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2018年2月定例会 一般質問 阿部裕美子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年6月18日更新

阿部裕美子議員

議員

阿部裕美子

所属会派
(質問日現在)
日本共産党
定例会平成30年2月
質問等一般質問
質問日3月2日(金曜日)

38番(阿部裕美子君)日本共産党の阿部裕美子です。


 初めに、日本一子育てしやすい県について質問します。
 日本が抱える深刻な課題の一つが少子化問題です。「学校に入学する子供がいなくなって閉校にされてしまう。この地域は、この先どうなってしまうのだろう」との声があちこちから聞こえます。
 日本の人口は、2010年の1億2,806万人をピークに急速な人口減少時代に向かい始めました。本県はさらに原発事故が加わりましたが、直接の要因の一つは国が責任を持って実行すべき保育や教育、社会保障制度などに財源を惜しみ、対策を怠ってきたことが挙げられます。さらに、労働基準法の改悪、労働者派遣法の制定によって低賃金、不安定雇用の非正規労働者が急増し、正規労働者も長時間労働が続いてきました。ある若者は「毎日12時間働いて、家に寝に帰るだけ。」と言います。多くの若者にとって、普通に結婚して家庭を持ち、子供を産み育てることが難しい社会になってしまいました。
 長時間労働を是正し、1日8時間働けば、安心して子供を産み育てることができる労働法制にすることが根本問題ですが、国がやっていることは全く逆です。財界の要望である働き方改革は、サービス残業を認める裁量労働制の拡大です。1日45時間の労働など、あり得ないデータ捏造まで仕組まれています。軍事費は4年連続で過去最大を更新しているのに、文教予算は4年連続マイナスです。生活保護を利用するひとり親世帯の母子加算を20億円削減し、ゼロ歳から2歳児の児童養育加算も月5千円削減です。ひとり親世帯を一層苦しめるものではありませんか。
 福島県は、日本一子育てしやすい県を掲げています。原発事故という未曽有の困難に直面している福島県でこそ、全国に先駆けて思い切った具体策を実施してほしいと県民から熱い期待が寄せられています。
 福井県は、3人目以降の子供に就学前までの保育料などを無料にすることや育児休業給付金に県独自の上乗せを行うなど、結婚から妊娠、出産、乳幼児期から就学期まで、ライフステージごとの支援策に取り組んでいます。
 本県においても子供たちが生き生きと成長する福島県にするために、子育て支援に包括的に取り組むべきと思いますが、知事の考えを伺います。
 社会全体が子供の誕生を歓迎し、切れ目のない、包み込むような子育て支援を行っている子育て世代包括支援センター、ネウボラ発祥の地フィンランドでは女性が生涯に産む子供の数、合計特殊出生率は日本の1.4を大きく上回り、約1.9になっています。県内でも6市6町で子育て世代包括支援センター設置が始まっていますが、県内全ての市町村で子育て世代包括支援センターの設置が進むよう支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 子供を安心して出産できるところを確保することが喫緊の課題です。二本松市では産科が休止になっていますが、県内の産婦人科医を確保するため、他県等からの派遣を国に要請するとともに、県立医科大学にも派遣を求めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 子育て支援が経済成長率を引き上げる、子育て支援が日本を救うとの統計分析も行われています。女性が子供を産み育てながら働き続けられる社会的条件をつくることが、人口減少に歯どめをかけ、経済発展につながる道です。
 県の子育て支援課が行ったアンケートでは、子供を持ちたいと思う理想の数、2.76人に至らない理由のトップは、子育てや教育にお金がかかることです。裏を返せば、子育てや教育にお金がかからないような支援策があれば、安心して子供を産み育てることができるということです。福島県は、思い切った支援策を具体化すべきです。財政の使い方の重点をそこに置くべきです。
 そこで、高校生、大学生及び専門学校生を対象とした給付型奨学金制度を創設すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 新日本婦人の会が行った子育て支援策についてのアンケートでは、給食用の白衣や体育で使うハードル、校舎の修繕費、給食配食員や学校図書館司書、集金事務員の人件費などが保護者負担に含まれていることがわかりました。公立小中学校におけるPTA会費等の団体徴収金について、その実態を把握し、保護者の負担を軽減すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 県立高等学校の保護者が設置したエアコンの燃料代が保護者負担となっています。県立高等学校においてPTAが設置したエアコンの燃料代は県が負担すべきと思いますが、県教育委員会の考えを尋ねます。
