県議会定例会(令和3年6月)
印刷用ページを表示する 掲載日:2021年6月22日更新
令和3年6月福島県議会定例会知事説明要旨(令和3年6月22日)
6月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、天皇皇后両陛下におかれましては、この4月に、東日本大震災からの復興状況の御視察のため、オンラインでの行幸啓を賜りました。両陛下の県民に寄り添った温かなお心遣いは、震災を始め、令和元年東日本台風、今年2月の福島県沖地震等の災害、さらには新型コロナウイルス感染症など、様々な困難から懸命に立ち上がろうとしている全ての県民にとって、何よりの励みとなったところであります。
続いて、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。
以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、天皇皇后両陛下におかれましては、この4月に、東日本大震災からの復興状況の御視察のため、オンラインでの行幸啓を賜りました。両陛下の県民に寄り添った温かなお心遣いは、震災を始め、令和元年東日本台風、今年2月の福島県沖地震等の災害、さらには新型コロナウイルス感染症など、様々な困難から懸命に立ち上がろうとしている全ての県民にとって、何よりの励みとなったところであります。
続いて、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の状況と県の対応について
「新型コロナウイルス感染症対策」について申し上げます。
新型コロナウイルス感染症につきましては、全国的に新規感染者数が減少傾向にあるものの、依然として感染の水準が高く、予断を許さない状況にあります。
福島県においても、5月に入り、変異株の影響などもあり、これまでにないスピードで感染が拡大し、医療提供体制崩壊の瀬戸際まで追い込まれる危機的状況に陥ったことから、県内全域に「福島県新型コロナウイルス感染症非常事態宣言」を発出し、「緊急特別対策」を拡大・強化してまいりました。この間における県民の皆さん、事業者の皆さんの御理解と御協力により、医療提供体制への負荷が軽減されるなど、本県はステージ2相当にまで改善したことから、5月末で非常事態宣言の期間を終了するとともに、会津若松市を対象にお願いしていた「集中対策」についても、今月7日をもって終了いたしました。
しかし、変異株や感染経路不明者も数多く確認される中、ひとたびクラスターが発生すれば、急速に感染が再拡大し、再び医療提供体制が危機的状況に陥ることが懸念されます。このため、6月末までを期限とする「重点対策」を実施しているところであり、引き続き、関係機関等と連携を密にしながら、県民の皆さんの命と健康、そして医療を守るため、県の総力を挙げて感染拡大防止に取り組んでまいります。
また、ワクチン接種につきましても、市町村における接種が円滑に進むよう、関係機関等の御協力を得ながら、医療従事者の確保に向けて調整を進めるなど、全力で支援を行ってまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、全国的に新規感染者数が減少傾向にあるものの、依然として感染の水準が高く、予断を許さない状況にあります。
福島県においても、5月に入り、変異株の影響などもあり、これまでにないスピードで感染が拡大し、医療提供体制崩壊の瀬戸際まで追い込まれる危機的状況に陥ったことから、県内全域に「福島県新型コロナウイルス感染症非常事態宣言」を発出し、「緊急特別対策」を拡大・強化してまいりました。この間における県民の皆さん、事業者の皆さんの御理解と御協力により、医療提供体制への負荷が軽減されるなど、本県はステージ2相当にまで改善したことから、5月末で非常事態宣言の期間を終了するとともに、会津若松市を対象にお願いしていた「集中対策」についても、今月7日をもって終了いたしました。
しかし、変異株や感染経路不明者も数多く確認される中、ひとたびクラスターが発生すれば、急速に感染が再拡大し、再び医療提供体制が危機的状況に陥ることが懸念されます。このため、6月末までを期限とする「重点対策」を実施しているところであり、引き続き、関係機関等と連携を密にしながら、県民の皆さんの命と健康、そして医療を守るため、県の総力を挙げて感染拡大防止に取り組んでまいります。
また、ワクチン接種につきましても、市町村における接種が円滑に進むよう、関係機関等の御協力を得ながら、医療従事者の確保に向けて調整を進めるなど、全力で支援を行ってまいります。
東日本大震災からの復旧・復興について
次に、「避難地域の復興・再生」についてであります。
