県議会定例会(令和4年6月)
印刷用ページを表示する 掲載日:2022年6月21日更新
令和4年6月福島県議会定例会知事説明要旨(令和4年6月21日)
6月県議会定例会が開催されるに当たり、当面する重要な議案を提出いたしました。
以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、3月に発生した福島県沖を震源とする地震によってお亡くなりになられた方に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被害にあわれた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
県では、県内全ての市町村に被災者生活再建支援法を適用するとともに、災害救助法の適用対象外である「準半壊に至らない住家」の応急修理についても、県独自の補助を実施しております。
また、被災された事業者に対しては、施設等の復旧を支援するグループ補助金や資金繰り支援等の対策を行っているところであります。
引き続き、被災された方々が一日も早く元の生活を取り戻されるよう、県の総力を挙げて対応してまいりますので、県議会の皆さんを始め、県民の皆さんの御理解、御協力をお願い申し上げます。
続いて、県政に関する当面の諸課題について、所信の一端を述べさせていただきます。
以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、3月に発生した福島県沖を震源とする地震によってお亡くなりになられた方に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被害にあわれた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
県では、県内全ての市町村に被災者生活再建支援法を適用するとともに、災害救助法の適用対象外である「準半壊に至らない住家」の応急修理についても、県独自の補助を実施しております。
また、被災された事業者に対しては、施設等の復旧を支援するグループ補助金や資金繰り支援等の対策を行っているところであります。
引き続き、被災された方々が一日も早く元の生活を取り戻されるよう、県の総力を挙げて対応してまいりますので、県議会の皆さんを始め、県民の皆さんの御理解、御協力をお願い申し上げます。
続いて、県政に関する当面の諸課題について、所信の一端を述べさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症対策について
はじめに、「新型コロナウイルス感染症対策」についてであります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、3月中旬以降、感染が再拡大したことから、軽症者の占める割合が多いオミクロン株の特性を踏まえ、自宅療養者に対する支援体制の強化や、病床と宿泊療養施設の安定的な確保など、万全な医療提供体制の構築に努めてまいりました。
また、新規陽性者に占める子どもの割合が高いことなどを受け、先月16日から「子どもの感染拡大防止重点対策」として、各学校や児童関連施設等における感染防止対策に取り組んでまいりましたが、新規陽性者数が減少傾向となったことから、今月12日で重点対策を終了し、基本対策へと移行いたしました。感染の再拡大を防ぐため、今後も気を緩めることなく、日常的な感染防止対策の徹底を図ってまいります。
一方で、長引く新型感染症の影響により、県内経済は大変厳しい状況が続いております。引き続き、感染防止対策認定店を対象としたプレミアム付き電子食事券の発行や宿泊割引事業などの取組を進め、感染症対策と社会・経済活動の両立に力を尽くしてまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、3月中旬以降、感染が再拡大したことから、軽症者の占める割合が多いオミクロン株の特性を踏まえ、自宅療養者に対する支援体制の強化や、病床と宿泊療養施設の安定的な確保など、万全な医療提供体制の構築に努めてまいりました。
また、新規陽性者に占める子どもの割合が高いことなどを受け、先月16日から「子どもの感染拡大防止重点対策」として、各学校や児童関連施設等における感染防止対策に取り組んでまいりましたが、新規陽性者数が減少傾向となったことから、今月12日で重点対策を終了し、基本対策へと移行いたしました。感染の再拡大を防ぐため、今後も気を緩めることなく、日常的な感染防止対策の徹底を図ってまいります。