 県立高等学校の全ての教室にエアコンを設置すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 障がいがある子供たちが学ぶ県立特別支援学校の全ての教室にエアコンを設置すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 次に、ひきこもり問題についてです。
 いじめから不登校になり引きこもるなど、ひきこもりについてはさまざまな経緯がありますが、推定100万人以上とも言われています。高年齢化、長期化するひきこもりについて、内閣府もようやく2018年度に40歳から59歳の中高年層を対象にした初の実態調査を行います。
 国の実態調査はサンプル抽出のみなので、21都府県では地域の実情と課題を把握するための独自調査を行っています。本県においてもひきこもりの実態調査を行うべきと思いますが、県の考えを伺います。
 ひきこもりの人を支援する若者の居場所づくり、ユースプレイスが県内5地域に設置されていますが、支援対象が39歳までに限られています。国が実施する地域若者サポートステーションの対象年齢を引き上げるよう国に要望すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 また、この事業は3年が経過して終了となるため、市町村事業に移行するとしていますが、まだ1市しか見通しが立っていません。ひきこもりの若者の居場所づくりであるユースプレイス自立支援事業は、引き続き県が実施すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 日本で初めてひきこもり問題を提唱して取り組んできた精神科医で筑波大学教授の斎藤環氏は、ひきこもりから社会へつながりを持つようになるには第三者の介入が不可欠であり、第三者の介入なしに回復したケースは極めて特殊なケースのみと述べています。このことは、働きかけがあれば、ひきこもりから脱皮して社会とのかかわりを持ち、自立の道も開けることを意味しています。
 最近の調査では、ひきこもり状態が長引いた場合、親が高いリスクで鬱病を発症する状態にあることも把握されています。親が高齢になり収入が途絶えたり、病気や介護がのしかかり、一家が孤立、困窮するケースが出始めていると言われています。行政としても、ひきこもりに対して本腰を入れた取り組みが求められています。家族が相談につながるまで何年もかかっているのが現状ですから、家族が気軽に相談に行ける窓口を開いておくことが必要です。
 ひきこもりからの社会復帰を支援するため、各市町村に相談窓口を設置すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 次に、障がい者対策についてです。
 障害者差別解消法施行を受け、県は昨年12月議会で障がいの有無にかかわらずともに生きる社会の実現を目指す条例と、手話は言語であるとの共通認識のもと、手話の普及のための施策を計画的に推進することを盛り込んだ条例を制定することを明らかにしました。
 障がいの有無にかかわらず共生する社会の実現を目指すための条例等の制定に当たっては、当事者や関係者の意見を十分に反映すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 処遇改善加算などの申請については、事務量が多く煩雑なために、小規模事業所などでは手続ができずに制度の適用を受けていないところがあります。申請事務の簡素化を国に求めると同時に、障害福祉サービス事業者の処遇改善加算届け出事務を支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 障害者優先調達推進法を踏まえ、障がい者就労施設から積極的に物品等を調達すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 社会参加にとって欠かせない障がい者の移動支援事業については、県内市町村において実施しているところやしていないところがあり、内容もまちまちです。障がいのある方の移動支援について県内の実態を把握し、全ての市町村でひとしく支援を受けられるようにすべきと思いますが、県の考えを伺います。
 避難地域の障害福祉サービス事業所では、障がいのある人たちの強い要望で事業所が再開されましたが、障がい者の帰還が進まず、施設の利用者が基準に満たないために、経営に困窮しつつも、非正規の高齢者や低賃金職員で障がい者を支えざるを得ない厳しい状況に置かれています。