この春、震災と原発事故から10年が経過いたしました。この10年で、避難指示区域が縮小したほか、道路・鉄道などのインフラ復旧、復興拠点施設の整備が進展するなど、福島の復興は着実に前進いたしました。
一方で、避難地域においては、多くの困難な課題が残されており、さらには、復興のステージが進むにつれて、新たな課題も顕在化するなど、福島の復興は今後も長い戦いが続きます。
今年度から、第2期復興・創生期間がスタートしました。今後は、この10年の歩みを大切にしながら、県民の皆さんに復興が前へと進んでいることを実感していただけるよう、一つ一つの取組の成果を示していくことが重要となります。このため、今月8日に、関係省庁や政党に対し、復興・再生の取組を切れ目なく着実に前進させ、しっかりと形にしていくため、国際教育研究拠点の実現を始め、帰還困難区域における避難指示解除のための具体的方針を早急に示すよう求めるなど、令和4年度に向けた提案・要望活動を実施いたしました。
引き続き、先般、閣議決定された「福島復興再生基本方針」や認定いただいた「福島復興再生計画」、さらには、「第2期福島県復興計画」等に基づく取組を、国、市町村等と連携しながら着実に実行に移し、成果につながるよう、福島の復興・再生を全力で進めてまいります。
次に、「環境回復」について申し上げます。
福島第一原発・第二原発の廃炉につきましては、これまでの取組により着実に前へと進んでいる一方で、東京電力においては、相次ぐトラブルや重大な不祥事により、県民から大変厳しい目が向けられております。引き続き、東京電力に対し、県民の信頼回復に向けた取組を一つ一つ確実に実現するとともに、責任と自覚を持って、廃炉作業に取り組むよう求めてまいります。
また、福島第二原発の廃炉につきましては、4月末に、原子力規制委員会において、廃止措置計画が認可されました。これを受け、廃炉安全監視協議会において規制委員会の審査結果を確認し、今月16日に、県として、意見を付して事前了解いたしました。引き続き、廃炉作業が安全かつ着実に実施されるよう、東京電力の取組について確認を続けてまいります。
今般、福島第一原発の処理水の処分に関する基本方針が決定されました。処理水の処分については、海洋放出の反対や新たな風評を懸念する意見が数多く示されている一方で、陸上保管の継続による復興や住民帰還への影響を危惧する意見が示されるなど、県民はもとより国内外においても、理解が十分に得られていない状況にあります。この10年、福島県民は、復興や風評払拭に向けて必死に努力を積み重ねてまいりました。こうした福島県の実情を十分に踏まえ、県民の努力や積み上げてきた成果が水泡に帰してしまうことのないよう、国が前面に立ち、万全な対策を講じていただくことが極めて重要であります。
このため、私自身が直接、国の基本方針に対し、5つの重要な事項と国による東京電力への指導・監督について、梶山経済産業大臣に申し入れを行うとともに、関係閣僚等会議の場、さらには菅総理に対して、本県の意見や考えを訴えてまいりました。また、政府のワーキンググループや国への提案・要望等においても、県としての意見を改めて申し上げたところであります。処理水の問題は、福島県はもとより、日本全体の問題であります。引き続き、政府一丸となって、丁寧な説明を行い、十分な理解が得られるよう取り組むとともに、具体的な対策を早期に示すよう、あらゆる機会を通して求めてまいります。
次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
風評・風化の問題につきましては、新型感染症や処理水の処分により、これまでの課題に加え、新たな風評を懸念する声が高まっており、今後は、これらの状況を踏まえた対策の更なる強化が極めて重要となります。
このため、県では、全庁的に推進する体制を構築するとともに、「ターゲットを意識した伝わる発信」、「生産・事業基盤の強化」などの視点から、新たな事業を展開することといたしました。引き続き、国に対し、実効性のある具体的な風評対策を求めるとともに、関係の皆さんと連携し、あらゆる手法を活用しながら、福島の正確な情報や魅力が国内外に広く伝わる取組を進めるなど、風評払拭と風化防止に力を尽くしてまいります。
東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組につきましては、ランナーの皆さんを始め、関係の方々の御協力により、無事に聖火リレーを実施することができました。一方で、皆さんが安心して応援できる大会にしていくためにも、今なすべきことは、正に新型感染症への対応に全力を尽くすことであります。引き続き、関係機関等と連携しながら、総力を挙げて感染症対策に取り組み、福島県としての役割を果たしてまいります。
次に、「産業政策」について申し上げます。
