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2021年6月定例会 討論 宮川えみ子議員

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年9月16日更新

宮川えみ子議員の写真 

議員

宮川えみ子

所属会派(質問日現在)

日本共産党

定例会 令和3年6月
質問等 討論
質問日 7月7日(水曜日)

39番(宮川えみ子君)宮川えみ子です。日本共産党県議団を代表して討論を行います。

  梅雨前線の影響による豪雨で、去る7月3日、静岡県熱海市で大規模な土石流が発生しました。いまだに行方不明者の数もはっきりと分からず、大変心配されます。心からのお悔やみとお見舞いを申し上げるものです。
  異常気象の下、年々ひどくなる災害を予測し、対応すべき時代になってきております。山間部を削り開発するメガ風力や太陽光発電計画も強い規制が求められ、また避難指示の在り方も含めて対応が問われています。
  全国的にも、また本県でもコロナ感染が再び広がる中で、オリンピックは中止すべきです。
  知事提出議案、議員提出議案、請願について以下討論いたします。
  初めに、知事提出議案第25号と議案第26号は県の行う建設事業等に対する市町村の負担についてですが、これはできる規定にすぎず、義務ではありません。県内の市町村は、原発事故被害と台風・豪雨災害、地震の被害と災害続きに加え、新型コロナ感染症への対応など一層負担が増していることから、やめるべきです。
   次は、議案第32号「工事請負契約の一部変更について」です。
   これは、IGCC用石炭の輸入先変更により、安い石炭を買うために異物混入対策を取るため小名浜港東港にある埠頭埋立て基礎工事の増額変更です。2050年のカーボンニュートラル宣言での目標達成の観点からも逆行するもので、反対です。
   イギリス政府は、今年11月のCOP26の議長国ですが、去る6月30日、石炭火力発電を2024年までに1年目標を前倒しして廃止すると発表しました。世界に先駆けて産業革命を成し遂げた英国で、その原動力となった石炭がエネルギー源としての役割を終えます。英国は、各国に石炭火発廃止を呼びかける方針で、日本に対する圧力も一段と強まる可能性があります。今後東港の在り方も問われることになります。
   次に、議員提出の意見書について申し上げます。
   最初に、議員提出議案第87号「国民投票法の一部を改正する法律の附則に規定された事項と憲法改正の議論を同時並行で進め、活発な憲法議論を行うことを強く求める意見書」についてです。
   この内容は、国民投票法で国民投票運動中の広告放送及びインターネット等を利用する方法等についてと、憲法改正の議論を同時平行で進めることを求めるものですが、狙いは安倍前首相が進めようとしてきた九条改憲です。今年の憲法記念日に向けての世論調査では、NHKでは9条改憲をする必要があるが28%、必要ないが32%でした。朝日新聞では、変える方がよいが30%で、変えないほうがよいが61%でした。
   安倍前首相は、集団的自衛権を禁じるとしていた歴代内閣の憲法解釈をひっくり返し、立憲主義を否定する安保法制を2015年9月19日に国会で成立させ、自衛隊が他国の戦争に積極的に関わることができるよう集団的自衛権を容認する閣議決定を行いました。
   さらに、安倍氏は2017年5月、9条に自衛隊を明記するなどの改憲を2020年に行うことを表明しましたが、戦争する国づくりに反対する世論と運動によって、思惑どおりには進みませんでした。
   そのような中、自民、公明、維新などが国民投票法改定案を衆議院に提出しました。しかし、それでも国民の声は広がらず、安倍政権は退場しました。過去の戦争への反省に立ってつくられた憲法を国民が大切にし、受け入れているからです。
   ところが菅政権の下で、加藤官房長官は去る6月11日の記者会見で、改定国民投票法成立とコロナの感染拡大を関連させて「緊急事態の備えに関心が高まっている。進めるには絶好の機会だ。」と、国民を苦しめているコロナに便乗した発言をしました。緊急事態条項を持っている、いないにかかわらず、コロナのパンデミックは避けられないことは明白です。九条改憲という本質を隠蔽するもので、この意見書は否決すべきです。
