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2017年12月定例会 一般質問 渡部優生議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年2月15日更新

渡部優生議員

議員

渡部優生議員

所属会派
(質問日現在)

民進党・県民連合

定例会平成29年12月
質問等一般質問
質問日

12月13日(水曜日)

11番(渡部優生君)民進党・県民連合議員会の渡部優生でございます。


 通告により、一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、東日本大震災からの復旧・復興対策についてであります。
 東日本大震災から6年9カ月が経過いたしました。本年4月には避難指示解除準備区域等の解除が進められ、帰還可能な区域も拡大してきており、今後は帰還意欲を高めるための各種施策の実施が急がれるところであります。
 こうした中、ことし5月に福島復興再生特別措置法が一部改正され、福島県が強く求めてきた帰還困難区域の特定復興再生拠点の整備、福島相双復興官民合同チームの体制強化、福島イノベーション・コースト構想の推進、風評払拭に向けた対応など、福島県の復興再生を推進する重要な施策が盛り込まれたところであります。
 そこで、本法の改正から半年が経過した現在、それぞれの施策の推進状況と今後の具体的な取り組みについて質問をいたします。
 初めに、特定復興再生拠点の整備についてであります。
 特定復興再生拠点の整備は、帰還困難区域の復興再生へ向けた大きな一歩となるものであり、対象区域や土地利用方針などを計画の中でしっかりと位置づけ、整備を推進していくことは重要なことと考えております。現在双葉町、大熊町の計画が国から認定され、浪江町が今月四日に国へ認定申請したところであり、他自治体についても調整が行われていると伺っております。
 そこで、県は特定復興再生拠点区域の整備計画の推進に向け、どのように取り組んでいくのか伺います。
 2点目は、福島相双復興官民合同チームの体制強化についてであります。
 困難かつ広範な部署に及ぶ復興業務を効率よく推進するための組織の一元化が求められてきたところでありますが、福島相双復興官民合同チームについて、どのように体制強化が図られたのか伺います。
 3点目は福島イノベーション・コースト構想についてであります。
 同構想が法定化され、国家プロジェクトとして位置づけられたところであります。このメリットを生かし、今後構想がさらに力強く、かつ効果的に進められることと大いに期待しております。
 そこで、県は福島イノベーション・コースト構想の法定化を踏まえ、どのように取り組んでいくのか伺います。
 また、同法においては風評払拭のための実態調査等も法定化されましたが、これらについては国が現在鋭意進めており、来年3月には調査結果の取りまとめがなされると聞いております。県においては国と情報共有して、これら調査結果を有効に活用して風評払拭に生かしていただきたいと思います。
 次に、我々民進党・県民連合議員会においては、例年移動政調会として被災自治体を訪問し、復興状況や要望等を伺い、意見交換をさせていただいておりますが、その中で出されたさまざまな要望事項から何点か質問させていただきます。
 初めに、保育施設等の再開支援についてであります。
 浪江町と飯舘村に新たに認定こども園が整備され、来年4月に開所すると聞いております。私は、帰還環境整備を今後一層進めていく中で、県は避難地域市町村の保育所や認定こども園の再開を支援していく必要があると考えております。
 そこで、県は避難指示が解除された地域の保育所等の再開をどのように支援しているのか伺います。
 次に、小中学校の再開支援についてであります。
 ことし四月に南相馬市小高区と楢葉町において、避難指示解除等に伴い地元で小中学校を再開し、来春には川俣町山木屋地区、富岡町、浪江町、葛尾村、飯舘村の5つの町村において学校再開を目指しております。このような中、各市町村では学校再開及び再開後の学校運営等に対し、さまざまな課題を抱えていると聞いております。
 そこで、県教育委員会は避難指示解除等に伴う小中学校の再開をどのように支援しているのか伺います。