 県は、新年度解除された地域などで再開した介護施設に対し、応援職員による支援や経営が安定するまでの運営費補助を行い、住民の帰還を推進するとしています。同様に、避難地域の障害福祉サービス事業所への応援職員による支援や運営費の補助を行うべきと思いますが、県の考えを伺います。
 重度の障がいがある方が行政の窓口に行って手続をすることは大変です。いわき市では窓口負担の無料化を実施しています。子供の医療費の窓口無料の実現に県が役割を果たしたように、県内全ての市町村において重度心身障がい者医療費助成制度の窓口負担の無料化を図るべきと思いますが、県の考えを伺います。
 次に、県立特別支援学校の設置についてです。
 昨年12月に示された第2次福島県県立特別支援学校全体整備計画で、伊達地区、安達地区、南会津地区に通学制特別支援学校設置が明確にされ、大変歓迎されています。長時間かけて通学を余儀なくされている児童生徒や親や関係者の皆さんからは一日も早い実現が望まれています。
 県立特別支援学校の新たな整備に当たっては、保護者、地域住民、現場の教員の意見、要望を十分に反映すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 次に、男女平等推進についてです。
 国、各都道府県で男女共同参画プランがつくられ、男女共同社会を目指しています。しかし、日本の男女平等の到達は、女性労働者の賃金は男性の半分にすぎないなど、発達した資本主義国の中でも最もおくれています。男女格差の度合いを示すジェンダー・ギャップ指数2017は、世界144カ国中、日本は114位であり、過去最低であった前年の111位からさらに後退しています。
 日本の女性の人権、平等のおくれは、国連女性差別撤廃委員会や人権規約委員会などの国際機関から繰り返し改善が指摘されています。それなのに、国は文科省の組織改編で男女平等教育や女性の社会進出支援などを担ってきた男女共同参画学習課を廃止し、新たに編成される課の一部門に格下げしようとしています。安倍総理は、女性が輝く社会、女性の活躍を口では言いながら、やっていることは社会の進歩に逆行です。男女共同参画は社会のあり方の根本問題として、粘り強く系統的に取り組むことが求められている課題であります。
 福島県内各市町村の男女共同参画計画の策定状況は全国平均75.2%からも低く、31市町村52.5%、全国41位です。県内全ての市町村が男女共同参画計画の策定を行うよう支援すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 知事部局における女性職員の管理職登用は現在6.2%にすぎません。女性職員の管理職登用について、2020年度までに目標の8%を達成し、さらに進めるべきと思いますが、県の考えを伺います。
 育児休業の取得率は、2016年度女性の取得率が96.1%ですが、男性は3.8%にすぎません。県は、男性の育児休業の取得促進に取り組む企業をふやすため、どのように取り組んでいくのか伺います。
 国の未来を担う子供たちが、男女平等について教育の場で実践的に学ぶことが重要です。県立高等学校における家庭科の男女共修を通して、男女平等に関する教育を推進すべきと思いますが、県教育委員会の考えを伺います。
 女性労働者の妊娠、出産にかかわる母性健康や管理が不適切とされた是正指導件数は年間全国で4,900件を超えています。働く女性が妊娠や出産を理由に解雇や嫌がらせを受けるマタニティーハラスメントを防止するため、企業への啓発と相談窓口の周知を徹底すべきと思いますが、県の考えを伺います。
 最後に、伊達市への大型商業施設計画についてです。
 イオンモールは、敷地面積約19万5千平方メートル、東京ドームの5倍に当たる東北最大規模の商業施設を伊達市堂ノ内地区に整備する計画です。
 かつて、この地に超大型店出店問題が起きたときに、地域経済に大きなダメージを与えるものとして近隣市町がこぞって反対を表明しました。複数の市町村のまちづくりに大きな影響を及ぼすことから、県は商業まちづくり推進条例を創設して、店舗面積6千平方メートル以上の小売商業施設の立地について、広域の見地から調整を行うこととした経緯があります。
 福島市は、県北地区の生活圏や商業圏に大きな影響が出るとして、県に法律や条例に基づく適切な対応を求めています。
 イオンモール出店については、県内全域のみならず、宮城県、山形県など広域に影響を及ぼすものとして、地元の商工業者を守る立場から、出店につながるような都市計画については認めない方向で広域調整を図るべきと思います。
 伊達市堂ノ内地区における大型商業施設計画について、都市計画法上の県の基本的な考えをお伺いいたします。
 以上で質問を終わります。


