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地球探検 コスタリカ共和国 加藤直樹隊員 6-3

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年3月23日更新

地球探検

レポート6-3

セミナー開催に至るまで 2

セミナー開催まで一ヶ月。まさかの出来事、進まない準備、それでも時間は過ぎていく

 さて、いよいよセミナーの目玉となる指導書もコスタリカに到着し、また今回ジャイアンツアカデミーから講師としてコスタリカに来てくださることになっていた倉俣徹さんとのメールでの打ち合わせも順調に進んでいました。セミナーの内容については既に9月頃から企画書を作成していたため、これからはセミナー時の会場の準備や昼食や移動手段の手配など、細かいところを詰めていく必要がありました。こうした作業はJICAと配属先のサントドミンゴ野球教会と協力しながら進めていきましたが、配属先のメンバーは皆自分の仕事を持ちながら協会を運営しているボランティアのため、各々の仕事が終わってからセミナーの作業をしなければなりません。そのためお願いした作業が思ったように進まないということがしばしばありました。

 そして、さらに追い討ちをかけるように悲しい出来事がセミナー開催およそ二週間前に起きました。配属先のリーグに所属していた19歳の青年が突如白血病で亡くなってしまったのです。彼は配属先の社会人リーグの自分と同じチームのチームメートでもあり、亡くなる一ヶ月前に一緒にプレーしたばかりでした。その試合でピッチャーをしていたときに時折、靴紐を結ぶためにしゃがむ様子を目にしていましたが、それは体の異様を感じながらも仲間に心配させないための行動でした。その試合の数日後、彼が新しく始める仕事の関係で健康診断を行った際に病気が発覚しました。彼が亡くなった一週間は配属先も皆悲しみに包まれました。
 しかし、セミナーは一週間後に迫り、時間は刻一刻と過ぎていきました。

セミナーまで残り一週間、最後のラストスパート

 セミナーまで残り一週間を切りました。この一週間、JICAの方々、配属先のみんな全員が一つになって残りの準備作業を進めていきました。配属先のリーグでプレーする若い青年たちも協力してくれました。セミナーの準備に追われて自分のプレゼンテーションの準備もなかなか進んでいない状況でしたが、ここまでくればもう気合です。昼間はJICAや配属先を往復し、夜に自分のプレゼンテーションの準備を進めていきました。中南米野球セミナー企画から約五ヶ月後、そうして、なんとか当日を迎えることができました。

どたばたの中のセミナー幕開け

 いよいよセミナー本番がやってきました。想定された準備はすべてやってきたつもりです。あとは何事もなく無事に始まり、予定通り進めていければと考えていた矢先のセミナー開催当日、開会式開始予定の朝8時、司会を務めることになっていた女性がまだ会場に来ていません。
 彼女には事前に打ち合わせをしたいので6時45分には会場に来てもらえるようにお願いしてました。本当は7時でもよかったのですが、ここは一応は途上国ですから何よりも懸念されるのは時間にルーズなこと。ですから遅れることも想定して早めの時間を言っておきました。
 ところが6時45分にはもちろん、7時になっても7時半になっても現れません。そして8時。電話も繋がりません。8時を過ぎてもまだ到着する参加者がいたので、もう少しだけ待ってみることにしましたが、8時15分になってもまだ来ません。もうこれ以上は遅らせることはできないと、JICAの方が臨時で司会をするという方向で話をしていた8時20分、会場前のエレベーターが開くとそこにようやくその彼女が現れました。そこでDisclupe(すみません)の一言でも言うかと思ったら、第一声は「トイレに行かせて」。
 みんな唖然としましたが、これも途上国ではよくあることなのかもしれません。呆れてる暇も怒っている暇もなく、さっさと司会に向かってもらいました。こうしてどたばたの中セミナーが始まりました。

加藤JV配属先の子供たちと講習会の実践
加藤JV配属先の子供たちと講習会の実践(セミナー3日目)

読売巨人軍から寄贈されたユニフォームでウォーミングアップする子供たち(2日目)
読売巨人軍から寄贈されたユニフォームでウォーミングアップする子供たち(セミナー3日目)

投げる実践練習
投げる実践練習(セミナー3日目)

コスタリカ共和国平成25年度1次隊 職種:野球 加藤直樹 サントドミンゴ野球協会