一方で、長引く新型感染症の影響により、県内経済は大変厳しい状況が続いております。引き続き、感染防止対策認定店を対象としたプレミアム付き電子食事券の発行や宿泊割引事業などの取組を進め、感染症対策と社会・経済活動の両立に力を尽くしてまいります。
東日本大震災からの復旧・復興について
次に、「避難地域の復興・再生」についてであります。
今月12日に、葛尾村の特定復興再生拠点区域において、帰還困難区域では初となる、居住に向けた避難指示の解除が実現しました。さらに、先週16日には、大熊町の避難指示解除日を今月30日とすることが決定したほか、双葉町においても避難指示解除に向けた取組が進められ、富岡町では準備宿泊が行われております。今後も、国や地元自治体と連携しながら、帰還環境の整備を始め、事業や生業の再建、移住の促進など、避難地域の復興・再生に全力で取り組んでまいります。
特に、「福島の創造的復興の中核」としての役割が期待されている「福島国際研究教育機構」につきましては、3月末に基本構想が決定され、機構の立地について県の提案を受け、本年9月までに決定することを目指すなど、施設整備のスケジュール等が示されたほか、先月には福島復興再生特別措置法が改正され、機構の設立等が新たに定められました。
これを受け、県では、今夏に策定される「新産業創出等研究開発基本計画」の検討など、法人設立に向けた準備に積極的に参画するとともに、適切な立地場所を推薦できるよう、広域自治体としての役割をしっかりと果たしてまいります。
また、先般、官房長官や復興大臣を始めとする関係省庁や政党に対し、来年度の予算に関する提案・要望活動を実施いたしました。多くの困難な課題を抱えている福島の復興を着実に進めていくためにも、進捗状況に応じたきめ細かな対応と十分な財源の確保を求めてまいります。
先週17日に、原発事故の集団訴訟における国の責任について、初めて最高裁判所の判断が示されました。県といたしましては、引き続き、国に対し、中間指針の見直しも含めた賠償の在り方について、速やかに検討するよう求めるとともに、本県の復興・再生や原発の廃炉等に最後まで責任を持って対応するよう求めてまいります。
次に、「環境回復」について申し上げます。
福島第一原発・第二原発の廃炉につきましては、これまでの取組により着実に前進しているものの、依然としてトラブルが発生しており、今後も燃料デブリの取り出しを始め、多くの困難な作業が続くことから、引き続き、国及び東京電力に対し、緊張感を持って、安全かつ着実に廃炉作業を進めるよう強く求めてまいります。
ALPS処理水の取扱いにつきましては、今月10日、経済産業大臣に対し、農林水産業や観光業の事業者を始めとした関係の方々へ丁寧な説明を行うとともに、関係者の声をしっかりと受け止め、理解が深まるよう取り組むことなどを改めて求めてまいりました。ALPS処理水の問題は、福島だけでなく日本全体の問題であることから、今後も国が前面に立ち、行動計画に基づきながら責任を持って取り組むよう、あらゆる機会を通じて求めてまいります。
また先月、ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等について、東京電力が原子力規制委員会に提出していた実施計画の変更認可申請書に係る審査書案が了承されました。これに伴い、県では廃炉安全監視協議会等を開催し、当該審査書案の内容を確認したところであり、引き続き、関係市町村や専門家の意見を伺いながら、計画の安全面に関する確認作業を進めてまいります。
次に、「産業政策」について申し上げます。
3月に、日独産業協会が主催する気候変動対策をテーマとした国際シンポジウムに参加いたしました。本県における再生可能エネルギーの導入や水素社会の実現に向けた取組について紹介し、こうした挑戦を続けていくことが、日本全体をけん引するだけでなく、世界にも大きな影響を与えることを広く発信したところであります。
4月には、阿武隈高地において、国内最大規模となる陸上風力発電所の建設工事が開始されるなど、本県における再生可能エネルギーの導入は着実な進展を見せております。今後は、発電施設の安定稼働が重要となることから、引き続き、技術開発を支援するとともに、民間の訓練施設等と連携した風力メンテナンスの人材育成を強化してまいります。
また、水素の取扱いに必要な資格の取得や研修等の費用を支援する制度も創設し、水素関連産業への新規参入や事業の拡大につなげてまいります。