副議長(柳沼純子君)執行部の答弁を求めます。

知事(内堀雅雄君)阿部議員の御質問にお答えいたします。

 子育て支援につきましては、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえるために、これまで子供を持つ家庭の負担を軽減するための18歳以下の子供の医療費無料化や第3子以降の保育料減免に加え、地域の実情に応じた保育所の整備などに取り組んでまいりました。
 新年度においては、妊娠、出産から子育てまでの切れ目のないサポートを実施するため、子育て世代包括支援センターの市町村への設置を促進するとともに、男女ともに仕事と育児の両立ができるよう、企業内保育所の整備や仕事と生活の調和がとれた働きやすい職場環境づくりに取り組む企業への支援を行うなど、さまざまな分野の施策を効果的に実施し、子育てしやすい県づくりにしっかりと取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。


総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。


 女性職員の管理職登用につきましては、福島県職員男女共同参画推進行動計画に基づき、職員採用における女性割合の向上や多様な研修機会の確保、幅広い職務経験の付与等の取り組みにより、引き続き積極的に進めてまいる考えであります。


生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。


 男女共同参画計画の策定につきましては、市町村への具体的な支援と住民理解を促進することが大切であることから、男女共生センターと連携して個別に市町村を訪問し、計画の作成例や手引書を示しながら計画に盛り込む内容等を丁寧に説明しているほか、住民の意識を醸成するため講師等を派遣しているところであり、今後とも全ての市町村において計画策定が円滑に進むよう積極的に支援してまいります。


保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。


 産婦人科医の確保につきましては、国に対し、医師派遣システムの構築等を要望しているほか、ふくしま子ども・女性医療支援センターにおいて全国から招聘した指導医のもと、若手医師の養成や県内拠点病院への医療支援を行っているところであり、引き続き県立医科大学と連携しながら、産科医の確保と養成にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、障がい者に関する条例の制定につきましては、昨年末、当事者団体や支援団体と個別に意見交換を行い、先月には障がい者に関する施策について調査、審議する福島県障がい者施策推進協議会及び障がい者への支援体制について検討する福島県自立支援協議会においても意見を伺ったところであります。
 今後とも当事者や関係団体等の意見を丁寧に伺いながら検討を進めてまいります。
 次に、障害福祉サービス事業者の処遇改善加算届け出事務への支援につきましては、県障がい福祉課及び各保健福祉事務所において、届け出に必要な書類の記載方法等について助言を行ってきたところであり、引き続ききめ細かく対応してまいります。
 次に、障がい者就労施設からの物品等の調達につきましては、平成25年度から毎年度物品や役務の目標額を定めて、全庁的な調達の推進に努め、着実に目標を達成してまいりました。引き続き、優先調達に積極的に取り組んでまいる考えであります。
 次に、障がいのある方の移動支援につきましては、各市町村において地域の特性、個々の利用者の状況やニーズに応じ実施しているものと考えております。
 県といたしましては、今後とも一人一人の利用者の障がいの種別や程度に応じた柔軟な事業の実施を市町村に働きかけてまいります。
 次に、避難地域の障害福祉サービス事業所につきましては、被災事業所への支援を行う拠点にコーディネーターを配置し、事業所の再開や経営上の課題に応じ、アドバイザーの派遣による助言を行うほか、新規就労者への就労支援金の支給、家賃の補助などの支援を行っております。引き続き、事業所のニーズを丁寧に伺いながら支援に努めてまいります。
 次に、重度心身障がい者医療費助成制度の窓口負担の無料化につきましては、無料化を行うことにより国民健康保険の減額調整措置に伴う国庫負担金等の減少が生じ、市町村の財政負担が増加することとなるため、この減額措置を行わないよう全国知事会など関係団体と連携し、引き続き国に要望してまいります。


