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2018年2月定例会 代表質問 亀岡義尚議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年6月18日更新
亀岡義尚 
議員亀岡義尚
所属会派(質問日現在)民進党・県民連合
定例会

平成30年2月

質問等代表質問
質問日2月23日(金曜日)

47番(亀岡義尚君)民進党・県民連合の亀岡義尚であります。質問に入る前に、昨日報道されました県職員の不祥事に対して一言申し上げます。


 今般、本県職員が酒気帯び運転により検挙された事件が報道されましたことに対し、県民の一人として深い憂慮と遺憾の意を表するものであります。福島県が県民とともに復旧・復興に邁進している最中の出来事であり、幹部職員を初め県政にあずかる職員一人一人が公務に対する自覚をさらに強くし、一層の綱紀粛正に努められますよう呼びかけるとともに、当局においては再発防止に向けた取り組みを進められますよう強く希望するものであります。
 それでは、質問に入ります。
 東日本大震災、原発事故から間もなく7年を迎えようとしております。昨年4月には避難指示区域が大幅に解除され、中間貯蔵施設も本格運用を開始するなど、本県の復興の歩みは着実に進んでまいりました。
 一方で、避難指示解除後の帰還に向けた動きは決して順調とは言えず、引き続き生活環境の整備を初め事業やなりわいの再生など、復興に向けた取り組みを加速させなければなりません。
 また、先日公表された2017年の人口移動報告によれば、本県の転出超過数は8,395人と、全国ワースト1位となっており、若者の県外流出を初めとした人口減少の抑制と少子高齢化対策が喫緊の課題となっております。
 こうした県政を取り巻く大きな課題が山積する中、知事におかれましては就任以来、福島県の復興・創生のため挑戦を信条として掲げられ、全力で県政に取り組まれており、県民からも極めて厚い信頼を寄せられるなど、その行政手腕には心から敬意を表するところであります。
 知事の任期の最終年に当たる本年は、復興・創生期間の折り返しとなる大切な年であり、これまで積み重ねてこられた取り組みの成果を着実に形にしていくとともに、より効果的な施策展開を図るべく、斬新な視点、考え方に基づいた県政運営が必要になるものと考えます。
 そこで、知事はどのような考えで今後の県政を運営していくのかお尋ねいたします。
 次に、平成30年度当初予算についてであります。
 県は、新年度当初予算について、復興と地方創生に向けてさらに挑戦を続けていくため1兆4,472億円の予算を編成しました。
 新年度は復興・創生期間の3年目となりますが、避難地域の復興に向け住民の帰還意欲を高めるため、生活環境の整備や農業の再生などの取り組みを強化するとともに、地方創生については、市町村と連携しながら、本県が潜在的に抱える課題である若者の流出による人口減少、少子化、高齢化などへの対策を充実していかなければなりません。
 新年度予算においては、これらの山積する課題にしっかりと対応し、復興と地方創生を具現化するため、効果的な事業構築が求められるところであります。
 そこで、知事は何に重点を置いて平成30年度当初予算を編成したのかお尋ねいたします。
 次に、少子高齢化対策についてであります。
 本県の少子化をめぐる状況は、合計特殊出生率は東日本でトップクラスにあるものの、出生数や15歳未満の子供の数は減少傾向にあります。少子化がさらに進めば、地域社会の活動を支える人材が減少し、地域活力の低下を招くなどの影響が懸念されます。
 特に本県は人口の流出がとまらず、人口減少に歯どめがかからない現状では、定住・二地域居住や若者の定着・還流など社会増のための取り組みだけではなく、子育てしやすい環境の整備を行うなど少子化対策に積極的に取り組むべきと考えますが、知事は少子化対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 また一方で、65歳以上の高齢者数は増加し続けており、人口に占める高齢者の割合は全国平均を上回る高齢化率となっております。こうした傾向は今後も続くと予想されており、毎年約1万人ずつ高齢者が増加し、県全体の高齢化率も増加するものと見込まれております。
 元気な高齢者がふえ、活躍の場が広がることは喜ばしいことではありますが、社会全体の高齢化が治安に対しても大きな影響を与えるのではないかと懸念しております。
 現在連日のように高齢者が被害者となるなりすまし詐欺の発生や高齢運転者による交通事故等が報道されておりますが、今後さらに高齢化が進むことでこのように高齢者が犯罪に巻き込まれたり交通事故の当事者となったりする事案も増加していくことが予想されます。今後県警察においては、高齢者の増加を踏まえた治安対策を講じていくことが強く求められるものと思います。
 そこで、高齢化社会に向けた県警察の取り組みについてお尋ねいたします。
 次に、交流人口の拡大に向けた取り組み強化についてであります。
 昨年、本県のインバウンドの可能性に興味深い記事がありました。日本政策投資銀行の東北支店が行ったアジア八地域と欧米豪4地域を対象に行った2017東北インバウンド意向調査の調査結果によりますと、訪問意欲に関する問いでは、本県はアジア、欧米豪ともに東北で上位となっております。訪日客が全国的にふえる中、東北を訪れる割合はまだ少ないと言われ、本県もおくれている状況の中にありながらも、本県が訪日客を誘客する潜在力があることを示している結果と言えます。
 2017年、訪日外国人客数が過去最多の2,869万人となり、今後も増加が見込まれております。この絶好の機会を逃すことなく、訪日客が旅先に何を望んでいるのか、確実にそのニーズを捉え、福島県を選んで訪れてもらうための取り組みが今まで以上に必要になってきていると考えます。
 そこで、海外からの観光誘客にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、尾瀬国立公園についてであります。
 尾瀬国立公園は、平成19年8月に会津駒ケ岳などを新たに加え、日光国立公園から独立して昨年8月に満10年が経過いたしました。県内にはすばらしい観光地や景観が数多くありますが、尾瀬は歌にも歌われ、高原の湿原にニッコウキスゲや高山植物が咲き乱れるすばらしい場所であります。
 先日尾瀬の入山者数の新聞報道がありましたが、発表によりますと、昨年は28万4千人余りで、入山者の減少傾向が見られるようであります。また、入山者数の大半が群馬県側からとなっており、尾瀬が福島県にあるという印象が弱いように感じます。
 福島県側の尾瀬は、群馬県側にも負けないすばらしい魅力があると思いますが、雑誌等に取り上げられるのは群馬県側からのルートが多く、福島県側のルートの取り上げ方が小さいと感じており、私も非常に残念でなりません。
 そこで、福島県側の尾瀬を広く知ってもらい、福島県側の入山者数をふやすことが風評払拭にもつながると考えますが、福島県側の尾瀬の魅力発信にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、成長産業の育成強化についてであります。
 航空機産業は、1機の飛行機を製造するには約3百万点の部品が必要とされるなど、産業の裾野が非常に広く、今後大きな成長が見込まれる産業であります。
 県では、これまで事業参入に必要な認証の取得や人材育成など県内企業の育成に着実に取り組んでおりますが、今後さらに新規の取引を拡大し、産業の集積を促進するには、県内企業の技術力のさらなる底上げはもちろん、発注者である重工メーカーが求める切削加工や熱処理などの工程を一括で受注できるクラスターの形成が必要であり、これらに対応できる県内企業の育成・集積が求められております。
 そこで、県は航空宇宙関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 固定価格買取制度の価格低下の中、県が掲げる高い目標達成のためには、県民一人一人が取り組みやすい家庭用太陽光発電システムに対する支援など、県が独自に進める再生可能エネルギーの取り組みは今後も積極的に推進していくべきであります。また、原子力災害からの復興を目指す本県にとっては、関連産業の育成・集積に向けてさらなる施策を展開する必要があると考えます。
 本県には、日本における最大級の研究機関である産業技術総合研究所の再生可能エネルギー分野の研究開発拠点として福島再生可能エネルギー研究所が設立されております。ここでは、太陽光、風力、水素などの最先端の研究開発を行うだけでなく、地元の大学等と連携した人材育成や地元企業の技術開発の支援を行っており、再生可能エネルギー先駆けの地を目指す本県としては当研究所との連携を進めていくことが重要と考えます。
 そこで、県は福島再生可能エネルギー研究所と連携し、関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 本格的な高齢化社会の中にある我が国にとって、医療機器に対するニーズは一層高まるとともに、医療の現場からはより高い機能を有している製品が求められていることから、医療関連産業は大きな成長が見込まれます。
 平成28年11月に開所したふくしま医療機器開発支援センターには、医療機器の開発現場に即した評価体制や機器が整備され、医療機器の開発に対するさまざまな支援ニーズに対応できる施設であるとして期待されているところであります。
 この期待に応えるためには、センターがいち早く安定した経営基盤を確立するとともに、センターを中核として、さまざまな機能を十分に活用して医療関連産業の育成・集積に積極的に取り組んでいくことが必要であります。
 そこで、県はふくしま医療機器開発支援センターを中核とした医療関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 ロボット関連産業は、人口減少により働き手の減少が続く我が国にとって生産性や各種サービスの向上に寄与する重要産業であり、今後成長が期待される分野となっております。
