2017年12月定例会 一般質問 神山悦子議員
議員 | 神山悦子 |
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所属会派(質問日現在) | 日本共産党 |
定例会 | 平成29年12月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 12月12日(火曜日) |
49番(神山悦子君)日本共産党の神山悦子です。
昨日で3・11の東日本大震災、原発事故から丸6年9カ月になりました。原発事故対応、避難自治体の現状、県民の暮らしとなりわいの実態を見れば、復興は着実に進展しているとは言えません。
汚染水対策の切り札として345億円もの国費を投入した凍土壁は、ことし11月に全面凍結したばかりですが、10月の台風接近に伴う大雨の影響で地下水が激増しました。県廃炉安全監視協議会専門委員の柴崎直明福島大学教授は「凍土壁は台風や大雨時には全く効果が見えない。地層の下の部分からも浸入している可能性がある。」と指摘しています。
多額の国費をかけた凍土壁の効果について、東京電力にデータの公開を求め、県としても検証すべきと思いますが、県の考えを伺います。
福島原発事故を起こした東京電力は、柏崎刈羽原発の再稼動を申請し、日本原子力発電は来年40年を迎える老朽原発の東海第二原発の20年延長を申請しました。さらに、関西電力は福井県の高浜原発3、4号機を再稼働させた上、今度は大飯原発3、4号機の再稼動を申請し、四基を稼働させようとしています。
再稼動すればするほど使用済み核燃料はふえ続けますが、全国の核燃料廃棄物貯蔵プールがあと6年で満杯になるというのに全く無責任です。
未曽有の原発事故被害を受けた県民を代表して、老朽化した東海第二原発の運転延長や集中立地している福井県の複数原発の再稼動中止を国に求めるべきと思いますが、知事の見解を伺います。
原発事故で避難している18歳未満の子供は、現在県内外に約1万8千人、転校した子供は1万836人です。一方、ことし3月末に帰還困難区域を除き解除された浪江町は、来年4月から小中学校を再開予定ですが、新設校への転入学希望は小学校でわずか3人から5人、中学校で1人という現状です。
県はことし8月に仮設住宅と借り上げ住宅の供与期間を再来年3月末まで延長するとしましたが、国、東京電力は家賃賠償を来年3月末で打ち切る方針です。浪江町と富岡町は連名で、供与期間の延長に見合う家賃賠償の継続等を求めています。
家賃賠償の終期を応急仮設住宅の供与期間と同じくするよう国及び東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
さらに、借家に係る住居確保損害の賠償について、帰還または移住によって対応に差が生じないよう、被害者の実情に応じて賠償されるべきと思いますが、県の考えを伺います。
復興公営住宅への入居者は、入居後3年となる2019年4月以降、公営住宅法による収入基準を超えた収入超過者は段階的に近傍同種家賃に引き上げられますが、相馬市は被災者に配慮し、既に災害公営住宅の家賃減免を実施しており、国も被災3県に対し、条例により独自に減免できるとしています。
復興公営住宅における収入超過者の家賃を減免すべきと思いますが、県の考えを伺います。
東京電力は、浪江町の集団申し立てに係るADRの和解仲介案に応じたのは1件のみでした。ADRの趣旨に照らし、浪江町の集団申し立てを含め、原子力損害賠償紛争解決センター、ADRの和解仲介案に応じるよう東京電力に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
東京電力は、ここに来て他のADRの和解仲介案についても裁判に訴えていることを理由に、賠償を支払わない態度をあらわにしています。東京電力は、ADR設置の趣旨を尊重すべきと思いますが、県の考えを伺います。
神戸製鋼所、日産自動車、SUBARU、三菱自動車、三菱マテリアルに続き、経団連会長の出身企業の東レまで、日本を代表する大手製造業者の検査データ改ざんや無資格検査の不正が明らかになり、日本のものづくり産業の信頼は大きく失墜しました。しかも数年前から事態を把握しながら公表しなかった組織ぐるみの隠蔽行為です。三菱マテリアルの子会社は会津若松市内にあります。
県は、大手製造業者の不祥事をどのように受けとめているのか伺います。
神戸製鋼や三菱子会社など大手製造業者の不適合製品が原子炉等に使用されている可能性があることから、過去にさかのぼり徹底的に調査すべきと思いますが、県の考えを伺います。