 次に、休校となっている双葉郡の県立高等学校についてであります。
 双葉郡の町村で再開する小中学校で学ぶ生徒及びその保護者にとっては、卒業後に通学可能な高等学校が地元に必要であり、現在休校となっている5つの高等学校が所在する町にとっては、今後高等学校の早期の再開が強く望まれるところであります。
 そこで、休校となっている双葉郡の県立高等学校の今後のあり方を検討すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 次に、被災市町村の職員不足への県の支援についてであります。
 被災市町村においては、インフラの復旧や住民が安心して帰還できる環境の整備など、復興への取り組みが本格化する中で、復興業務に従事する職員を確保することが非常に困難な状況であると聞いております。
 そこで、県は被災市町村の職員確保に向け、どのように支援しているのか伺います。
 次に、損害賠償終了後の中小企業者の支援についてであります。
 震災後、風評の影響等により県内中小企業者は厳しい経営環境に置かれております。加えてこれまで行われてきた東京電力による損害賠償の終了が拍車をかけ、倒産や廃業などがふえるのではないかと懸念しており、金融支援を含めた対策が必要ではないかと考えます。
 そこで、県は厳しい経営環境にある中小企業者をどのように支援していくのか伺います。
 次に、復興・創生期間後を見据えた経済・雇用対策についてであります。
 震災から6年9カ月が過ぎ、本県の復旧・復興も確実に進んでまいりましたが、一方で復興に伴う工事量の減少とともに、県内景気の悪化、それに伴う事業者の倒産や廃業が数多く発生するのではないかと懸念され、どのようにソフトランディングを図るかが課題となりつつあります。
 そこで、復興・創生期間後を見据え経済・雇用対策を進めていくべきと思いますが、県の考えを伺います。
 次に、県有建物の老朽化対策についてであります。
 将来的な人口減少により、税収等の歳入も減少することが想定される中、既存建物の老朽化に対応する修繕や更新費用が増加し、県の財政に大きく負担がかかるのではないかと危機感を募らせております。
 国はインフラ長寿命化基本計画を策定したところであり、本県においても公共施設等を総合的かつ計画的に管理するため、ことし3月に公共施設等総合管理計画を策定したと聞いております。
 そこで、県は公共施設等総合管理計画に基づき、県有建物の老朽化対策にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、地方創生、人口ビジョンの検証と今後の取り組みについて質問をいたします。
 県は、人口減少問題を克服していくため、2040年に福島県の総人口160万人程度の確保を目指すことを目標に掲げた福島県人口ビジョンを平成27年11月に策定し、目標達成に向けて、地方創生・人口減少対策に取り組んでいるところでありますが、国による地方創生の取り組みは今年度中間年を迎えております。
 そこで、これまでの地方創生の取り組みの成果と課題を検証し、今後の取り組みに生かすべきと思いますが、県の考えを伺います。
 また、本県の地方創生を加速させるためには、県はもとより市町村の取り組みをしっかりと後押しすることが重要であります。市町村からは、地方創生推進交付金や地方創生拠点整備交付金の採択基準が厳しいという声を多く聞いております。
 そこで、県は地方創生交付金の交付状況を踏まえ、市町村をどのように支援していくのか伺います。
 次に、過疎・中山間地域の振興について質問いたします。
 本県においては、県土の約8割、59市町村のうち51の市町村が過疎・中山間地域であります。こうした過疎・中山間地域では、震災前から構造的な要因に加え、震災以降、若者の流出などにより人口減少や高齢化がさらに進行しており、基幹産業である農業や観光業が停滞するなど、より厳しい環境となっております。また、生活面でもガソリンスタンドの廃業や買い物弱者、公共交通の確保など支援策が欠かせません。このため、こうした人口減少に歯どめをかけ、その特性を生かしながら地域の活性化を図っていくことが必要であります。
