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県議会定例会(令和6年2月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年2月14日更新

令和6年2月福島県議会定例会知事説明要旨(令和6年2月14日)

 2月県議会定例会が開催されるに当たり、令和6年度一般会計予算案を始め、重要な議案を提出いたしました。
 以下、そのあらましについて御説明いたしますが、それに先立ち、令和6年能登半島地震について申し上げます。
 地震発生から1か月余りが経過し、被災地では、復旧に向けた動きが徐々に見え始めてまいりました。犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
 福島県といたしましても、現地に職員を派遣するなど、東日本大震災等の経験を踏まえた様々な支援活動を行っており、今後も最大限の支援を継続してまいる考えであります。

 続いて、県政に関する当面の諸課題について所信の一端を述べさせていただきます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、県内においても様々な場面で県民の皆さんに笑顔と活気が戻るなど、コロナ禍前のような日常を徐々に取り戻しつつあることを実感する年となりました。
 そのような中、創造的復興の中核拠点を目指す「福島国際研究教育機構(F-REI)」が設立されたほか、県内6町村に設定されていた特定復興再生拠点区域の避難指示解除、さらには特定帰還居住区域が創設され、帰還困難区域全体の避難指示解除に向けた大切な一歩を踏み出すなど、復興に向けた動きが一段と加速しております。また、県全体で見ましても、県産品の輸出額が過去最高を記録し、県内への移住者数や新規就農者数も過去最多を更新するなど、これまで続けてきた挑戦の成果が目に見える形となって現れています。
 一方で、避難地域の復興・再生、廃炉と汚染水・処理水対策、風評と風化の問題を始め、急激に進む人口減少への対応、度重なる自然災害からの復旧、さらには原油価格・物価高騰対策など、本県は依然として多くの困難な課題を抱えております。
 引き続き、県民の皆さんの切実な思い、復興・創生への強い願いをしっかりと受けとめながら、県民の皆さんが復興を実感し、未来に夢や希望を抱いていただけるよう、挑戦を絶えず「シンカ」させ、全力で福島の未来を切り拓いてまいります。

令和6年度予算の概要について

 令和6年度一般会計予算案の概要について申し上げます。
 歳入につきましては、原油価格・物価高騰などが及ぼす社会・経済活動への影響を踏まえ、一般財源総額の確保に努めるとともに、原子力災害等復興基金などの各種基金等を有効に活用し、必要な財源を計上いたしました。
 歳出につきましても、これまで取り組んできた事業の効果をしっかりと検証しながら、徹底した事務事業の見直しに努めたところであります。
 その結果、一般会計予算の総額は、復興・創生分2,394億円を含め、1兆2,381億円となります。
 総合計画の3年目となる令和6年度は、これまで続けてきた挑戦を更に「シンカ」させ、計画に掲げた将来の姿の実現に向け、一つ一つの施策を着実に前進させていくことが重要であります。
 このため、予算編成に当たりましては、現下の物価高騰に適切に対応しながら、複合災害からの復興や、人口減少の克服に向けた「福島ならでは」の地方創生を一層加速させるとともに、防災力の強化や地球温暖化対策、デジタル変革の着実な推進等に取り組むため、総合計画の8つの重点プロジェクトを中心に、重点的かつ優先的な予算配分を行いました。