自民党を中心にした歴代政権は、アメリカ追随、大企業中心の政治を進め、大企業を甘やかし、モラルの低下や劣化を招いてきたと言えます。安全より利益、現場、労働者軽視が現場の力を奪い、製造業の土台を掘り崩してきました。安倍政権は、この立場をより露骨に進めています。
労働者の人権を無視し、過労死するまで働かせるブラック企業や安上がりの派遣労働や非正規労働者も増大させてきました。改正労働契約法により有期、期間雇用労働者が契約更新を5年続けると無期契約に転換できる5年ルールが来年4月から適用開始されます。トヨタ自動車は、開始前6カ月間の空白期間をつくり、無期転換逃れの脱法行為をしていたことが明らかになり、東京大学、東北大学、日本大学でも同様のことが行われていました。
福島労働局と連携し、県内の企業や大学において有期雇用労働者の実態調査を行い、無期転換ルールの適正な運用を求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
法人税の引き下げや株への投資で利益を上げてきた大企業は、過去最高の413兆円もの内部留保金をため込んでいます。この一部を労働者に還元させ、8時間働けば暮らせる社会、人間らしく働けるルールの確立こそ必要です。
安倍政権が進める働き方改革は、労働条件の改悪につながるものであり、さらなる過労死を生む労働法制の改悪や残業代ゼロ法案の提出中止を国に求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
県の企業立地補助金や緊急雇用創出事業、中小企業等グループ補助金をめぐる不正受給が相次いだことが昨年度の決算審査でも明らかになりました。
株式会社ルキオに対し、県が補助金返還を求めたのは約5億8千万円ですが、警察は南相馬市の工場新設の際の費用水増し分など10億8千万円を不正額としています。
ふくしま産業復興企業立地補助金の不正受給について、株式会社ルキオの補助金交付決定の取り消し内容をお尋ねします。
いわきコールセンターの不適正受給について、県にも指導監督責任があると思いますが、考えを伺います。
県はふくしま産業復興企業立地補助金などの不正受給等を踏まえ、再発防止にどのように取り組んでいくのか伺います。
本県でも議員提案で可決された改正福島県中小企業・小規模企業振興基本条例を県政に生かした施策が求められます。先月30日の商工会福島県大会においても強調されたように、事業承継は喫緊の課題です。ことしの中小企業白書でも、廃業した企業の約3割が黒字にもかかわらず後継者を見つけられずに廃業している、それも企業規模が小さくなるほどその傾向が顕著としています。
事業承継補助金などの国の事業を活用し、中小企業、小規模企業の実情を把握した上で事業承継を支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。
全商連青年部が行った実態調査では、3割以上の業者が消費税を完全に転嫁できないとしています。
中小企業支援の立場から、消費税10%の増税中止を国に求めるべきです。県の考えを伺います。
中小企業に対し、社会保険料の事業主負担分の軽減などの支援により、最低賃金を全国一律時給1,000円以上に引き上げるよう国に求めるとともに、県独自の支援をすべきと思いますが、考えを伺います。
ことし6月時点で売り上げが震災前の水準に回復していない事業者は5割を超えています。また、税金や社会保険料が払えない滞納事業者に対し、人件費を含む代金を全額差し押さえしたり、また納税猶予制度はないとする自治体さえあります。
地方税における納税猶予制度の適正な運用について、市町村に周知を徹底すべきと思いますが、県の考えを伺います。
高年齢者雇用安定法の改正により、自治体がシルバー人材センターに準ずる者について要綱や基準を策定し認定すれば、高年齢者等の事業団に仕事を発注することができるようになりました。医療費や介護の負担がふえ、年金だけでは生活できないと就労を希望する高齢者が増加しています。郡山市は、県内で初めてことし7月に実施要綱を策定し、宮城県も昨年策定しました。
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正に伴うシルバー人材センターに準ずる団体の認定基準の策定について、県の考えを伺います。
神奈川県座間市で起きた連続殺害事件の9人の犠牲者の1人が本県の県立高校3年生の女子生徒だったことに大きな衝撃を受けています。若者は実際に起きている問題に対し選択の幅が狭く、切実で深刻です。また、SNSについても、規制だけではかえって居場所をなくしかねないとの指摘もあります。
本県でもいじめ等による高校生の自殺が相次いで発生しています。政府の2017年版自殺対策白書によれば、日本の自殺率は世界的に多くワースト6位で、特に女性はワースト3位、年齢別では若年層の自殺が深刻とされています。
