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地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 26

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

 地球探検

パラグアイ通信(26)

  二回ばかり日本人移民者について書きましたが、福島県庁の国際課から福島県出身の移民者は今どうしているか、もし情報があったら調べてほしいとの要請がありいろいろ聞いてみました。

   各県には県人会があり北海道や高知県では独自に会館を持って活発に交流をしているのですが、福島県人会は開店休業で、ここのところ会を持っていないとのことでした。しかし、パラグアイ軍人のトップにまで上り詰めた福島県出身の二世がいるというので自宅を訪問してきました。

   その方のお父さんの名前は金沢喜八さん、当時17歳でした。兄弟姉妹4人とともに、1937年に福島県東白川郡塙町から最初の日本人移住地であるラ・コルメナに移住してきました。庭師・花屋をしていた喜八さんはパラグアイ人と結婚、そして1947年keyさん(日本の字は覚えていないとのこと)が生まれました。

   Keyさんは高校を卒業して17才で陸軍士官学校に入隊、5年間(パラグアイでは正規)の学生生活を優秀な成績で終え陸軍に配属になりました。パラグアイ共和国の軍隊は全部で約1万7,000人おり、陸軍・海軍・空軍の三軍に分かれています。海軍が1,500人、空軍が1,000人で他は陸軍に所属しているとのことです。海のない国に海軍?と思われるかもしれませんが、大きな川があるため必要なようです。

   陸軍は3師団あり、師団の下にいろいろな部隊があるとのこと。 将官の2つ星(少将)に昇進したのが1997年、3つ星(中将)になったのが2000年、最高位4つ星(大将)は2004年です。そして国軍最高司令官になった後2006年に退職、緊急対策の大臣を務め2008年に完全に引退して現在アスンシオンの郊外に住んでいます。

   パラグアイの軍隊について少し聞いてみました。「制度としては徴兵制があると聞きましたが今どうなっているか」と聞いたら、「人権を尊重して軍に無理やり引っ張りこむことはない」とのこと。「すると軍人になる人は減っているのでは?」と聞いたら、士官学校の定員は80名に対して、応募する人は毎年400名程度居るとのことです。学費がタダなので多いのかと思ったら、国立のアスンシオン大学も授業料はタダなので経済的理由からだけではなさそうです。

   日系人がその国にどの程度溶け込んでいるかを示すバロメータとして、役人にはどの程度なっているのか、政治家はどの程度なのかで示されると思いますが、「軍人や役人は居るのですが、政治家はまだいない」とのこと。「もっと胸を開いてパラグアイの中に溶け込むべきだ」とも言っていました。

 軍の組織図

父親とkeyさんの写真 写真1

自宅の壁に掛けてあった写真、2002年に亡くなった父金沢喜八さんと3星将官時代(2001年ごろ)のkeyさん

keyさんの自宅 写真2

訪問したときに、奥さんも含めて自宅の庭先で撮った写真

廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)