こうした取組と併せて、県では、持続可能な脱炭素社会の形成を図るため、先月、「福島県2050年カーボンニュートラルロードマップ」を策定いたしました。本ロードマップでは、産業、運輸、家庭などの部門別に取り組むべき対策や削減目標等を設定したところであり、全県一体となって地球温暖化対策を推進してまいります。
次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
昨年度は、県産農産物の輸出実績が約432トンと過去最高を更新したほか、オンラインストアにおける売上実績も30億円の大台を超えるなど、これまでの取組が着実に成果となって現れております。
また、先月開催された全国新酒鑑評会では、「ふくしまの酒」が金賞受賞数9回連続日本一という偉業を達成しました。この快挙は、県内の酒造りに関わる皆さん全ての情熱が成し遂げたものであり、正に「ふくしまプライド。」そのものであります。
こうした県民の皆さんの復興へ向けた歩みを力強く進めていくためにも、引き続き、国や関係機関と連携しながら、本県の様々な魅力が国内外に広く伝わる取組を展開してまいります。
特に、今月末には、英国において輸入規制の撤廃が見込まれるなど、更なる輸出拡大に向けた機運が高まっていることから、海外での営業活動等を行う輸出コーディネーターを配置するほか、現地の専門家の御協力を頂きながら、安全・安心に関する正確な情報発信の強化を図ってまいります。
次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
4月に、県内7つの農業団体と共に、新規就農者の確保・育成に向けた連携協議会を設立いたしました。各農林事務所に就農コーディネーターを配置し、地域ぐるみによる受入体制の整備や雇用就農等に力を入れてまいります。
林業につきましては、「ふくしま県産材利用推進方針」を改正し、対象を公共建築物から建築物一般に拡大するとともに、今後、県が整備する全ての建築物について県産材の利用を原則とすることを明記いたしました。
また、県林業研究センター内に林業アカデミーふくしまを開講し、地域の森林経営管理を担える人材を育成するなど、本県林業の更なる復興・再生を図ってまいります。
水産業につきましては、県産水産物のおいしさ等を発信するサイトを新たに開設したほか、水産加工品の開発を積極的に支援し、ブランド力を強化するなど、県産水産物の更なる消費拡大に努めてまいります。
また今般、県産農林水産物のブランド力強化の一環として、戦略的な情報発信に取り組むことといたしました。現場主義の視点から、職員自らが生産現場を取材して動画等を制作し、あらゆるメディアを活用して発信するなど、県産農林水産物のおいしさや「福島ならでは」の魅力がしっかりと伝わるよう取り組んでまいります。
一方で、先月25日から今月3日にかけて、県内の広範囲で発生した降ひょうにより、果樹を始めとする農作物等に多大な被害が発生いたしました。私も実際に現地を訪れ、被害の大きさを痛感したところであります。県では、関係機関・団体等との連携を密にし、被害を受けた農業者の皆さんが安心して営農を継続できるよう、技術的な対策を図るとともに、必要となる財政支援を早急に講じ、地域農業の維持と農業経営の安定化に全力を挙げてまいります。
次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
この春には、だて支援学校が新たに開校したほか、県立高等学校の統合により、須賀川創英館高等学校、会津西陵高等学校、いわき湯本高等学校、相馬総合高等学校、ふくしま新世高等学校の5校が開校いたしました。引き続き、地域の方々の御協力を頂きながら、それぞれの学校の特色をいかした教育活動を展開してまいります。
また、本年度からスタートした「学びの変革推進プラン」に基づき、「福島ならでは」の教育を充実させることで、多様な個性をいかし、対話と協働を通して、社会や地域を創造することができる人材の育成に努めてまいります。
一方で、県内においては、特別な支援を要する児童生徒が増加傾向にあることに加え、DVやネグレクト、ヤングケアラーなど、自分の力だけでは解決できない課題を抱える子どもたちへの支援が必要なことから、一人一人の置かれた状況をしっかりと把握し、関係機関と連携しながら対応するなど、子どもたちに寄り添ったきめ細かな支援を行ってまいります。
次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
