「福島県版ユニバーサルデザイン実現への提案」第1章1-1 ユニバーサル・デザインの意味
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新
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福島版ユニバーサルデザイン実現への提案
第1章 ユニバーサル・デザインを通して考えるみんなのための社会づくり
1 ユニバーサル・デザインとは?
(1)ユニバーサル・デザインの意味
私たちは、次にあげるような不便さや問題点を日常に感じているのではないでしょうか。このようなことが解決すれば、おそらく特定の人だけではなく、多くの人が便利さを感じるはずです。
例1
- 段差・階段があると
- 高齢者はつまずきやすい
- 松葉つえを使う人は歩行しにくい
- 妊婦にとっては気を使うし、体力も使う
- 注意を損ねるとだれでもつまずくことがある
- 重い荷物を持っていればだれでもつらい
- 車いす利用者はだれかに手伝ってもらわなければならない
- その結果
- けががこわい
- 遠回りして行く
- 行くのをやめる
- 気疲れする
- 無理してがんばる
- ユニバーサル・デザインの考え方を取り入れると
- あらかじめ段差をつくらない
- あらかじめ手すりをつけておく
- あらかじめスロープやエレベーターも選択できるよう設計をしておく など
例2
- バスや電車が利用しにくい
- 段差が高くて乗り降りしにくい
- 乗り場がどこにあるかわからない
- 時刻表などが見にくい
- 券売機の操作がわからない
- 停留所で立っているのがつらい
- 利用するとき他人の手を借りる必要がある
- その結果
- けががこわい
- 時間がかかる
- 迷ってしまう
- 気疲れする
- 外出する気がそがれる
- 人の目が気になる
- ユニバーサル・デザインの考え方を取り入れると
- 低床バスやノンステップバスの導入
- 適切で見やすい(聞きやすい)案内表示
- 簡単に操作できる機器類の工夫
- 停留所等のベンチ・イス
- 駅舎等での段差解消、広い通路の確保 など
ユニバーサル・デザイン(※下に説明があります)は、アメリカの建築家ロナウド・メイス氏が提唱した考え方です。 ユニバーサル・デザインは、すべての人共通の(ユニバーサル:Universal)、設計・構想(デザイン:Design)とも訳されますが、高齢者や、障がいのある人に限らず、子どもや外国人、けがをしている人や妊婦にとっても、安全で使いやすい製品や快適で不便のない生活環境をつくるデザインです。つまり、「だれにとっても“よい”デザイン」ということになります。 次に掲げるのは、ユニバーサル・デザインの考え方を取り入れてつくられた身近にあるものの例です。
- ユニバーサル・デザインの考え方を取り入れてつくられたものの一例
- 車いすの人や赤ちゃんを連れた人をはじめ、だれもが利用できるように設計されたトイレ(みんなのトイレ) 写真提供:株式会社 柏屋(福島柏屋御山店)
- ギザキザがついていて、さわるとリンスと区別できるシャンプーボトル
- 車いすの人や子どもでも無理なく使えるように、低い所にも押しボタンや取出し口がある自動販売機
- 少ない力でも操作できるレバー式の水栓
【本文中の説明】
- ユニバーサル・デザインとは 「できる限り最大限すべての人に利用可能であるように、製品、建物、空間をデザインすること」を意味し、次の7つの原則が示されています。
- だれでも公平に使用できること
- 使う上で自由度が高いこと
- 簡単で直感的にわかる使用方法となっていること
- 必要な情報がすぐに理解できること
- うっかりエラーや危険につながらないデザインであること
- 無理な姿勢や強い力なしで楽に使用できること
- 接近して使えるような寸法、空間となっていること (出典:古瀬 敏編著「ユニバーサル・デザインとはなにか」都市文化社1998) 戻る