   次に、議員提出議案第92号、継続第49号については同趣旨なので、一括して申し上げます。
   議案第92号は、ALPS処理汚染水の海洋放出決定の撤回を、さらに継続議案第49号は汚染水の海洋放出に反対し、地上保管の継続を求めるもので、いずれも汚染水の海洋放出方針の撤回、反対を求めるものです。
   政府は、東京電力福島第一原発事故に伴う汚染水について、関係者との十分な合意形成を無視し、一方的に今年の4月13日に海洋放出の方針を決定しました。とりわけ県漁連と交わした「関係者の理解なしにいかなる処分も行わない」とした約束をほごにした極めて不誠実なもので、県民の怒りは大きいものです。
   若い後継者が決まった、本格操業が始まった、このタイミングでなぜという漁業者の痛切な思いを受け止めるべきです。県漁連、県JA福島中央会、県森林組合、県生協連等を中心にした22団体で構成する地産地消運動促進福島協同組合協議会は反対声明を発表しました。また、直近の県内自治体の首長アンケートでは7割が反対、慎重の意見です。さらに、6月議会までに21の県内市町村議会が撤回、慎重の意見書を上げています。
   代表質問でも述べたように、宮城県議会では最大会派の自民党ベテラン議員が知事に対し、繰り返し反対を表明するよう迫っており、福島県だけの問題ではありません。意見書が求めているように、汚染水海洋放出を撤回、地上保管を継続し、国民的納得の上に、国内外の英知を結集すべきです。
   よって、議案第92号、継続第49号は可決すべきであり、請願78号、同79号、継続請願38号、同39号は採択すべきです。
   議案第88号は「原子力災害からの復興・再生を求める意見書」ですが、海洋放出を前提にするものであり、賛成はできません。
   次に、議案第91号「消費税5%への減税及びインボイス制度の中止を求める意見書」についてです。一昨日の5日、財務省は国の2020年度一般会計決算は、消費税収入が前年度比14.3%増の20兆9,714億円で、所得税を抜き、初めて税収最大になったと発表しました。安倍政権の下で二度にわたって消費税増税が強行され、所得の低い人ほどさらに重い負担になっています。
   一方では相次ぐ法人税や最高税率の引下げが行われ、GDPは19年度は消費税率10%への引上げを契機にマイナス0.5%に落ち込んでおり、生産、投資、雇用、消費の循環型の経済が崩れてきています。税の持つ再配分が否定されてきて、格差はかつてなく広がってきております。
   行き過ぎた法人税減税や非正規雇用労働者の増大などの雇用の破壊で、コロナ禍の下でも大企業を中心とした内部留保は700兆円を超える規模に膨れ上がっています。
   世界では、58か国、地域がコロナ危機を受けて、付加価値税の減税を行っています。
   また、2023年10月からのインボイス制度実施に向け、今年の10月1日からインボイス発行事業者の登録申請が始まろうとしています。インボイス制度を実施すれば、売上げ1千万円以下の免税事業者を取引から排除し、事業者間の取引慣行を壊し、免税制度を実質的に排除することになり、一層の零細事業者の打撃になりかねません。
   このようなことから、消費税を5%に緊急に引き下げ、インボイス制度の実施の中止を求めることは非常に重要で、当然可決すべきであり、請願77号も採択すべきです。
   次に、議案第94号「旧姓の通称使用の更なる拡充を図り、改姓による日常生活での不便や不利益を早急に解消することを求める意見書」についてです。
   世界で夫婦別姓を認めていないのは日本だけです。国連の女性差別撤廃委員会からは、再三にわたり是正勧告を受けています。この意見書は、夫婦別姓を認めないことを前提に、不利益を解消するために法的整備を求めようとするものです。不利益は、夫婦別姓を法的に認めることで解消すべきであり、この議案は賛成できません。
   議案第98号「学校教育におけるデジタルトランスフォーメーションを適切に進めることを求める意見書」についてです。
   教育のICT化が進められてきた経緯は、教育の側からの要望で生まれたというより、財界、大企業の強い求めに応じたものです。当初文科省は五か年計画で、コンピューター授業を一日1から2こま、デジタル教科書やAI技術を活用したドリル等の教材活用程度でよいと説明していました。しかし、財界に一喝され、一人1台の端末環境へと大きくかじを切りました。