 そこで県は、過疎・中山間地域の振興にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、農業行政について質問いたします。
 初めに、平成30年からの国による米政策の見直しについてであります。
 国は平成30年産米から生産数量目標の配分をやめるなど、米政策を大きく見直すこととしております。本県は広大な水田を有しており、国の政策変更を踏まえた水田の利活用をどのように進めていくのか、大きな課題であると認識しております。
 そこで、県は平成30年度からの米政策の見直しを踏まえ、水田の利活用をどのように進めていくのか伺います。
 次に、農業法人の経営支援についてであります。
 離農や高齢化により農業従事者が減少する中、地域農業の維持のためには、担い手の育成とともに、農業経営の法人化を進めることが重要であります。県内においても農業法人の設立が進んでおりますが、法人設立後の経営が軌道に乗らない事例もあると聞いております。
 このため、今後は法人化の推進に加え、設立した農業法人が安定した経営を維持できるよう支援していくことが必要と考えます。
 そこで、県は農業法人の安定的な経営のため、どのように支援していくのか伺います。
 次に、認証GAP取得への支援についてであります。
 知事によるGAPチャレンジ宣言以降、県内各地でGAP認証取得に挑戦する動きが見られております。一方で、GAPについて、生産者の中にも残念ながらまだよく知らないという人も多いようであります。私は将来的には認証GAPが当たり前になると思っており、多くの方にGAPを十分理解し、早目に取り組みいただくことが必要だと考えております。
 そこで、県は認証GAPの取得促進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、酒造好適米の生産振興についてであります。
 本県の日本酒は、全国新酒鑑評会における金賞受賞の蔵元数が5年連続一位になるなど、高い評価を受けております。このような中、日本酒の原料である酒造好適米も県内での生産を拡大しながら、農家所得の向上など農業の振興につなげていくべきと考えます。
 そこで、県は酒造好適米の生産振興にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、教育行政について質問をいたします。
 初めに、教員の多忙化解消についてであります。
 近年学校現場においては、登下校や夜間の見守り、学校徴収金の管理、部活動など、教員の担う業務が多様化し、そうした業務の多忙化から、本来の授業や学習、生徒指導に専念できないなどの問題が顕在化しております。
 このため、国においては中央教育審議会の特別部会において、教員の多忙化解消を目指して議論が進められており、本県においても同様であります。
 そこで、県教育委員会は教員の多忙化解消に向けどのように取り組んでいるのか伺います。
 次に、公立小学校における外国語教育についてであります。
 平成29年3月31日、新しい小学校学習指導要領が公示され、小学校においても平成32年から外国語教科が正規に導入されることになり、それまでの移行期間、他の授業時間を減じたり、土曜日を活用したりと、各学校の取り組みに委ねられることになりました。
 小学校における外国語教育の導入に当たっては、学校間格差を生じさせないようにすることが重要であり、また中核となる専科教員等の加配など、県教育委員会として移行期間からの支援策を示すことが必要であると考えます。
 そこで、県教育委員会は公立小学校における外国語教育にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、特別支援教育における支援対策についてであります。
 平成19年4月、学校教育法の一部改正の施行があり、特別な支援を必要とする児童生徒に対し、小中学校においても適切な教育を行うことが位置づけられ、10年が経過いたしました。その間、公立小中学校では一人一人の指導や支援のための計画作成がなされるとともに、特別支援教育支援員の配置が進み、通常の学級でも学習できる体制が整ってきております。
