2021年5月臨時会 提案理由説明 内堀雅雄知事
登壇者氏名 | 内堀雅雄知事 |
定例会 | 令和3年5月 |
提案理由説明 |
知事提出議案 第1号から第2号 |
説明日 |
5月15日(土曜日) |
知事(内堀雅雄君) 5月県議会臨時会が開催されるに当たり、新型コロナウイルス感染症対策として緊急に対応すべき重要な議案を提出いたしました。以下その概要を御説明いたしますが、それに先立ち、新型コロナウイルス感染症の状況と県の対応について御説明申し上げます。
初めに、医師や看護師、病院スタッフの皆さん、そして感染症対策に携わる保健所や臨床検査技師の方々など、県民の命と健康を守るため、昼夜を問わず、新型コロナウイルス感染症との闘いの最前線で懸命に御対応いただいている関係の皆さんに深く敬意と感謝の意を表します。また、感染拡大の防止に向けて様々な御協力をいただいている県民の皆さん、事業者の皆さんに心から御礼を申し上げます。
4月に入り、国内で急速に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症は、今月に入ってもなお一日当たりの新規感染者数が7千人を超える日も確認されるなど、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されている地域にとどまらず、全国各地で感染拡大が続いており、依然として第4波が猛威を振るっている状況にあります。
こうした状況を受け、政府は昨日、北海道、岡山県、広島県にも緊急事態宣言を発令し、まん延防止等重点措置の適用対象に群馬県、石川県、熊本県を追加する方針を決定いたしました。
福島県においても、4月下旬以降、新規感染者数が急増しており、4月は888人と月別で過去最多を記録したほか、5月は新規感染者がこの14日間で既に8百人を超え、4月をはるかに上回るペースで増加するとともに、変異株や感染経路不明者も数多く確認され、クラスターの発生も相次ぐなど、これまでにないスピードで感染が拡大しております。
また、病床の逼迫は県全体に及んでおり、昨日の病床使用率は90.6%と過去最高を記録しました。通常の医療をも圧迫させる極めて深刻な状況となり、医療提供体制の限界を超える危機的水準に達しました。
こうした中、会津若松市及びいわき市を対象として、人の流れを確実に減少させるとともに、飲食時における感染リスクを抑えるため、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく集中対策をお願いしておりましたが、依然として感染拡大に歯止めがかからず、さらには都市部を中心にほかの地域でも感染が広がりを見せるなど、福島県はこれまでにない非常事態にあります。
県民の皆さんの命と健康、そして県内の医療提供体制を守るためにも、さらに強力な対策を講じ、この急速な感染拡大を早急に抑えなければなりません。このため、昨日開催した本部員会議において、福島県非常事態宣言を発令し、県内全域を対象としている緊急特別対策を拡大、強化して実施することといたしました。
福島県は今、通常医療が圧迫され、救える命も救えなくなる状況に直面するなど、まさに医療提供体制崩壊の瀬戸際にあります。県民の力を結集し、全県一丸となって感染症対策に取り組み、この危機的状況を乗り越えなければなりません。
引き続き、国、各都道府県、市町村をはじめ医療関係者、経済界など関係機関と連携をしながら、県の総力を挙げて最大限の取組を進めてまいりますので、皆さんの御協力をお願いいたします。
提出議案について御説明申し上げます。
令和3年度一般会計補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症対策として喫緊に措置すべき経費について計上いたしました。
その内容といたしましては、県の要請に応じて営業時間を短縮した飲食店等への協力金の交付、売上げが著しく減少した事業者への一時金の支給、自宅療養における診療体制の強化や同居家族の感染防止に向けた支援、医療機関や宿泊療養施設における受入れ態勢の強化に要する経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は115億7,700万円となり、本年度予算の累計は1兆2,756億8,500万円となります。
その他の議案といたしましては、「専決処分の報告及びその承認について」で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。