先月開催された全国新酒鑑評会において、「ふくしまの酒」が金賞受賞数8回連続日本一という偉業を達成しました。震災や新型感染症の影響により、厳しい状況が続く中でのこの快挙は、正に福島の誇りであり、私たち県民に勇気と希望を与えてくれました。引き続き、関係の皆さんと力を合わせながら、県産酒の魅力を国内外に力強く発信するなど、県産品の振興にしっかりと取り組んでまいります。
4月に、福島イノベーション・コースト構想の取組を盛り込んだ福島復興再生計画が認定されるとともに、新産業創出等推進事業促進計画を内閣総理大臣へ提出し、構想の推進に係る税の優遇措置の運用が始まりました。引き続き、こうした新たな制度等を最大限活用しながら、県内企業の新規参入を促進し、国内外からも最先端企業や研究者の呼び込みを行うなど、福島イノベーション・コースト構想の更なる推進を図り、浜通り地域を始め、県全体の産業の育成・集積、雇用の創出につなげてまいります。
新型感染症の影響により、県内産業は大変厳しい状況が続いております。引き続き、中小企業者の資金繰り支援や雇用維持の取組を進め、県内経済の再生に力を尽くしてまいります。
次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
昨年度は、大手オンラインストアにおける県産農林水産物の売上実績が、前年度から7億円増の33億円と過去最高を記録し、県産米につきましても、令和2年産米の食味ランキングにおいて、5銘柄が最高評価の特Aに輝き、獲得銘柄数が4年連続日本一を達成するなど、これまでの取組が着実に成果となって現れてきております。
さらに先月には、シンガポールにおいて、日本産食品の輸入規制が撤廃され、規制を設けている国・地域は、原発事故後の54から14に減少いたしました。
引き続き、市町村やJAグループなど関係の皆さんと連携しながら、県産農林水産物の安全性や品質の高さを広く発信し、ブランド力の強化や国内外での販路拡大に取り組み、基幹産業である農林水産業の再生をしっかりと進めてまいります。
4月に発生した凍霜害は、県内の広範囲において、果樹を始めとする農作物に、記録が残る中で過去2番目となる甚大な被害をもたらしました。このため、関係機関・団体等と連携を密にし、被害を受けた農業者の皆さんに対し、技術的な対策はもとより、金融を含めた財政支援など、総合的な支援を行うことにより、地域農業の維持と農業経営の安定化に取り組んでまいります。
次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
震災と原発事故からの復興はもとより、新型感染症の影響が長期化するなど、先が見通せない多くの課題を抱えている中で、県民の皆さんの心身の健康を守る取組は、一層重要となります。そうした中、新たに、県民の健康づくりに関する情報等を総合的に発信するため、「健康ふくしまポータルサイト」を開設いたしました。引き続き、県民の皆さんを始め、関係の皆さんの御協力を頂きながら、県民運動と一体となって、より実効性ある取組を進めてまいります。
この4月に、福島県立医科大学の保健科学部が開設されました。新学部の開設により、医学部、看護学部と併せ、医療系総合大学へと大きく進化し、地域医療の充実と県民の皆さんの健康増進に一層貢献することが期待されるところであります。引き続き、県立医科大学と連携しながら、あらゆる対策を講じ、全国に誇れる健康長寿県の実現を目指してまいります。
次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
JFAアカデミー福島男子が、10年ぶりにJヴィレッジで活動を再開いたしました。入校式では、本県出身の子どもたちから力強い決意が示され、幾たびもの困難に見舞われている福島の子どもたちのたくましさ、人を思いやるやさしさを改めて実感したところであります。
今後も、これまで以上に日本サッカー協会を始め、関係の皆さんと緊密に連携しながら、社会に貢献し、世界に羽ばたく子どもや若者の育成に取り組んでまいります。
また、この春、新たに喜多方高等学校と小名浜海星高等学校を開校し、新入生を迎えることができました。引き続き、それぞれの統合校における特色をいかした教育活動を展開してまいります。
震災と原発事故の影響が長期化する中、心に不安を抱える子どもたちを、継続して支えていく体制づくりが大変重要であります。このため、4月に、現場のニーズを的確に把握し、支援に結びつける活動を担う「ふくしま子どもの心のケアセンター」を開所いたしました。引き続き、本センターを通じた心のケアを始め、全ての子どもたちが健やかに成長できるよう、様々な取組をしっかりと進めてまいります。
次に、「インフラの復旧等」について申し上げます。
