地球探検
レポート5-1
オッラ!アミーゴスコモエスタン?(やぁみんな元気?)見知らぬ人ともこんな明るい挨拶の飛び交う国コスタリカで活動する加藤直樹から第4弾のレポートです。 さて、早くも帰国までの時間が音を立てて迫ってくるように感じられてきたこの頃、残り8か月となりました。時間が経てば経つほど大好きになっていくコスタリカでの活動も少しずつ形となり、また新しい目標もできました。 |
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サントドミンゴ社会人野球リーグ戦 普段の活動とは別に、日本でいうところの社会人野球リーグについて少し紹介します。というのも自分も選手としてプレーしているからです。自分の所属しているサントドミンゴにはコスタリカでは珍しく子供から大人までの野球リーグがあります。コスタリカ全体でも三つか四つしかリーグはなく、言ってみればサントドミンゴの社会人リーグは、コスタリカでは一番レベルが高いということになります。
とは言ってもお金をもらってプレーしているわけではなく、みんな仕事の傍ら週末と平日の夜に試合をしています。リーグ戦は11月に始まり7月か8月に終わります。今年は6チームでリーグ戦を行い、上位4チームでプレーオフ、決勝がありました。自分もその一つのチームでプレーし、自分のチームはリーグ4位でプレーオフ進出、その後決勝まで行きましたが、決勝で残念ながら破れてしまいました。
高校野球以来の硬式球と木製バットでの野球、さびついた体、近年のメジャーリーグでの日本人選手の活躍のおかげで自分への過剰な期待などなど、、、不安は少々ありましたが、終わってみればそこそこ活躍できたかなぁと思います。普段自分が教えている子供も見に来ることが多いので、お手本を示すという意味でも少し安心です。 そして、コスタリカの野球で好きな習慣があります。日本でも試合の始まる前には選手が円陣を組んで声を出して、気合いをいれることはよくあると思います。それと同じように、コスタリカでもいつも試合前にやることがあります。それはみんなの手を重ねて、神様に「お祈り」と「感謝」をするのです。 「神よ、こうして今日、愛する野球ができること、このようなすばらしい仲間とプレーする機会を与えてくださったこと、いつも私たち、私たちの家族を病気やけがから守ってくださることに感謝いたします。どうか私たちのチーム、そして相手のチームにケガなく無事試合を終えることができるようお守りください。」 最後に1、2、3の掛け声とともにチーム名を大きく叫びます。こうしたスポーツにも文化や宗教を感じることができます。 | ポジションはセンター。リーグ戦ではキャッチャー、ファースト以外すべてのポジションを守りました。かなりのユーティリティプレイヤー!?
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最初は木製バットに慣れず打てないことが多かったものの、最終通算打率は0.426!! |
小学校対抗野球大会 二つ目に紹介するこの大会は、ここ数か月の大きな目標のひとつでした。コスタリカで野球をもっと普及するには学校で野球ができる、経験できるということ、そして大会という目標があることが大事だとずっと考えてました。ですから、ここ数か月は一日、二日ごとにいろんな小学校に行って、体育の授業で野球を紹介してきました。この大会のポイントは、“道具がなくても、野球をやったことがなくても誰でも楽しめる”ということでした。 まず昨年の活動を通して実感したことが大きく二つありました。一つはグローブや野球ボール(軟式)がない、あるいは野球をするのに十分なスペース(校庭)がない、要するに十分な環境がない学校が多くあるということ、そしてもう一つは生徒にとって数か月で野球のルール、試合が成り立つほどの技術を覚えるのは難しいということでした。 日本のようにいつもテレビで野球が見れる、あるいは時間があればお父さんとキャッチボールというわけではありません。時間があれば家ではみんなサッカーです。そこで、どうしたら生徒にとっても、体育の先生にとっても手軽に野球を楽しんでもらえるか、ということを考えてきました。 その結果思いついたのが、いわゆる野球型のゲームを浸透させていくということでした。野球型ゲームとはグローブがなくてもできて、ルールは簡単で楽しくて、且つ野球の要素を含んでいるものです。その名も「ベースボールロコ」直訳すると野球バカ?のような感じでしょうか(笑) 名前はともかく、ルールは、バッターはベースボールティーに置いたボールを打ち、一塁、二塁・・・と行けるところまでベースを走り続け、守備側はボールを取ったらファーストではなくホームに投げます。ホームのキャッチャーがボールを捕り、ベースボールティーに置いた時点でバッターが辿り着いていた塁が得点となります。(一塁なら1点、二塁なら2点、三塁なら3点、ホームに帰ってきたら4点)ランナーも残らず、攻撃のチームの全員が打ったら攻守交代です。 このゲームの楽しいところは全員が得点するチャンスがあり、またベースボールティー(または大きめのコーン)に置いたボールを打つため初心者でもバッティングを楽しむことができ、守備側にとってもルールがわかりやすく、テニスボールなどの柔らかいボールを使えばグローブがなくても、室内などの狭いスペースでも楽しむことができる点です。最初から難しいことを教えるででなく、また、あるものの中でできることは何かと考えて出てきたアイデアでした。 そうして、このベースボールロコをいろんな学校を回って紹介し、目標のひとつであった小学校対抗野球(ベースボールロコ)大会を開催することができました。 |
旗を越えたらホームラン! | ルール説明中
| これからも野球を続けてくれますように! |
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コスタリカ共和国平成25年度1次隊 職種:野球 加藤直樹 サントドミンゴ野球協会