第2回福島県入札監視委員会結果【概要】
 
1 日時 平成16年5月24日(月)13:00〜16:00
2 場所 コラッセふくしま402会議室
3 出席者
(委員)菅家委員、清水委員、平塚委員、松野委員、渡辺委員(委員全員出席)
(県)土木部政策監、建設行政グループ参事、建設行政グループ主幹、
   建設行政グループ員2名
   各発注者(抽出案件説明者)
4 内容
(1)委員長あいさつ
(2)土木部政策監あいさつ
(3)入札制度の概要説明
(4)審議等
   @抽出案件に対する審議
     指名競争入札        1件
     希望工種反映型指名競争入札 1件
     技術評価型指名競争入札   1件
     条件付き一般競争入札    1件
     随意契約          1件  
   A指名停止の運用状況について(報告)
   B談合情報への対応状況について(報告)
(5)その他
  @次回委員会開催の日程
    平成16年9月22日(水)10:00〜12:00
  A次回委員会の抽出担当委員選任
    平塚庸子委員を抽出担当委員に選任。
 
 
【質疑内容】
 
<指名競争入札>
(委員)指名にあたっては、地域性を考慮するということだが、どうやって10社を選ぶのか。業者を選ぶ順番があるのか。建設事務所管内にもさらに地域性があるのか。
(回答)今回の件は、総合点数の高い順に10社選んでいます。
(委員)いつも点数の高いところに指名が集中するのではないか。
(回答)業者には得意分野や過去の実績もあります。それらを総合的に考慮して選考しています。
(委員)指名する順番があるのか。
(回答)金額が大きくなると専任の技術者の制約があることなどから、大規模な工事では前回の工事を受注した業者を指名しないなどということはあります。
(委員)指名する業者に意向を聞くということはあるのか。
(回答)意向は聞きません。
(委員)指名業者が辞退することもあるのか。その場合業者を追加指名するのか。
(回答)辞退があっても、そのまま入札します。補充はしません。
(委員)点数の低い業者を指名する可能性はあるのか。
(回答)発注者において、それぞれの業者の得意分野とか他の工事との関係などの情報を蓄積して選んでいます。
(委員)指名競争入札そのものが談合の温床と言われている。指名は誰にでもわかるルールで選ぶべきではないか。
(回答)建設事務所管内の全体の発注状況等を総合的にみて選んでいます。
(委員)基本的には総合点で選ぶんですね。別の基準で選ぶ方法もあってもいいかとは思う。
(回答)入札は大きく一般競争入札と指名競争入札とに分かれますが、一般競争入札、指名競争入札それぞれにメリット・デメリットがあります。より適正なシステムを様々検討の上、入札制度の健全性を維持していく必要があると考えます。
(委員)総合点はどのようにつけているのか。
(回答)総合点は客観点と主観点の合計です。客観点は全国共通であり、主観点は各県が独自に定めています。福島県では、主に工事成績等で主観点を付けています。
 
<希望工種反映型指名競争入札>
(委員)希望工種というのはどう示されるのか。
(回答)各業者が得意とする分野を事前に提出します。今回は木造、鉄筋コンクリート造、鉄筋造を希望している業者から選びました。
(委員)名簿の上位で指名されていない業者があるが希望しなかったのか。
(回答)先行する本体工事を受注していることなども考慮の上指名しなかったものです。
(委員)工事を分け合うという考え方か。
(回答)1つの工事に専念してほしいということです。
 
<技術評価型意向確認方式指名競争入札>
(委員)指名委員会と技術評価の審査部会のメンバーはどうなっているのか。
(回答)公所指名委員会は公所長を会長とし、会長が指名するグループ課長以上の者としており、審査部会は公所の部長が会長となり、公所のグループ課長が委員となっています。
(委員)入札金額が同じ額のものが見受けられるが、発注者としてはどう考えるか。
(回答)偶然と考えます。単価は公表しているので、誰が積算してもだいたい同じような金額の算出が可能となります。
(委員)業者側からみれば、工事の仕様が示されれば、ある程度積算できるということですね。
(委員)3億円を越すような大きい工事であるから、一般市民の感覚からすると、10万、20万は変わってもいいのではないかと思う。
(回答)逆に金額が高いと端数は切り捨てられる傾向があるので、切のいい数字が入札額となるようです。
(委員)業者が正確な積算が可能だということであれば、逆に、談合を疑われないようにするために意図的に金額をばらつかせるということもあるかもしれない。
 