県は第3次福島県自殺対策推進行動計画の改定に当たり、若者の自殺対策をどのように反映させるのか伺います。
家にも学校にも居場所がなく、夜の街をさまよう少女たちの実態を描いた著者の仁藤夢乃さんは、東京都内で行政と連携しながら年間百数十人の少女たちの相談に乗っています。県内でもひきこもりや不登校の支援や子ども食堂などの民間支援団体があります。
子ども食堂の運営などに取り組む民間団体への財政支援が必要と思いますが、県の考えを伺います。
また、子ども食堂の運営などに取り組む民間団体と、県や市町村などとの連携は図られているのかお尋ねします。
公的機関の役割は重要で、SOSを発信している子供や大人、障がい者、高齢者など一人一人の人権を尊重した対応が求められます。まず、児童相談所ですが、昨年度全国でも、本県でも、虐待件数は過去最多となりました。欧米諸国は、数千人に1人のソーシャルワーカーが配置されています。日本は1999年比で職員を2,5倍に増員したものの、虐待対応は10.5倍にふえています。職員の配置基準が人口4万人に1人に改正されても足りません。
虐待を受けた子供の兄弟の心理的虐待について、県はどのように対応しているのかお尋ねします。
いじめ、虐待、思春期以降の10代若年層に十分対応できるよう、児童福祉司の大幅な増員を図るため、県独自に人口比の配置基準を見直すべきと思いますが、考えを伺います。
精神科医との連携も必要です。児童相談所は、児童思春期外来が開設されている県立矢吹病院と連携すべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
また、配偶者等からの虐待、DV対策への県の女性のための相談支援センターは、夜間や緊急を要する事態に対応できているでしょうか。以前に保護を必要とする相談を受けましたが、結局公的機関の受け入れ先は見つかりませんでした。
県内各方部にシェルター機能を持ったDV被害者の受け入れ施設が必要と思いますが、県の考えを伺います。
ことし4月の文科省の発表に続き、県教育委員会がことし9月に実施した小中学校、高等学校教員の勤務実態調査で、県内中学校の副校長、教頭は全国調査より12時間も上回る実態が明らかになりました。
子供たちに競争をあおり教員にも大きな負担となっている全国学力・学習状況調査及び県独自の学力調査を中止すべきです。県教育委員会の考えを伺います。
公立小学校における外国語教育の導入に当たり、教員の負担が増大しないようにすべきですが、県教育委員会の考えを伺います。
教員の多忙化を解消するため、正規教員をふやすよう求めますが、県教育委員会の考えを伺います。
部活のあり方も問われています。スポーツ庁の今年度実態調査でも運動部活顧問の5割以上が悩みや心身の疲労を抱えていると回答しています。公立中高等学校の部活動について、大会等のあり方を見直し、土曜日、日曜日のいずれか1日を休養日に当てるべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
また、普通学級に通う発達障がい児等の支援をする特別支援教育支援員は、県内59市町村に約700人おり、担任教師の負担軽減にもなっておりますが、研修や他校の支援員と交流の機会もなく、市町村雇用のため、身分もさまざまです。公立小中学校における特別支援教育支援員を県が配置すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
県立高等学校改革プランの素案が示され、1学年3クラス以下を統廃合すれば、本県の県立高校は現在の3分の1に減少します。学校は、地域の文化の中心であり、学校がなくなれば地域は一層疲弊します。効率優先、集約ありきで進めるべきではありません。
県立高等学校の改革に当たっては、住民合意を前提に実施すべきです。県教育委員会の考えを伺います。
相馬農業高等学校飯舘校は、県立高等学校として存続させるべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねします。
生徒数の減少を言うのであれば、県立高等学校において30人学級の実施を検討すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
最後に、田村市大越町の産業団地内に田村バイオマスエナジーによる木質バイオマス発電事業が計画されています。当初の住民説明会ではホワイトチップのみを燃料とするとしていたのを、ことしに入りバークも燃料とし、チップ工場まで併設する計画が示され、環境、騒音、排煙などの不安から白紙撤回を求める声が上がっています。