 本県においても、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業の回復に向け、ロボット関連産業を新たな産業として確立するため、福島ロボットテストフィールドの整備を初めとしてさまざまな取り組みが展開されているところですが、私は、産学官連携の促進や研究開発支援などの取り組みが今後一層重要になってくるものと考えております。
 そこで、県はロボット関連産業の育成・集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 今やあらゆる企業活動に導入され、企業活動の基盤となっているICTについて、その活用を通じた新産業の創出と関連産業の集積は本県産業の復興再生を図る上で不可欠であります。これまで会津大学を中心としてICT人材の育成や研究開発に取り組んでおりますが、それらに加えて産業の集積を図っていく上で積極的な企業誘致が求められております。
 来年春には会津若松市が整備を進めているICTオフィスビルが完成する予定であり、そういった機会を逃さず、関連企業の誘致を推進し、その取り組みを全県に波及させていくことが重要であると考えます。
 そこで、県はICT関連産業の集積にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、地場産業の振興についてであります。
 県では、ロボットや医療機器産業など成長産業が拡大する一方で、これまで本県の産業を支えてきた地域における地場産業が低価格な海外製品の流入等による売り上げ減少や後継者の確保の問題など厳しい状況にあります。
 本県には、伝統的な技術やわざを生かした漆器や陶磁器を初め先般国指定を受けた奥会津昭和からむし織などの伝統的工芸品、さらには世界に誇る高い技術を生かしたシルク製品や全国有数の産地であるニット製品等の地場産品は歴史と文化に支えられた本県の宝であります。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、県内への観光客の増加が見込まれる中、こうした伝統的工芸品や地場産品は観光資源としてもなくてはならないものであり、本県の魅力に深みを増す大切なものとして、伝統工芸を初め地場産業の振興をしっかりと図っていかなければならないと考えております。
 そこで、県は地場産業の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、水素社会実現のモデル構築についてであります。
 昨年4月からスタートした福島新エネ社会構想では、取り組みの3本柱の1つとして「福島県に未来の水素社会実現のモデルを構築する」と記載されております。
 昨年12月26日に政府が公表した水素基本戦略では、水素について、エネルギー供給・調達先の多様化による調達・供給リスクの低減や、電力、運輸、熱・産業プロセスのあらゆる分野の低炭素化など、水素エネルギーの意義と重要性を示しているところであります。
 また、水素ステーションや燃料電池自動車の普及を図るとともに、ガソリンなどの従来エネルギーと同等程度のコスト抑制によって、将来的には従来の電気、熱に水素を加えた新たなエネルギー構造を確立し、トータルでのCO2フリー水素供給システムを実現することとしております。
 国の水素基本戦略の推進の上で福島県が重要な役割を担うことは明らかであり、水素社会実現のモデル構築のため、県には先駆的な取り組みを率先して推進していく姿勢が求められております。
 そこで、水素社会実現のモデル構築に向けてどのように取り組んでいくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、まち・ひと・しごとの創生についてであります。
 地方創生の旗印のもと、内閣にまち・ひと・しごと創生本部が設立され、少子化対策と地域経済の活性化を図るため、地方版総合戦略の策定が進められてきました。
 自治体は、国の採択を受けることで地方創生交付金を得られることになっておりますが、少子高齢化の問題や人口減少対策は本来国の政策に負う部分が大きく、交付金による自治体独自の施策のみで解決できる課題ではありません。むしろ国による直接的な財政誘導は、県民サービスについて格差を生じさせるおそれも懸念されます。
 こうした中、県は少子高齢化、人口減少対策にみずから汗をかき、その独自性を示していく必要があると考えます。
 そこで、県は地方創生の取り組みの成果と課題を踏まえ、新年度どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 人口減少率については、県内において地域差が生じており、実効性の高い地方創生対策を進めるためには、県は広域自治体として市町村の実情に寄り添って支援していくべきと考えます。
 そこで、県は地方創生の実現に向け市町村をどのように支援していくのかお尋ねいたします。
 次に、意欲ある人材への支援についてであります。
 震災からの復興には長期の視点での取り組みが必要であり、その観点からは若い方の活躍が大きな力となります。
 特に震災を経験した若者の中には、みずからが復興や社会の力になりたいと強い思いを抱いて行動している方々がふえており、そのような若い人材がここ福島県で就業し、遺憾なく力を発揮できるような機会をふやすとともに、自分自身で創業することも選択肢の一つとできるよう、環境を整備していく必要があります。
 そこで、県は復興を担う若者の創業支援にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 また、NPOは同じ目的を持った方々が集まり、その専門性を生かしながら、保健、医療、福祉、まちづくり、子供の健全育成など各地域で活動を行っております。
 震災後は、被災地、被災者に寄り添った復興に向けた活動や被災者支援、さらに農業、観光分野を初めとする風評被害への取り組みなど、より複雑化、多様化するニーズの中で、行政では手の届きにくい、きめ細かな活動を実施しています。
 このように、NPOについては本県の復興に向け大きな役割を果たしており、今後もさらなる活躍が期待されておりますが、他方団体内の財務の健全化や人材の確保等、運営上の課題を抱えているNPOもあり、NPOの活動を継続発展させるためには、これら課題への支援が必要であると考えております。
 そこで、県はNPOが運営力を高めるため、どのように支援していくのかお尋ねいたします。
 次に、県立医科大学(仮称)保健科学部における人材の育成についてであります。
 先月25日、県立医科大学は平成33年4月の開設を予定している新学部の設置構想の中間まとめを公表いたしました。
 本県では震災以降、理学療法士や作業療法士、診療放射線技師や臨床検査技師などの医療従事者の不足が深刻化しており、医療や介護の現場では安定的な人材の確保に苦慮されていると聞いております。
 これらの人材の安定的な養成と確保は、県民の命と健康を守り、かつ地域の医療と介護を支えていくために不可欠なものであり、新年度以降JR福島駅東口周辺において新学部校舎の建築工事が本格化することから、県民の寄せる期待と関心はますます高まっていくものと考えます。
 そこで、県立医科大学(仮称)保健科学部においてどのような人材の養成を目指すのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、東日本大震災への対応についてであります。
 津波により甚大な被害を受けた浜通り沿岸部においては、被災者の生活再建のため、市町村による防災集団移転事業や土地区画整理事業の市街地整備が進められ、県においても防潮堤や防災緑地等の整備が行われております。また、防災緑地については、住民の憩いの場としての役割も期待されているところであります。
 そこで、県が実施している防災緑地の整備状況と今後の見通しについてお尋ねいたします。
 昨年四月には居住制限区域が大幅に解除されるなど、福島県の復興再生への歩みは着実に進んでおります。国が除染を実施する除染特別地域において、昨年度末に帰還困難区域を除き除染が完了したのに続き、市町村が除染を実施する汚染状況重点調査地域においても3月末には全ての面的除染が終了する見通しであると聞いており、この間の市町村、関係各位の御努力に対し、敬意を表するところであります。
 面的除染が終結を迎えようとする現在、県内の放射線量も世界の主要都市と同等水準まで低下してきておりますが、一方で昨年県が実施した県政世論調査の結果では、震災、原発事故や復興について知りたい情報として放射線の健康への影響や健康管理に関する情報を選択した人が五八・四%と依然高い割合を示しているなど、放射線の問題によって生活上の不安を抱える県民もまだ多いのも事実であります。
 そういった方々に安心感を持ってもらえるよう、引き続き面的除染終了後のフォローアップや放射線量のモニタリングなど、しっかり対応していくことが求められております。
 そこで、面的除染終了後も市町村が行うフォローアップ除染等の必要な措置を支援すべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
 また、県民の不安に応えるため、環境放射能モニタリングにしっかりと取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、防災意識の高揚についてであります。
 東日本大震災から7年が経過しようとしておりますが、県民の防災意識は時間の経過とともに薄れているように感じます。
 一方で、浪江、双葉両町における林野火災や台風の影響による豪雨災害などの自然災害が相次いで発生しております。全国的にも、先月に発生した群馬県の西部にある草津白根山の突然の噴火や先日の福井県などにおける豪雪など記憶に新しいところです。