商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。


 男性の育児休業の取得につきましては、育児休業取得を要件の一つとする「働く女性応援」中小企業認証の取得やイクボス宣言の促進などにより企業への普及啓発に努めてまいりました。
 新年度は、男性の育児参加を奨励する企業への助成制度を創設するなど、育児休業の取得のさらなる促進に取り組んでまいります。
 次に、マタニティーハラスメントの防止につきましては、これまでも経営者等向けセミナーなどを通して意識啓発に努めるとともに、中小企業労働相談所等の相談窓口において専門の職員が相談に対応しております。
 今後とも新聞、テレビ等による広報や労働ハンドブックへの掲載により相談窓口の周知を図るなど、マタニティーハラスメントの防止にしっかりと取り組んでまいります。


土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。

 伊達市堂ノ内地区における大型商業施設の計画につきましては、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めた県北都市計画区域マスタープランを踏まえ、周辺市町村等の意見を聞くとともに、都市計画法などの関係法令に基づき適切に対応してまいる考えであります。


こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。


 子育て世代包括支援センターにつきましては、その重要性について理解を深めるため、市町村長を対象にセミナーを開催するとともに、妊娠後期の妊婦訪問に係る経費を補助するなど、全市町村での設置に向けてしっかりと支援してまいります。
 次に、ひきこもりの実態調査につきましては、平成28年度に国が実施した実態調査において、ひきこもりの方の生活状況などが報告されております。
 県といたしましては、こうした調査を参考としながら、ひきこもり支援センターや市町村などの関係機関と連携し、支援を行ってまいります。
 次に、国が実施する地域若者サポートステーションにつきましては、ニートやひきこもりなど働くことに悩みを抱えている39歳までの若者に対し、就労に向けた支援を行っており、新年度は試行的に40代前半まで対象年齢を引き上げると聞いております。
 次に、ユースプレイス自立支援事業につきましては、新年度はひきこもりの若者により身近なところで居場所を提供し、各種プログラムを通じて社会性の習得が図られるよう事業を実施する市町村を支援してまいります。
 次に、ひきこもりに関する相談窓口につきましては、各市町村においてひきこもりの相談があった場合には保健師などが対応に当たっており、必要に応じてひきこもり支援センターや保健福祉事務所、医療機関につなぐなど、ひきこもりの方への支援に取り組んでいるところであります。


教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。


 大学生等を対象とした給付型奨学金制度につきましては、安定的な財源で継続的に実施することが必要であることから、国に対して制度の拡充を求めているところであります。また、高校生については低所得世帯を対象に授業料以外の教育費負担を軽減する奨学給付金制度があることから、さらなる周知に努めてまいる考えであります。
 次に、公立小中学校における団体徴収金につきましては、市町村教育委員会に対し、保護者が負担していることを常に認識し、その軽減に努めることや、目的や使途について積極的に情報提供し、十分な説明責任を果たすよう通知しているところであり、今後ともその趣旨について、市町村教育長会議や校長会議等において徹底してまいる考えであります。
 次に、県立高等学校においてPTAが設置したエアコンの燃料代につきましては、PTAが負担すべきものと考えております。
 次に、県立高等学校の教室へのエアコンの設置につきましては、全ての学校の保健室や情報処理室等において必要な設置を行っているところであります。
 今後とも必要に応じて適切に対応してまいる考えであります。
 次に、県立特別支援学校におけるエアコンにつきましては、肢体不自由や病弱の児童生徒が学ぶ教室及び保健室等に設置しております。
 今後とも必要に応じて適切に対応してまいる考えであります。
 次に、県立特別支援学校の新たな整備につきましては、地元自治体や保護者、学校関係者等との懇談会を開催し、設置場所を初めとする学校のあり方について御意見をいただきながら、それぞれの地域の実情に応じた学校となるよう計画の具体化を進めてまいる考えであります。
 次に、県立高等学校の家庭科における男女平等に関する教育につきましては、男女がともに対等な立場で尊重し合うことが重要であることから、調理や保育、介護などの実習に協力して取り組むことを通して、家庭や社会における男女の望ましいあり方について考えさせております。
 今後とも性別にかかわらず、一人一人が個性や能力を発揮できるよう男女平等に関する教育を推進してまいります。