4月に、復興支援道路として整備が進められてきた東北中央自動車道「相馬・福島道路」が全線開通いたしました。これにより、常磐自動車道と東北自動車道が直結することで、南東北における広域的な物流、交流の促進や、大規模災害時における緊急輸送機能の強化など、福島の復興と地方創生を力強くけん引することが期待されるところであります。
今後とも、関係機関と連携しながら、産業振興や地域活性化はもとより、災害に強い広域的な道路ネットワークの構築を図るなど、県土づくりと復興の礎となる社会資本の整備にしっかりと取り組んでまいります。
この春、震災と原発事故から10年が経過いたしました。この10年で、避難指示区域が縮小したほか、道路・鉄道などのインフラ復旧、復興拠点施設の整備が進展するなど、福島の復興は着実に前進いたしました。
一方で、避難地域においては、多くの困難な課題が残されており、さらには、復興のステージが進むにつれて、新たな課題も顕在化するなど、福島の復興は今後も長い戦いが続きます。
今年度から、第2期復興・創生期間がスタートしました。今後は、この10年の歩みを大切にしながら、県民の皆さんに復興が前へと進んでいることを実感していただけるよう、一つ一つの取組の成果を示していくことが重要となります。このため、今月8日に、関係省庁や政党に対し、復興・再生の取組を切れ目なく着実に前進させ、しっかりと形にしていくため、国際教育研究拠点の実現を始め、帰還困難区域における避難指示解除のための具体的方針を早急に示すよう求めるなど、令和4年度に向けた提案・要望活動を実施いたしました。
引き続き、先般、閣議決定された「福島復興再生基本方針」や認定いただいた「福島復興再生計画」、さらには、「第2期福島県復興計画」等に基づく取組を、国、市町村等と連携しながら着実に実行に移し、成果につながるよう、福島の復興・再生を全力で進めてまいります。
次に、「環境回復」について申し上げます。
福島第一原発・第二原発の廃炉につきましては、これまでの取組により着実に前へと進んでいる一方で、東京電力においては、相次ぐトラブルや重大な不祥事により、県民から大変厳しい目が向けられております。引き続き、東京電力に対し、県民の信頼回復に向けた取組を一つ一つ確実に実現するとともに、責任と自覚を持って、廃炉作業に取り組むよう求めてまいります。
また、福島第二原発の廃炉につきましては、4月末に、原子力規制委員会において、廃止措置計画が認可されました。これを受け、廃炉安全監視協議会において規制委員会の審査結果を確認し、今月16日に、県として、意見を付して事前了解いたしました。引き続き、廃炉作業が安全かつ着実に実施されるよう、東京電力の取組について確認を続けてまいります。
今般、福島第一原発の処理水の処分に関する基本方針が決定されました。処理水の処分については、海洋放出の反対や新たな風評を懸念する意見が数多く示されている一方で、陸上保管の継続による復興や住民帰還への影響を危惧する意見が示されるなど、県民はもとより国内外においても、理解が十分に得られていない状況にあります。この10年、福島県民は、復興や風評払拭に向けて必死に努力を積み重ねてまいりました。こうした福島県の実情を十分に踏まえ、県民の努力や積み上げてきた成果が水泡に帰してしまうことのないよう、国が前面に立ち、万全な対策を講じていただくことが極めて重要であります。
このため、私自身が直接、国の基本方針に対し、5つの重要な事項と国による東京電力への指導・監督について、梶山経済産業大臣に申し入れを行うとともに、関係閣僚等会議の場、さらには菅総理に対して、本県の意見や考えを訴えてまいりました。また、政府のワーキンググループや国への提案・要望等においても、県としての意見を改めて申し上げたところであります。処理水の問題は、福島県はもとより、日本全体の問題であります。引き続き、政府一丸となって、丁寧な説明を行い、十分な理解が得られるよう取り組むとともに、具体的な対策を早期に示すよう、あらゆる機会を通して求めてまいります。
次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
風評・風化の問題につきましては、新型感染症や処理水の処分により、これまでの課題に加え、新たな風評を懸念する声が高まっており、今後は、これらの状況を踏まえた対策の更なる強化が極めて重要となります。
このため、県では、全庁的に推進する体制を構築するとともに、「ターゲットを意識した伝わる発信」、「生産・事業基盤の強化」などの視点から、新たな事業を展開することといたしました。引き続き、国に対し、実効性のある具体的な風評対策を求めるとともに、関係の皆さんと連携し、あらゆる手法を活用しながら、福島の正確な情報や魅力が国内外に広く伝わる取組を進めるなど、風評払拭と風化防止に力を尽くしてまいります。
