は、直接の判断は県ではないという立場では済まされない問題だと思います。福島原発事故後1年8カ月、日本の全ての原発は動いていませんでした。原発を動かせば出てくる核のごみを処理することもできない原発はやめるしかない、ドイツを初め世界の流れでもあります。
 福島県の会津は、距離にして柏崎刈羽原発のほうが福島原発よりも近い50から60キロメートルに位置しております。県民の命の安全を確保する立場からも、東京電力の柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働反対を明確に表明すべきと思います。再度答弁を求めます。
 次に、保健福祉部長に高齢者福祉の問題について、介護報酬引き上げについて、さらに再度国に強く求めることを申し上げたいと思います。
 高齢者の介護施設に入所しているお年寄りが職員に虐待を受けたり殺害されるなど、高齢者の尊厳が踏みにじられる事件が多数発生しております。職場環境が要因の一つになっていると指摘をする声もあります。介護職員らの労働組合のアンケートでは、高齢者虐待は主に何が原因だと思うかという質問に対して、負担が多いという問題があります。
 介護保険不足に対して、報酬の引き上げを求めることを再度答弁ください。


企画調整部長(櫻井泰典君)再質問にお答えいたします。


 東京電力に対しては、これまでも県民の安全・安心を第一とする社内風土を確立し、甚大な被害をもたらした事業者としての責任を全うするよう求めてきております。
 いずれにいたしましても、柏崎刈羽原発につきましては福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国及び東京電力の責任において検討されるべきものと考えております。


保健福祉部長(井出孝利君)再質問にお答えいたします。


 介護人材の安定的な確保につながります処遇改善、そして介護に携わる職員の資質向上、非常に重要な問題と考えております。
 本県としましても資質向上に取り組むとともに、介護報酬の上昇に向けて、国に対して適切に要望してまいります。


教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えをいたします。


 給食費の負担をどのようにしていくかにつきましては、それぞれ学校の設置者である市町村が置かれている状況などをそれぞれ検討、判断の上、決定していただくものと考えております。


議長(吉田栄光君)これをもって、阿部裕美子君の質問を終わります。

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