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地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 35

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年12月1日更新

地球探検

パラグアイ通信(35)

 パラグアイには、日本人学校・日本語学校・日本学校とよく似た名前の学校があります。

   最初の日本人学校は、文部科学省の管轄で在留日本人子女の教育のための学校で、小学校から中学校まであり日本から先生が派遣されてきております。

   次の日本語学校は、移民者の二世・三世が日本語を学ぶために、パラグアイ日本人会が運営している日本語塾とでも言うもので、アスンシオンだけでなく地方の日本人移住地の各都市にもあります。そして最後の日本学校(NIHON GAKKO)ですが、これはパラグアイ人によるパラグアイ人のための学校なのです(写真1)。

   何故こんな学校がつくられたのか興味があったので、そこで働いている青年海外協力隊の人(日本語教師)に案内してもらって学校を見学して来ました。

   ここの理事長は、パラグアイの国会議員でもあるディオニシオ・オルテガ氏、そして奥さんのエルメリンダ氏は校長をしています。二人は20年ほど前に1年半ほど横浜国大に留学し、帰国して1993年に「日本式の規律と躾」に重点を置いた「道徳教育」をここパラグアイで広めるため私立の学校「日本学校」をつくったのです。

   最初65人の生徒だったのが、17年目の現在では2,150人にまでになりました。パラグアイの学校は、公立の授業料は無料です。しかし私立は有料で日本円にして7,000円/月ほどで、平均給料30,000円/月程度のパラグアイ人にとっては大変な額でしょう。したがって、富裕層の学校といえます。

   パラグアイの学校は、小学校から大学までほとんど2部制です。私が小学校の頃、校舎がなかったので午前と午後に分けて授業があったのを思い出します。

   日本学校で毎日授業が始まる前に朝礼(集会)があるというので、午後の部に参加・見学させてもらいました。その集会ではパラグアイの国旗と日本の国旗が持ち出され、両国の国歌も全員で歌われます(写真2)。

  やりすぎでは?と思うのですが、親たちの躾に対する期待は大きいようです。妻が日本語学校でボランティアをしていたときも日系二世・三世ですら、日本の子供たちのように躾けられていないようです。そして日系人の親たちも日本の躾をしてくれと頼んでいくそうです。しかし、ここ「日本学校」の子供たちは、授業中も比較的集中しており、ゴミも落ちていず、教育趣旨が行き届いているように見られました。「あれしちゃだめ、これしちゃだめ」の教育より、のびのびと自由な発想ができる教育をと思うのですが!

   そうであっても、遠い国から日本に学ぼうとしている国が、そして人々がいることも事実なのです。

日本学校 写真1

日本学校の屋上にNIHON GAKKOの看板が!

空手の指導風景 写真2

 空手を通じて礼儀正しさを身につけさせている

授業の前の集会 写真3

 毎日授業の前の集会で両国の国旗と国歌の斉唱

6年生の授業風景 写真4

 6年生の算数の時間 「ガンバッテクダサイ」のスローガンが教壇の前に

廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)