 このような中、県は防災に関する各家庭等での話し合いのきっかけづくりとするため、福島県防災ガイドブック「そなえるふくしまノート」を作成し、全世帯に配布しました。
 そこで、県は防災ガイドブックなどを活用し、県民の防災意識の高揚にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、県民の健康づくりについてであります。
 県民の健康は重要であり、平均寿命を延ばすことはもとより、健康上問題なく日常生活を送れる健康寿命を延ばし、毎日生き生きとした生活を送りたいということは誰しもが思う共通の願いではないでしょうか。
 国が公表した平成27年度メタボリック症候群に該当する割合によると、平成27年度本県は全国でワースト3位となり、健康指標の悪化が続いております。
 このような中にあって、県では平成28年度より関係団体と連携して健康をテーマとしたチャレンジふくしま県民運動を展開しております。この取り組みを積極的に推進して、多くの県民が少しでも多く歩くなどの運動や体によい食事生活をするなど、日常的にできるところから健康づくりを実践し、それが県全体に広がることで、本県が全国的に誇れる健康長寿県につながっていくものと考えております。
 そこで、県は多くの県民が健康づくりを実践するため、県民運動にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 健康長寿を目指すチャレンジふくしま県民運動の取り組みを県民の方々にどのように浸透させるかが課題となっており、身近に歩いて健康づくりを行う機会をふやし、継続できる取り組みとすることが健康の増進につながるものであり、県民の方々が楽しく歩きたいと思わせるまちづくりが大切であると考えております。
 そこで、県は楽しく歩けるまちづくりに向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 本県は、急速に少子高齢化が進む中、震災以降、生活環境の変化等によりメタボリック症候群の該当者の割合や急性心筋梗塞による死亡率が高く、さらには子供の肥満や虫歯が多いなど、子供から大人までの健康指標の悪化が顕著であります。
 こうした状況を改善するため、昨年2月、畠副知事を議長とする健康長寿ふくしま推進会議を立ち上げ、各部局連携してふくしま健民アプリを初めとした、健康長寿を目指したさまざまな取り組みを進めていると伺っております。県民一人一人が元気で健康に生活できる健康長寿社会を実現するためには、庁内各部局が連携し、強力に施策を展開する必要があります。
 そこで、庁内各部局が連携し、県民の健康づくりをどのように推進するのか、副知事の考えをお尋ねいたします。
 次に、被災者の心のケア対策についてであります。
 いまだ県内外において約五万人もの県民の方々が避難生活を続けておられますが、被災者の中には、なれない土地での生活になじめないまま孤立感を深めたり、将来の見通しを立てられずに取り残されていると感じたりするなど、依然として大きな精神的ストレスを抱えている方も少なくないと思われます。こうした被災者の心の傷を癒やすためには、心のケア対策を一層充実する必要があると考えております。
 そこで、県は被災者の心のケア対策の充実にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、自殺対策についてであります。
 本県の平成29年の自殺者数は、先月発表された警察庁統計の速報値で380人と、前年から2人増加しております。ここ数年、自殺者数は全国、本県とも減少傾向にありますが、全国から見れば本県の自殺者数はまだまだ高い水準にあるものと認識しております。
 自殺は、その多くがさまざまな悩みが原因で心理的に追い詰められた結果選択せざるを得なくなったもので、従来から防ぐことができる社会問題であると言われており、自殺対策は大変重要な課題であると考えております。
 そこで、県は自殺対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、国民健康保険制度についてであります。
 いよいよこの4月から県が国民健康保険の財政運営の責任主体を担うこととなります。県はこのたび平成30年度の国民健康保険事業費納付金と標準保険料率の算定結果を示しました。
 それによれば、平成30年度における県平均の1人当たりの保険料は平成28年度と比べると低くなる見込みであるとのことですが、国保の加入者の高齢化が進展し、1人当たりの医療費が上昇していくと見込まれる中、国保の財政運営が本当に安定化していくのか不安に思います。
 そこで、県は国保の財政運営の安定化にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、避難指示が解除された地域の復興再生についてであります。
 昨年春、川俣町山木屋地区、そして浪江町、飯舘村、富岡町の帰還困難区域を除く地域の避難指示が解除されるなど、避難地域の復興が着実に進みつつあります。しかし、8割程度の住民が戻ってきた自治体がある一方、まだ数%の帰還状況の自治体もあるのが現状です。
 避難が長期化する中、多くの住民の方がふるさとに戻るかどうか、それぞれの置かれた状況で悩んでいらっしゃると思います。避難指示が解除された地域の復興再生のためには、住民の方の帰還意欲を高める取り組みが重要であり、一人でも多くの方がふるさとに戻りたいと思えるよう、さらに生活環境の整備を進める必要があると考えております。
 そこで、県は避難指示が解除された地域の復興再生にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、避難者の方々の居住環境の安定確保についてであります。
 先日、復興庁が双葉町と浪江町の住民意向調査結果を公表いたしました。それによりますと、帰還の判断がまだつかないという方が前年度調査に比べて3ポイント以上上昇しており、特定復興再生拠点が整備されることを受けて判断に迷う方がふえたのではないかという見方が掲載されておりました。
 また、原子力災害で避難された方々のふるさとに戻りたいという心情に対しては、できる限りの帰還支援をしていくことが必要であり、そのような中、大熊町が大川原地区の中に整備する帰還者や転入者向けの復興公営住宅を県が代行整備するため、県が町と協定を締結したことは、被災市町村の支援として、ふるさとに戻りたい方を支援するという意味からも大変意義があることと考えています。
 そこで、県は市町村が行う復興公営住宅の整備をどのように支援していくのかお尋ねいたします。
 一方、直ちに帰還できない方々などは県などが整備した復興公営住宅に入居しているところであり、来月末までに4,707戸が完成するとのことです。
 復興公営住宅は、一般の県営住宅と異なり、収入に関係なく入居できますが、入居後3年を経過して一定基準を超える収入のある方は収入超過者として割り増し家賃が課され、家賃が段階的に上がります。
 割り増し家賃は、建設費などをもとに算定され、建設時期等の影響もあって従来の県営住宅よりも高く設定されると聞いており、せっかく入居したにもかかわらず家賃が高くなるのではと不安に感じていると思います。
 先月、岩手県では収入超過者に対する割り増し家賃について対応策を講じる旨を発表したところでありますが、本県においても入居後3年を経過する平成31年度の家賃から何らかの対応が必要ではないかと考えます。
 そこで、県は復興公営住宅における収入超過者の家賃についてどのように対応していくのかお尋ねいたします。
 次に、農業政策についてであります。
 昨年5月、知事は「ふくしま。GAPチャレンジ宣言」を行いました。それ以降、県内各地でGAP認証取得を目指す動きがあり、私の身近なところでもGAP認証を取得した農家が出てきております。
 テレビや新聞でもGAPの話題を目にすることが多くなり、農家だけでなく、この1年で多くの県民にGAPを知ってもらえたのではないかと思います。GAP認証取得を通して本県の農林水産物の信頼がより高まっていくのではと期待しているところでございます。そのためには、現在の現地の動きを追い風として、GAP認証の取得をさらに加速させていく必要があると考えます。
 そこで、GAPチャレンジ宣言2年目に当たり、さらなる認証の拡大にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
 農業を取り巻く環境は、TPP11の動向や日EU・EPA交渉の大枠合意など大きく変動しております。本県農業の振興のためには、消費量の減少が続く米に過度に依存した生産構造から転換していくことが重要であり、中でも経営の柱となり得る野菜や花などの施設園芸に期待しているところでございます。
 そこで、県は施設園芸の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 農林業センサスによれば、2015年の農業就業人口は2010年よりも3割近く減少しており、さらに高齢化が進んでいる中で農業を維持していくことが困難な地域が出てくることを心配しております。
 こうした状況に対応し、本県農業を維持、発展させるためには、意欲ある人材の呼び込みや定着を含めた新規就農者の育成・確保を着実に進めていく必要があると考えております。
 そこで、県は新規就農者の育成・確保にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 平成30年は、国による米の生産数量目標の配分が廃止され、県と関係機関で構成する県協議会がかわって生産数量の目安を示しましたが、実効性については不透明であります。県においては、引き続き大幅な米価下落が生じないよう関係機関と十分に協議しながら本県の水田農業の振興に取り組む必要があると考えます。