長引く新型感染症の影響などにより、運動や社会参加の機会が減少するなど、県民の皆さんの健康への影響が懸念されます。
このため、県立医大と連携し、健康づくりに関する動画を新たに作成するほか、ふくしま健民アプリによる運動の動機付けなど、様々な取組を積極的に展開してまいります。
また、令和元年度から本格運用を開始した福島県版健康データベースにおいて、データの収集と分析を進め、健康課題の見える化を図ってまいりました。今後は各市町村のニーズに応じて、分析結果を踏まえた対策や取組等を支援してまいります。
さらに、県民の皆さんが安心して暮らすためには、地域医療の充実が欠かせません。そのため、これまでも全国知事会社会保障常任委員長として、本県のみならず全国的な課題である医療提供体制や医師の確保等に取り組んできたところであります。引き続き、全国知事会と連携しながら、これら課題の解決に努め、全国に誇れる健康長寿県の実現を目指してまいります。
次に「インフラの整備等」について申し上げます。
この春、小名浜港を始めとした物流拠点と中通りを結ぶ、災害に強い地域連携道路として整備を進めてきた、主要地方道いわき石川線才鉢工区の供用を開始しました。当該工区は、東日本大震災の余震で大規模な地すべりが発生したほか、令和元年東日本台風でも甚大な被害に見舞われるなど、工事は難航を極めました。そうした困難を乗り越えてきた過程は、正に震災以降、本県が取り組んできた自然災害への挑戦そのものであります。今後も関係機関や市町村と連携しながら、災害に強い社会資本の整備に努め、安全・安心で活力に満ちた県土づくりを進めてまいります。
また、JR只見線につきましては、10月1日に全線で運転再開することが決定いたしました。これを受け、県では、8月1日に「只見線管理事務所」をJR会津若松駅舎内に新設し、JR東日本との協力関係の下、維持管理体制を構築するとともに、只見線を「日本一の地方創生路線」とするべく、地元自治体や関係団体と密接に連携しながら、利活用の促進と新たな魅力の創出に取り組んでまいります。
今月12日に、葛尾村の特定復興再生拠点区域において、帰還困難区域では初となる、居住に向けた避難指示の解除が実現しました。さらに、先週16日には、大熊町の避難指示解除日を今月30日とすることが決定したほか、双葉町においても避難指示解除に向けた取組が進められ、富岡町では準備宿泊が行われております。今後も、国や地元自治体と連携しながら、帰還環境の整備を始め、事業や生業の再建、移住の促進など、避難地域の復興・再生に全力で取り組んでまいります。
特に、「福島の創造的復興の中核」としての役割が期待されている「福島国際研究教育機構」につきましては、3月末に基本構想が決定され、機構の立地について県の提案を受け、本年9月までに決定することを目指すなど、施設整備のスケジュール等が示されたほか、先月には福島復興再生特別措置法が改正され、機構の設立等が新たに定められました。
これを受け、県では、今夏に策定される「新産業創出等研究開発基本計画」の検討など、法人設立に向けた準備に積極的に参画するとともに、適切な立地場所を推薦できるよう、広域自治体としての役割をしっかりと果たしてまいります。
また、先般、官房長官や復興大臣を始めとする関係省庁や政党に対し、来年度の予算に関する提案・要望活動を実施いたしました。多くの困難な課題を抱えている福島の復興を着実に進めていくためにも、進捗状況に応じたきめ細かな対応と十分な財源の確保を求めてまいります。
先週17日に、原発事故の集団訴訟における国の責任について、初めて最高裁判所の判断が示されました。県といたしましては、引き続き、国に対し、中間指針の見直しも含めた賠償の在り方について、速やかに検討するよう求めるとともに、本県の復興・再生や原発の廃炉等に最後まで責任を持って対応するよう求めてまいります。
次に、「環境回復」について申し上げます。
福島第一原発・第二原発の廃炉につきましては、これまでの取組により着実に前進しているものの、依然としてトラブルが発生しており、今後も燃料デブリの取り出しを始め、多くの困難な作業が続くことから、引き続き、国及び東京電力に対し、緊張感を持って、安全かつ着実に廃炉作業を進めるよう強く求めてまいります。
ALPS処理水の取扱いにつきましては、今月10日、経済産業大臣に対し、農林水産業や観光業の事業者を始めとした関係の方々へ丁寧な説明を行うとともに、関係者の声をしっかりと受け止め、理解が深まるよう取り組むことなどを改めて求めてまいりました。ALPS処理水の問題は、福島だけでなく日本全体の問題であることから、今後も国が前面に立ち、行動計画に基づきながら責任を持って取り組むよう、あらゆる機会を通じて求めてまいります。
