平成25年度しゃくなげ大使懇談会
平成25年度しゃくなげ大使懇談会(平成26年2月7日開催)
しゃくなげ大使の皆さんに本県の現状等を理解していただき、福島県の復興に向けた取組について、しゃくなげ大使の皆さんから意見や提言をいただくために、「しゃくなげ大使懇談会」を開催いたしました。
開催概要
1 日時:平成26年2月7日(金曜日) 11時~13時半
2 場所:ホテル フロラシオン青山
3 出席者:5名 (五十音順)
・ 下村 満子 氏 <ジャーナリスト、 「下村満子の生き方塾」塾長>
・ 玉ノ井 友宣 氏 <初代 栃東>
・ 萩原 美樹子 氏 <女子バスケットボールユニバーシアード代表ヘッドコーチ、 早稲田大学女子バスケットボール部ヘッドコーチ>
・ 増田 明美 氏 <スポーツジャ-ナリスト、大阪芸術大学教授>
・ 矢内 廣 氏 <ぴあ株式会社代表取締役社長>
(県側出席者)
知事、直轄理事、東京事務所長、広報課長
開催概要(出席者の主な発言要旨)
矢内 廣 氏
しゃくなげ大使として活動してから20年以上になるが、県の取組を聞かせていただき、佐藤知事も復興のために第一線で身体を張って取り組んでいると感じた。
被災地の方々の衣食住については、ある程度行き届くようになった。その次は心のケアだと思う。被災地の人が元気になるようなものをどうつくっていくか考えなければいけない。
私は、復興支援活動を風化させずに、その取組を継続して行うにはどうすればいいのか考えてきた。これまでも、チャリティコンサートなどをいくつもやってきたが、継続していくことがどうしても難しい。アーティストや技術者はノーギャラで良いと言ってくれるが、いつまでもそれを求めるわけにはいかない。こうした活動は、ある種の経済構造を組み込んでいかないと持続できないと思っている。
地元で生まれ育ち、地元を愛する若者を中心として、地域の体制づくりができていくことが望ましい。そういった活動を、商工会議所や行政機関にバックアップしてほしいと思う。
増田明美 氏
今のオリンピック、パラリンピックで活躍している選手は、プロとして活動している選手、実業団に所属している選手の他に、アルバイトをしている選手も多い。こういった選手たちは、合宿費などは補助されるが、なかなか生活費までは補助されない。
例えば、県の職員として半分仕事、選手として半分競技に打ち込むことができる「チーム福島」を、県がつくってはどうか。
2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、福島県が「チーム福島」を結成して、それを全国のみんなで支援することができたら素敵だと思う。
萩原美樹子 氏
今、県の取組について話を聞かせていただき、福島県の世界に打って出るという姿勢が素晴らしいと感じた。
また、あんぽ柿の出荷再開はすごく嬉しい。冬に柿を吊す風景が福島からなくなってしまい、すごく寂しいと思っていた。本当に心待ちにしていた。
私は、震災直後、子どもたちや避難している高校生にバスケットボールを教えていたが、こういった活動を継続的に行うことができる仕組みがなかなかないと思っていた。
例えば、福島県内に、ナショナルトレセンのような合宿所があり、スポーツに取り組むことができる施設があるとありがたい。福島県には東京から1時間半で行くことができる地の利がある。オリンピック、パラリンピックに向けて、わざわざ遠くで合宿するよりは、新幹線での往復が容易な福島県を利用した方が良いと思っている。
玉ノ井友宣 氏
福島県の相馬に生まれて、16歳で相撲界に入ったが、福島からいろいろな面で応援してもらった。これからは、福島の方を応援していきたい気持ちでいっぱいだ。
大相撲の優勝力士には(福島県知事賞の副賞として)福島のお米(「天のつぶ」)をいただいているが、自分も20年以上、ずっと福島の米を食べている。福島の米はうまい。だから、風評被害という言葉を聞くとがっかりしてしまう。
相馬では、ちゃんこの炊き出しなどを行い、皆さんに喜んでもらった。地元の自治体にも協力してもらい本当にありがたいと思っている。
福島への思いが強くあるので、玉ノ井部屋を継承している2代目栃東と協力して、これからも福島を元気にする取組を行っていきたい。
下村満子 氏
「下村満子の生き方塾」を始める1か月前に大震災が起きた。私は諦めていたが、今こそ、生きるとは何か、命とは何かという問題と向き合わなきゃいけないと周りの人から励まされた。
また、震災以降、いわき市の海岸に全国から集まって、ふくしまを忘れないために「祈りの集い」というものをやっている。日の出の時間に、みんなで手をつないで、鎮魂の祈りを捧げている。生きていることへの感謝、そして苦しみを無駄にせず、必ず復興させますと誓い、ふるさとを歌った後、仮設住宅で暮らす方にお話を聞かせていただいたりした。
復興に向けて、建物をつくることも必要ですが、私は目に見えないことをやっていきたい。心の復興なくして福島の復興はないと思っている。小さな1歩でも、ひとりひとりが自分を変えていくことで、福島県が世界のモデルになるような地域になっていくと思う。
記念写真
懇談後、知事としゃくなげ大使の皆さんとの記念写真を撮影しました。