 そこで、県は平成30年以降の米政策の見直しを踏まえ、水田農業の振興にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 昨年、政府は農地転用の規制緩和に向けた農地法などの政令改正を閣議決定いたしました。これは工場などの用途に限らず、サービス業や観光・商業施設、IT関連企業など幅広い産業向けに農地を転用しやすくし、農村部に企業を呼び込むことで雇用の創出を目指すものと言われております。しかし、これまでの農地の保護とは相反する面もあり、優良農地を乱開発から防ぐことも重要であります。
 そこで、農地転用の規制緩和に対する県の基本的な考えをお尋ねいたします。
 次に、鳥獣対策についてであります。
 県内における熊及びイノシシ、そして猿による農作物への被害は増加傾向にあります。また、避難地域においても避難指示が解除される区域が拡大されており、営農再開にも影響を与えかねない状況にあり、農作物被害の軽減のためにもさらなる対策を講じる必要があると考えております。
 そこで、県は農作物の有害鳥獣対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 イノシシによる被害防止対策については、平成27年3月に策定したイノシシ管理計画に基づき、総合的な対策が進められており、このうち捕獲については、昨年度は捕獲頭数が約2万6千頭と管理計画の目標を上回り、今年度も県の直接捕獲事業の枠を拡大し、捕獲の強化に取り組んでいるところですが、農業者を初め県民の皆さんから「多くのイノシシを捕獲しているが、農業被害や生息数が減少したとの実感が得られない。」という声も寄せられております。
 イノシシの増加は全国的な傾向であり、短期間で成果を出すのは難しいと思いますが、現在の管理計画は策定から3年を経過しており、これまでの取り組みについて検証する時期に来ていると考えます。
 そこで、イノシシ管理計画における取り組みをどのように評価し、どのように対応していくのか、県の考えをお尋ねいたします。
 次に、全国植樹祭の開催についてであります。
 いよいよ本年6月に南相馬市において全国植樹祭が開催されます。県内外から多くの出席者が予想される大規模なイベントであり、福島の復興を大きく後押しするものと期待されております。
 この全国植樹祭の関連行事として、前日に全国林業後継者大会が開催されます。かつて経験したことのない津波や原子力災害により、本県の森林は大きな影響を受けました。この豊かな森林を美しい姿に戻し、次の世代に引き継いでいかなければなりません。そのためには、多くの林業担い手の力が必要であります。
 本大会は、昭和45年に猪苗代町で開催された全国林業後継者のつどいが先駆けであり、48年ぶりに本県で開催されるものであります。「未来へと つなげる心 森林づくり」を大会テーマに県内外から多くの林業関係者を迎え、森林づくりへの志を一つにすることは大変意義深く、本県の森林・林業の再生の加速化に向けて重要であると考えているところでございます。
 そこで、県は全国林業後継者大会の開催に向けどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 全国植樹祭には、来年御退位を控える天皇皇后両陛下の御臨席も予定されており、多くの県民が沿道や行幸啓先へ奉迎に訪れるものと予想されます。こうした大規模なイベントを成功させるには、警察による万全の警備が欠かせません。
 県警察では、早期に全国植樹祭の警備に向けた態勢構築を図るため、幹部職員の人事異動を前倒して実施するなど着々と準備を進めているものと思いますが、全国的に注目を浴びるイベントでもあるので、万一の事態に備えた周到な準備が求められております。
 そこで、全国植樹祭の警備に向けた県警察の取り組みについてお尋ねいたします。
 次に、交通体系の整備についてであります。
 県土の骨格を担う基幹的な道路である6本の連携軸については、7つの生活圏を支えるとともに、県全体の復興を加速化させ、さらには地方創生にも重要な道路であります。
 その中でも、磐越自動車道と一体となり、会津地方の活性化への貢献が大いに期待されている会津縦貫道を初めとした国道121号、いわゆる会津軸の整備についても他の連携軸と同様の進捗が期待されているところです。特に会津若松市から南会津町までの会津縦貫南道路においては、早期整備が強く望まれております。
 会津地方は、全国的にも名高い歴史、文化を有する一方で、冬期間の積雪による通行の規制に加え、急峻な地形や脆弱な地質から異常気象による通行どめなどがこれまでも発生するなど、地域の安全・安心はもとより、会津地方の振興のためには骨格をなす幹線道路の整備が重要と考えております。
 そこで、県は会津縦貫道の整備にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 福島県と宮城県を結ぶ阿武隈急行線は、沿線住民の方々による旧国鉄丸森線の存続運動により、関係自治体等が第三セクターを設立して生まれ、昭和63年7月の全線電化開業以来、沿線住民の通勤通学を中心とした交通手段として、また地域観光をつなぐ鉄道として極めて重要な役割を果たしてまいりました。
 こうした中、建造から約30年が経過する車両は老朽化が進み、車両の更新が喫緊の課題となっております。沿線自治体にとって阿武隈急行線は地域の重要な足であり、経済活動の基盤であることから、今後も宮城県とも連携して安全・安心な運行を確保し、鉄道の維持存続に向け取り組んでいく必要があります。
 そこで、県は阿武隈急行の車両更新をどのように支援していくのかお尋ねいたします。
 次に、ふたば未来学園高等学校に併設する県立中学校についてであります。
 平成27年度に開校したふたば未来学園高等学校では、本年3月に初めての卒業生を送り出します。同校はこれまでバドミントン部の全国大会での活躍などにより県民に勇気を与えてきたところですが、進学についても福島県立医科大学、筑波大学への合格者を出すなど、3年間の学びの成果があらわれております。
 平成31年4月には併設する県立中学校を開設するとのことであり、6年間を通した教育により、人材育成の一層の充実が図られるものと期待をしているところであります。
 そこで、ふたば未来学園高等学校に併設する県立中学校の開設に向けどのように取り組んでいくのか、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
 次に、公立小学校における英語教育についてであります。
 平成29年3月に新学習指導要領が公示され、小学校に平成32年度から外国語科が導入されることになり、来年度からの移行期間においては授業時間の増加に対応するため、各学校に時間割や日課表を工夫することなどが求められております。
 小学校における英語教育に当たっては、英語教育の専門ではない教員に指導を任せることは大きな負担になりかねません。また、地域間の格差や学校間の格差を生じさせないようにすることが重要であります。県内の子供たちがあまねく充実した授業を受けるためには、県教育委員会として移行期間からの支援策を示すことが必要であると考えます。
 そこで、県教育委員会は公立小学校における英語教育にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
 次に、県立特別支援学校の整備についてであります。
 平成19年に特別支援教育が本格的に実施されてから10年以上が経過し、障がいのある子供を取り巻く社会情勢が大きく変化する中、昨年たむら支援学校や石川支援学校たまかわ校が開校し、教育環境の整備が進められておりますが、特別な支援を必要とする児童生徒は現在も増加傾向にあり、特別支援教育の充実が求められております。
 このような現状を踏まえ、県教育委員会におきましては、昨年12月に県立特別支援学校の新たな整備計画を策定し、伊達、安達、南会津地区において新たに特別支援学校を整備する方針を打ち出しましたことは大変時宜を得たものと考えております。
 中でも伊達地区に整備する特別支援学校については、開校目標年度を平成30年代前半としておりますが、大笹生支援学校の児童生徒が増加している状況を見ますと、早急な整備が必要であると考えます。
 そこで、県教育委員会は伊達地区の県立特別支援学校の整備をどのように進めていくのかお尋ねいたします。
 最後に、私の所信を述べさせていただきます。
 知事は、さきの所信表明において、野口英世博士の言葉を引用され、福島の復興への強い意志と次世代への思いを述べられました。ことしは明治の幕開けとなった戊辰戦争から150年を迎える節目の年でもあります。
 顧みますと、近代の福島県は戊辰戦争による荒廃からのスタートでありました。「白河以北一山百文」といった、いわれなき朝敵としての汚名や差別、そしてその逆境の中、県民は戦禍からの復興を果たし、多くの人材を世に輩出しました。
 世界的な医学者野口英世を初め白虎隊士であった東大総長の山川健次郎、日英同盟の陰の立て役者であった柴五郎、日本のナイチンゲールと言われた瓜生岩子、須賀川医学校で学び、後に関東大震災での東京の復興を担った後藤新平、そして自由民権運動の闘士としてさまざまな苦難を乗り越えてきた河野広中翁の銅像は今日もこの議会を見守っております。
 これら福島で生まれ、あるいは福島で学んだあまたの人材は、近代国家日本が発展していくための原動力となりました。そして、現代私たちは再び県政史上最大の逆境の中にあります。
 間もなく平成の時代が終わろうとしておりますが、後世の人は、平成に生きる私たち県民が震災と原発災害からどのように復興を果たし、どう振る舞ったのか必ず知ろうとすることでしょう。
 私はこの時代に生きる責任世代の一人として、福島県民は復興に全身全霊を傾けた知事を先頭に県民みずからの強い意志と情熱で新しい時代を築いていったのだと後世に伝えられることを願ってやみません。そして、それこそが福島県を応援してくださる県内外の方々に報いる道であると確信しております。知事は常に私たち県民の先頭であります。
 質問を終わります。御清聴ありがとうございました。