木質バイオマス発電所において、本県産材の樹皮を燃やすことは慎重にすべきと思いますが、県の考えを伺います。
以上で私の質問を終わります。
議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)神山議員の御質問にお答えいたします。
原子力政策につきましては、東京電力福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において検討されるべきものと考えております。
県といたしましては、引き続き国及び東京電力に対し、県民の強い思いである県内原発の全基廃炉を求めていくとともに、再生可能エネルギーの飛躍的推進を図り、本県復興の基本理念である原子力に依存しない社会づくりの実現にしっかりと取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。
総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。
地方税の納税猶予制度につきましては、納税者が災害等により納期内に納付することができない場合など、法令等に基づく一定の要件のもと税の徴収を緩和するものであり、今後とも適切に運用されるよう税務担当者を対象とした研修会等を通じて市町村への周知を図ってまいります。
危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。
凍土壁につきましては、サブドレンや地下水バイパス、敷地の舗装等とともに重層的に汚染水抑制機能を発揮するものであり、東京電力においては凍土壁内外の水位差や地下水のくみ上げ量、建屋流入量等のデータを毎週公開しているところであります。
県といたしましては、これらのデータや検証状況について、国の委員会や廃炉安全監視協議会等を通じ、しっかりと確認してまいります。
次に、大手製造業者の不適合製品につきましては、原子力発電所の安全規制を一元的に担う原子力規制委員会の指示により、現在東京電力において原子力発電所の安全上重要な設備における使用状況の調査が行われているところであります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
若者の自殺対策につきましては、国の自殺総合対策大綱において、新たに子供、若者の自殺対策をさらに推進することが重要施策の一つとされたことを踏まえ、今年度中に改定する第3次福島県自殺対策推進行動計画にゲートキーパーのさらなる養成や相談体制の充実など、不安や悩みを抱える若者に必要な支援が行き届くよう各種施策を盛り込んでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
大手製造業者の不祥事につきましては、ものづくり産業全体に対する信頼を損ないかねない事案であると受けとめており、企業の生産活動については各種法令等を遵守して行われるべきものと考えております。
次に、無期転換ルールの適正な運用につきましては、福島労働局が県内の商工団体や大学に対し、無期転換ルールの円滑な導入に向けた取り組みを要請しているところであります。
県といたしましても、福島労働局や関係機関と連携しながら、さまざまな機会を捉えて、一層の周知及び啓発に努めてまいります。
次に、働き方改革につきましては、3月に国の働き方改革実現会議において決定された働き方改革実行計画に基づき、現在国において労働関係法の改正に向けた検討がなされていることから、今後の動きを注視してまいりたいと考えております。
次に、株式会社ルキオの不正受給につきましては、補助事業とは無関係の機械設備の導入経費などを水増しし、補助金を過大に受給していたものであります。
このため、平成28年11月18日付で調査により判明した不正額5億7,770万円の交付決定を取り消したところであり、同年12月8日付でその全額が返還されております。
次に、いわきコールセンターの不適正受給につきましては、国の最終報告書において、所有権移転特約つきリース契約による財産取得が実施要領等に明らかに抵触することから不適正事案とされたところであります。
県といたしましては一連の事務手続において、補助事業者として県の役割を果たしてきたものと考えております。
次に、ふくしま産業復興企業立地補助金などの不正受給等につきましては極めて遺憾であり、重く受けとめております。このため、審査や調査内容等の見直しを行うとともに、補助金を交付した全企業への現地調査や市町村に対する制度の周知などを実施しているところであり、引き続き再発防止にしっかりと取り組んでまいります。