 しかしながら、学校では軽度のおくれのある子供や指導が難しい子供が年々増加するとともに、指導の充実を願う保護者の強い要望もあり、学級担任の先生は負担が大きくなっております。私は通常学級で学ぶ特別な支援を必要とする児童生徒の指導充実を図るため、特別支援教育支援員の役割は極めて重要であると考えております。
 そこで、公立小中学校における特別支援教育支援員の配置を拡充すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 次に、交流人口拡大、観光推進について質問いたします。
 初めに、四季を通じた観光誘客についてであります。
 人口減少が進み、将来的に地域経済の低迷も予想される中、本県以外からの交流人口の拡大は、こうしたマイナス面を補う大きな効果が期待できます。
 本県には、歴史や文化遺産、四季折々の自然や食文化など、数え切れないほどの地域資源に恵まれており、こうした福島県ならではの地域資源をさらに効果的に活用した交流人口の拡大、観光推進が求められます。
 また、そのための誘客宣伝の推進と受け入れ態勢の整備もまた重要であり、テレビやラジオ、SNSなどを活用した観光情報の発信やキャラバン隊、物産展などJAや関係機関と連携した効果的なプロモーションによる誘客宣伝も強化すべきと考えます。
 そこで、県は四季を通じた観光誘客にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、外国人観光客の誘客促進についてであります。
 日本における外国人旅行者の入り込みは、既に昨年を上回り、年間3千万人に達する状況であり、本県を訪れる外国人旅行者も徐々に増加傾向にあります。しかし、全国各地の伸び率に比べるとまだまだ伸び悩んでおり、改善の余地があるものと考えます。
 今後は、さらなる増加が見込める国や地域を意識しながら、誘客活動の強化を図ることが重要と考えます。
 また、外国人誘客には広域観光周遊ルートの提供が欠かせないことから、県域を超えた広域連携による取り組みをさらに強化すべきであります。そのため、福島県内における広域連携はもとより、東北6県、茨城県、栃木県、新潟県とのさらなる広域観光ルートの推進も重要と考えます。
 そこで、県は外国人観光客の誘客促進を図るため、広域観光の推進にどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、会津地域の雇用・地域経済再生への取り組みについて、2点質問いたします。
 初めに、会津地域の経済・雇用の活性化についてであります。
 会津地域の雇用・地域経済については、近年、大手半導体企業の事業再編による退職者の増加に加え、本年にはジェイデバイスの工場再編に伴い、新たに大量の離職者が発生し、会津における地域経済は危機的状況であります。また、会津地域は被災自治体の行政機能と多くの被災者を受け入れており、被災者の方々の雇用の場の創出も大きな課題となっております。
 こうした中、平成29年3月、県立高等学校卒業者の県内留保率は県全体では82.6%であるのに対し、会津地方の県内留保率は70.1%と県全体を10ポイント以上も下回っており、県議会人口問題対策特別委員会の調査報告においても、県土の均衡ある発展という考え方を踏まえ、さらに働く場所を確保し、県内の地域格差の解消に向けて取り組むよう求めたところであります。
 そこで、会津地域の経済・雇用情勢を踏まえ、地域経済の活性化と雇用の確保にどのように取り組むのか、知事の考えを伺います。
 次に、会津地域における工業団地の整備についてであります。
 若者の県外流出に歯どめをかけるため、既存企業の支援や新規の企業誘致のため工業団地の造成に地元自治体も積極的に取り組んでいるところでありますが、財政規模や職員数などから小規模にすぎず、地元自治体や経済団体などからも、県営の工業団地を整備してほしいとの強い要望も出されているところであります。
 先ほど自民党小林議員の会津地域における企業誘致に関する質問に対し、県は戦略的に企業誘致に取り組んでいく旨の答弁がありましたが、誘致すべき工業団地がなければ、誘致活動もままならないものと思われます。
 そこで、県が会津地域の工業団地を整備すべきと思いますが、考えを伺い、私の一般質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。