 以下、総合計画に掲げた重点プロジェクトの区分に従い、新年度の主な施策について御説明申し上げます。

 はじめに、避難地域等復興加速化プロジェクトについてであります。
 昨年12月に閣議決定された国の令和6年度予算案においては、これまであらゆる機会を捉え、福島の置かれた厳しい状況を丁寧に説明してきたことにより、本県の要望を踏まえた対応がなされたところであります。引き続き、第2期復興・創生期間はもとより、その後においても切れ目なく安心感を持って復興に取り組むための制度や財源がしっかりと確保されるよう、国に強く求めてまいります。
 避難地域においては、先月16日に浪江町の一部地域が、新たに特定帰還居住区域として設定され、今月2日には、大熊町においても対象区域が追加設定されました。
 また、震災後にいわき市へ避難していた富岡支援学校が、来年度、「ふたば支援学校」として、楢葉町に整備した新校舎へ移転するほか、双葉地域における中核的病院の整備につきましても、病院の具体的な機能等を盛り込んだ基本計画の策定に着手し、速やかな施設整備に向けて取組を進めるなど、引き続き、国や地元自治体と連携しながら、帰還環境の整備等に取り組んでまいります。
 福島イノベーション・コースト構想につきましては、6つの重点分野に係る実用化開発の支援や、太陽光パネルのリサイクル体制構築に向けた新たなモデル事業等を実施するとともに、F-REIの開設効果を広域的に波及させるため、国や市町村、関係機関と連携した広域ネットワークの形成等を推進してまいります。

 次に、人・きずなづくりプロジェクトについてであります。
 ALPS処理水の海洋放出以降、県内において大きな風評被害は確認されておりませんが、県産農産物の価格水準が低下したまま固定化する傾向にあるなど、依然として風評は根強く残っております。
 そのため、「福島県風評・風化対策強化戦略」に基づき、市町村や国、民間企業等と連携しながら、多様な媒体と手法を駆使した効果的な情報発信を行っていくほか、県自らが企画・運営する広報媒体、いわゆる「オウンドメディア」を新たに構築するなど、戦略的な情報発信を展開してまいります。
 一方、県内においては、震災時の経験や記憶のない子どもたちが増えていることから、震災と復興に関する地域課題探究活動を通じて、自ら考え、自らの言葉で語ることができる「高校生語り部」の育成に力を入れていくとともに、県内の語り部団体の結びつきを深め、人材育成や県外派遣等を強化することにより、震災の記憶と教訓の持続的な発信に取り組んでまいります。
 また、グローバルな視点を持って本県の発展に貢献できる人材を輩出していくため、産学官連携の下、県内高校生の海外研修等を支援する体制を整備し、国境を越えた多様な人々との交流や探究活動等を通じて、グローバル人材の育成を図ってまいります。

 次に、安全・安心な暮らしプロジェクトについてであります。
 近年、自然災害が頻発化・激甚化していることから、自助・共助・公助が一体となった防災対策を推進するため、防災の基本理念等を定めた新たな条例の検討作業を進めるとともに、「マイ避難」の定着・実践に向けた防災イベントの実施や、来月提供を開始する防災アプリの普及拡大などにより、更なる防災意識の向上と迅速な避難行動につなげてまいります。
 加えて、防災士の資格を有する「地域防災サポーター」を新たに導入し、自主防災組織の活性化や地区防災計画の策定を促進するなど、地域防災力の向上に取り組むほか、県と市町村で構成する「ふくしま災害時相互応援チーム」の体制を強化することで、大規模災害時における建物被害認定調査の迅速化等を図ってまいります。
 なお、ふくしま災害時相互応援チームについては、先週9日まで、富山県氷見市において建物被害認定調査の支援に当たりました。多くの県内市町村から要請数を上回る派遣の申し出があり、「東日本大震災の恩返し」との思いを持って支援に当たる姿に、現地の方々からも感謝の声が多数寄せられたところであります。
 また、来月3日には、下郷町の国道118号小沼崎バイパスが、会津縦貫南道路の一部として初めて開通し、続く25日には金山町の国道252号水沼工区が完成いたします。能登半島地震では、被害の大きかった地域につながる道路が寸断され、救助活動や物資輸送を滞らせる要因の一つとなったことから、こうした災害に強い道路ネットワークの整備を着実に進めてまいります。
 さらに、流域内のあらゆる関係者が協働して取り組む「流域治水」、福島県緊急水災害対策プロジェクトの推進など、県土強靱化に全力を挙げるとともに、喫緊の課題となっている危険な盛土問題につきましても、今定例会に提案している「土砂等の埋立て等の規制に関する条例」や、盛土規制法に基づく規制区域の指定を行うことなどにより、安全で安心な生活環境の実現を図ってまいります。
 地域医療の確保・充実につきましては、今後の感染症危機に備えた医療提供体制をしっかりと構築していくほか、県立南会津病院における長期的なリハビリ等のニーズを踏まえた地域包括ケア病床の整備、県立医科大学附属病院の新病棟建設に係る検討作業などを進めてまいります。
 併せて、看護・介護人材の確保を図るため、看護体験等を通じた看護職の魅力発信や、若手介護職員と高校生との交流会の開催、外国人介護人材の受入環境整備など、様々な取組を実施してまいります。
 福島第一原発の廃炉と汚染水・処理水対策につきましては、今月7日、高温焼却炉建屋の配管から放射性物質を含む水が漏えいする事案が発生しました。こうした県民に不安を与えるトラブルが繰り返されることは、あってはならないことであり、東京電力に対し、原因を調査・分析の上、再発防止と安全管理体制の構築を改めて徹底することなどを強く申し入れたところであります。
 また先月25日には、東京電力から第一原発2号機における燃料デブリの試験的取り出しについて、堆積物除去作業の状況等を踏まえ、今年度後半としていた着手時期を、遅くとも今年10月頃とすることが公表されました。廃炉に向けた取組が安全かつ着実に進められることが本県復興の大前提であり、引き続き、国や東京電力の取組をしっかりと監視してまいります。
 ALPS処理水の海洋放出につきましても、引き続き、想定外の事態が生じることのないよう、国及び東京電力に対し、油断することなく、万全の対策を講じるとともに、海域モニタリングの結果等も含め、正確で分かりやすい情報発信に取り組むよう強く求めてまいります。