議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。


知事(内堀雅雄君)亀岡議員の御質問にお答えいたします。


 県政運営についてであります。
 未曽有の複合災害から間もなく7年、本県はいまだに有事の状態が続いております。こうした厳しい状況だからこそ、果敢に挑戦することが何よりも重要であります。私は、この挑戦を続けていく上で3つの視点を念頭に置きながら県政を運営してまいりました。
 1つ目の視点は、イノベーション、革新の視点であります。
 福島県は、前例のないさまざまな課題を抱えており、これらを解決していくためには、福島イノベーション・コースト構想のような革新的で先駆的な取り組みに挑戦していく必要があります。こうした意識や視点を広く県政全般に浸透させ、より大きなうねりへと転化させることで復興をさらに前へと進めてまいります。
 2つ目は、リノベーションの視点であります。
 地方創生の観点で言いかえれば、今あるものをどう生かすかであり、本県が有するさまざまな地域資源や魅力を知恵と工夫で磨き上げていくことで福島ならではの地方創生の実現につなげてまいります。
 3つ目は、コラボレーション、協働の視点であります。
 本県の復興・創生をなし遂げるためには、県民の皆さんのお力はもちろんのこと、福島に思いを寄せる多くの方々の力や技術、知識などをおかりして効果的なコラボレーションを展開し、挑戦の幅を広げていくことが重要であります。
 私は、今後もこうした視点を大切にしながら県民の皆さんと挑戦を続け、一つ一つの取り組みをしっかりと形にし、「挑戦県ふくしま」だからこそなし得る復興と地方創生の実現に全力を尽くしてまいります。
 次に、当初予算についてであります。
 私は、新年度予算を復興・創生チャレンジ予算と位置づけ、さまざまな課題に積極的に挑戦する予算として編成したところであります。
 まず、避難地域の復興を加速する取り組みといたしましては、ふたば医療センターの開所などによる医療・介護サービスの提供体制の再構築、避難されている方々の心のケアの充実、被災12市町村における事業や農業の再開支援、福島イノベーション・コースト構想のさらなる推進など、避難地域の復興の実現に向けて引き続き総力を挙げて取り組んでまいります。
 地方創生に向けては、妊娠から子育てまで切れ目のない支援を行う相談体制の充実、保育施設の整備拡充、保育人材の確保など、市町村等と連携をして、安心して子育てができる環境づくりに重点的に取り組んでまいります。
 また、首都圏在住の本県出身者等に福島のよさを再認識していただく「三十歳の同窓会」を開催するなど、定住・二地域居住や若者の定着・還流を一層促進してまいります。
 さらに、鳥獣被害対策の充実や県立医科大学の新学部設置などによる、安心して住み、暮らすための環境づくり、農林水産物の販売力向上への支援、中小企業等の経営基盤の強化などを通した商工業のさらなる振興など、総合計画の11の重点プロジェクトに基づく事業を着実に推し進めながら、福島県全体の復興と地方創生の実現に向け取り組んでまいります。
 次に、少子化対策についてであります。
 本県の平成28年の合計特殊出生率は1.59と上昇傾向にあるものの、出生数が震災以降最低となるなど、少子化に歯どめがかからない状況にあります。
 私が参加した新春の座談会においても、本県の高校生から、若い世代が少なくなり負担が大きくなることへの危惧について話があるなど、少子化は大きな課題と認識をしております。
 若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえ、少子化に歯どめをかけるためには、子育てしやすい環境の整備を推進するなど、地域社会全体で切れ目のない支援を展開していくことが大切であります。
 このため、ふくしま結婚・子育て応援センターにおける出会いの機会の提供に加え、企業と連携し、ワーク・ライフ・バランスを推進するため、育児参加を奨励する企業を支援するとともに、子育て中の男性を対象としたセミナーを開催し、積極的に子育てにかかわれるように取り組んでまいります。
 また、妊娠、出産、子育てについての身近なワンストップ窓口となる子育て世代包括支援センターの設置や妊娠後期における妊婦訪問の促進、働きやすい職場環境づくりに向けた企業内保育所整備の支援に加え、認定こども園等の設置により子育てしやすい環境を整備するなど、少子化対策に総力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、海外からの観光誘客についてであります。
 震災から丸7年がたとうとしているこの冬、福島の雪景色や原風景に歓声を上げる外国人の姿が県内各地で見られるようになりました。外国人観光客の増加は、経済的効果のみならず、福島を笑顔で満喫するその姿が県民に勇気と誇りを与えてくれます。
 東日本大震災の年、外国人宿泊者は前年に比べ約3割まで激減しましたが、昨年1月から11月までの宿泊者数は震災の前年1年間を初めて超え、県で掲げた年間目標の9万人泊を達成する見込みとなりました。また、先月から台湾、今月からはベトナムとの連続チャーター便が運航され、ことしは7月までに約5千人の方々が福島を訪れます。
 福島には、外国人の心に響く多くの魅力的な観光資源があります。福島に来て、見て、感動して、広めたいと思っていただけるよう、福島でなければ見られない、体験できない独自のコンテンツに磨き上げていくとともに、動画やフェイスブックを最大限に活用し、福島を訪れたくなるような情報発信の充実、台湾やタイ、ベトナムに設置した送客窓口と温泉地の人々等が協働して行う顔の見えるプロモーションの強化など、福島への外国人観光客の流れをより大きく確かなものとするため、市町村や地域の皆さんとともにしっかりと取り組んでまいります。
 次に、尾瀬の魅力の発信についてであります。
 ミズバショウ、ニッコウキスゲ、草もみじ、そして紅葉など四季折々の風景や玄関口である檜枝岐村の心温まるおもてなしで訪れる人々を魅了する尾瀬は、福島が世界に誇る宝であります。
 私も、尾瀬ヶ原、尾瀬沼、燧ヶ岳等が織りなす大パノラマの中に身を置くたびに新たな魅力に心を奪われ、この感動を多くの皆さんと共有したいとの思いを強くしております。
 昨年夏の尾瀬サミットの際にも地元の高校生や有識者から「幅広い世代に尾瀬の魅力に触れていただける機会をふやすことが大切である」との提言をいただいたところであり、さまざまな手法を用いて、より伝わる、そしてより共感が得られる情報を発信し、入山者の裾野を拡大していくことが極めて重要であると考えております。
 そのため、新年度においては、東武鉄道の特急リバティ会津の運行による首都圏からのアクセスの改善や尾瀬の全ての山小屋に公衆無線LANの設置が完了したことなどを追い風に、新たに県内の高校生や大学生、さらには留学生などの情報発信力の高い若者を対象とした尾瀬のモニターツアーを実施し、その魅力をSNSで発信していただくとともに、アウトドア関連企業等と連携した参加体験型イベントの開催や旅行雑誌等に働きかけ、福島県側の情報の充実を図ること等により、「ふくしま尾瀬」の魅力をより多くの方々に届けてまいります。
 次に、GAP認証についてであります。
 今月1日に開催した「ふくしま。GAPチャレンジ推進大会」では、農業者、JA、市町村等から450名の参加をいただきました。改めてGAPチャレンジ宣言に込めた私とJA福島中央会の大橋会長の思いに広く共感していただいたと実感いたしました。
 認証取得の見込みは、本年度末までに60件以上と着実に増加しております。既に認証を取得した実践者からは「生産管理がシステム化できた」、「商品への問い合わせが多くなった」、「ぜひ自分たちも先頭に立って広めていきたい」など、力強い御意見をいただいております。
 流通業界からは認証農産物を積極的に活用していく大きな動きがあります。GAPチャレンジ宣言2年目に当たり、生産者の思いと市場のニーズをしっかりと捉え、産地での団体認証の取得を初め消費者の信頼獲得にも努め、生産、流通、消費に至るさまざまな取り組みへの支援を通じて、本県の農林産物の市場での優位性をより高めていく認証取得日本一に向けて挑戦を続けてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事等から答弁させますので、御了承願います。