また先月、ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等について、東京電力が原子力規制委員会に提出していた実施計画の変更認可申請書に係る審査書案が了承されました。これに伴い、県では廃炉安全監視協議会等を開催し、当該審査書案の内容を確認したところであり、引き続き、関係市町村や専門家の意見を伺いながら、計画の安全面に関する確認作業を進めてまいります。
次に、「産業政策」について申し上げます。
3月に、日独産業協会が主催する気候変動対策をテーマとした国際シンポジウムに参加いたしました。本県における再生可能エネルギーの導入や水素社会の実現に向けた取組について紹介し、こうした挑戦を続けていくことが、日本全体をけん引するだけでなく、世界にも大きな影響を与えることを広く発信したところであります。
4月には、阿武隈高地において、国内最大規模となる陸上風力発電所の建設工事が開始されるなど、本県における再生可能エネルギーの導入は着実な進展を見せております。今後は、発電施設の安定稼働が重要となることから、引き続き、技術開発を支援するとともに、民間の訓練施設等と連携した風力メンテナンスの人材育成を強化してまいります。
また、水素の取扱いに必要な資格の取得や研修等の費用を支援する制度も創設し、水素関連産業への新規参入や事業の拡大につなげてまいります。
こうした取組と併せて、県では、持続可能な脱炭素社会の形成を図るため、先月、「福島県2050年カーボンニュートラルロードマップ」を策定いたしました。本ロードマップでは、産業、運輸、家庭などの部門別に取り組むべき対策や削減目標等を設定したところであり、全県一体となって地球温暖化対策を推進してまいります。
次に、「風評・風化対策」について申し上げます。
昨年度は、県産農産物の輸出実績が約432トンと過去最高を更新したほか、オンラインストアにおける売上実績も30億円の大台を超えるなど、これまでの取組が着実に成果となって現れております。
また、先月開催された全国新酒鑑評会では、「ふくしまの酒」が金賞受賞数9回連続日本一という偉業を達成しました。この快挙は、県内の酒造りに関わる皆さん全ての情熱が成し遂げたものであり、正に「ふくしまプライド。」そのものであります。
こうした県民の皆さんの復興へ向けた歩みを力強く進めていくためにも、引き続き、国や関係機関と連携しながら、本県の様々な魅力が国内外に広く伝わる取組を展開してまいります。
特に、今月末には、英国において輸入規制の撤廃が見込まれるなど、更なる輸出拡大に向けた機運が高まっていることから、海外での営業活動等を行う輸出コーディネーターを配置するほか、現地の専門家の御協力を頂きながら、安全・安心に関する正確な情報発信の強化を図ってまいります。
次に、「農林水産業の再生」について申し上げます。
4月に、県内7つの農業団体と共に、新規就農者の確保・育成に向けた連携協議会を設立いたしました。各農林事務所に就農コーディネーターを配置し、地域ぐるみによる受入体制の整備や雇用就農等に力を入れてまいります。
林業につきましては、「ふくしま県産材利用推進方針」を改正し、対象を公共建築物から建築物一般に拡大するとともに、今後、県が整備する全ての建築物について県産材の利用を原則とすることを明記いたしました。
また、県林業研究センター内に林業アカデミーふくしまを開講し、地域の森林経営管理を担える人材を育成するなど、本県林業の更なる復興・再生を図ってまいります。
水産業につきましては、県産水産物のおいしさ等を発信するサイトを新たに開設したほか、水産加工品の開発を積極的に支援し、ブランド力を強化するなど、県産水産物の更なる消費拡大に努めてまいります。
また今般、県産農林水産物のブランド力強化の一環として、戦略的な情報発信に取り組むことといたしました。現場主義の視点から、職員自らが生産現場を取材して動画等を制作し、あらゆるメディアを活用して発信するなど、県産農林水産物のおいしさや「福島ならでは」の魅力がしっかりと伝わるよう取り組んでまいります。
一方で、先月25日から今月3日にかけて、県内の広範囲で発生した降ひょうにより、果樹を始めとする農作物等に多大な被害が発生いたしました。私も実際に現地を訪れ、被害の大きさを痛感したところであります。県では、関係機関・団体等との連携を密にし、被害を受けた農業者の皆さんが安心して営農を継続できるよう、技術的な対策を図るとともに、必要となる財政支援を早急に講じ、地域農業の維持と農業経営の安定化に全力を挙げてまいります。
