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2019年2月定例会 討論 西山尚利議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年7月3日更新
西山尚利議員 
議員西山尚利
所属会派(質問日現在)自由民主党
定例会平成31年2月
質問等討論
質問日3月20日(水曜日)

32番(西山尚利君)自民党議員会の西山尚利です。会派を代表して、平成31年度一般会計予算に対し、賛成の立場で意見を述べます。

   東日本大震災と原発事故から8年、未曽有の大災害は平成の歴史に深く刻まれました。これまでの取り組みの上に無限の可能性が広がっている未来に新たな思いを乗せ、次の時代へ歩んでいくため、今この一瞬を一生懸命に、県民の笑顔と幸せのために我々自民党議員会は全身全霊を傾けて取り組んでまいります。
 大胆な進化、きめ細やかな進化、そして共働する進化、今定例会の我が党太田幹事長の代表質問に対し、知事が示された来年度当初予算の柱となる考えです。一般会計予算の総額は1兆4,603億円、前年度比131億円増となりました。そのうち復興・創生分として6,001億円が計上されております。
 歳入については、地方交付税とあわせ、海外経済や税制改正の影響が懸念される中、県税をしっかり確保するとともに、原子力災害等復興基金など各種基金を有効に活用し、必要な財源の確保に努めたものと理解をいたしております。
 安定した財源なくして、復興・創生はもちろんのこと、県民生活の安全・安心を守るための行政サービスは実現できません。そのため、今後も自主財源の確保にしっかりと取り組んでいただくとともに、知事を先頭に、地方交付税を含む一般財源総額の確保について、あらゆる機会を捉えて国に求めていくよう強く求めます。
 一方、歳出については、これまで進めてきた事業の効果をしっかりと見きわめながら、徹底した内部管理経費の節減や事務事業の見直しに努めつつ予算の編成が行われたと認識をいたしております。
 来年度当初予算は、先ほど申し上げました3つの進化の視点に基づき、総合計画の11の重点プロジェクトに重点的、優先的に予算配分がなされており、復興の加速と福島ならではの地方創生に向けて、さまざまな主体と共働し、全力で取り組むための予算であることがうかがえます。
 これより重点プロジェクトに従ってそれぞれの施策を見てまいりたいと思います。
 初めに、避難地域の復興についてであります。
 避難地域の復興、とりわけ生活再建支援については、被災12市町村の中小企業、小規模事業者の事業再開支援や買い物をする場所などまち機能の早期回復を図るための支援、さらには避難した農業者が帰還して営農を再開するのに必要な支援など、きめ細かな支援が盛り込まれております。
 また、四月にはふたば未来学園高等学校において併設中学校が新たに開校し、中高一貫の新しい校舎が完成します。未来創造学などの学びを通して復興に寄与する人材の育成にさらなる効果が大きく期待されるところであり、国内外で活躍する人材の育成にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、浜通りの再生についてであります。
 復興の明るい光がさらに輝きを増していきます。福島ロボットテストフィールドやアーカイブ拠点施設の整備が着実に進められるとともに、新規事業として廃炉関連産業への地元企業参入を促進する取り組みなど、浜通り地域を核にさらなるイノベーションが生まれる環境づくりの進展が期待されます。
 我が党の代表質問においても、福島イノベーション・コースト構想をどのように進め、本県全体の復興・創生につなげていくかを問いました。あと2年に迫った復興・創生期間の終了後も見据えながら、福島イノベーション・コースト構想の早期具現化とその効果を県全体に波及させるため、引き続き国、市町村、関係機関が一体となって取り組んでいくことを強く求めます。
 また、本県復興のシンボルであるJヴィレッジ、聖火リレーのスタート地点に決まり、来月いよいよ全面再開します。全面再開と同時期に予定されているJヴィレッジ駅開業という二つの相乗効果で、多くの方々に輝きを取り戻した施設を利用していただくよう利活用促進事業に全力で取り組んでいただきたいと思います。