副知事(畠 利行君)お答えいたします。


 県民の健康づくりにつきましては、個人の意識啓発はもとより、家庭、職場や学校、そして各地域などのさまざまな場面において複合的に対策を実施していくことが重要であると考えております。
 そこで、部局横断で取り組みを実践するため、健康長寿ふくしま推進会議を立ち上げ、各分野における取り組みの推進を図ってきたところであります。
 今後も本県の豊かな観光資源を生かした健康と観光のタイアップ事業や若い世代からの健康づくりの定着に向け、子供の体力向上、望ましい食習慣の定着のための取り組みなど、関係部局が連携し、相乗効果を生み出す事業を展開するとともに、民間企業等との協働により、市町村の先駆的な健康づくり事業や企業の健康経営などを支援してまいります。
 引き続き、私自身も積極的に市町村や関係団体への働きかけを行うとともに、全国に誇れる健康長寿県を目指して、県民総ぐるみの運動となるよう各部局連携しながら全力で取り組んでまいります。


危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。


 環境放射能モニタリングにつきましては、最近の放射線量の低減状況はもとより、避難指示解除に伴う社会構造の変化、廃炉作業に対する監視強化、根強い風評への適切な対応等を踏まえて総合的な方針を定めたところです。
 具体的には、避難指示解除地域、発電所周辺地域や仮置き場からの搬送経路等で調査対象、地点、項目を拡充するほか、空間線量率が低減した地域においても風評対策の視点を踏まえて調査地点の再検討を行うなど、県民が安心して生活できるよう、引き続ききめ細かな調査と正確でわかりやすい情報発信に努めてまいる考えであります。
 次に、県民の防災意識の高揚につきましては、さまざまな危機事象に対する不断の気づきと災害を想定した訓練の継続が重要であると認識しております。
 このため、小中学校の児童生徒を初め小学生の親子、地域住民の皆さんなど、あらゆる世代を対象に防災ガイドブックを活用した防災教育の場をふやすほか、自治体や学校、企業、地域コミュニティーなどに対し、県下一斉安全確保行動訓練や総合防災訓練への継続した参加を促すことなどにより、実践を通じた避難行動意識の定着化を通して、みずからの身はみずからが守るという意識の高揚につなげてまいります。

企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。


 水素社会実現のモデル構築につきましては、再生可能エネルギー由来の水素を利用する社会の実現が環境負荷の軽減や再生可能エネルギーのさらなる導入拡大、産業振興等に貢献するものと認識しております。
 このため、国等と連携して浪江町における大規模水素製造、貯蔵、輸送システムの実証事業を推進するとともに、商用水素ステーションや燃料電池自動車の導入支援に取り組んでおり、来月には国内初の再生可能エネルギーを100%使用した商用水素ステーションが福島市と郡山市を拠点に稼働を開始いたします。
 引き続き、水素社会実現のモデル構築に向け積極的に取り組んでまいる考えであります。
 次に、地方創生の取り組みにつきましては、少子高齢化等の構造的な要因により、人口の減少傾向は続いておりますが、子育てしやすい環境づくりや「しごと」づくり、「ひと」の流れを生み出す取り組みなどにより、合計特殊出生率や経済指標の改善、本県への若い移住者の増加など、明るい兆しも見えてきております。
 新年度は、これまでの取り組みの成果をより確かなものとするため、結婚、出産、子育てへの支援の充実や「三十歳の同窓会」を初めとした若い世代が福島に戻るきっかけづくりに取り組むとともに、定住・二地域居住のさらなる推進など、さまざまな施策を総合的に展開してまいります。
 次に、地方創生の実現に向けた支援につきましては、市町村が地域の課題に対応し、実効性の高い取り組みを推進できるよう、しっかりと後押ししていくことが重要であります。
 このため、市町村における地方創生交付金の確保に向けて計画づくりへの助言を行うとともに、サポート事業等も活用しながら、市町村の強みや魅力を生かした取り組みが進むよう支援を行ってきたところであります。
 今後も市町村との連携を密にし、地方創生の実現に向けた取り組みを積極的に支援してまいります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。