次に、事業承継につきましては、地域の雇用の確保や活性化、技術の継承を図る上で大きな課題となっていることから、事業承継補助金等、国の事業を有効に活用するとともに、オールふくしま経営支援連絡協議会や事業引継ぎ支援センターと緊密に連携しながら、個々の事業者に応じた事業承継の支援に取り組んでまいります。
次に、消費税増税につきましては、国において地域経済や中小企業者への影響等を十分配慮の上判断されたものと考えております。
次に、社会保険料につきましては、地域の医療費の状況や社会保障の給付水準等に応じて国や健康保険組合が決定するものであり、また最低賃金については、国が法律に基づき労働者の生計費や賃金、さらには企業の生産活動などの経済指標等を考慮して決定することとされており、それぞれ尊重すべきものと考えております。
次に、シルバー人材センターに準ずる団体の認定基準の策定につきましては、シルバー人材センターに準ずる団体等の実態調査を実施しているところであり、今後調査結果等を踏まえ、認定基準を策定してまいる考えであります。
農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。
木質バイオマス発電所における本県産材樹皮の燃焼につきましては、発電事業者等に対し、燃料とする木材は森林の伐採木の搬出指針を満たすこと、事前の木質燃料の放射性物質濃度の測定、燃焼後の灰の放射性物質濃度の測定など徹底した管理を指導してきたところです。
引き続き地元自治体と連携しながら、安全・安心の確保に取り組んでまいる考えであります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
復興公営住宅における収入超過者の家賃につきましては、公営住宅法の規定に基づき、一般の県営住宅と同様に収入に応じて一定額が加算されることから、入居者に対して引き続き丁寧に周知するとともに、収入超過者の家賃負担について、国や他の被災県、県内関係市町村と情報共有や意見交換を行ってまいります。
原子力損害対策担当理事(大島幸一君)お答えいたします。
家賃賠償につきましては、対象期間が来年3月までとなっていることから、応急仮設住宅の供与期間の延長を踏まえ、国、東京電力に対し、さまざまな機会を捉え、地域の実情等に応じた適切な対応を行うよう求めるとともに、先月29日及び今月4日には、国等に対し、東京電力を指導するよう要望したところであります。
次に、借家の住居確保損害につきましては、東京電力では、移住する場合、想定される家賃差額を定額で賠償し、帰還の際、従前の家賃が低く、追加の負担が生じる場合には必要かつ合理的な範囲で賠償するとしております。
引き続き東京電力に対し、地域の状況や被害者の個別具体的な事情を踏まえ、的確に賠償を行うよう求めてまいります。
次に、紛争解決センターによる和解仲介案につきましては、これまで原子力損害対策協議会の活動を通し、原発事故の原因者としての自覚を持って積極的に受け入れ、迅速に賠償を行うよう東京電力に繰り返し求めてきたところであります。
引き続き被害者の立場に立った賠償がなされるよう取り組んでまいります。
次に、紛争解決センター設置の趣旨の尊重につきましては、賠償請求に係る紛争について、簡易かつ柔軟な手続で公正、迅速に解決が図られることから、被害者の早期救済に極めて重要であると考えております。
引き続き、東京電力に対し、被害者の立場に立って積極的に和解仲介案を受け入れるよう求めてまいります。
こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。
子ども食堂の運営などに取り組む団体への財政支援につきましては、民間団体が実施する人材育成のための研修事業に対し助成を行っているところであります。
次に、子ども食堂の運営などに取り組む民間団体との連携につきましては、県内7方部で民間団体や市町村、ハローワーク、児童相談所などによる支援を必要とする子供への対応に関する会議を開催し、連携を図っております。
次に、虐待を受けた子供の兄弟姉妹への心理的虐待につきましては、児童相談所において子供や家族と面談を行って安全を確認するとともに、子供の心理状態に応じた心のケアや家族への助言を行うなど、適切に対応しております。
次に、児童福祉司につきましては、平成29年6月1日現在、47名が配置されております。国の新たな配置基準により、平成31年度までに50名を配置することとされており、引き続き国の基準を見据えながら、適切に配置してまいります。
次に、児童相談所と県立矢吹病院との連携につきましては、児童相談所に相談のあった子供が発達障がいや精神疾患など治療が必要な場合には、県立矢吹病院を初めとした児童に対応している医療機関と連携し、対応しております。
