地球探検 ケニア共和国 伊藤淳一隊員 2
ジュンガニレポート ~ルヒャ族との730日~
活動について
私が生活を送るケニア西部ビヒガ県ハミシ郡は赤道直下に位置しますが、標高が1500mあるため、暑過ぎず寒過ぎず生活するには丁度良い気候です。以前この地域はコーヒー栽培が盛んだったようですが、コーヒー豆の取引価格下落後に多くのコーヒー農家は茶栽培にシフトしました。そのため、メイズ(トウモロコシ)や他園芸作物を抑え現在はお茶の生産量が一番高いです。 一方、ビヒガ県では、住民の多くは限られた土地で半自給的農業を営んでいます。そのため、私はそうした小規模農家/農家グループを対象に彼らの生活向上を目的に活動しています。 これまでの調査活動では初等中等教育新学期開始と重なる短雨季後の乾燥機(1月ー4月)に多くの農民が収入、食料不足に苦しむ事が解りました。まずは、同僚と協力しながら上記の活動の他に乾燥野菜等の保存加工等を実施し、この時期の食料不足を補う計画で活動しています。 |
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ルヒャ族について(割礼、結婚、迷信)
ケニアに42 種族が存在します。私が生活を送るケニア西部ビヒガ県ハミシ郡は、ルヒャ族の住む地域です。彼らと生活を共にしていると宗主国イギリス初め、他文化を吸収しながらも、今尚、独自の文化/習慣が根強く残っているのを実感します。 ルヒャ族は全18亜種族から構成され、ここハミシはティリキとマラゴリ亜種族が人口のマジョリティーを占めます。マラゴリを例に上げると、マラゴリは主に4氏族に分けられ、そこから61亜氏族へと派生します。ルヒャ族マラゴリ、キズング氏族アバカヤレの同僚によると、人々のアイデンティティは各氏族、時には亜氏族に及び、地域政治・社会に影響を及ぼすと言います。 また、父系社会であるルヒャでは女性は結婚後も父親の氏族に帰属します(部族、亜種族により異なりますが)。結婚後も女性は父方の氏を名乗ります。一方、今尚結婚時には婚資制度が残り、男性は結婚する際に相手方の父や兄弟と話し合い牛何頭を婚資として嫁の家に送るかを話し合います。 一方で、ルヒャ族にも数多くの迷信が存在します。例えば、ルヒャ族には女性がバナナや木々を植えると夫が亡くなると言う迷信があり、女性のそうした行動は余り良いものとしては捉えられません。 アフリカには56カ国が存在し、さらにケニアに42 種族が存在します。人々はアフリカやケニアと言った「枠」で物事を語る傾向がありますが、多文化との交流を経て尚、彼ら独自の多様な文化が生きています。 | 活動の様子 | |
ルヒャ族の女性 |
伊藤淳一 平成25年度4次隊 コミュニティ開発 ビヒガ県ハミシ郡農務官事務所