38番(阿部裕美子君)再質問をいたします。


 こども未来局長に、子育て世代包括支援センターの設置について伺います。全市町村への設置を目指していくという答弁でありましたけれども、来年度の子育て世代包括支援センター、ネウボラの設置にかかわる予算は2,200万円ですが、余りにもささやかではありませんか。
 ネウボラは、子供の成長発達の支援はもちろん、家族全体の心身の健康サポートも担い、児童の虐待や夫婦間DVの予防的支援の役割も担います。本県の児童虐待の児童相談所への通告件数は前年比で73人ふえて、過去最高の646人となっています。殴る蹴るなどの身体的虐待が92人、育児放棄が56人、性的虐待が5人というように、子供が大切にされていない福島県の現状であります。
 ネウボラの取り組みは、児童虐待の早期発見にもつながる大事な事業です。福島県に生まれた全ての子供に、生まれてきてくれてありがとうのメッセージを伝え、成長を見守る大事な取り組みにふさわしい本気の取り組みにすべきです。全ての市町村で、子育て世代包括支援センターの設置が進むよう支援すべきです。再度答弁を求めます。
 続いて、こども未来局長に質問いたします。
 県の若者の居場所づくり、ユースプレイス事業についてはこれまで5カ所ありましたが、市町村に移行で受けると具体的になっているのは福島市のみです。具体的になっていないところはどうするのですか。これまで利用していた人たちは行き場がなくなってしまう。こういうことをやるべきではありません。県が継続するしかないではありませんか。ひきこもりの若者の居場所づくりであるユースプレイス自立支援事業は、引き続き県が実施継続すべきです。再度答弁を求めます。
 次に、教育長について質問します。
 公立小学校におけるPTA会費等の実態把握と保護者の負担軽減についてです。子供の6人に1人が貧困世帯と言われている中で、教育費の保護者負担の軽減は要望の強い課題です。まずは、実情、実態を把握すべきです。再度答弁を求めます。
 続いて、県立高校のエアコン設置、燃料代についてです。
 これは当然保護者負担をやめて、県が負担すべきと思います。暖房は、県が負担をしているわけですから、クーラー、エアコンだけが父母負担というのはおかしいではありませんか。当然これは県が負担をすべきです。結局暑い中で勉学に励む子供たちの状況を考えると、やむにやまれず父母がお金を出して設置している、その設置している燃料代も父母負担が当然というのは余りにも福島県として恥ずかしいことではないでしょうか。当然教育費として整備を行うべきです。再度答弁を求めます。


こども未来局長(須藤浩光君)再質問にお答えをいたします。

 子育て世代包括支援センターにつきましては、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行うための中心的な役割を担いますことから、全市町村に設置することを目指し、まずは市町村長にセンターの意義や運営の方法などについて理解をいただくセミナーを開催することといたしております。センターの設置のためには、子ども・子育て支援法に基づきます財政支援を行い、センターの設置を進め、さらには機能を充実してまいりたいというふうに考えてございます。
 次に、ユースプレイス事業につきましては、ひきこもりなど社会生活を円滑に営むのが困難な若者に社会性を身につけていただき、社会的に自立を目指すものであり、三年間の県の委託事業として県五カ所で実施してまいりました。
 今後は、これまでの成果を踏まえまして、ユースプレイスを身近な場所に広げるために、事業を実施する市町村に援助を行うこととしております。
 新年度のユースプレイス事業につきましては、現在幾つかの市町村と運営について協議中でございます。