次に、DV被害者の受け入れにつきましては、女性のための相談支援センターにおいて24時間体制で対応しているほか、各保健福祉事務所でDV被害者からの相談に応じております。
引き続き警察など関係機関と連携しながら、DV被害者を適切に保護してまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
全国学力・学習状況調査及び県独自の学力調査につきましては、児童生徒の学力や学習状況の実態を把握、分析し、課題に応じた指導改善を行っていく上で必要であると考えております。
次に、公立小学校における外国語教育につきましては、平成32年度の全面実施に向け、来年度からの移行措置の内容が国から示されたことから、先般市町村教育委員会の担当者を対象に、新しく使用する教材に関する説明会を開催し、授業時数の確保の具体的な工夫等について共通理解を図ったところであります。
今後は、国において現在検討されている外国語教育の導入に伴う教員の加配措置を踏まえ、人事配置を工夫するなど、教員の負担が増大しないよう対応してまいる考えであります。
次に、正規教員につきましては、いわゆる標準法によりその定数が決定されるものであります。
今後とも、児童生徒数の推移や退職予定者数の動向等を見きわめながら、正規教員を増員できるよう努めてまいる考えであります。
次に、公立中高等学校の部活動の休養日につきましては、これまでも生徒や教員の健康面への配慮から、週1日程度設けるよう指導してきたところであります。
現在、教職員多忙化解消拡大プロジェクトチームにおいて、大会等への参加のあり方や、土曜日または日曜日の休養日の設定等についても検討しているところであり、年度内には具体的な方策を取りまとめてまいります。
次に、公立小中学校における特別支援教育支援員につきましては、特別な支援を必要とする児童生徒の学習支援や移動の際の介助等について、学級担任と連携して適切な対応を行うため、各市町村が配置を進めております。
県教育委員会といたしましては、今後とも支援員の配置に必要な地方財政措置の拡充について国に要望してまいる考えであります。
次に、県立高等学校の改革につきましては、来月から地区別に教育公聴会を開催するなど、県民の皆様の御意見を伺いながら丁寧に改革を進める考えであります。
次に、相馬農業高等学校飯舘校につきましては、平成30年度の入学者選抜から生徒の募集を停止したところでありますが、この11月に県教育委員会が主体となり、飯舘村を初め復興庁や文部科学省などの関係者による飯舘校の在り方に関する検討協議会を設置し、魅力化や特色化など再開に向けたさまざまな可能性について協議を行っております。
次に、県立高等学校における30人学級につきましては、いわゆる標準法において1学級の生徒数が40人とされていることから、実施は困難であると考えております。
なお、高等学校改革の基本計画の素案において、生徒の資質や能力を伸ばすため、必要な教員の確保や適切な配置に努めることを盛り込んだところであり、今後改革を進める中で、少人数教育の充実についても検討してまいる考えであります。
49番(神山悦子君)再質問させていただきます。
最初に、知事にお伺いいたします。
知事の御答弁では、この原発事故の教訓を踏まえてという言葉もございました。私は本当にそれが大事だと思います。全基廃炉のことは言われましたけれども、何で東京電力が今も第二原発の廃炉を明言しないのか、県民の、また議会、知事も言っていることに何で答えないのかと、私は本当にこれは許せない思いです。
そういう中で、同じ東京電力が柏崎刈羽原発の再稼働をするとか、こういう動きの中で、東海第二、老朽原発を20年延長するとか、福井県の集中立地している複合原発になるような、もし地震、津波が同じように起きたら、福島県のこの複合災害ということがまた問われているのではないでしょうか。私はどうしても福島の原発事故の教訓を踏まえているとは思えません、この再稼働の動きを見て。そういう意味で知事にお尋ねしたわけです。
ですから、知事は原発被災県の知事としてそれを言う責任があると思うのです。他県の原発であろうと、再稼働に当たっては福島の原発事故を踏まえて、知事もおっしゃったように教訓にして、本当にそれでいいのかと言う権利はあると思います。私も何度も申し上げてまいりましたけれども、知事としてそのことを明言する必要が私はあると思いますので、もう一度お答えください。
それから、土木部長にお伺いいたします。
県の復興公営住宅の収入超過者への家賃減免の件です。いろいろ被災三県とも協議しているということですけれども、相馬市はもうこういうことになることを想定して、現行の家賃の金額のまま、例えば3万円なら3万円というふうに最初からしているわけです。