 次に、産業推進・なりわい再生プロジェクトについてであります。
 県内経済は緩やかに持ち直しているものの、依然として原油価格・物価高騰などの影響が県民生活や事業活動に及んでいることから、これまで実施してきた支援策の効果や中長期的な視点も踏まえながら、適時適切に対応してまいります。
 中小企業等の振興につきましては、引き続き、資金繰りや省エネ設備の導入等を支援していくほか、関係機関との連携による伴走型支援、知財戦略の推進、ハイテクプラザによる技術支援など、県内企業の更なる発展に向けた取組を着実に進めてまいります。
 今後の成長が期待される新産業につきましても、産学連携による水素研究を始め、ロボット産業における共同受注や海外出展等を新たに支援し、関連産業の育成と集積につなげてまいります。
 農林水産業の振興につきましては、将来の農地利用の姿を明確化した「地域計画」の策定や、飼料価格の高騰に対する支援、県オリジナル品種の作付面積拡大、ゲノミック評価と国内初のAIを活用した肉質評価による福島牛のブランド力向上など、生産力の強化と高付加価値化に向けた取組を進めてまいります。
 水産業につきましても、計画的な操業拡大への支援や担い手の確保・育成、流通加工業者の販路回復を図るなど、水産業の復興に向けた好循環サイクルが力強く機能するよう、総合的な施策を推進してまいります。
 また、米生産者と蔵元等が一丸となった「オールふくしまによる酒づくり」を進めるため、県オリジナル酒米の生産体制整備や、デジタル技術による日本酒製造工程の可視化、大吟醸酒に対応可能な新品種の開発等を行うとともに、国内外に向けた一層の消費拡大に努めるなど、関係部局一体となって「ふくしまの酒」の振興を図ってまいります。
 ホープツーリズムにつきましては、今年度上半期の参加件数が過去最高を更新しました。引き続き、教育旅行や企業研修はもとより、浜通りならではの魅力を加えた一般観光客向け旅行商品の造成を支援するなど、更なる交流人口の拡大に取り組んでまいります。

