奇祭・大俵引きと世代交代~(ハマナカアイヅ)
男は実に単純な生き物だ。
ぶつかり合う度に、強くなる。
何かに夢中になると、漢になる。
奇祭・大俵引き、再び!
2018年1月14日。約400年の伝統を誇る会津坂下町の冬の風物詩「坂下初市・奇祭大俵引き」は同町役場周辺で行われ、引き子たちが勇ましい俵引きを繰り広げました。
今年は、ニュージーランド出身のトビー交流員と一緒に参戦してきました。
会場では、本番に使われる大俵の前に、素敵な笑顔で記念撮影に挑んだトビー交流員。
去年8月に来日してからは、取材で県内の祭りに参加するのは意外にも初めてです。
そんなトビー交流員は、さっそく取材陣や他の参加者たちに囲まれました。
徹底的な人気っぷりでしたね。
自分はというと、2年前と同じ場所、同じポーズで「ビフォーアフター写真」を撮影していました。
月日が経つのは、本当に早くて、無情なものです。
今年の参加者数は、近年最高となる約150名を記録しました。そのうち、外国出身の参加者は7名とのことです。
全国各地から集まってきた男たちは、着々と準備を進め、やがて下帯姿になりました。
刻一刻迫る時間のなか、気合を入れる引き子たち。
トビー交流員は人生はじめて宙に舞うことになりました。
いざ、大俵引き本番!
ここでは、大俵引きのルールを説明しましょう。
本番では、高さ2.5メートル、長さ4メートル、重さ5トンの大俵を下帯姿の引き子が東西に分かれて引き合い、その年のコメの相場を占います。東が勝つとコメの値が上がり、西が勝つと豊作になるといわれています。
私とトビー交流員を含めて、赤色の鉢巻きと下帯をまとう引き子は東に配属されています。
3本勝負の結果、2勝1敗で西に軍配が上がりました。
正直、かなり悔しいですが、勝敗より参戦したこと自体に大いなる意味を持っています。
そして、世代交代へ―ー
私の国際交流員としての任期は、残り3か月を切りました。
この広大な福島県を駆け巡って、ふくしまの魅力を広く発信する役割を、トビー交流員に託したいと思います。
情報発信は一見簡単ですが、実に奥深い仕事です。
しかし、自分にとって一番やりがいのある仕事でもあります。
私は、福島県内各地の取材を通じて、福島県が大好きになった、単純な男です。
「仕事とプライベートの境界線」や「日本語と母国語の違い」など、色んな壁にぶつかる度に、ふくしまへの思いが強くなりました。
気が付けば、ふくしまに夢中になるオトコになってしまいました。
これ以上の幸せはありません。
だから、どうか私の思いを、受け継いでください。一生のお願いです。
次回の更新は、私からの投稿の最終回となります。
どうか最後まで、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
(投稿者:徐)