ですから、それを踏まえて、実は復興庁が11月21日に被災三県災害公営住宅担当課に、この収入超過者の家賃について、あるいは特別家賃低減事業の対象者の家賃について、2つを事務連絡しているのです。ですから、それは相馬市の事例もあって、条例に明記すればできると。県が判断すればできることなのです。今災害公営住宅に入っている人は、例えば3万円の人が10万円を超えるかもしれません。こんなことを想定して誰も入っているわけではないはずですよね。被災者、避難者という立場から県はこれを本当に真剣に検討すべきだと思います。ですから、条例改正も必要だと思いますが、もう一度御答弁ください。
それから、総務部長に伺います。
先ほど地方税の納税猶予の制度の適用を市町村にも言うと言っておりますけれども、被災事業者は5割ぐらいしかまだ再開できておりません。いろんな事情で納税猶予になっています。代表質問で阿部議員が、国保税の滞納のことも御答弁ありましたけれども、猶与されたのはたった3件です。そして、その猶予制度もなかなか使えていないという実態が明らかにされています。やっぱりこれは本当に市町村に徹底されているとは思えません。特に中小業者は本県の復興を担う大事な部分でしょう。廃業とか倒産なんかになったら大変ですので、この周知徹底をやっていただきたいと思います。ある市町村では、こんな制度ないと言っているのですから、とんでもない話なのです。やっぱりその適用を求めておきたいと思いますので、再度総務部長にお尋ねいたします。
教育長に伺います。
先ほど御答弁ありましたが、小中学校の特別支援学校の教育支援員のことです。発達障がいとかの子供を支援していると。これは県費ではないのです。市町村のお金でやっているわけです。地財のお金を広げるといっても、県はその支援員の大変さをつかまないことになってしまうではないのですか、お金が出てこないわけですから。公立高校には同じように支援員がいるわけですから、県費でやって私は問題ないと思います。その決断が必要だと思いますけれども、もう一度御答弁をお願いいたします。
それから、危機管理部長にお尋ねいたします。
先ほどの御答弁では、不適合製品が原子炉に使われていたのではないかということは、規制委員会に委ねているようなお話ですけれども、たった1年前にしか戻っておりません。私はこれは県民の不安に応えていないと思いますので、県もそれをちゃんと調べるべきだと思いますし、その点での御答弁をお願いいたします。
知事(内堀雅雄君)神山議員の再質問にお答えいたします。
原子力政策につきましては、東京電力福島第一原発事故の影響による深刻かつ甚大な被害の状況を踏まえ、住民の安全・安心の確保を最優先に、国の責任において検討すべきものと考えております。
私は福島県知事として、国及び東京電力に対し、県議会や県民の思いを踏まえ、県内原発の全基廃炉を強く訴えてまいります。
総務部長(伊藤泰夫君)再質問にお答えいたします。
地方税の納税猶予制度につきましては、災害等により納期までに納入できない場合など一定の要件のもとで定められております。その制度につきまして、再度市町村に対して周知の徹底を図ってまいります。
危機管理部長(小野和彦君)再質問にお答えいたします。
大手製造業の不適合製品につきましては、既に原子力規制庁のほうから東京電力に対して調査の指示が行っております。
県といたしましては、東京電力に対してこれらの調査の結果について報告と説明を求めてまいりたいと思っております。
土木部長(大河原 聡君)再質問にお答えいたします。
復興公営住宅の収入超過者の家賃負担につきましては、他の被災県の動向を注視するとともに、一般県営住宅との均衡も考慮し、県内関係市町村と情報共有や意見交換を行ってまいります。
教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。
市町村における小中学校における特別支援教育支援員につきましては、学校の設置者である市町村において措置することとなっていることから、県におきましては財源措置についてさらに拡充を国に求めてまいりたいと考えております。
49番(神山悦子君)商工労働部長にお尋ねいたします。
先ほどの御答弁で、高年齢者等の雇用の安定等に関する法改正に伴う御答弁をいただきました。基準とか要綱など策定を考えていると答弁いただきました。私は本当にこれはうれしいことだと思います。東北では宮城県に続いて、県としてやるのは福島県になると思います。郡山市が7月から始めましたけれども、これは高年齢者、つまり年齢の高い人の就労だけではなくて、例えばニートとか、普通の仕事につけない人の事業でもあるわけです。私はこれを基準をつくることで、県がそういう波及効果を与えると思いますので、このあたりも考えてつくると考えているのか、もう一度確かめたいと思います。