 市町村が行うフォローアップ除染につきましては、これまで相馬市及び南相馬市の合計約140戸で実施されており、さらに福島市、白河市など5市町村においてフォローアップ除染の実施に向けた事後モニタリングが進められております。
 県といたしましては、面的除染終了後も県民の不安解消に向け、市町村訪問等を通じて地元の要望や地域が抱える課題を共有し、フォローアップ除染等の必要な対策の周知や予算の確保に努めるなど、引き続き市町村を支援してまいります。
 次に、イノシシ管理計画につきましては、これまで3年間の捕獲総数は計画を策定する前の同期間の実績の2倍を超える6万2千頭の見込みでありますが、いまだにイノシシの目撃情報などが多く寄せられている状況にあります。
 このため、新年度においては、専門家の助言を得ながら、これまでの捕獲実績や生息情報、被害額の推移、定点カメラの観測結果に基づく経年変化等を分析、検証した上で新たな管理計画を1年前倒しして策定し、イノシシ被害の低減に取り組んでまいります。
 次に、阿武隈急行につきましては、沿線地域における生活路線として、また地域振興を担う観光路線として大切な役割を担う重要な社会基盤であると認識しております。
 車両の老朽化に伴う対応については、宮城県や沿線市町と構成する協議会で検討を進めており、2月補正予算において緊急的に必要とされる予備車両の整備を支援する費用について計上したところであります。
 なお、現在使用中の車両については、早急な対策が求められていることから、宮城県や沿線市町等とともに、会社の次期経営改善計画や利活用方策、二次交通対策等を盛り込んだ公共交通網形成計画の速やかな策定とあわせ、今後の方向性について検討を進めてまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 県立医科大学(仮称)保健科学部における人材の養成につきましては、急速な高齢化による医療・介護需要の増大や生活習慣の変化、避難生活の長期化などに伴う県民の健康指標の悪化に的確に対応することが求められております。
 このため、認知症作業療法や予防理学療法等の高度な知識、技術を備えることはもとより、医学部、看護学部等の連携が容易であるという強みを生かし、広い視野でチーム医療を実践するとともに、地域に根差し、地域包括ケアシステムなど、本県の医療、介護、福祉の幅広い場面で活躍できる人材の養成を行ってまいります。
 次に、被災者の心のケア対策につきましては、ふるさとへ帰還された方などがより身近な場所で支援が受けられるよう、昨年12月に富岡町に開所したふくしま心のケアセンターふたば出張所の専任スタッフを増員するなど体制の充実に努めております。
 新年度はさらに、県外に避難されている心のケアが必要な方を専門知識を持った看護師等が個別に訪問し、その場で相談に応じるとともに、状況に応じ、県外避難者の心のケアを委託している10都道府県の臨床心理士会等や避難先の保健所等と連携して支援する新たな取り組みを行うこととしており、心のケア対策の一層の充実に努めてまいります。
 次に、自殺対策につきましては、ゲートキーパーの養成や相談体制の充実などに取り組んできたほか、昨年11月には市町村長を対象としたトップセミナーを開催し、市町村ごとの実情に応じた取り組みを行うよう働きかけたところであります。
 さらに今年度中には、昨年7月に見直しが行われた国の自殺総合対策大綱を踏まえ、第3次福島県自殺対策推進行動計画を改訂し、一層の自殺者数の減少に向け、目標値などを見直すこととしております。
 新年度は、新たに若者の自殺対策として、ウエブサイト上で自殺関連用語を検索する者に相談を促す取り組みを行うなど、引き続き誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、自殺対策の充実に努めてまいります。
 次に、国保の財政運営につきましては、県が国保事業費納付金を算定、徴収することで市町村間の財政負担を調整するとともに、保険給付に必要な費用については、その全額を市町村に交付し、高額な医療費の発生などの財政上のリスクを県全体で分担してまいります。
 また、納付金の算定に当たっては、国からの財政支援を有効に活用し、保険料が急激に上昇する市町村に対して激変緩和措置を実施したところであります。
 今後は、国と地方で合意した国保改革に伴う財政支援の確実な実施を国に求めることに加え、住民の健康づくりに向けた市町村の積極的な取り組みを促すとともに、市町村事務の共同化によるコスト削減等により国保の財政運営の安定化にしっかりと取り組んでまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 航空宇宙関連産業につきましては、これまで企業の認証取得や人材育成を支援し、新規参入を促進するほか、国際的な商談会出展等への取り組みを通じて取引拡大に努めてきたところであります。
 今後はさらに、設計から加工、検査までの一貫した生産工程の構築に向けた取り組みを進めるため、今年度ハイテクプラザに導入した三次元設計システムに続き、新年度にはより精度の高い部品を製造する五軸加工機を新たに導入し、県内企業の技術力のさらなる高度化を図るなど、航空宇宙関連産業の育成・集積にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、福島再生可能エネルギー研究所との連携につきましては、平成26年に締結した連携協力に関する協定に基づき、約680の企業等から成る研究会の活動を通じた技術支援や、学生、社会人を対象とした人材育成等に取り組んでいるほか、同研究所が実施した33社の県内企業との共同研究の結果、17社が製品開発に成功するなど、連携の成果が着実に生まれているところです。
 新年度からは、県内企業によるさらなる製品開発と事業化を促進するため、共同研究による技術開発に加え、新たに事業計画策定や販路開拓、知的財産の活用までを一体的に支援するなど、再生可能エネルギー関連産業の育成・集積を一層加速させてまいる考えであります。
 次に、ふくしま医療機器開発支援センターにつきましては、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する拠点として、海外規格にも対応した安全性評価や企業間のマッチングによる取引拡大、高度な医療人材の育成など、さまざまな機能が発揮されることが期待されております。
 このため、今後国や県立医科大学等の関係機関と緊密な連携のもと、企業や医療従事者のニーズ、医療技術の高度化に対応できるよう職員のスキルを向上させるとともに営業体制の強化に努めるなど、同センターを中核とした医療関連産業の育成・集積にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、ロボット関連産業の育成・集積につきましては、ドローンや災害対応ロボットの開発など数多くの実用化開発等を支援しているほか、ふくしまロボット産業推進協議会において国内最大規模の国際ロボット展に共同出展し、国内外に本県の技術力を広く発信するなど、さまざまな取り組みを行っております。
 今後は、県内企業と大学等が連携し、福島発の新しいロボット技術を生み出すための支援制度を創設するとともに、センサー等の要素技術開発への助成枠を拡大し、参入を目指す企業への支援を強化するなど、関連産業の育成・集積に引き続き積極的に取り組んでまいります。
 次に、ICT関連産業につきましては、これまで受け皿となる県内の廃校、空き家等のオフィス物件に関する情報を発信するとともに、地域未来投資促進法の基本計画にICTを重点分野として位置づけるなど、ソフトウエアやコンテンツ関連企業の誘致に努めてきたところであります。
 新年度は、本県の魅力ある立地環境や県内への進出事例の紹介など本県の優位性を強くアピールするとともに、オフィス等に企業が入居する際に必要となる経費への助成制度を創設し、市町村と連携しながらICT企業の立地を促進することにより関連産業のさらなる集積に取り組んでまいります。
 次に、復興を担う若者の創業支援につきましては、これまで創業時に必要な経費への助成やインキュベート施設における低料金での設備提供、専門家による助言指導のほか、すぐれたビジネスプランの表彰、事業計画策定等を支援する起業塾の開催など、創業を志す若者が創業しやすい環境づくりに取り組んできたところであります。
 新年度からは、大学生を対象にビジネスプランの立案等を実践するワークショップやシリコンバレーへの研修プログラムを実施することで志の高い若手起業家の育成を図るとともに、県内の各大学と連携し、大学発ベンチャーの創出に向けたきめ細かな支援に取り組むなど、復興を担う若者によるチャレンジを積極的に支援してまいる考えであります。

農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。


 施設園芸の振興につきましては、出荷時期の調整により市場ニーズに的確に対応できること、収量性や品質が高く安定的な収入が確保できることから、キュウリ、アスパラガス等の全国有数の産地である本県の競争力強化のために重要であります。
 そのため、新年度から産地規模の拡大による出荷量の増加、品薄な時期への戦略的な出荷による販売単価の向上、産地リレーによる市場シェアの拡大に向け、施設園芸の大規模化を進める産地を積極的に支援してまいります。
 次に、新規就農者につきましては、アグリカレッジ福島における実践的な研修、就農初期のリスク軽減のための給付金の交付、機械・施設等の取得支援、普及指導員による栽培技術指導など、市町村、JA等と一体となった取り組みにより、平成27年度から3年連続で200人を超えております。
 引き続き、地域での就農支援体制の整備、就農希望者と農業法人等とのマッチング支援、若い農業者のネットワークづくりにより、本県農業の未来を担う若者が夢とプライドを持って就農できるよう、新規就農者の育成、確保にしっかり取り組んでまいります。
 次に、平成30年以降の水田農業につきましては、産地みずからの経営判断により、需要に応じた米づくりと水田をフル活用する取り組みを進めていくことが重要と考えております。
 そのため、JAや流通団体と連携し、良食味米産地の評価を不動のものとするため、新たに全ての銘柄での食味評価オール特Aの取得への支援、最上級の品質を目指した新品種開発、需要が堅調な中食、外食を対象とした業務用米の生産拡大、水稲と麦・大豆等の1年2作、2年3作の促進による水田の高度利用など、持続的な水田農業の振興にしっかり取り組んでまいります。
 次に、農地転用の規制緩和につきましては、農村地域の基幹産業である農業の成長産業化のために優良農地の維持が重要である一方、地域内発型産業等の導入による就業者や地域住民の地域外への流出防止の視点も必要であります。
 そのため、農地転用に当たっては、優良農地以外を優先すること、農業上の効率的な利用に支障がないこと、農地の集積に支障がないことを基本として、農村地域の均衡ある発展を進めてまいる考えであります。
 次に、農作物の有害鳥獣対策につきましては、集落ぐるみの総合的な対策が重要であります。
 そのため、里山との緩衝帯の整備、放任果樹の伐採、農用地への侵入防止柵の設置、有害捕獲等を支援するとともに、将来的な対策を担う市町村リーダーの配置拡充など、より効果的な有害鳥獣対策を進めてまいります。
 次に、全国林業後継者大会につきましては、全国植樹祭の前日、全国の林業の担い手がいわき市に一堂に会し、「未来へと つなげる心 森林づくり」をテーマに開催いたします。
 昭和45年に本県で開催した全国林業後継者のつどいの参加者、現役世代、将来世代の3世代による活動報告、森林を守る心をつなぐパネルディスカッション、若手林業者が誇りを持って進める森林づくり宣言など、未来への森林づくりの継承と復興・創生に邁進する福島の姿を全国に発信できるようしっかり取り組んでまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。


