地球探検 コスタリカ共和国 加藤直樹隊員 1
レポート1
みなさんこんにちは!中米のコスタリカ共和国に野球隊員として派遣されている加藤直樹です。25年度1次隊で今年の7月に到着し、早くも3か月が経ちました。コスタリカは何と言ってもその国名のとおり(コスタ=海岸、リカ=豊かな→「豊かな海岸」の意味)カリブ海と太平洋に挟まれた美しい海岸をはじめ、自然や動植物に恵まれ多くの観光客が訪れる国です。もう一つ大きなコスタリカの特徴は軍隊を持っていないということです。永世中立国を宣言し、それによって中米でもっとも平和な国と言われています。国土面積は日本の四国と九州を合わせた程度で、人口は約400万人と大きな国ではありませんが、話し好きで陽気な人々に囲まれた生活を楽しみながら活動しています。 さて、自分の活動は大きく4つあります。 (1)野球普及活動 これらが活動の中心です。 |
(1)野球普及活動
野球普及活動は地域の小学校の体育の先生と協力して、子供たちに野球を教えたり、初心者の子供たちを集めて野球教室をしたりしています。しかし、国民性と言うべきでしょうか、子供たちは感情を抑えるということがあまりありません。やりたくないときはやりたくない、喉が乾いたら水が飲みたい、休みたい、遊びたい、遠慮なく自己主張してきます(汗)。慣れないスペイン語でときには大きな声を張り上げながら、野球を教える前に自分も一人の先生として言葉に苦労しながらまだまだ毎日悪戦苦闘の日々です(笑)。 |
コスタリカでも数少ない活動場所の野球場。見た目はきれいに見えるものの、近づけばグラウンドや芝はぼこぼこ(汗) | 9月には日本講師を招いて野球教室を実施しました。 |
小学校での授業風景。 投げ方の練習。 | バッティング!女の子も! |
バッティング!どの子もバッティングには興味津々。 | 小学校の子供たちと。野球やるのに、性別も恰好も靴がなくたって関係ありません(笑) |
(2)コスタリカ野球レベルの向上
コスタリカ野球レベルの向上に当たっては、他コーチとともに各年代別の選抜チームを指導しています。と言えば聞こえはいいですが、練習できる日も週に2、3回と限られています。グラウンドも各県に数か所しかなく、あっても日本のように整ったものではありません。ぼこぼこです。まぁこれはグラウンド整備の習慣がなかったり、逆に野球道具も平気で投げるという習慣がついてしまっていたりなど、彼ら自身にも改善すべきところはたくさんあるのは事実ですが・・。しかし、日本ほど環境が整っていないからこそ、一回ごとの練習の質を上げることや道具を大切に扱う習慣を身に着けるなど今ある環境を大切にしていかなければなりません。野球道具もここコスタリカで入手することは非常に難しいからです。野球の技術だけでなく、物を大切に扱うことや使ったものは使用後には整えるなど、野球の技術以外の面で大切なことを学んでもらうこと、これが今後の大きな課題となりそうです。 |
(3)野球教本の翻訳(日本語→スペイン語)
これは日本の野球指導本をスペイン語に翻訳し、それをコスタリカの野球指導者や学校教師に普及することが目的です。スポーツの発展には競技人口の拡大と同時に指導者育成もとても大切なことです。野球がやりたいと思ったときに、近くに教えてくれる人がいる、それが今後のコスタリカ野球の発展に欠かせません。 |
(4)11-12歳コスタリカ代表チーム指導
これも代表チームと言えば響きはいいですが、コスタリカでは日本のように野球の人気は高くありません。また、放課後に部活動をするという習慣もなく学校が終われば生徒は皆帰宅します。学校単位で野球チームがあるわけではないので、自然と各学校から野球をやっている子供たちを集めて一つのチームを作るしかないのです。学校が違えば住んでいる場所もばらばらですから、同じグラウンドに集まるにも保護者の送迎が必要です。中には片道1時間以上かけてグラウンドに来る子もいます。自転車や電車でも自分でグラウンドに行けるのでは?との声も聞こえてきそうですが、ここはコスタリカ。中米の中では平和な国と言われますが、犯罪や泥棒も日本よりずっとたくさん発生します。先日、配属先の一室に置いてあったバットが数十本盗まれるという事件が起きました。後に、近くの高校生が犯人だったことがわかり、無事バットは戻ってきましたが日本ではなかなか考えられないですよね。子供の安全を考えると一人で行動させるというのがまだまだ難しい現状です。 さて、この代表チームですが、実は来年2014年に日本の和歌山県で開催される少年野球全国大会を目標にしています。和歌山県高野山の招待で今年より参加が決まりました。日本のように環境が整っていない中で日本のチームと戦うためにどのようなチームに育てていけるのか、監督、指導者として子供たちと一緒に精いっぱい頑張っていきたいと思います。 まだまだ、活動は始まったばかりで苦労もたくさんあります。気持ちが乗らないときも正直あります(汗)。でも、外国でもこうして大好きな野球に関われているということへの感謝の気持ちを忘れずに、ちょっとずつちょっとずつ頑張っていきたいと思います。 アスタルエゴ!プーラヴィーダ!(それではまた会いましょう) |
カサードという定食みたいなもの。一皿にご飯と豆を煮込んだものと、鶏肉や豚肉を煮込んだもの、サラダが乗っている。 | 収穫する前のコーヒー豆。収穫後2~2年半乾燥させて、その後やっとコーヒー豆の出来上がり! コスタリカはコーヒー輸出世界2位のコーヒー大国。 |
チフリーホ。日本の雑炊みたいなものの上に、豚肉のから揚げ、トマト、アボカドなどが入っている。 | マムチノという見た目の不思議な果物。味はライチに似ている。 |
パイナップル。コスタリカのパイナップルは激甘!とってもおいしい! | ちょっとリッチな家庭のお家。どの家も鉄格子で覆われている。これは泥棒が多いことの裏返しなのです。 |
小学校の給食。コスタリカの小学校は各学校に給食室があり、みんなそこで食べます。ちなみにこれは、ご飯と、鶏肉とじゃがいもを炒めたもの。 | 青空教室。都市部は比較的発展してきているコスタリカでも、田舎ではまだまだ貧しい地域がたくさんあるのが現状です。 |
コスタリカ共和国 平成25年度1次隊 職種:野球 加藤直樹 サントドミンゴ野球協会