もう一つ、商工労働部長、コールセンターの関係です。
適切に県は対応したという御答弁でした。本当に適切と言えるのか。県はお金をスルーしただけでいいのかというところが実は問われているのです。本当によく考えれば、県も目をきちんと通して、それを見抜くべきであったのではないかと思いますので、もう一度御答弁をお願いいたします。
それから、原子力損害対策担当理事にお伺いいたします。
先ほどの御答弁で、家賃賠償の終期を応急仮設住宅の供与期間と同じくするように私も求めました。副知事も行かれて、何回もやっているということですけれども、では東京電力はどんな答弁をしているのですか。来年夏まで延ばすかもしれないとかと言っていますけれども、やっぱり同じように、県が判断したようにやればいいと思うのですけれども、このあたりをもう一度お聞かせいただきたいと思います。
それから、土木部長にもう一度お尋ねいたします。
被災3県と復興公営住宅の収入超過者への家賃減免についてやっているということですけれども、先ほどの私が紹介したように、復興庁から事務連絡も来ています。ですから、これは本当に、実際にはあと1年半くらいはあるわけですから、よく検討して、被災者の実情に応じて減免がなされるように、近傍家賃とかいろいろ言いますけれども、私は避難者という立場を忘れてはならないと思います。その辺も加味して検討されるのかどうか、もう一度お答えいただきたいと思います。
それから、こども未来局長にお尋ねいたします。
子ども食堂などの運営をやっている民間団体には何もないのです、財政支援が。私はそろそろ県がやるべきだと思います。県のお金をここに少しでもやって、もっと広がりを、県だけではなくて、つくる必要があると思いますので、財政支援も検討されてしかるべきだと思うのですけれども、研修だけやっていればいいという話ではないはずなのです。もう少しそのあたりをこども未来局長という立場からお答えいただきたいと思います。
それから、教育長にお尋ねします。
先ほど私もお尋ねしました公立小中学校の特別支援教育の支援員のことです。今の小学生、中学生合わせると、14万7,000人くらいいるわけです。その発達障がい等の軽度障がい者は6%ぐらい出現率があるという計算からいうと、8,000人以上いなければならないことになります。支援員が必要だということになります。今いるのは700人ちょっとですから、10分の1にもならないわけです。私はここはやっぱり県がきちんと職員の身分も保障しながら、予算もきちんと県の支援員としてやるということを求めたいと思いますが、もう一度御答弁いただきたいと思います。
商工労働部長(飯塚俊二君)再質問にお答えいたします。
シルバー人材センターに準ずる団体の認定基準につきましては、団体の事務の執行能力や高齢化率等さまざまな要素を勘案の上、策定してまいりたいと考えております。
次に、いわきコールセンターの件につきましては、県といたしましては補助事業の内容について、関係資料等に基づき改めて確認をいたしましたが、一連の事務手続において、補助事業者として県の役割は果たしてきたものと考えております。
土木部長(大河原 聡君)再質問にお答えをいたします。
復興公営住宅の収入超過者の家賃についてでございます。復興庁から通知が来ておることを承知しておりますので、それも踏まえて国等と調整をさせていただきたいというふうに考えております。
原子力損害対策担当理事(大島幸一君)再質問にお答えいたします。
家賃賠償につきましては、これまで国、東京電力に対し、さまざまな機会を捉えて、地域の実情等に応じた適切な対応を行うように求めてきたところでありますが、東京電力からはこれまでのところ明確な対応は示されていないということがございまして、今般、先月29日及び今月4日に国等に対して東京電力を指導するように要望したところでございまして、国からは要望の趣旨についてしっかり受けとめていただいたというふうに理解をしております。
こども未来局長(須藤浩光君)再質問にお答えいたします。
民間団体への支援につきましては、子育てや子供を支援する民間団体から企画を募り、人材育成などのすぐれた活動に対して支援を行っており、引き続きこの制度を活用してまいりたいと考えております。
教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。
公立小中学校における特別支援教育支援員につきましては、国においても地方財政措置を拡充してきているところであり、県といたしましては今後とも配置に必要な財政措置の拡充について、国に要望してまいる考えでございます。