次に、「子ども・若者育成」について申し上げます。
この春には、だて支援学校が新たに開校したほか、県立高等学校の統合により、須賀川創英館高等学校、会津西陵高等学校、いわき湯本高等学校、相馬総合高等学校、ふくしま新世高等学校の5校が開校いたしました。引き続き、地域の方々の御協力を頂きながら、それぞれの学校の特色をいかした教育活動を展開してまいります。
また、本年度からスタートした「学びの変革推進プラン」に基づき、「福島ならでは」の教育を充実させることで、多様な個性をいかし、対話と協働を通して、社会や地域を創造することができる人材の育成に努めてまいります。
一方で、県内においては、特別な支援を要する児童生徒が増加傾向にあることに加え、DVやネグレクト、ヤングケアラーなど、自分の力だけでは解決できない課題を抱える子どもたちへの支援が必要なことから、一人一人の置かれた状況をしっかりと把握し、関係機関と連携しながら対応するなど、子どもたちに寄り添ったきめ細かな支援を行ってまいります。
次に、「県民の健康増進」について申し上げます。
長引く新型感染症の影響などにより、運動や社会参加の機会が減少するなど、県民の皆さんの健康への影響が懸念されます。
このため、県立医大と連携し、健康づくりに関する動画を新たに作成するほか、ふくしま健民アプリによる運動の動機付けなど、様々な取組を積極的に展開してまいります。
また、令和元年度から本格運用を開始した福島県版健康データベースにおいて、データの収集と分析を進め、健康課題の見える化を図ってまいりました。今後は各市町村のニーズに応じて、分析結果を踏まえた対策や取組等を支援してまいります。
さらに、県民の皆さんが安心して暮らすためには、地域医療の充実が欠かせません。そのため、これまでも全国知事会社会保障常任委員長として、本県のみならず全国的な課題である医療提供体制や医師の確保等に取り組んできたところであります。引き続き、全国知事会と連携しながら、これら課題の解決に努め、全国に誇れる健康長寿県の実現を目指してまいります。
次に「インフラの整備等」について申し上げます。
この春、小名浜港を始めとした物流拠点と中通りを結ぶ、災害に強い地域連携道路として整備を進めてきた、主要地方道いわき石川線才鉢工区の供用を開始しました。当該工区は、東日本大震災の余震で大規模な地すべりが発生したほか、令和元年東日本台風でも甚大な被害に見舞われるなど、工事は難航を極めました。そうした困難を乗り越えてきた過程は、正に震災以降、本県が取り組んできた自然災害への挑戦そのものであります。今後も関係機関や市町村と連携しながら、災害に強い社会資本の整備に努め、安全・安心で活力に満ちた県土づくりを進めてまいります。
また、JR只見線につきましては、10月1日に全線で運転再開することが決定いたしました。これを受け、県では、8月1日に「只見線管理事務所」をJR会津若松駅舎内に新設し、JR東日本との協力関係の下、維持管理体制を構築するとともに、只見線を「日本一の地方創生路線」とするべく、地元自治体や関係団体と密接に連携しながら、利活用の促進と新たな魅力の創出に取り組んでまいります。
地方創生・人口減少対策について
次に、「地方創生・人口減少対策」について申し上げます。
先月、「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミット」を本県で初めて開催し、これからの日本を担う将来世代が、夢や希望を持ち、かなえられる社会を目指していくことを「ふくしま声明」として宣言いたしました。
一方で、本年4月、県推計人口が戦後初めて180万人を下回るなど、本県における人口減少は喫緊の課題となっております。人口減少対策は総合政策であり、何か一つ実施すれば解決するというものではありません。
そのため、今年度からスタートした新しい総合計画では、福島の将来の姿をSDGsの視点から描き、それらを実現するための施策と数値目標を盛り込むとともに、計画に掲げた豊かな県づくりを実現するため、新たに「ふくしまSDGs推進プラットフォーム」を設置いたしました。今後、県内のあらゆる分野の団体と連携、協働しながら、復興の加速化と「福島ならでは」の地方創生をしっかりと進め、人口減少対策に取り組んでまいります。
