地球探検 ヨルダン・ハシェミット王国 小川晃世隊員 1
レポート1
ヨルダンについて
緑は少ないですが、砂漠や遺跡が多く、日本では見ることのできない自然風景に感動できます。本当に美しいです。国民については、親切ですが、アジア人蔑視(特に中国人・韓国人に対して)もままみられます。パレスチナ人の現状(特に人権問題・イスラエル(パレスチナ))について非常に強い関心を持っています。大多数がイスラム教徒です。その中に若干キリスト教徒が混じっているといった感じです。
活動について
<勤務地>
ヨルダン北部の第2の都市「イルビット」が勤務地です。イルビット市街よりやや離れたところにある、「ホソンキャンプ」という難民キャンプのパレスチナ人の為の学校で美術を教えています。
<授業>
教科書も使い回しだし、絵の具などの教材は学校でも家庭でもお金が無く、準備ができないので、授業で実施する課題は鉛筆等でA4 のコピー用紙に人物や静物、風景等を描くのが主です。
<壁>
また、学校では壁絵を描いています。こちらの学校や民家では、壁に絵を描く習慣があり、風景やら、生活の一場面やら、アニメキャラやら、それぞれの場所で様々なものが描かれています。私の場合、日本の伝統工芸品として、福島県の伝統工芸品を学校の一部の壁に描いたのですが、「白河達磨」と「赤べこ」は、「仏教の像はいらない」、「見た目が豚だからだめだ」ということで、消す事になってしまいました。残念でしたが、文化的・宗教的な壁(イスラム教では「豚」は禁忌の対象。また、唯一信じる神は「アラー」のみなので、他の神仏の存在は受け入れにくいようです。)でしょうか?今後も問題が起きないように、描くものを色々と考えながら日本や、他のアジアの国々を紹介できる壁絵を描いていきたいと思います。これは、現地のアジア人蔑視に対して、「アジアをもっとよく知って貰いたい、また、現地で暮らすアジア人達にとって、少しでも癒しになればいいかな?」という想いから「壁絵の大量注文を受けている今の立場を利用して」私なりに取り組んでいる活動です。
<他>
学校での活動とは別に、休日や、プライベートの時間を使って、ヨルダン中のあちこちに出かけて、その土地の人々との交流を図りながら、似顔絵等を描いたりしています。また、最近は油絵等様々な絵の注文も受けていて、あちこちの景色を現地の人に紹介してもらいながら、注文の絵の制作等も行っています。
「死海パノラマ」という美術館からの眺め
アンマン市内を一望したところ
アンマン(首都)での似顔絵描き
マダバ(聖ジョージ教会)での似顔絵描き
ヨルダン・ハシェミット王国 H23年度2次隊 職種 美術 小川 晃世 パレスチナ難民局