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地球探検 フィジー共和国 後藤祥与隊員 3

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年3月3日更新

地球探検

フィジー便り

 フィジーは、フィジー料理、インド料理、中華料理の他、多様化が進み様々な食習慣があります。そのうち、代表的なフィジー料理とインド料理について、紹介します。共通する習慣は、スプーンやフォークをあまり使わずに、"手を使って食べる"ことです。私も少しずつですが慣れてきました。

フィジー料理

 フィジー料理は、現地で取れる食材をバナナの葉にくるんで、焼き石と一緒に土に埋めて地中で蒸す、「ロボ」と呼ばれる伝統料理が代表的です。太洋州ではよく見られます。手間がかかることから、特別な行事以外はロボを作ることはまれです。                                 

 普段は鍋やフライパンで焼いたり、煮たり、炒めたりしています。よく食べられる食材はキャッサバやダロ、ヤムといった芋に、南国野菜(トマト、キュウリ、オクラ、ナス、モザやロロ、ベレといった葉野菜など)に、魚や鶏肉です。
 最近はこれに加えて、バターやジャムをたっぷりとつけたパンやクラッカー、インスタント麺がよく食卓に上がるため、生活習慣病が増えています。       

 また、フィジーはメラネシアですが、近隣のポリネシアの文化も取り込まれて、ココナッツミルクを使った料理もよく食べられています。新鮮な食材を使ったフィジー料理は、塩や油をほとんど使わなくても、本当に美味しく食べることができます。素朴かつ新鮮な食習慣を通して健康的な生活を送ってほしいと思います。

チキンヌードル(1番左)、Duna(うなぎ、左から2番目)、貝とベレのスープ(うなぎの手前)、キャッサバいも(1番右)
チキンヌードル(1番左)、Duna(うなぎ、左から2番目)、貝とベレのスープ(うなぎの手前)、キャッサバいも(1番右)

ロボを作るために、穴を掘っているところ
ロボを作るために、
穴を掘っているところ

インド料理

 インド料理というと、日本でも馴染み深いカレーやナンですが、日本で食べる物と少し違います。ナン(発酵させて釜戸で焼く、平たいひょうたん型のパン)は、一般家庭ではほとんど食べません。                    

 ロティ(無発酵で小麦粉とお湯、ギー〈発酵バター〉を混ぜてフライパンで焼いた平たい丸いパン)や米が主食です。多くのインド人はロティを毎日作るため、きれいな丸型を素早く作りあげ、職人技のようです。             

 カレーは日本のような小麦粉をベースにしたルーは使わず、ターメリックやクミン、トウガラシをはじめとした複数のスパイスやハーブを炒めた後、野菜や鶏肉や魚を炒めたり、煮たりして作ります。家庭によっては塩や油も多く使われるため、生活習慣病や合併症予防のため、減らすようにアドバイスしています。

 また、ダール豆とスパイスを使ったダールスープも良く飲まれます。宗教上の理由から、ベジタリアン(肉魚を食べない主義)も多く、代わりに豆類が使われています。以前、ベジタリアンカレーを頂いた時に、厚揚げがカレーの中に入っていたことがありました。フィジーでも厚揚げや豆腐が使われている事に驚きました。                                   

 国が違えば、食材が違ったり他の文化が混ざったりするため、インド系フィジー人の料理は、本場のインドとはまた違った独自の料理だと思います。本場のインド料理もいつか食べてみたいですが、フィジーインド料理の作り方を学んで帰りたいと思います。

近所の人にロティの作り方を見せてもらいました
近所の人にロティの作り方を
見せてもらいました

ある日の病院給食:ダールスープ、ロティ、パラウ(インド式炊き込みご飯)
フィジー人の家にホームステイした時の写真

後藤 祥与 平成26年度1次隊 栄養士 シンガトカ病院