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荒川砂防堰堤群(土木遺産)

更新日:2023年3月28日更新
インフラ施設紹介中通り地方にあるインフラ施設

先人の英知を学ぶことができる、荒川土木遺産

荒川砂防堰堤群(土木遺産) Arakawa Sabo Enteigun
大正10年に着工

大正10年に着工。
地蔵原堰堤は、荒川流域の歴史的砂防施設の中で最も早期に着手。
荒川の治水・砂防事業の要となる施設。

データ

施設所在地 福島県福島市
TEL 024-539-6132(計画課直通)、024-546-4331(代表)
施設までのアクセス 東北自動車道 福島西ICから約20分、福島駅東口から福島交通バス「土湯温泉」行「自治研修センター」バス停から徒歩約10分

地蔵原堰堤
荒川流域における最初の砂防堰堤として大正14年に完成し、以降数次に及ぶ改築と補強を重ね、昭和28年にはほぼ現状の姿になりました。堤体から導水された水は用水路として整備され、現在も左岸の佐原堰、右岸の荒井堰など荒川の奥入瀬は自然散策の場にもなっています。
12年連続「水質が最も良好な河川」荒川(福島県福島市)
国土交通省が毎年行う全国一級河川の水質調査結果で、12年連続で「水質が最も良好な河川」に選ばれました。
過去10年間連続で選ばれた河川は、全国で2河川(荒川と川辺川)のみです。(令和4年7月1日時点)
旧霞堤
連続する堤ではなく、初めから間に隙間を設け断続的に築いた珍しい堤防です。その隙間から多方向に水を溢れさせることで遊水池に逃がし、水流を弱め、下流の氾濫被害を軽減する働きをします。古くは江戸時代の初頭に築かれた物もあり、地域の文化遺産としても貴重です。
荒川大暗渠砂防堰堤
荒川遊砂地の砂防堰堤は全国でも例が少ない大暗渠を採用した砂防堰堤です。半円型の暗渠を9箇所設けて、大きな洪水の時には土砂を一時的に貯め、平常時は自然な状態での川の流れが確保でき、川を遮断することのない自然環境にやさしい砂防施設です。

荒川は名前のとおり「暴れ川」であり、日本でも有数の急流河川です。荒川流域では、砂防堰堤、水防林をはじめ、複数の施設がそれぞれの役割を果たしながら、全体で治水・砂防の機能を担っています。その枠組みは昭和20年までにほぼ構築され、長い年月をかけて構築・維持され続け、現在も機能しています。水防林、旧霞堤による近世からの治水と、砂防堰堤群などによる近代以降の治水・砂防が融合した事業が高く評価され、平成19年度、「荒川流域の治水・砂防事業」として土木遺産に認定されました。「地蔵原堰堤」、「荒川第5堰堤」などの15基は、建設から50年以上が経過し、国の登録有形文化財にも登録されています。
荒川沿いを散策しながら、歴史ある砂防施設をめぐる体験ツアーもご用意しています。古くから国土を築き、人々の暮らしを支えた技術、現在まで引き継がれる治水・砂防のしくみを体験してみませんか。

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