近世初頭の農業土木技術の系譜を残す、土木遺産
西根堰(にしねせき)(土木遺産) Nishine Seki
起伏の多い山麓を100mの等高線に沿うように水路が造られており、
取水口より末端まで高低差がわずか50m(6mいって1cm下がる)で、水路の平均勾配は3,000分の1から1,000分の1
データ
施設所在地 | 福島県福島市・伊達市・桑折町・国見町 |
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施設までのアクセス | (西根下堰頭首工まで)東北自動車道 飯坂ICから10分、福島交通飯坂線 飯坂温泉駅から徒歩で5分 |
お問い合わせ先 | 伊達西根堰土地改良区 TEL・FAX:024-582-2319・024-582-4756 E-mail:nishineseki@bz01.plala.or.jp |
西根堰は、今から400年前の江戸時代初期に作られた農業用の用水路として、地域の農業発展に重要な役割を担ってきました。現在はコンクリート製となりましたが、随所に昔の姿を残しています。高所を流れる上堰(うわせき)と上堰より下を流れる下堰(したせき)の2本を総称して「西根堰」と呼ばれています。できるだけ遠くまで用水を運び農地を増やすため勾配を緩くつくる必要があり、これには高い測量技術と今の土木技術にも劣らない高度な技術が用いられています。堅い岩に隧道を掘るために、桑折町・国見町にある半田銀山の多数の鉱山人夫やその技術も利用されました。江戸時代初期の農業土木技術の系譜が残っており、地域学習として、小学校の授業に活用されていることが評価され、2010年度に土木学会選奨土木遺産に認定されています。同じく選奨土木遺産の「十綱橋」と隣接しており、2つの土木遺産を同時に見ることが出来る貴重な場所です。