 次に、安心して住み、暮らすための環境づくりについてであります。
 県民の安全・安心な生活を守ることは我々政治の責務であります。市町村が実施する除去土壌の適正な保管や搬出、放射線量低減化活動等を総合的に支援する事業を確実に進めることによって、県民が安心して暮らせる環境を確保していかなければなりません。
 また、野生動物による人的被害や農林業被害が深刻化している中、ツキノワグマについては、地域ぐるみの総合的な対策を実施するとともに、イノシシについては、県が事業主体となって直接捕獲を拡充し、農地への浸入防止を初めさまざまな対策を効果的に組み合わせるなど、鳥獣被害対策が強化されます。
 特にイノシシ対策には、新年度ICTの活用により出没状況から捕獲情報までを一元的に管理し、効率的な捕獲につなげる手法の実証も行われます。引き続き関係機関と連携して被害防止対策に取り組んでいくことを求めるものであります。
 さらに、県全域の防災力を向上させるため、近年頻発する自然災害にしっかりと備える観点から、公共事業の充実強化を図るなど県民の安全・安心の確保に向けた取り組みがより一層強化されます。昨年の世相である災いを吹き飛ばすよう防災、減災、国土強靱化の推進を強く求めておきます。
 次に、産業振興についてであります。
 新しい産業と既存産業のさらなる発展が本県の復興を力強く後押しします。県内中小企業振興のため、福島事業継承等支援事業において、経営者の高齢化や後継者の不在などの課題の解決に向けて、県、関係機関が一体となった支援が行われていきます。
 また、福島新エネ社会構想の取り組みの柱の一つである水素社会実現のモデル構築に向けて、県内における水素ステーションの導入を初め新年度は新たに燃料電池バスの導入支援や県有施設等への燃料電池導入の取り組みが進められます。水素エネルギーの活用をしっかりと目に見える形にしながら、水素社会実現のモデル構築に向けた取り組みを積極的に進めていただきたいと思います。
 県は昨年福島大学と農林水産業の振興に関する連携協定を締結いたしました。新年度はさらに連携を深め、市場競争力のある農林水産物の生産を拡大し、強固な産地ブランドの確立に向けた取り組みが進められるなど、本県ならではの農林水産業の復興再生につながる効果が期待されます。
 次に、風評・風化対策についてであります。
 福島の今を粘り強く、そして丁寧に発信し続けることが大切です。今定例会中、とてもうれしいニュースが舞い込んでまいりました。福島市の名誉市民である作曲家古関裕而の半生が来年春からNHK朝の連続テレビ小説において放送されることが決まりました。この事実が我々が進める風評・風化対策を力強く後押しすることは間違いありません。これまで粘り強く要望を続けてこられた関係者の皆様方に心から敬意を表するものであります。
 風評対策については、我が党としても、一昨年に策定された風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づき、党本部と連携して風評払拭に向けた取り組みを進めてまいりました。
 県は、新年度本県が誇る食の魅力発信とインバウンド対策を融合させた新たな観光誘客に取り組む考えです。多くの方々に食や観光を初めとした魅力ある福島を堪能していただきたいと思っております。我々もさまざまな機会を活用し、復興が進む福島の姿が伝わる丁寧な発信を続けてまいる考えであります。
 次に、結婚、出産、子育て支援についてであります。
 子供たちの笑顔は宝であり、それを守り続けるのが我々大人の責任です。全国で児童虐待が増加傾向にあり、悲しい事件が後を絶ちません。県は、身近な地域における相談体制を充実させるとともに、県内で最多の相談件数に対応している県中児童相談所について、県内相談機能と一時保護機能を一体的に整備し、機能強化を図ることを我が党の代表質問において明らかにしました。
 引き続き、児童相談所の体制強化と専門性を生かした迅速かつ適切な児童虐待対応に積極的に取り組むよう強く求めるものであります。我が党としても、今定例会において児童虐待防止等条例制定に関するプロジェクトチームを設置し、引き続き子供たちの笑顔を守るためにしっかりと取り組んでまいります。