教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。

 小学校等における団体徴収金の実態等につきましては、設置者である市町村において把握すべきものというふうに考えております。
 また、高等学校におけるPTA設置のエアコンの件でございますが、高等学校、保健室等を別にいたしました普通教室においては、県のほうで設置する考えにはなっておりませんので、そこをPTAの合意のもとに設置していただいているというふうに認識しておりますので、そういう点でPTAで燃料費もお支払いいただくということになってございます。


38番(阿部裕美子君)再々質問をいたします。


 教育長について、県立高校のエアコン設置の問題についてです。
 エアコン設置、そして燃料代の負担、これは年間1人7千円から1万円以上の負担になってしまいます。当然これは県の教育予算の中から支払うべき中身ではないでしょうか。再度答弁を求めます。
 知事に再々質問をいたします。
 子育て支援について、18歳までの医療費無料や企業内保育所の整備などいろいろ答弁がありましたが、福島県の来年度の予算の中身を見ましても、子育て支援を重点事業に位置づけたとは言いがたい、不十分と言わざるを得ない内容です。日本一子育てしやすい県と言うにふさわしい県の子育て支援の本気度が見えてきません。給食費の無料化や保育料の軽減などの経済的負担の軽減や働きながら子育てできる施策の充実など、思い切った子育て支援策が求められていると思います。
 福島県は、来年度の予算の中身では、福島イノベーション・コースト構想関連事業は約700億円です。福島県の姿は、公共事業の箱物づくりや大企業呼び込みで県民の福祉や教育、医療は後回し、全国最下位から相変わらず脱皮できないのかというものになっているのではないでしょうか。福島県は、子育てにこのように取り組んでいると胸を張って言えるように取り組みを強めるべきです。日本一の県を目指して、ここにもっと重点的に力を入れるべきです。子育て支援に包括的に取り組むべきと思いますが、再度答弁を求めます。
 こども未来局長に、ひきこもりの実態調査について再々質問をいたします。
 秋田県藤里町の取り組みは、全国的にも有名になっております。ひきこもりの約8割は自立につながった取り組みが行われています。18歳から55歳までの8.74%がひきこもりであったと報告されています。全国的にもこのパーセントはさほど違いはないだろうと思います。それほどの違いはないと思います。大変な実態にあることが予想されます。まずは、その実態を県としてもしっかり把握すべきであると思います。ひきこもりの実態調査に取り組むことを再度求めます。答弁を求めます。
 以上です。


知事(内堀雅雄君)阿部議員の再質問にお答えいたします。


 子育て支援につきましては、福島県を取り巻く状況を踏まえ、子供や保護者が抱えている課題に対応し、安心して子育てできるようさまざまな施策を展開してまいりました。
 新年度の予算編成においては、出産、子育て環境の一層の充実のため、重点的に予算を配分したところであり、子育てしやすい県づくりに積極的に取り組んでまいります。


こども未来局長(須藤浩光君)再質問にお答えをいたします。


 ひきこもりの実態調査につきましては、国が平成22年と28年に全国調査を実施して、詳細な分析を行っております。年齢等の傾向でありますとかひきこもりの方の状態、あるいは考え方などが報告されております。
 県としましては、これらの調査結果を参考としながら、各保健福祉事務所やひきこもり支援センター、市町村など関係機関と連携しまして適切な支援に結びつけてまいります。


教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。

 高等学校のエアコンの件でございますが、県側で普通教室にエアコンを設置する予定は今のところございませんので、運動などのときの休養のとり方、あるいは給水のとり方などについて、十分注意をして子供たちの健康面には配慮してまいりたいと考えております。


副議長(柳沼純子君)これをもって、阿部裕美子君の質問を終わります。

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