東京オリンピック・パラリンピック大会に向けた取組につきましては、ランナーの皆さんを始め、関係の方々の御協力により、無事に聖火リレーを実施することができました。一方で、皆さんが安心して応援できる大会にしていくためにも、今なすべきことは、正に新型感染症への対応に全力を尽くすことであります。引き続き、関係機関等と連携しながら、総力を挙げて感染症対策に取り組み、福島県としての役割を果たしてまいります。
次に、「産業政策」について申し上げます。
先月開催された全国新酒鑑評会において、「ふくしまの酒」が金賞受賞数8回連続日本一という偉業を達成しました。震災や新型感染症の影響により、厳しい状況が続く中でのこの快挙は、正に福島の誇りであり、私たち県民に勇気と希望を与えてくれました。引き続き、関係の皆さんと力を合わせながら、県産酒の魅力を国内外に力強く発信するなど、県産品の振興にしっかりと取り組んでまいります。
4月に、福島イノベーション・コースト構想の取組を盛り込んだ福島復興再生計画が認定されるとともに、新産業創出等推進事業促進計画を内閣総理大臣へ提出し、構想の推進に係る税の優遇措置の運用が始まりました。引き続き、こうした新たな制度等を最大限活用しながら、県内企業の新規参入を促進し、国内外からも最先端企業や研究者の呼び込みを行うなど、福島イノベーション・コースト構想の更なる推進を図り、浜通り地域を始め、県全体の産業の育成・集積、雇用の創出につなげてまいります。
新型感染症の影響により、県内産業は大変厳しい状況が続いております。引き続き、中小企業者の資金繰り支援や雇用維持の取組を進め、県内経済の再生に力を尽くしてまいります。
次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
昨年度は、大手オンラインストアにおける県産農林水産物の売上実績が、前年度から7億円増の33億円と過去最高を記録し、県産米につきましても、令和2年産米の食味ランキングにおいて、5銘柄が最高評価の特Aに輝き、獲得銘柄数が4年連続日本一を達成するなど、これまでの取組が着実に成果となって現れてきております。
さらに先月には、シンガポールにおいて、日本産食品の輸入規制が撤廃され、規制を設けている国・地域は、原発事故後の54から14に減少いたしました。
引き続き、市町村やJAグループなど関係の皆さんと連携しながら、県産農林水産物の安全性や品質の高さを広く発信し、ブランド力の強化や国内外での販路拡大に取り組み、基幹産業である農林水産業の再生をしっかりと進めてまいります。
4月に発生した凍霜害は、県内の広範囲において、果樹を始めとする農作物に、記録が残る中で過去2番目となる甚大な被害をもたらしました。このため、関係機関・団体等と連携を密にし、被害を受けた農業者の皆さんに対し、技術的な対策はもとより、金融を含めた財政支援など、総合的な支援を行うことにより、地域農業の維持と農業経営の安定化に取り組んでまいります。
次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
震災と原発事故からの復興はもとより、新型感染症の影響が長期化するなど、先が見通せない多くの課題を抱えている中で、県民の皆さんの心身の健康を守る取組は、一層重要となります。そうした中、新たに、県民の健康づくりに関する情報等を総合的に発信するため、「健康ふくしまポータルサイト」を開設いたしました。引き続き、県民の皆さんを始め、関係の皆さんの御協力を頂きながら、県民運動と一体となって、より実効性ある取組を進めてまいります。
この4月に、福島県立医科大学の保健科学部が開設されました。新学部の開設により、医学部、看護学部と併せ、医療系総合大学へと大きく進化し、地域医療の充実と県民の皆さんの健康増進に一層貢献することが期待されるところであります。引き続き、県立医科大学と連携しながら、あらゆる対策を講じ、全国に誇れる健康長寿県の実現を目指してまいります。
次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
JFAアカデミー福島男子が、10年ぶりにJヴィレッジで活動を再開いたしました。入校式では、本県出身の子どもたちから力強い決意が示され、幾たびもの困難に見舞われている福島の子どもたちのたくましさ、人を思いやるやさしさを改めて実感したところであります。
今後も、これまで以上に日本サッカー協会を始め、関係の皆さんと緊密に連携しながら、社会に貢献し、世界に羽ばたく子どもや若者の育成に取り組んでまいります。
また、この春、新たに喜多方高等学校と小名浜海星高等学校を開校し、新入生を迎えることができました。引き続き、それぞれの統合校における特色をいかした教育活動を展開してまいります。