<条件付き一般競争入札>
(委員)入札参加資格が6項目あり、指名競争入札と比べて格別の条件というわけではないと思うが参加資格を設ける意味があるのか。
(回答)条件付き一般競争入札だからといって高いハードルを設けているわけではありません。通常の業者であれば参加できる条件です。競争性を高めるために条件付き一般競争を導入しているもので、特徴的なことは地域要件を付けることです。
(委員)条件付き一般競争入札は他の入札制度に比べて工事金額の幅が大きいのはなぜか。また、試行となっているが、この方式を導入した趣旨はなぜか。
(回答)指名競争入札がメインではあるが、入札の公平性、透明性を高めるため、いろいろな方式を検討しています。公平性、透明性が一番高いものが一般競争入札と言われてはいますが、デメリットとして、不良不適格業者の排除がしずらいことやダンピングの問題などがあります。両方の制度の良し悪しを見極めつつやっていきたいという考えから試行しています。
(委員)方向性としては、一般競争入札を検討しているということですね。
(回答)そうです。
(委員)条件付き一般競争入札でも、入札金額が同額の入札が多い。どう考えるか。
(回答)特に問題とするものではないと考えています。
 
<随意契約>
(委員)随意契約の場合、予定価格は公表しているのか。
(回答)公表していません。
(委員)随意契約の理由は地方自治法施行令のどの項目に該当するのか。
(回答)第167条の2第1項の4の「競争入札に付すことが不利」という項目です。
(委員)同一の工事を分割して、一度随意契約をすると、次も同じ業者との随意契約になる。全体でいくらになるのか。
(回答)約42億円です。
(委員)止むを得ない理由で工区ごとに分けているのか。
(回答)一体で発注すべきものとそうでないものがあります。予算上継続費としているものは一体で発注することが望ましのですが、この案件は、国庫の補助の関係で一括発注できず、こうした手法をとっているということです。
(委員)財政的な理由だということはわかった。予算の折り合いがつけば、一括発注も可能か。
(回答)可能ではあるが、本案件などでは、国から先々の補助金まで約束されないため、このように細切れに発注せざるを得ないということです。
(委員)今回の5件について、落札率は95%以上となっている。ものの本によれば、95%以上は談合が疑われると言われているが、どう思われるか。
(回答)新聞報道などではそうした見方もあるようですが、指名業者の事後公表など、入札の適正執行に向けての施策の確立に努めているところです。
 
<指名停止の運用状況について>
(委員)不正または不誠実な行為とはどのようなものか。
(回答)談合、贈収賄、刑罰を受けたことなどです。
(委員)指名停止はその後の入札には反映されるのか。
(回答)主観点に反映されます。
 
<談合情報への対応状況について>
(委員)談合情報があったときは、そのまま入札をやらせて情報どおりなら捜査するというわけにはいかないのか。入札を中止すると談合した人たちのことがうやむやになってしまう。事後的に入札を無かったことにすることも可能ではないか。
(回答)県としては、談合の疑いが高ければ、入札を中止するべきであり、おとり捜査的手法はとるべきではないと考えます。
(委員)入札を中止してしまうと談合しようとした人を放置することになり、繰り返し談合するのではないか。
(委員)談合情報処理要綱によると結果を公正取引委員会へ報告することになっているが、情報を得た公正取引委員会はそれをどう扱うのか。
(回答)公正取引委員会は、それらの情報をもとに公正取引委員会独自の判断で動いているものと思います。
(委員)談合情報により入札を中止し、指名業者を入れ替えて入札したとのことだが、入れ替えられた業者からはクレームはなかったか。
(回答)ありませんでした。
 
<まとめ>
(委員長)今回の抽出案件については、特に問題は見受けられなかったということでよろしいか。
(各委員)異議無し。
−以上−