議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)渡部議員の御質問にお答えいたします。


 会津地域の経済・雇用情勢につきましては、製造業等で業績が好調な企業が見られる一方、いまだ残る風評や慢性的な人手不足、半導体産業における再編の影響など、依然として多くの課題を抱えております。
 このため、ふくしま秋・冬観光キャンペーン等による1年を通した切れ目のない誘客や日本酒を初めとする県産品の販路拡大、企業立地補助金等を活用した企業誘致を進めるとともに、成長が期待される産業分野において会津大学等と連携して技術開発を支援するなど、さまざまな取り組みを進めてまいりました。
 これらの取り組みにより、幅広い業種で1,000名を超す雇用創出が見込まれているほか、ロボット関連産業等においては、ベンチャー企業が増加するなど、新たな動きが生まれてきております。
 あわせて、若者の定着に向けて、地元の高校生が地域の企業を訪問し、取材を通して感じた企業の魅力をみずからの言葉で発信するなど、地元事業者への関心を高める取り組みも行っております。
 今後とも、市町村や大学等、関係機関との連携を密にしながら、会津地域の一層の活性化と雇用の確保を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 被災市町村の職員確保につきましては、これまで土木、保健師などの県の一般職員や任期付職員の派遣を初め全国の都道府県や市町村等への職員派遣要請、被災市町村合同の職員採用説明会、県や県内市町村の退職予定者等とのマッチングを実施してきたほか、今年度は新たに全国自治体職員等を対象とした視察事業や政令指定都市等への個別訪問活動の強化による支援を行ってきたところであります。
 引き続き、被災市町村の復興・創生に必要な職員の確保にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、県有建物の老朽化対策につきましては、昨年度県が保有する全ての公共施設等を対象とした公共施設等総合管理計画を策定したところであり、今後はこの計画に基づき、各財産管理者が県有建物の将来の利用計画を見きわめながら、各建物の特性や利用状況等に応じた個別施設計画を策定し、適正な維持管理、更新等を行うことにより老朽化対策に取り組んでまいる考えであります。


企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 福島イノベーション・コースト構想につきましては、構想推進のための福島復興再生協議会の分科会設置や必要な取り組み等を定めた重点推進計画の作成などが福島特措法に規定され、国と地元等とが密接に連携し、国家プロジェクトとして推進する体制が整備されたところであります。
 今後とも、法定化による枠組みを最大限に活用しながら、産学官一体となって構想の具体化を加速させてまいります。
 次に、地方創生の取り組みにつきましては、内部評価に加え、外部有識者による効果検証を毎年度実施し、より実効性の高い施策の構築に努めているところであり、市町村と連携した移住施策の強化や新規就農者の受け入れ態勢の整備等により、本県に定着する若い世代がふえてきております。
 一方で、本県の人口は少子高齢化等の構造的な問題により依然として減少傾向が続いていることから、引き続き不断の見直しを行い、より実効性のある施策展開を図ってまいります。
 次に、地方創生交付金につきましては、これまで地方創生推進交付金、地方創生拠点整備交付金を合わせて、県は約13億円、市町村は約29億円、合計約42億円の交付決定を受けております。
 市町村における交付金の確保に向けては、事業計画に個別に助言を行うとともに、地方振興局と連携し、優先的に採択される広域連携の調整を行っているところであります。
 今後も市町村との連携を密にし、先駆性を有する事業に磨き上げ、必要な予算を最大限確保できるよう努めてまいります。
 次に、過疎・中山間地域につきましては、少子高齢化や若者の流出に伴い、地域活力が低下する厳しい状況に直面しております。
 このため、雇用の創出や定住の促進を視野に、地域課題に対応した移住者向けの仕事づくりや地域資源を活用した事業化など地域の主体的な取り組みを支援するとともに、地域おこし協力隊や大学生など外部人材を活用した集落の活性化に努めるほか、スキー場など特に冬の地域資源を活用した国内外からの誘客やふくしまふるさとワーキングホリデーの実施により新たな人の流れを創出するなど、過疎・中山間地域のさらなる振興にしっかりと取り組んでまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 官民合同チームにつきましては、福島復興再生特別措置法の改正により、国は公益社団法人福島相双復興推進機構へ職員を直接派遣し、県もそれに合わせて人事委員会規則の改正により同機構へ職員を直接派遣いたしました。
 このことにより、組織が一元化され、職員間の情報共有や一体的に業務遂行できる体制が整備されたところであり、今後も被災事業者の事業、なりわいの再建に向けた支援を一層強化してまいります。
 次に、中小企業者の支援につきましては、これまで商工団体等を通じた経営指導や専門家派遣による経営改善支援、県制度資金による金融支援等に取り組んでまいりました。
 中小企業者は、依然として厳しい経営環境に置かれており、今後の資金繰りの悪化も懸念されることから、県制度資金の融資枠を十分に確保するとともに、オールふくしま経営支援連絡協議会において具体的な経営改善方針を提示するなど、引き続き中小企業者の実情に応じたきめ細かな支援に取り組んでまいります。
 次に、復興・創生期間後の県内経済につきましては、復興需要の減少等に伴う景気への影響が懸念されております。
 そのため、経営相談体制の充実や制度資金による金融支援などにより地域経済を支える中小企業等の経営基盤の強化を図るとともに、再生可能エネルギーや医療、ロボットなどの成長産業の育成・集積を積極的に進めてまいりました。
 今後とも、県内の経済動向を注視しながら、中小企業等への支援や新産業の集積などにしっかりと取り組んでまいります。
 次に、会津地域の工業団地につきましては、これまで工業団地の整備に係る借入金の利子負担を軽減する利子補給金交付制度により市町村による整備を支援してまいりました。
 会津地域は、医療や精密機械、伝統産業など地域の強みを生かした産業はもとより、ICTやロボット関連など成長分野の産業集積が進みつつあり、また新たな工業団地やICTオフィスの整備が行われていることから、今後とも市町村が整備する工業団地等への支援に取り組むとともに、企業立地補助金等の優遇制度を活用しながら立地促進に努めてまいります。