  教育におけるICT活用については、使い方によって有効なものになることは否定するものではありません。しかし、今子供たちにとって必要なのは、人と人との交わりの中で生まれる公教育の意義の発揮です。教員が目配りできて、適切な学習が進められるようにすることです。
   2021年度の文科省の予算は、少人数学級を決めたものの、教職員にかかる予算は前年度比58億円も減額しています。一方、ICT化予算は263億円にもなっています。今重要なことは、教員を増やすことで行き届いた教育を推進することです。よって、この意見書は反対です。
   継続議案第54号「「新しい生活様式」が可能となる教育条件を緊急に整備することを求める意見書」と継続議案第77号「20人程度学級を展望した少人数学級の実現を求める意見書」は同趣旨なので、一括して申し上げます。
   この意見書は、コロナ禍の下、子供たちの身体的距離が取れず、密状態になっている、また、長期間の休校での学習の遅れや、かつてない不安やストレスをため込んでいることから、20人程度の行き届いた授業ができるように、教員及び教室の確保など、新しい生活様式が可能となるよう、教育条件の改善を求めるものです。当然可決すべきで、継続請願40号と67号は採択すべきです。
   継続議案第67号「コロナ禍で困窮する学生の負担を減らすため、学費の減額等を求める意見書」についてです。
   コロナ禍でアルバイトがなくなったり、仕送りが減ったりで、学生の困窮が広がっています。食料や日用品支援のフードバンクも様々な団体が行うようになってきております。そのような中、全ての学生を対象に、学費半額や免除、給付型奨学金を拡充して、学びの継続支援ができるように国に求めているこの意見書は当然で可決すべきで、継続請願51号は採択すべきです。
   継続議案第68号「核兵器禁止条約の参加・調印・批准を求める意見書」について申し上げます。
   史上初めて核兵器を違法とした核兵器禁止条約が成立してから今日7日で4年目です。今年1月22日に発行した後も、署名国は86か国と広がっています。
   この下で、被ばく76年の8月に広島、長崎の両市を中心に開かれる原水爆禁止世界大会に期待と注目が集まっています。最近アメリカで話題になっている南シナ海での衝突を発端に、核兵器の応酬にエスカレートする米中戦争を描いた小説の共同著者は、元北太西洋条約機構軍最高司令者ですが、「核の使用まで踏み込んだら勝者はいません。」と述べ、警告を発しています。核大国が対立し、緊張を高めれば、偶発的であっても核兵器による衝突を引き起こしかねません。
   広島と長崎に投下された原爆は、その時点で20万人、その後も含めて30万人が犠牲になったとされております。76年たっても原爆の後遺症で苦しんでいる多くの被爆者がいます。長年の被爆者の運動が世界を動かし実現させた核兵器禁止条約に、ただ一つの戦争被爆国日本が参加し、核なき世界へのリーダーシップを取っていくことが求められます。
   福島県議会は、2000年に非核平和福島県宣言を全会派一致で決議しており、その趣旨に沿ってこの意見書を採択し、日本政府に核兵器禁止条約への参加、調印、批准を求めていくべきです。当然可決すべきもので、継続請願52号、53号は採択すべきです。
   最後に、請願83号「学校施設の女子トイレ個室に生理用品を設置することを求めることについて」です。
   我が党の質問では、コロナ禍の下、非正規雇用を中心に仕事がなくなるなどで生活が困窮する世帯が増加している、日常生活用品の要望、生理用品支援も重要で、多くの自治体が支援に動いている、学校のトイレに生理用品を設置すべきとただしました。
   教育長は答弁で、公立学校における生理用品の配布は、保健室において養護教諭が児童生徒に相談を受けながら配布と答弁しました。その点は大事なことですが、児童生徒にとっては自由に気兼ねなく利用できるようにすることが大事であり、学校施設の女子トイレ個室に生理用品を設置することは重要です。
   よって、児童生徒が安心して通学でき、健康で衛生的な生活を保障するために求めている請願は採択すべきです。
以上で討論を終わります。


議長(太田光秋君)以上をもって、討論を終結いたします。

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