 次に、輝く人づくりプロジェクトについてであります。
 県民誰もがいきいきと輝いて暮らしていけるよう、性別による無意識の思い込み、いわゆる「アンコンシャス・バイアス」の解消に向けた啓発活動などにより、誰もが暮らしやすい県づくりを進めていくほか、2025年に本県で開催される「東京2025デフリンピック」のサッカー競技を契機とした多岐にわたる取組等を通じて、共生社会の実現を図ってまいります。
 また、いきいきとした生活を送るためには、心身共に健康であることが欠かせません。そのため、健康づくりの推進につきましては、生活習慣病の発症リスク低下に向けた、メタボリック・シンドロームの予防等、健康課題の改善を呼び掛ける取組を始め、ふくしま健民アプリの活用によるウォーキング等の推進、企業・関係団体と連携した減塩の実践やベジ・ファーストの普及を図るなど、多様な取組により健康長寿県の実現を目指してまいります。
 結婚・出産・子育ての支援につきましては、民間企業等と連携した出会いの場を創出していくとともに、若い世代を対象として、将来の妊娠などに備えた健康管理を支援する「プレコンセプションケア」の推進、最寄りの分娩施設が遠く、遠方での出産が必要な妊婦に対する宿泊費用の支援などを行ってまいります。
 さらに、子育てしやすい県づくりの気運を醸成するため、子育て応援パスポートの普及拡大や保育施設における「遊び」環境の改善、保育士が働きやすい職場環境づくり、保育の質を高めることなどにより、安心して子どもを生み育てることができる環境を整備してまいります。
 教育環境の充実につきましては、一方通行の画一的な授業から、個別最適化された学び、協働的な学び、探究的な学びへと転換する「学びの変革」と、その実現のための環境づくりとして「学校の在り方の変革」を進めてまいります。
 特に、ICTを活用した「福島ならでは」の教育を始め、児童生徒の英語力向上に向けた小中高連携の推進や、高校生を対象とした対話型AIの活用による授業の改善、年間を通じた英語担当教員の研修を実施するなど、学びと指導の変革に力を入れてまいります。
 併せて、県立高等学校改革で再編する学校の校舎等を着実に整備し、空き校舎等を地域振興などに利活用する市町村についても、引き続き、丁寧に支援してまいります。

 次に、豊かなまちづくりプロジェクトについてであります。
 世界的な気候変動への対応は、本県においても喫緊の課題であることから、今年秋の制定を目指す「カーボンニュートラルの推進等に関する条例」を踏まえた啓発活動を実施していくほか、環境アプリを活用した行動変容を促す取組や電気自動車の導入推進、温室効果ガスの削減等を通じて資金を循環させる「J-クレジット」の創出、ごみ減量化に向けた取組の普及啓発等を図ってまいります。
 また、豊かなまちづくりに当たっては、日々の暮らしの利便性向上や地域全体の活力向上が重要であることから、市町村が行う地域公共交通の確保に向けた取組への支援を始め、ローカル鉄道の魅力発信による利活用の促進や沿線地域の活性化に取り組んでいくとともに、県や市町村における行政手続オンライン申請サービスの更なる拡大、地域住民が主体となって持続的に生活機能を維持・確保する「小さな拠点」づくりを支援するなど、地域課題の解決に向けた様々な取組を進めてまいります。

 次に、しごとづくりプロジェクトについてであります。
 本県には、魅力的な企業や事業所が数多くありますが、こうした存在を知らないまま県外へ就職する若者も少なくありません。特に女性の県外転出は深刻な状況にあり、令和3年までの直近10年間における転出数が都道府県別でワースト1位となっています。
 こうした状況を打開するため、昨年から「感働!ふくしま」プロジェクトをスタートさせ、県内企業や福島で働くことの魅力を広く発信するなど、様々な取組を進めてまいりました。引き続き、県内企業の認知度向上に向けた情報発信を一層強化していくとともに、企業見学会や職業体験イベント等の開催、東京と県内に設置する相談窓口での就職相談、働く女性のキャリアアップ支援、地域産業の魅力向上に向けたデジタル技術の導入など、取組の更なる拡充を図り、若い世代の地元就業を促進してまいります。
 また、多様な人材の呼び込みと、地元企業との連携による新事業の創出を目指すため、これまでにないようなアイデアで、地域課題の解決に向けたサービス等を提供するスタートアップを手厚く支援してまいります。
 農林業分野における人材確保につきましては、福島県農業経営・就農支援センターや林業アカデミーふくしまを通じて、多様な担い手の確保・育成を図っていくほか、移住就農者の住環境を始めとした受入体制を強化し、新規就農者の安定確保に努めてまいります。
 併せて、こうした農業人材の確保と経営規模の拡大等につなげていくため、GPSの精度を高める基地局を県内一円に設置し、精緻な位置情報を活用したスマート農業を推進するなど、生産性や収益性の高い農業の実現を目指してまいります。

