「ユニバーサルデザイン」について説明します
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ふくしまのユニバーサルデザイン
「ユニバーサルデザイン」とは?
はじめに
平成22年度から始まった福島県の新しい総合計画「いきいき ふくしま創造プラン」では、子どもたちが親の世代となる30年程度先を展望し、「人がほほえみ、地域が輝く“ほっとする、ふくしま”」の創造を基本目標としています。その実現のため、支え合いの心が息づく社会の形成に向けて、多様な人々がともに生きる社会を目指す「ユニバーサルデザイン」の考え方は、欠かすことのできない価値観の一つです。ここでは、この「ユニバーサルデザイン」について、基本的な考え方をご紹介します。
「ユニバーサルデザイン」の考え方
近年、歩道などの段差を解消したり、住宅を高齢者が住みやすい設備にしたりする、いわゆる「バリアフリー」化が進められています。これは、障がいのある人や高齢者にとって障壁、つまりバリアとなっているものを取り除き、ハンディキャップを持った人でも安心で快適な生活ができるようにしようという考え方です。 これに対し、「ユニバーサルデザイン」は、年齢や性別、身体的能力などの違いにかかわらず、はじめから、できるかぎりすべての人が使いやすいように、製品や建物、空間をデザインしようとする考え方です。1980年代に、自身も障がいを持ち、建築家・工業デザイナーでもあった、米国ノースカロライナ州立大学の故ロナルド・メイス教授によって提唱されました。
「ユニバーサルデザイン」の具体例
最近見かけるようになった、「ユニバーサルデザイン」の考え方を取り入れてつくられたものを、いくつかご紹介しましょう。
- 昇降口が低く、誰もが乗り降りしやすいノンステップ・バス
- 車いすの人や赤ちゃん連れの人をはじめ、誰もが利用できるように設計されたトイレ
- 側面にギザギザが付いていて、さわるとリンスと区別できるシャンプーのボトル(写真右側)
- 点字によってアルコール飲料であることが示されている缶
- 車いすの人や、子どもでも押しやすいように、低いところにも押しボタンがある自動販売機
また、「ユニバーサルデザイン」には、7つの原則があると言われています。
- 原則1:誰にでも公平に使用できること
- 原則2:使う上での自由度が高いこと
- 原則3:簡単で直感的に分かる使用方法となっていること
- 原則4:必要な情報がすぐ理解できること
- 原則5:うっかりエラーや危険につながらないデザインであること
- 原則6:無理な姿勢や強い力なしで楽に使用できること
- 原則7:接近して使えるような寸法・空間となっていること
なぜ、今「ユニバーサルデザイン」が求められているのか?
わが国では、急速に高齢化が進んでいます。2015年には高齢化率が25%を超え、4人に1人が65歳以上の高齢者となる超高齢社会を迎えると予想されています。 それに伴って、ハンディキャップがある人も増えると予想されますが、今ある建物や製品を「バリアフリー」化して行くためには、さらに多くの費用や労力が掛かります。また、障がい者に対する特別な取り組みとなり、差別や偏見を助長する恐れがあるなど、人権尊重の面でも十分とは言えません。 そこで、はじめからすべての人の使いやすさと安全や公平に配慮した「ユニバーサルデザイン」の考え方ならば、これらの課題を解決できるのではないかと、その普及に期待が高まっています。
※「ユニバーサルデザイン」は、英語の綴り(Universal Design)の頭文字を取って、「UD(ユーディー)」と表記されることがあります。