 防災緑地につきましては、総合的な防災力の高い復興まちづくりを進めるため、津波被害の軽減や地域振興、景観形成の機能を担う緑地として10地区で整備を進めております。
 これまでに広野町のひろの防災緑地が供用しており、今年度はいわき市の薄磯地区と沼ノ内地区の工事が完了し、来月に竣工式をとり行う予定であります。
 残る7地区につきましては、平成31年度末までの完成に向け、整備に取り組んでまいります。
 次に、楽しく歩けるまちづくりにつきましては、元気ふくしま、地域づくり・交流促進事業で、まち歩きマップの作成や観光情報案内板の設置などを行い、地域の宝である観光資源を県民の方々にめぐっていただくことで町なかのにぎわいづくりに取り組んでおります。
 引き続き、安全・安心な歩行空間の整備に加え、県民の交流や休憩の場となる広場やベンチを設置するなど歩きたくなる環境を創出することで健康づくりにつなげ、楽しく歩けるまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、市町村が行う復興公営住宅の整備につきましては、避難者の帰還に向けた意欲を高める重要な要因であることから、今般大熊町からの要請に基づき、町営の復興公営住宅を代行して整備する基本協定を締結したところであります。
 県といたしましては、これまで復興公営住宅の整備において培ってきたコミュニティー形成や工期短縮などの技術的ノウハウを生かし、市町村の住宅整備を積極的に代行するなど、今後とも避難されている方々へ寄り添いながら、帰還の促進に向けた市町村の取り組みを支援してまいります。
 次に、復興公営住宅における収入超過者の家賃につきましては、公営住宅法の規定に基づき、収入に応じて割り増しされ、これまでの復興事業の集中による建設費の上昇などにより、従来の県営住宅に比べてその割り増し額が高く設定されることとなります。
 県といたしましては、このような震災特有の事由により割高となる部分を入居者に負担させることは適切ではないことや避難者の生活再建を支援する観点から、収入超過者の割り増し家賃の軽減措置を講じてまいる考えであります。
 次に、会津縦貫道につきましては、米沢から会津、日光を結ぶ観光周遊ルートの形成による交流人口の拡大などにより、会津地方の経済活性化に極めて重要な路線であることから、現在磐越自動車道をまたぐ会津若松市の市内の若松北バイパスについて工事に向けた調査を進めるとともに、下郷町から南会津町までの約21キロメートル区間においては、国と連携し、計画的に事業を実施しております。
 今後は、事業区間の整備を推進するとともに、会津縦貫道全線の早期事業化に向け、広域的な視点から山形県や栃木県と連携し、沿線の市町村や商工・観光団体等と共同で整備の必要性を国へ強く訴えてまいります。

避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。


 避難指示が解除された地域の復興再生につきましては、ことし4月に双葉郡の二次救急医療を担うふたば医療センターが開所するほか、川俣町山木屋地区、富岡町、浪江町、葛尾村、飯舘村において地元での小中学校の再開が予定されるなど、着実に進展しております。
 今後も市町村の個別課題や広域的な課題の解決に積極的に取り組み、なりわいの再生、企業誘致による雇用の確保など、若者や子育て世代を含め、多くの住民が戻りたいと思える生活環境の整備に市町村、国等としっかりと連携し、全力で取り組んでまいります。


文化スポーツ局長(安齋睦男君)お答えいたします。


 NPOにつきましては、復興の担い手として地域の中で大きな役割を果たしており、復興をさらに進めていくためには、各団体がそれぞれの強みを生かし、活動を継続していくことが重要であります。
 このため、組織運営に必要な資金調達やリーダーを担う人材育成等の講座を開設するとともに、NPO間のネットワーク構築に向けた情報交換会を開催しております。
 さらに、新年度においては会計や財務に関する専門性の高い相談への税理士等による指導助言を行う機会を提供することとしており、NPOが運営力を高められるよう引き続き積極的な支援を行ってまいります。
 次に、県民運動につきましては、県民一人一人が身近なところから健康づくりに取り組めるよう、さまざまな健康測定や運動の楽しさを体感できるイベントの開催、さらにはウオークビズの推奨など、関係団体と連携して健康への気づきや健康づくりのきっかけとなる機会の提供を行ってまいりました。
 今後は、これまでの取り組みの強化に加え、新たに企業におけるモデル的な取り組みの紹介や県内大学と連携した食育に関する啓発など健康への意識を高めながら、多くの県民が健康づくりに一歩踏み出した行動ができるよう積極的に取り組んでまいります。


観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。

 地場産業の振興につきましては、時代のニーズを捉え、新たな販路の開拓を図っていくことが重要であることから、著名なデザイナー等と連携し、伝統のわざに新たな発想やデザインを加え、消費者の感性に届く新商品の開発や作り手の販売力を高める知識等の習得、大型展示会出展などへの支援に取り組んでいるところです。
 来月には、新しく開発された商品を情報発信の効果が高い首都圏等の商業施設において展示販売するとともに、知事のフランス訪問時には世界に誇る「ふくしまプライド。」として発表するなど、引き続き地場産業の振興に向け、国内外への販路の開拓、拡大を支援してまいります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 ふたば未来学園高等学校に併設する中学校につきましては、高等学校への入学者選抜を受験することなく進学できることから、6年間の計画的、継続的な学習や幅広い年齢集団の中でのさまざまな活動により、豊かな人間性や社会性を育む中高一貫教育が展開できると考えております。
 今後は、平成31年4月の開校に向け校舎や寄宿舎を整備し、学習・生活環境の充実を図るほか、主体的、対話的で深い学び、グローバル教育及びシチズンシップ教育を柱とするカリキュラムを編成するとともに、県内七地区で説明会を開催するなど、県民の皆様への周知にも努めながら着実に準備を進めてまいる考えであります。
 次に、公立小学校における英語教育につきましては、新年度から移行措置が始まることから、各学校が作成した指導計画に基づき、聞く、話す、読む、書くの4つの活動をバランスよく取り入れた質の高い授業を行うことが大切であります。
 このため、新たに県内7地区に英語教育のモデル校をそれぞれ複数指定して、英語の免許を有する指導力にすぐれた専科教員を配置し、授業公開等により模範となる指導方法を普及させるとともに、新しい教材の効果的な活用や日常的に英語に親しませるための工夫を研修に取り入れ、教員の英語指導力の向上を図るなど、公立小学校における英語教育の円滑な導入に努めてまいります。
 次に、伊達地区の県立特別支援学校につきましては、地域における学びの場の充実や長時間通学による負担の軽減に加え、児童生徒の増加による大笹生支援学校の狭隘化の解消が急務であることから、第2次整備計画に早急に整備を進められるよう位置づけております。
 このため、地元自治体や保護者等から成る懇談会を開催するなど、学校のあり方について計画の具体化を図っているところであり、新年度においては、通学の利便性や敷地面積等の観点から、旧伊達市立保原小学校跡地を活用することとして基本設計に着手し、平成34年4月の開校を目指して着実に整備を進めてまいります。


警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。


 高齢化社会に向けた取り組みにつきましては、本県の高齢化が一層進展することを受け、治安を確保する上で高齢者対策が喫緊の課題であることから、平成30年度の組織改編において、なりすまし詐欺被害防止など高齢者被害に係る施策などの総合調整を行う高齢・国際化対策官を警務課に新設し、各部門の横断的な連携を強化することとしたほか、運転免許課に高齢運転者対策官を新設し、関係機関、団体とさらなる連携を図り、高齢運転者の個々の能力や特性に応じたきめ細かな取り組みを推進することとしています。
 今後とも、犯罪被害対策及び交通事故防止対策など、高齢者の特性に応じた安全対策を組織一丸となって推進してまいります。
 次に、全国植樹祭の警備に向けた取り組みにつきましては、平成28年3月に警衛警備対策室を設置し、関係機関と緊密な連携を図りながら、両陛下はもとより、奉迎される多くの県民の安全を確保するための対策を推進しているところであります。
 また同時に、警備による市民生活への影響を最小限にすべく、交通規制や警備に対する県民の協力の確保に資する広報のあり方について検討するなど諸対策を推進しております。
 今後とも、事件事故への対応など一般治安にも十分配意しつつ、温かい雰囲気の中で両陛下をお迎えできる環境を警備の面からつくり出していくため、周到綿密な警衛警備対策を推進してまいります。


議長(吉田栄光君)これをもって、亀岡義尚君の質問を終わります。

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