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地球探検 フィジー共和国 後藤祥与隊員 7

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月17日更新

地球探検

フィジー便り

折り紙のワークショップ

 「教会で子供たちに折り紙を教えるため、親戚や友達に折り紙のワークショップを開いてくれない?鶴を特に知りたい。」とある日、同僚に尋ねられました。
 日本文化を紹介する良い機会です。しかし、職場以外で複数人を対象に折り紙を教えるのは初めての事で多少不安がありました。日本では折り紙はどこでもすぐに手に入る一方、フィジーに折り紙は売っていません。文化の押しつけになる事は避けたいし、私の手持ちの折り紙を渡す以外はどう対応するか、どんな折り方が簡単で、子供でも大人でも楽しんでくれるかなどなど…
 幸運なことに、フィジーではPEMAC(体育・図工・音楽)を学校で教えている隊員がたくさんいるため、アイディアを共有してもらって、無事に準備することができました。向かった先は町から少し山の方面にある教会で、大変眺めが良く、居心地が良い場所でした。 

 初めに、折り紙が日本の伝統的遊びである事の他、どんな物が折り紙の代わりになるか?A4用紙から正方形を作る方法は?折り紙以外のデコレーションの利点は?(子供たち自身の想像力を伸ばす事、3R;Reduce,Reuse,Recycleにつながる事)といった、フィジーでも十分折り紙ができるアイディアを共有しました。その後、同期隊員からの簡単で楽しいアイディア2つとリクエストされていた鶴を参加者の皆さんと折りました。
1つ目:Tシャツ。作成後、好きな色で絵を描いてもらう(フィジーではブラシャツと呼ばれるカラフルなシャツが正装であるため、反応が良かったです。)
2つ目:飛ぶカエル。作成後、跳ねさせて遊んでもらう。
3つ目:鶴。デコレーションのアイディアとして千羽鶴の写真と共に、意味を説明しました。
 言葉足らずな説明だったにも関わらず、参加した皆さんは始終親切に接してくれ、楽しんでくれました。教える事によって学べる事、足るを知る事(不便な中からアイディアが生み出せること)を改めて、実感しました。今度はうどん教室もする予定で今から楽しみにしています。              

作成風景。折り方を覚えた人が、分からない人に教えていました。
作成風景。折り方を覚えた人が、分からない人に教えていました。

完成したカラフルな作品。A4用紙や裏紙から作成しました。
完成したカラフルな作品。A4用紙や裏紙から作成しました。

町の仕立て屋さん、お揃いの衣類

 フィジーは既成の服屋さんもありますが、スルチャンバ(伝統衣装)やブラシャツ、学生服、ドレスなどを仕立てるための、仕立て屋さんがたくさんあります。そのため、伝統衣装はたいてい個人のサイズや好みに合わせて作り、オリジナルが出来上がります。少し服が解れてしまった時なども、手早く補修してくれ、心強い存在です。
 また、フィジー人は、お揃いのTシャツやスルチャンバ、ブラシャツを作ったり、着る事が大好きで、このようなお揃いの衣類をフィジー語で「カラバタ(お揃いを意味する)」と呼びます。何かイベントがあるたびに、大抵作っていますし、イベントがなくても作る事があります。病院では、健康促進週間や月間などのイベントをする際によく作り、私も、何度か一緒に頼んで作りました。お揃いの衣類を着る事によって、何となくスポーツ大会のような一体感を感じる事ができます。
 一方でお金を節約するために、Tシャツやズボンなどといった普段着や靴、下着は、中古店で安く買う人が多く、日本や海外の物を着ているのをよく見かけます。路上では靴の修理屋さんも居り、外れた紐をその場で直してくれます。このような生活を見ると、すぐに何でも手に入る先進国は大量消費をまだまだ見直さなくてはいけないと感じます。                                                       

スルチャンバ(フィジーの伝統的衣装で、教会や冠婚葬祭など正式な行事に着用します)
スルチャンバ(フィジーの伝統的衣装で、教会や冠婚葬祭など正式な行事に着用します)
カラバタのTシャツとスル(巻きスカート)昨年の母乳推進週間で病院の授乳室をリニューアルした時の様子です。
カラバタのTシャツとスル(巻きスカート)昨年の母乳推進週間で病院の授乳室をリニューアルした時の様子です。

後藤 祥与 平成26年度1次隊 栄養士 シンガトカ病院