地球探検 コスタリカ共和国 加藤直樹隊員 2-2
レポート2-2
2.コスタリカの野球
選抜チームについて
さて、話しは戻りまして、4 11-12歳カテゴリー選抜チームの指導 ですが、まず野球をやっている子の中で年齢の当てはまる子を集めて遠投や30m走など選抜試験を実施しました。そして最終的に11人を自分の活動の中心地でもあるサントドミンゴ市から、そして他の4県から一人ずつを加えて計15人のチームを結成予定です。予定というのはまだ他県の子供が確定していなからですが、他県からも選ぶ理由としては、まだまだ野球人気の低いコスタリカにおいて少しでも野球に興味を持ってもらうきっかけを作るためです。この選抜チームは来年の日本の大会を目標にしています。 サントドミンゴ市に住む子は比較的裕福な家庭の子が多いですが、他県に行けばそうではありません。今でも裸足で遊んだり、紙を丸めたボールで野球をしている子も多くいます。そんな彼らにとって、日本という先進国に行けるチャンスがあるというのは野球を始める、もしくは継続するとても大きな魅力、きっかけになると思うのです。 |
コスタリカの野球事情
また、上述したように野球人気の低さの背景には道具がなかったり、グラウンドが足りないなど、野球ができる環境が整っていないことも大きな要因の一つです。これはコスタリカ政府のスポーツ支援のほとんどがサッカーに当たられるという背景もあったりします。コスタリカではサッカーが圧倒的に人気があるからです。 しかし、今回結成した選抜チームが日本という野球大国(世界ランキング2位)の国の大会で活躍したという報告ができれば、もっと野球にも注目してもらえるかもしれません。そういう意味でも、しっかり自分も含めて、一生懸命本気になって練習していかないといけません。 |
野球大会出場・・・優勝!
最後に、12月の終わりに3チームによる小さな野球の大会が開かれ、今のところ確定している11人のメンバーとともに参加しました。自分も監督という立場は初めての経験、チームを結成してからまだ一か月ほど、少ないチーム数とは相手は見た目でも確実に自分たちより上手、そういう状況もあって子供たちには負けることで、さらなる練習の必要性を感じてもらったり、悔しさを感じて今後のバネにしてほしい、そう考えていました。 ところが、こちら中南米の人間の性格や特徴として試合や勝負事になると練習ではとても考えられないようなプレーや集中力、気持ちの強さを発揮することがあります。これは活動開始からいろんな子供をみてきて感じていたことでもありましたが、そのとおりいざ試合が始まると、今まで練習では見たこともなかったようなプレーやバッティングを見せては、あれよあれよと優勝してしまいました。これには自分もかなり熱くなりました。勝ちたいという気持ちが何より大事だということを、子供たちから教えてもらいました。大会が終わるとすぐクリスマスでしたが、最高のクリスマスプレゼントになりました。
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監督として
そして、大会終了後には、子供たちにこう話しました。「監督である自分にとって君たちのエラーや空振りや失敗なんて少しも重要じゃない。メジャーリーガーだって完璧にプレーできる選手は一人もいないのだから。だから君たちには失敗することを恐れずに、積極的にプレーしてほしい。むしろ、失敗をたくさんして、失敗を通して学びながらプレーをして、たくさん挑戦してほしい。そして何より、楽しみながら。」 子供たちに話していたようで、自分にも言い聞かせていたのかもしれません。 活動が始まって5か月が経ち、もはや言葉ができない、体調が悪いなどと弱気なことは言ってはいられません。まだまだ自分自身、指導者として未熟なところはたくさんありますが自分も失敗を恐れずにどんどん挑戦して、子供たちと一緒になって頑張っていきたいと思います。 アスタルエゴ!プーラヴィーダ!(それではまた会いましょう!) |
首都サンホセにある球場。今年改築されたばかりの球場で、途上国とは思えないきれいな球場。 | 夕日。こんなきれいな夕焼けが見られるのもコスタリカの大きな魅力ひとつですね。 |
コスタリカ共和国 平成25年度1次隊 職種:野球 加藤直樹 サントドミンゴ野球協会