 次に、魅力発信・交流促進プロジェクトについてであります。
 先月16日から運航が開始された台湾チャーター便の初便に搭乗し、台湾の航空会社や関係機関を訪問してまいりました。直行便の就航を契機とした更なる交流拡大への協力を要請する中で、現地関係者の皆さんからは、「福島がより身近になった」、「非常に可能性のある地域だ」などの高い評価を頂いたところであります。今後も双方向での搭乗実績を着実に積み重ねていけるよう、本県の魅力が伝わる効果的な情報発信はもとより、パスポートの取得支援や地域間交流、教育旅行の推進など、インバウンド、アウトバウンドの両面から様々な取組を進めてまいります。
 また、こうした国内外に対する情報発信に当たっては、各部局の連携を強化し、相乗効果を生み出すことで、本県の正確な情報や魅力等を効果的に発信していくとともに、2026年と2027年に開催する「ゴッホ展」に向けた取組などを通じて、復興の歩みを着実に進める福島の姿を国内外に広く発信してまいります。
 県内への移住・定住の促進につきましては、県外流出が顕著な若い世代のUターンを促すため、首都圏に在住する本県出身の若年層に向けたプロモーション活動や交流会の開催などにより、将来的なUターンへとつなげてまいります。
 さらに、県営住宅の空き住戸を活用し、若者等を対象とした「お試し移住」を推進するほか、市町村の空き家対策支援による移住者の住まい確保、副業やテレワーク、県外企業の地域貢献など様々な機会を通じた関係人口の創出・拡大に力を入れ、「福島ならでは」の移住・定住対策を積極的に進めてまいります。

 以上、新年度の主要な施策等について申し上げました。

 「明るい姿だけが福島の全てでしょうか」
 これは、昨年の東日本大震災追悼復興祈念式において、高校生の若者たちが目に涙を浮かべながら語った言葉です。
 若者の一人は、一昨年、富岡町を訪れました。避難指示が解除されても、荒れたままの田畑や公園、無人の家々が立ち並ぶ町の姿を目の当たりにし、やるせない気持ちで胸がいっぱいになったそうです。
 本県には、復興が進む明るい側面がある一方で、いまだ厳しい現実や困難な課題も数多くあります。若者たちは、そうした光と影が入り交じる福島の姿を、自分たちの世代が必ず伝え続けていくと、震災の犠牲となられた御霊の前で固く誓ってくれました。
 あの震災から間もなく13年。福島は、また新たな春を迎えます。
 時間の経過とともに、震災の記憶の風化も進んでいますが、全国各地で甚大な自然災害が相次いでいる今、福島県が震災と原発事故から、どのように復旧・復興の歩みを進めてきたのか、どのような困難を抱え、今も苦しみ続けているのか、そうした教訓となる事実と経験を、私たちは伝え続けていかなければなりません。
 そして、若者たちも誓っていたように、復興が進み、希望の光が輝きを増しても、その光の影には、数え切れないほどの涙や葛藤があること、春を待ち望んでいた多くの人々がおられたことを、改めて深く胸に刻みながら、私はこれからも、県民の皆さんや本県に思いを寄せてくださる全ての方々と共に、14度目の春を迎える福島の復興に向け、全力で挑戦を続けてまいります。

提出議案について

 次に、今定例会に提出しているその他の議案について御説明申し上げます。
 特別会計等予算案15件につきましては、それぞれの目的に応じた事業を実施するため、所要の額を計上したものであります。
 条例に関する議案といたしましては、「福島県国民健康保険広域化等支援基金条例を廃止する条例」を始め51件を提出しております。
 それ以外の議案は、「包括外部監査契約について」など22件で、いずれも県政執行上重要な案件であります。
 慎重に御審議の上、速やかな御議決をお願いいたします。

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