地球探検 マダガスカル共和国 小倉貴美子隊員 2
第2回 日常生活
今回は、私の日常生活についてお話しようと思います。
私の任地での家は、平屋の一戸建てです。部屋の間取りは、3畳ほどの内玄関・6畳ほどの台所、そして15畳ぐらいの主寝室となっています。トイレや沐浴室もあるのですが、80坪程はあるだろう庭に「はなれ」として建っています。
トイレ:まずトイレですが、想像どおり「汲み取り式」のトイレです。ここでは毎日、20~30匹はいるだろう小バエを退治してからトイレを使わなくてはなりません。また、蚊も時々発生します。そのため今まだ調査中なのですが、虫を発生させないためにどのようにすればいいのかいろいろな汚水を捨てて対策を考えています。
夜間は、この外のトイレが使えません。 内玄関においてある、蓋つきの小さいバケツが夜のトイレです。
このように、日本では屋内にトイレがあり上下水道が整備されている生活の快適さをここに来て感じています。
お風呂:次にお風呂についてです。先ほどもお話したとおり、沐浴室が庭にあります。ここは、2畳ほどの広さになっています。しかし、戸をあけるとそこには何もありません。照明すら設置されていません。
だから私は毎日夜に、お湯を沸かして室内で清拭(体を拭く事)や足浴(足をお湯に浸し洗う事)をしています。
ここでは以前のわたしの仕事(看護師)が活かされて、今では4リットルぐらいで洗えるようになりました。しかし時々、1日も早く日本に帰国して、湯船に入りたいと切に願ったりしてしまいます。では任地の人の沐浴の仕方はというと、男性は日中暖かい時に川で水浴びをしています。そして女性の場合は、家で交代しながら日中家の中にタライを置いて水浴びをするそうです。またこの場合どちらも、毎日ではなく週に数回だそうです。
洗濯:今度は洗濯についてです。もちろん「洗濯機」はありません。 だから私の場合は、水道がある家の流し台で行っています。しかし任地の人は、川から水を汲んできて家で洗濯するか、もしくはそのまま川で洗濯をしています。そして乾かし方が面白いのですが、木に引っかけたり芝生のような草に置いたりして乾かしています。いつもこれを目撃すると、「せっかく洗ったのに。」と思ってしまいますが、しかしマダガスカルの人にしてみると「綺麗 になった」らしいです。
調理:最後に調理についてお話します。私の家は、電気があるので電気コンロも持っているのですが、通常は主に≪ファタペラ≫という鉄製のかまどを使います。これを使う時、≪キタイ≫という着火剤と≪炭≫が必要です。初めに、マッチやライターでキタイに火を付けます。そしてこのキタイを利用して、炭に火を移すのです。私は赴任すぐの時は、時々炭に火が付けられず苦労しました。しかし1年たった今は、いろいろな人の指導もあり、以前よりはスムーズに火を起こせるようになりました。このかまどで作った料理のいい所は、豆料理が美味しく出来る所だと思います。 このように日本を離れ、開発途上国で生活を送ることによって、私は改めて日本の豊かさを実感しました。ここでの暮らしは消して楽なことではありませんが、この地球上にこのような国・地域がある事を知り、ここからみる日本はどのようなものなのか知る事が出来た事は私にとって大きな学びであると思います。 今後あと1年、まだまだいろいろな事に驚いたり戸惑ったりする経験が待っているとは思いますが、どんな事にもめげずに頑張っていこうと思います。
マダガスカル共和国 H21年度4次隊 職種:看護師 小倉 貴美子 アンバンヌ基礎保健センター