地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 3
パラグアイ通信(3)
国民大衆の交通手段はバスです。電車・汽車などはありません。そのバスが日本の30年~40年前のバスのようにガタガタ・ブンブンいって走ります。運転手1人で車掌はいません。バスに乗りたいと思ったら、歩道に立って右手を水平に上げると停留所でなくても止まってくれます。乗る時に2,300ガラニー(1円が40ガラニーぐらい、したがって日本円で60円ぐらい)を運転手に手渡します。市内1回どこへいっても同一運賃です。回数券や定期などはありません。乗るたびに現金で渡さねばならないのです。もちろんおつりもくれます。運転をしながらお金のやり取りをするなど見ていてハラハラします。
またバスの中へ物売りが乗って来て、コーラ、ジュース等の飲み物、果物、飴、その他を売ってゆきます(写真1参照)。信号待ちで止まっているときにさっと乗って来て、動く前に降りる時もあれば、一停留所だけ乗って降りる時もあります。運転手の近くの乗車扉も後ろの降車扉もほとんど運転中開いています。日本のバスと比べれば危ないことこの上ありません。 バスはすべてプライベートカンパニーで運営されていて、アスンシオン市で60社ほどが競争状態で運営されているそうです。それぞれ運行ルートごとに番号が決められており走るルートが決まっています。しかし、幹線道路はルートが重なるためお客の取り合いになるので、より早く前に出てお客を獲得しようとします。抜きつ抜かれつの競争状態になるのです。年寄りにはきつい乗車になります。
バスの乗車は、写真2の様に歩道の端に立って右手を挙げるのです。これは比較的すぐ覚えるのですが、降りる時が大変です。バスの中で降りるときに天井に張ってある紐を引っ張るのですが、引っ張ってすぐ停まる運転手もいれば、しばらく行ってから停まる運転手がいたりで予定の場所になかなか降りれません。しかも、市内のほとんどが一方通行になっており、行く時に乗る道と帰る時に降りる道が違うのです。もちろん大きな幹線道路は両方通行で行きと帰りは同じですが、住宅・商店街等ほとんどが一方通行です。この一方通行が不便ではあるが車歩道の分離を可能にしているのかもしれません。
写真1
この日は雨模様で、 傘を売りにきていました。
写真2
右手を挙げてバスを止めているところ(この道は大きな幹線道路で行きと帰りの両方の車線があります)
廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)