第4回福島県入札監視委員会結果【概要】
 
1 日時 平成17年1月24日(月)10:00〜12:00
2 場所 杉妻会館 百合A
3 出席者
(委員)菅家委員、清水委員、平塚委員、松野委員、渡辺委員(委員全員出席)
(県)土木部政策監、建設行政グループ参事、建設行政グループ主幹
   建設行政グループ員3名
   各発注者(抽出案件説明者)
4 内容
(1)委員長あいさつ
(2)土木部政策監あいさつ
(3)審議等
   @抽出案件に対する審議
     指名競争入札        2件
     技術評価型指名競争入札   1件
     条件付き一般競争入札    1件
     随意契約          1件  
   A指名停止の運用状況について(報告)
   B談合情報への対応状況について(報告)
(5)その他
  @次回委員会開催の日程
    平成17年5月26日(木)14:00〜16:00
  A次回委員会の抽出担当委員選任
    渡辺委員を抽出担当委員に選任。
 
 
【質疑内容】
 
<指名競争入札1>
(委員)施設を建てたAランクの業者を指名に加えたということだが、これは県の指名業者選考の方法としては一般的なものなのか。
(回答)特例として、本体を施工した業者は指名することができることとしています。本体工事を行った業者はその施設の内部構造を知っており、より良い工事が期待できるということを想定しています。
(委員)そういう指名の仕方はどのくらい行われているのか。
(回答)本体工事を施工した業者は指名するのが通常です。
(委員)今回の指名業者のランクはどうなっているか。
(回答)Aランクが1社、Bランクが5社、Cランクが3社です。
(委員)本体工事を施工したAランクの業者を指名して、たまたまそこが落札したということになりますね。
(回答)はい。
(委員)本体工事を行った業者の入札金額は安いものなのか。
(回答)入札は、各社に同じ金抜き設計書を示した上で行っていますので、本体工事を行った業者が有利ということはありません。入札金額については競争の結果ということです。
(委員)前の委員会の案件で、何年かの継続工事の場合に2年目の工事を随意契約で契約した例があったが、この案件の場合の本体工事と補修工事はそこまでのつながりは無いということか。
(回答)そうです。この案件は、別発注が可能な案件です。
 
<指名競争入札2>
(委員)今回の契約については変更契約があったということだが、そこをもう少し詳しく説明願います。
(回答)工事を行ってみて、まだ使えると思っていた機器が予想外に老朽化していたため、その機器を使うことができず、その機器の交換費用等が増額になったものです。
(委員)設計の際に考慮すべきことではないのか。
(回答)修繕工事の場合は、工事の内容を完全に見込めるものではありません。使えると思っていた機器が使えなかったとか、現場に入らないと分からない場合があります。ケースバイケースですが、そういう場合には変更が出てくることがあり、それは止むを得ないことと考えます。
(委員)そういう変更はよくあることなのか。
(回答)あります。
(委員)土木部と農林水産部以外の県の出先機関では設計はどこで行うのか。
(回答)各建設事務所が行います。
(委員)原則管内から業者を選定したが、管外の1社が評判が良いから指名したという説明であったが公平の原則から考えて、地域要件を重視すべきではないか。
(回答)指名競争入札の入札参加者は資格がある業者をすべて入れるということではなく、手持ち工事の状況や過去の工事成績などいろいろな観点、情報から指名する業者を選択するものであると考えます。
(委員)選ばれる業者の方からすれば、主観的判断を入れないで選択してほしいと考えるのではないか。
(回答)判断する根拠は客観的事実から行っています。
(委員)手持ち工事で手一杯の業者を指名からはずしたという説明であったが。
(回答)建設事務所から他の発注案件で手一杯という情報を得たので、指名からはずしました。
 
<技術評価型意向確認方式指名競争入札>
(委員)ある業者が指名停止になった場合、その業者との契約はどうなるのか。
(回答)契約後に契約相手方の業者が指名停止になってもその契約は有効です。指名通知後入札前に指名停止になった場合には指名を取り消します。
(委員)契約後に指名停止になった場合には、その業者と結んでいる契約は無効にすべきではないのか。
(委員)法的には合理的な理由がないと契約を遡って無効にすることは難しいであろう。契約書の条文に指名停止になった場合には契約を取り消しますという規定でもあれば別だが。
(委員)指名業者に地元業者はいないのか。
(回答)この工事は特殊な工事で地元業者で施工可能な業者は1社でしたが、その業者が入札前に指名停止となり指名を取り消したので、地元業者はないままでの入札となりました。
(委員)意向確認の段階で辞退している業者が多いのはなぜか。
(回答)この工事は5年の債務負担(継続工事)により実施する工事であるので、5年間同じ技術者を専任とする必要があります。辞退した会社は同一の技術者を継続的にこの工事の専任の技術者とすることができないため辞退したようです。
 