先月、「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミット」を本県で初めて開催し、これからの日本を担う将来世代が、夢や希望を持ち、かなえられる社会を目指していくことを「ふくしま声明」として宣言いたしました。
一方で、本年4月、県推計人口が戦後初めて180万人を下回るなど、本県における人口減少は喫緊の課題となっております。人口減少対策は総合政策であり、何か一つ実施すれば解決するというものではありません。
そのため、今年度からスタートした新しい総合計画では、福島の将来の姿をSDGsの視点から描き、それらを実現するための施策と数値目標を盛り込むとともに、計画に掲げた豊かな県づくりを実現するため、新たに「ふくしまSDGs推進プラットフォーム」を設置いたしました。今後、県内のあらゆる分野の団体と連携、協働しながら、復興の加速化と「福島ならでは」の地方創生をしっかりと進め、人口減少対策に取り組んでまいります。
令和3年度決算見込みについて
次に、令和3年度一般会計の決算見込みについて申し上げます。
令和3年度予算につきましては、第2期復興・創生期間の初年度として、復興と地方創生を両輪に、切れ目なく前進させるための当初予算に加え、新型コロナウイルス感染症対策、さらには令和3年2月に発生した福島県沖地震への緊急対応など、喫緊の課題に対応するため、19度にわたる補正予算を編成してまいりました。
復興に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆5千358億円、歳出で1兆4千763億円となり、その差額である595億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源514億円を差し引いた実質収支額で、81億円程度となる見込みであります。
令和3年度予算につきましては、第2期復興・創生期間の初年度として、復興と地方創生を両輪に、切れ目なく前進させるための当初予算に加え、新型コロナウイルス感染症対策、さらには令和3年2月に発生した福島県沖地震への緊急対応など、喫緊の課題に対応するため、19度にわたる補正予算を編成してまいりました。
復興に係る広範かつ多額の財政需要に対しましては、「原子力災害等復興基金」を始めとする各種基金や震災復興特別交付税を活用するなど、あらゆる方策を講じて財源確保に努めてきたところであります。
この結果、一般会計の決算見込額は、歳入で1兆5千358億円、歳出で1兆4千763億円となり、その差額である595億円から翌年度への繰越事業に充当すべき財源514億円を差し引いた実質収支額で、81億円程度となる見込みであります。
提出議案について
提出議案について御説明申し上げます。
令和4年度一般会計補正予算案につきましては、福島県沖を震源とする地震への対応のほか、新型コロナウイルス感染症対策、国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策への対応など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は、146億1千1百万円となり、本年度予算の累計は1兆2千912億3千万円となります。
特別会計等補正予算案につきましては、港湾整備事業特別会計及び福島県立病院事業会計において、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例等の一部を改正する条例」など11件、条例以外の議案が「公立大学法人福島県立医科大学が徴収する料金の上限の一部変更の認可について」など19件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。
令和4年度一般会計補正予算案につきましては、福島県沖を震源とする地震への対応のほか、新型コロナウイルス感染症対策、国の原油価格・物価高騰等総合緊急対策への対応など、緊急に措置すべき経費を計上いたしました。
これによる一般会計補正予算の総額は、146億1千1百万円となり、本年度予算の累計は1兆2千912億3千万円となります。
特別会計等補正予算案につきましては、港湾整備事業特別会計及び福島県立病院事業会計において、それぞれ所要の経費を計上いたしました。
その他の議案といたしましては、条例が「福島県税条例等の一部を改正する条例」など11件、条例以外の議案が「公立大学法人福島県立医科大学が徴収する料金の上限の一部変更の認可について」など19件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願い申し上げます。