震災と原発事故の影響が長期化する中、心に不安を抱える子どもたちを、継続して支えていく体制づくりが大変重要であります。このため、4月に、現場のニーズを的確に把握し、支援に結びつける活動を担う「ふくしま子どもの心のケアセンター」を開所いたしました。引き続き、本センターを通じた心のケアを始め、全ての子どもたちが健やかに成長できるよう、様々な取組をしっかりと進めてまいります。
次に、「インフラの復旧等」について申し上げます。
4月に、復興支援道路として整備が進められてきた東北中央自動車道「相馬・福島道路」が全線開通いたしました。これにより、常磐自動車道と東北自動車道が直結することで、南東北における広域的な物流、交流の促進や、大規模災害時における緊急輸送機能の強化など、福島の復興と地方創生を力強くけん引することが期待されるところであります。
今後とも、関係機関と連携しながら、産業振興や地域活性化はもとより、災害に強い広域的な道路ネットワークの構築を図るなど、県土づくりと復興の礎となる社会資本の整備にしっかりと取り組んでまいります。
地方創生・人口減少対策について
次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
福島県の人口は、依然として減少傾向にあり、厳しい状況が続いている中、移住者等が着実に増加するなど、震災以降、県民の皆さんを始め、関係の皆さんが懸命に努力を重ねてこられた成果が、目に見える形となって現れてきております。
一方で、新型感染症の影響などにより、社会環境が複雑・多様化している中、これからの地方創生・人口減少対策は、復興・再生との両輪により、これまで以上に全庁を挙げた取組が大変重要となります。このため、新年度は、「移住・定住」、「人づくり」、「地産地消」など、総合力が問われる5つのテーマについて、部局横断的に取組を進め、具体的な成果の創出につなげていくこととしております。引き続き、こうした取組を通して、新しい地方創生の在り方を生み出す流れを的確に捉えながら、地方創生・人口減少対策にしっかりと取り組んでまいります。
この10年、私はどんなに困難な状況の中にあっても、必ず復興を成し遂げるとの思いで、県民の皆さんと共に挑戦を続けてまいりました。そして10年が経過し、今、新たなステージを迎えた中、県民の皆さんに復興を実感していただくためには、これまで積み重ねてきた挑戦を形にしていく、かなえていくことが、これからの私の重要な使命であると考えております。そうした思いを多くの方々と共有し、復興の新たなステージを歩んでいくため、今回、「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」という新スローガンを掲げました。
この新スローガンに多くの方々から共感を頂き、「ふくしまの過去・現在・未来をたくさんの方々に伝えていきたい」、「復興への新たな一歩を踏み出したふくしまを応援していきたい」といった、数多くの応援メッセージが寄せられております。
福島県民はこの10年、どんな困難な状況にあっても、しっかりと前に向かって歩みを進めてきました。全国から頂いた温かいメッセージは、こうした県民の皆さんの思いが多くの方々に伝わり、共感を得て、一つの形となって現れたものであります。今後とも、福島に心を寄せてくださる方々の力をお借りしながら、全庁一丸となって、復興・創生に向けて思い描いてきた夢や希望を一つ一つ実現し、福島の新たな未来の創造に全力で挑戦を続けてまいります。
福島県の人口は、依然として減少傾向にあり、厳しい状況が続いている中、移住者等が着実に増加するなど、震災以降、県民の皆さんを始め、関係の皆さんが懸命に努力を重ねてこられた成果が、目に見える形となって現れてきております。
一方で、新型感染症の影響などにより、社会環境が複雑・多様化している中、これからの地方創生・人口減少対策は、復興・再生との両輪により、これまで以上に全庁を挙げた取組が大変重要となります。このため、新年度は、「移住・定住」、「人づくり」、「地産地消」など、総合力が問われる5つのテーマについて、部局横断的に取組を進め、具体的な成果の創出につなげていくこととしております。引き続き、こうした取組を通して、新しい地方創生の在り方を生み出す流れを的確に捉えながら、地方創生・人口減少対策にしっかりと取り組んでまいります。
この10年、私はどんなに困難な状況の中にあっても、必ず復興を成し遂げるとの思いで、県民の皆さんと共に挑戦を続けてまいりました。そして10年が経過し、今、新たなステージを迎えた中、県民の皆さんに復興を実感していただくためには、これまで積み重ねてきた挑戦を形にしていく、かなえていくことが、これからの私の重要な使命であると考えております。そうした思いを多くの方々と共有し、復興の新たなステージを歩んでいくため、今回、「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」という新スローガンを掲げました。