農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 平成30年以降の水田利活用につきましては、30年以降の福島県水田農業の推進方針に基づき、産地みずからの経営判断により、需要に応じた米づくりと新たな作物導入を積極的に進めていくこととしております。
 具体的には、12月末に30年産米の生産数量の目安を提示した上で、良食味米の産地育成、需要が堅調な業務用や飼料用米等の作付拡大、麦や大豆、ブロッコリー等の産地化など、地域が主体的に取り組む水田の高度利用を積極的に支援してまいります。
 次に、農業法人につきましては、平成27年2月現在、659の経営体が法人化されており、地域農業に重要な役割を果たしております。
 そのため、ICT等の先端技術の活用や新たな作物の導入などによる生産量増大と安定的な長期出荷体系の確立、法人経営に必要な知識と実践力を学ぶ農業法人経営ステップアップ講座の開催、中小企業診断士派遣による経営診断、就農希望者とのマッチング、農業近代化資金等の活用促進などにより農業法人の収益性を高め、安定的な経営がなされるよう総合的に支援してまいります。
 次に、認証GAPの取得につきましては、グローバルGAP、JGAP、FGAPの年度末での合計が60件を超える見込みであり、着実に増加しております。
 認証GAPのさらなる普及拡大には、本県産農林水産物の優位性確保により、販売棚の獲得、販路の拡大、販売価格の回復が期待されること、安全・安心な生産工程管理による消費者の信頼性向上につながることなどを生産者に理解していただくことなどが重要であり、セミナーによる理解促進、産地としての団体認証の取得支援、認証取得費用の助成等にしっかり取り組んでまいります。
 次に、酒造好適米につきましては、ふくしまプライド日本酒の里づくり事業により本県オリジナル品種の「夢の香」等の優良種子の供給体制の強化、消費者の高級志向等を踏まえた「福島酒五十号」の栽培試験と試験醸造の実施、本県産酒造好適米を使った日本酒増産への支援や水田フル活用の戦略作物として、産地交付金により酒造好適米の生産拡大をしっかり進めてまいります。


避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。


 特定復興再生拠点区域の整備につきましては、市町村の意向が最大限に尊重された計画が認定されるよう、関係部局がしっかりと連携し、市町村、国との調整を進めております。
 計画認定後は、住民が安心して帰還することができる生活環境の整備に向け、市町村、国、県等で構成する推進会議などを活用し、事業の進捗状況や事業主体間の連携等について協議しながら、関係機関が一体となって整備計画を着実に推進してまいります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 避難指示が解除された地域の保育所等の再開につきましては、帰還を希望する子育て世帯が安心して子供を育てることができるよう、それぞれの市町村の実情に応じ、計画段階から助言を行っているところであります。
 加えて、福島再生加速化交付金を活用した既存施設の改修や新たな施設の建設に対する支援を行うなど、引き続き避難指示が解除された地域の保育環境の整備に努めてまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。