<条件付き一般競争入札>
(委員)入札参加業者の中の1業者が指名停止となる直前に入札を行っているが問題は無いのか。
(回答)入札時点では指名停止となっていないので、通常どおり入札しました。
(委員)指名停止となる直前なので、県では指名停止になることがわかっていたのではないか。県内部では指名停止の予定がわかっていたとすれば、そういう業者については、辞退してもらうか指名からはずすべきではないか。
(回答)県では、指名停止は業者にとって大きなペナルティーであると考えていますので、期間については厳密にする必要があります。指名停止の期間以外の期間を指名しないでおくということをすれば、実質的には指名停止期間より多い期間で指名停止とすることになってしまいます。それは県が予定していることではありません。
(委員)指名停止の期間はどのように決めるのか。
(回答)要綱で1ヶ月以上2ヶ月未満などのように期間を定めており、その範囲内で案件毎に決定しています。
(委員)指名停止の開始期日はどのように決めるのか。
(回答)毎週月曜日に本庁指名運営委員会を開催していますが、その決定を受けて即日指名停止としています。
(委員)特定JVとは、この工事のために組んだJVということか。
(回答)はいそうです。
(委員)大規模工事だから特定JVにより指名したということであるが、大企業を指名すれば1社の指名で施工できるのではないか。
(回答)大規模工事はJVで実施できることを要綱で定めており、技術力の結集による安定した施工を期待するものです。また地産地消という観点もあります。
 
<随意契約>
(委員)3回入札をおこなっている。1社の入札なので高めの金額からせりを始めたということか。3回でも落ちなかったらどうなるのか。
(回答)随意契約なので落札するまで行います。
(委員)予定価格ぎりぎりまで探りながら入札できるということですね。
(回答)業者の見積金額が高かったということで、結果的にはそういうことです。
(委員)単独随意契約の制度上そうなってしまう。この個別のケースで議論しても仕方ないが、単独随意契約のやり方を考えてみる必要があるのではないか。もしくは継続工事を年度毎に発注するのではなく一括発注することができないか検討してみてはどうか。
(回答)第2回の入札監視委員会でも、同様の議論がありましたが、その後検討を進めておりまして、継続工事について一括発注ができないか、現在、国及び県の予算当局と協議しているところです。
 
<まとめ>
(委員長)今回の抽出案件については、特に問題は見受けられなかったということでよろしいか。
(各委員)異議無し。
 
 
<指名停止の運用状況について>
(委員)疎漏工事があったため指名停止を行ったということだが、その工事の補修はどうしたのか。
(回答)業者負担で工事をやり直しております。
(委員)他県の談合事件により指名停止を行ったということだが、全国の状況をチェックしているのか。
(回答)そうです。
 
<談合情報への対応状況について>
(委員)くじ引きで落札者が決まったということだが、2社のどちらかは談合情報のあった業者か。
(回答)2社のうちの1社は談合情報のあった業者でした。同額の入札だったので、くじ引きの結果、落札したのは、談合情報のなかった業者でした。
(委員)県に対する談合情報には根拠のないものも寄せられるのか。入札の結果、談合情報の業者が落札することはあるのか。
(回答)談合情報どおりの業者が落札したことはありました。
(委員)今回の案件は落札率が80%であるがこれについてはどう考えるか。
(委員)競争があったと考えてよいのか。
(委員)談合情報があったことは、県の事情聴取により業者は知っていた訳だから、結果的には競争がおこなわれたのではないか。怪我の功名と言えるかもしれない。
(回答)今回の入札で落札率が80%になったのは、落札したい業者同士でより厳しい競争が行われた結果であると考えます。
(委員)発注者側が関係しているという情報もあったということだが、どのぐらい詳細な情報だったのか。
(回答)具体的な氏名が明示され、県職員がこの入札を指導しているという内容でしたが、その職員及び関係者に事情を聞いたところ、恣意的な指名をおこなった事実はなく、業者の過去の工事実績等により指名選考していると判断しました。
(委員)業者に対する事情聴取はどのように行ったのか。
(回答)1回目は、指名した全業者から事情聴取を行いました。2回目は1回目の事情聴取で疑問が残った業者に対してさらに聞き取りを行うとともに、氏名が明記されていた人物に対して聞き取りを行いました。
(委員)JVの結成方法についても記載があったのか。
(回答)ありました。JVの結成経緯についても聞き取りを行いました。
(委員)何をもって談合の事実はなかったとしたのか。
(回答)送付されてきた談合情報の文書と事情聴取の結果が一致しないということから、談合の事実は確認できませんでした。
(委員)談合を行った場所が記載されていたということであったが、確認はしたのか。
(回答)場所についても確認しましたが、そのような会合はあったという記録はありませんでした。
(委員)談合情報のあった業者がくじ引きまで残った。それでも談合は無かったと考えるのか。
(回答)はい。競争の結果であると考えます。
 
−以上−