この新スローガンに多くの方々から共感を頂き、「ふくしまの過去・現在・未来をたくさんの方々に伝えていきたい」、「復興への新たな一歩を踏み出したふくしまを応援していきたい」といった、数多くの応援メッセージが寄せられております。
福島県民はこの10年、どんな困難な状況にあっても、しっかりと前に向かって歩みを進めてきました。全国から頂いた温かいメッセージは、こうした県民の皆さんの思いが多くの方々に伝わり、共感を得て、一つの形となって現れたものであります。今後とも、福島に心を寄せてくださる方々の力をお借りしながら、全庁一丸となって、復興・創生に向けて思い描いてきた夢や希望を一つ一つ実現し、福島の新たな未来の創造に全力で挑戦を続けてまいります。
令和2年度決算見込みについて
次に、令和2年度一般会計の決算見込みについて申し上げます。
令和2年度予算につきましては、令和元年東日本台風等災害からの復旧と、復興・創生期間の最終年度として復興と地方創生を両輪で進めるための当初予算に加え、新型コロナウイルス感染症対策、さらには、本年2月に発生した福島県沖地震への緊急対応など、喫緊の課題に対応するため13度にわたる補正予算を編成してまいりました。
復興に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆5千753億円、歳出で1兆4千722億円となり、その差額である1千31億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源945億円を差し引いた実質収支額で、86億円程度となる見込みであります。
令和2年度予算につきましては、令和元年東日本台風等災害からの復旧と、復興・創生期間の最終年度として復興と地方創生を両輪で進めるための当初予算に加え、新型コロナウイルス感染症対策、さらには、本年2月に発生した福島県沖地震への緊急対応など、喫緊の課題に対応するため13度にわたる補正予算を編成してまいりました。
復興に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆5千753億円、歳出で1兆4千722億円となり、その差額である1千31億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源945億円を差し引いた実質収支額で、86億円程度となる見込みであります。
提出議案について
提出議案について御説明申し上げます。
令和3年度一般会計補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症対策のほか、福島県沖地震への対応、政府において処理水の処分方針が決定されたことにより懸念される風評への対策など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は、240億4千2百万円となり、本年度予算の累計は1兆3千43億8千8百万円となります。
特別会計等補正予算案につきましては、港湾整備事業特別会計及び福島県立病院事業会計において、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
その他の議案といたしましては、条例が「福島県帰還環境整備交付金基金条例の一部を改正する条例」など21件、条例以外の議案が「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加について」など10件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。
令和3年度一般会計補正予算案につきましては、新型コロナウイルス感染症対策のほか、福島県沖地震への対応、政府において処理水の処分方針が決定されたことにより懸念される風評への対策など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は、240億4千2百万円となり、本年度予算の累計は1兆3千43億8千8百万円となります。
特別会計等補正予算案につきましては、港湾整備事業特別会計及び福島県立病院事業会計において、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
その他の議案といたしましては、条例が「福島県帰還環境整備交付金基金条例の一部を改正する条例」など21件、条例以外の議案が「県の行う建設事業等に対する市町村の負担の追加について」など10件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。