地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 4
パラグアイ通信(4)
今日は食べ物の話をしましょう。この国の人の大好物は、アサードと言って牛肉を焼いて食べることです(バーベキューです)。骨のついた牛肉を鉄格子の上で薪をたいて焼くのです(写真1)。
最近ホテルを出てアパートに引っ越したのですがベランダのところにそのバーベキューセットが備えられていました。私たち(妻を同伴しています)は日本にいたときから牛肉はほとんど食べていなかったのであまり興味がなかったのですが、たまたまある集まりでこのアサードを食べる機会があったのです。ところがこの肉の固いこと、私はもう歯もガタガタなのでなかなか噛み切れないのです。マンデオカという芋の一種と一緒に食べて途中で飲み込でいました。
ところでまた悪い癖で、なぜこんなに硬い肉かと考えるのです。理由は、パラグアイの牛は天然産の牛で、日本のは養殖の牛だからだと考えたのです。人口密度の低いパラグアイでは放牧で自由に育っているのです(写真2)。日本ではトウモロコシをはじめいろいろの穀物、ある時はビールを飲ませ、おしりをもんでやって霜降りの柔らかい肉を作っているのに対して、パラグアイでは牧草を食べ、自由に運動して痩せた筋肉質な硬い肉を作っているのでしょう。パラグアイ人にとっては、この方が安いしけっしてまずくはないし、たくさん食べられるので良いのでしょう。
スペイン語は母音が日本語と同じA,I,U,E,Oの5つなので単語の中で同じような発音が出てきます。牛肉をカルネ(肉)バカ(牛)と言うので、「あのバカは硬くて食べられない、鶏肉をアホ(ニンニクのこと)で炒めて食べようや」などと冗談を言いながら食事をしています。
もう一点こちらで気に入っているのは、果物が安くて豊富なことです。その中でも、オレンジがおいしいです。スーパーマーケットで量り売りしているオレンジを買ってきて、横に半分に切り、富士山のような形をしたジューサーに手で押し付けると果汁が出てきます。3~4個のオレンジでコップ一杯になります。これを毎朝一杯ぐっと飲むのです。なんと美味しいこと。オレンジ1個4~5円に相当しますから多く見積もっても20円以下、これで生ジュースを飲むことは日本ではできませんね。
写真1
骨付きの牛肉を焼いている
写真2
広々としたところに牛が放牧されている
廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)