 四季を通じた観光誘客につきましては、これまで高い評価を得たガイドブックや本県ならではの魅力を生かした周遊企画、首都圏等でのキャラバンなどにより、花、食、温泉など多様な観光素材を発信してまいりました。
 今後も年間を通した切れ目のない誘客を図るため、秋・冬観光キャンペーンにおいて、あぶくま洞を初め楢葉町や川内村、塙町などの創意工夫あふれるイルミネーションや外国人が高い興味を示す会津の雪祭りなどに焦点を当てた情報発信を強化するなど、四季を通じた観光誘客に取り組んでまいります。
 次に、外国人観光客の誘客促進につきましては、これまで東北6県や新潟県との連携に加え、外国人に人気の観光地を有する栃木県及び茨城県とともに広域周遊ルートを設定し、海外での商談会や動画によりその魅力を伝えてまいりました。
 外国人観光客の増加にあわせて嗜好の多様化も一層進んでいることから、隣接各県との連携を深化させ、外国人の心に響くテーマ性豊かな周遊ルートを造成し、SNS等で広く発信するとともに、旅行代理店に対しても丁寧に伝えるなど、広域観光の推進に取り組んでまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 避難指示解除等に伴う小中学校の再開支援につきましては、各市町村の実情に応じて、福島県学校再開支援チームによるきめ細かな助言や教職員の加配などを行ってまいりました。
 今年度は、新たにドローンで撮影した映像を用いたふるさと学習など特色ある教育に対する支援を行うとともに、小中一貫教育やコミュニティ・スクールの専門家をアドバイザーとして派遣しているところであり、引き続き子供たちが地元の学校で豊かな学びができるよう努めてまいります。
 次に、双葉郡の5つの県立高等学校につきましては、本年3月末をもって休校となりましたが、それぞれの高等学校がこれまで多くの卒業生を輩出し、地域を支える人材の育成に中心的な役割を果たしてきたと認識しております。
 県教育委員会といたしましては、5校の伝統を受け継ぐふたば未来学園の整備を着実に進めるとともに、地元町村における小中学校の再開をしっかりと支援し、今後の地域の復興状況などを考慮しながら、休校となった5校のあり方を検討してまいる考えであります。
 次に、教員の多忙化解消に向けた取り組みにつきましては、これまで教職員多忙化解消プロジェクトチーム会議を5回、市町村教育委員会やPTAなどの関係団体を交えた拡大会議を2回開催し、部活動休養日の設定や外部人材の活用など、教員の業務負担の軽減に向けた検討を進めているところであります。
 今後は、関係団体との協議をさらに進め、具体的な方策を盛り込んだ教職員多忙化解消アクションプランを年度内に策定し、保護者や地域の方々にも理解を得ながら取り組んでまいる考えであります。
 次に、公立小学校における外国語教育につきましては、児童が英語を聞く、話す、読む、書くなどの活動に意欲的に取り組むことができるよう、各学校が実態に応じた指導計画や指導体制を整えることが重要であると考えております。
 このため、新しい教材の活用方法や先進校における実践事例の提供、教員の指導力を高める研修の充実など、各小学校を支援する具体的方策をまとめた本県独自の推進プランを年内に策定することとしており、外国語教育の円滑な導入が図られるようしっかりと取り組んでまいります。
 次に、特別支援教育支援員につきましては、市町村において地方財政措置を活用するなどして、今年度県内の公立小中学校に約700名が配置されております。
 現在通常の学級において特別な支援を必要とする児童生徒が増加傾向にあり、学習支援はもとより、日常生活上の介助や安全確保、居場所の確認など、担任との連携協力による適切な支援を行う必要があることから、今後とも支援員の配置に必要な財源措置のさらなる拡充について国に要望してまいる考えであります。


議長(吉田栄光君)これをもって、渡部優生君の質問を終わります。

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