 次に、教育環境の充実、障がい者の社会参加についてであります。
 全ての子供たちが能力を最大限に伸ばし、未来を切り開いていく力を身につけること、これが公教育の使命であります。子供たちの学力向上については、来月に実施される新たな学力調査により一人一人の学力を経年で把握し、きめ細やかな指導の充実が図られることになります。
 また、昨年12月定例会において障がいのある人もない人も共に暮らしやすい福島県づくり条例と福島県手話言語条例が成立し、新年度の4月1日から施行される運びとなっております。条例の理念に基づき、芸術文化活動の推進や障がい者の手助けを行うサポーターの養成を初め障がい者が生き生きと暮らせる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでいくことを強く求めます。
 次に、健康長寿県の実現に向けた取り組みについてであります。
 福島に住んでいるからこそ健康であると県民が胸を張って言えるような県をつくっていきます。県はこれまで部局横断で生活習慣病を改善する事業等を展開してまいりましたが、知事は我が党の代表質問に答える形で、知事自身がトップとなる健康づくりの新組織を立ち上げ、年度内に推進体制の大幅な強化を図っていくことを表明しております。
 今後健康寿命の延伸と健康格差の縮小に向けた対策を強く推進するとともに、多くの県民の健康意識を向上させ、積極的でスピード感のある事業展開が期待されます。また、宮下病院の機能強化に向けた取り組みを初め地域医療の充実や医療、福祉、介護人材の確保をさらに進めるなど、全国に誇れる健康長寿県をつくるため、しっかりと取り組んでいくことを望むものであります。
 次に、定住・二地域居住の推進と若者の定着・還流についてであります。
 本県ならではの魅力を強みに変えていく、福島にはその素材がたくさんあります。本県を取り巻く環境は風評や風化の問題を初め大変厳しい状況の中にありますが、食や自然、伝統文化などを初めとした本県が持つポテンシャルを存分に生かすことが大変重要であります。
 県は将来的な定住につながる取り組みや三十歳の同窓会を新たに東京でも開催するなど定住・二地域居住のさらなる推進に取り組むとしておりますが、国や市町村、関係団体と連携を強化し、積極的に取り組むよう強く求めるものであります。
 また、高校生などを初めとした若い世代が本県の農業や地元企業への理解を深める事業なども進められることから、今後福島に愛着を持つ人がどんどんふえ、新しい人の流れができることを大きく期待いたします。
 最後に、交流人口の拡大についてであります。
 本県を訪れた方々が笑顔で行き交う明るいふるさとをつくってまいります。
 JR只見線、JR常磐線の復旧、利用促進には、これまで我が党としても積極的にかかわってまいりました。JR只見線においては、全会津地域との連携や鉄道軌道整備法の改正案成立に全力を尽くし、JR常磐線においても平成31年度末までに浪江─富岡間が運転再開予定であり、仙台─東京間の全線開通も間近となってまいりました。
 庁内には只見線準備室が新設され、利用促進に向けた取り組みが強化されるとともに、常磐線の全線開通を契機とした誘客を促進するなど、交流人口の一層の拡大が大きく期待されます。
 以上申し上げましたように、知事提出議案第1号「平成31年度一般会計予算」につきましては、復興の加速化をとめず、福島を元気にする予算として大いに評価すべき内容であり、当然に賛成すべきと考えます。
 結びに、一言申し上げます。
 「生い立ちて 防災林に育てよと くろまつを植う 福島の地に」。天皇皇后両陛下は、これまでのどんな国難の中においても、国民の心を一つにし、我々に未来を切り開いていく勇気を与えてくださいました。
 東日本大震災と原発事故の発生後、心を傷つけた県民の前にはいつも両陛下の御存在がありました。我々は両陛下への深い感謝と敬愛の念を持ち続けながら、新年に当たりお示しを賜った御製を励みとして福島の復興を必ずなし遂げる、そして私たちの子供や孫たちに希望に満ちあふれた誇りあるこのふるさとを引き継いでいく、その決意を新たにし、討論を終わります。御清聴ありがとうございました。

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