地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 34
パラグアイ通信(34)
第一回目のパラグアイ通信で、人々は優しそうだし、街は古くあちこち壊れているが「きれいだ」と書きました。 これを見たうちの妻が「あんたは何を見ているの、この汚いごみだらけの街をよくきれいだと書けたもんだ」と言われ、よく見ると日曜の夕方などあちこちにごみは落ちていて決してきれいとはいえない(写真1)。
さらに続けて、「彼らは平気でごみを路上に捨てる」というのです。これも確かに事実で、来たばかりのときはあまり気がつかなかったのですが、暑くなってバスの中でコーラやジュースがよく売れるようになり、売り子がビンからコーラをプラスチックのコップにあけてお客に手渡す。お客はコーラを飲み終わった後、窓からそのコップを走っているバスからポイと道路に捨てるのです(写真2)。ただし、10%ぐらいはバッグの中に入れて捨てませんでした。
またさらに、ミネラル水を大きなボトルで家に持ってきてもらっているのですが、注文してマニアナ(明日)もって来ますといわれて待っていると来ない。どうしたのかと聞くとまた「マニアナ」と答える、待っているとまた来ない又「マニアナ」というのだそうです。水も切れて料理をするにも困った妻は、「この国の人間はいい加減だ」ということになってしまいました。
しかし、私の付き合っている人たちは非常にまじめでいい人たちばかりです。時間についても厳格で、「何時にピックアップしましょう」といわれて待っていると、5分前にはきちんと迎えに来てくれるし、また別な人とある時間に待ち合わせていたがその時間少し前になったら、「バスが来ないので少し遅れる」と電話が入り、しかもその人はタクシ-で乗り付けてくれました。私の付き合っている人は大学の先生とかその秘書たちなので特別なのかもしれません。
このことから考えると、その国なり社会を見る場合、自分と接触した人たちを通してみることになり、その人がよい人であれば良く見え、悪かったりすれば悪く見えることになるわけです。私の書いたパラグアイ通信は、少し上のほうを見た文章になっているのだなと思いました。皆さんも差し引いて読んでください。
ただパラグアイ人は実に親切であると感じます。バスに乗っていると若い人はすぐ席を譲ります。私も何度か譲ってもらいました。また大きな荷物を持って乗り込んでくる乗客には入り口近くに座っている人がその荷物を引っ張り上げてくれます。降りるときも然りです。これは妻も認めるところです。
写真1
カトリック大学のキャンパスの中の中庭のベンチの周りも必ずしもきれいな時ばかりではない(キャンパス内にゴミ箱はあるのに!)。
写真2
この後、下車する時にコップを窓から捨てました。
写真2-2
コップをバスの窓から捨てる瞬間 この瞬間の写真はなかなかとれなかったのです 。
廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)