平成16年度講座「“こころのユニバーサルデザイン”のススメ」を開催しました
活動報告
講座「“こころのユニバーサルデザイン”のススメ」
場所・日時
- 会津会場会津大学M5講義室平成16年12月16日(木) 午後2時から午後3時40分まで
- いわき会場いわき合同庁舎本庁舎4階大会議室平成16年12月17日(金) 午後2時から午後3時40分まで
内容
講演「こころのユニバーサルデザインのススメ」とその落とし穴
講師:清水茜(しみず・あかね)さん(株式会社イトーキUd&Eco(ユーデコ)研究所ユニバーサルデザイン室)- ユニバーサルデザインと7原則
- バリアフリーとの違い
- 社会・場・製品で整理してみましょう
- こころのユニバーサルデザイン・まとめ
ご自身も障がいのある清水さんが、その体験を交えながら、ユニバーサルデザインについて講演しました。以下、ほんの一部ですが内容をご紹介します。
◆「社会レベルのユニバーサルデザイン:人々の思いやりの精神」
製品や場のユニバーサルデザインを整備しても、誘導ブロック上に玄関マットを敷いたり、階段の手すりにそって植栽を植えたりしてしまうと、せっかくの設備も台無しになってしまう。
また、電車の優先席はみんなが思いやりを持ち、席を譲り合うことが当たり前になれば必要のないもの。
製品や場とともに、社会(こころ)のユニバーサルデザインもとても重要。
使えない手すり(講演資料から)
◆「一人で(自分で)行きたいな」(こころのユニバーサルデザインの落とし穴)
毎日電車で通勤しているが、駅には階段しかないため、毎朝毎晩通りかかった人に声をかけて手を借りなくてはいけない。ほとんどの人が手を貸してくれるが、やはりいちいち人手を借りることなく、自力で(職場に)行きたいと思う。
ハード(施設等)の不足を補うことのできる「こころのユニバーサルデザイン(おもいやり)」はもちろん大事なことだが、それに逃げることなくハードの整備を進めなくてはいけない。
通勤する清水さん(講演資料から)
★以上のほか、ユニバーサルデザイン製品の実演やユニバーサルデザイン・トリビアのクイズ等もあり、楽しく、かつとてもためになる講演でした。
★参加者の感想(会場アンケートから)
- 「学校でユニバーサルデザインとバリアフリーの違いがどうしても理解できなかったので、今回の講演がとてもためになりました」
- 「講師の話し方が非常に楽しく、時間が非常に短く感じた」
- 「職場・社会で取り入れられているユニバーサルデザインが少ない、また取り入れているユニバーサルデザインが十分活かされていないことに気づかされた。行政で取り組む以外、社会全体で(一人ひとりが)できることから提案していきたいと思いました」
講師紹介
清水茜(しみず・あかね)さん
- 昭和55年生まれ。先天性筋緊張低下症(筋力が弱い)で、小学生になって初めて歩き出す。
- 小学校3年生の自由研究「車椅子で便利な道や公共施設」で、川崎市奨励賞受賞
- 高校3年生の夏、ユニバーサルデザインに出会う。 大学入試のアピール材料として、自らのホームページを開設、世に広がるさまざまなバリアを鋭く切る独自の視点と、圧倒的な情報量で好評を博す。
- 慶應義塾大学在学中は、ゼミで「鉄道業界におけるユニバーサルデザイン政策」について学ぶ一方、取材対応や講演会も精力的にこなし、平成12・13年度の2年間、静岡県ユニバーサルデザイン室専門委員を務める。
- 平成15年に株式会社イトーキ入社、Ud&Eco(ユーデコ)研究所ユニバーサルデザイン室で部署の社内ウェブ作成を担当する傍ら、各地で講演活動を行う。
- 著作等
- ビデオ「21世紀の福祉の街づくり/第3巻『人にやさしい街づくり』」出演 (ゆまに書房、制作:メディアクロッシング)
- 著書「ユニバーサルデザイン入門」(共著、ぎょうせい)