地球探検 パラグアイ共和国 廣瀬靖夫隊員 9
パラグアイ通信(9)
果物のおいしい季節が続いています。さきに、オレンジの話をしたのですが、今最盛期なのはスイカ・パイナップル・マンゴでしょう。スイカは大小さまざまですがいまいち甘さが足りない。すごくみずみずしいので、水分補給と涼をとるためにせっせと食べています。ここのパイナップルは甘くておいしいのですが、日本で売っているものより二回りほど小さめです。マンゴですが、店先で売っているのが日本でよく売っているアップルマンゴ(赤と緑のソフトボールぐらいの大きさ)です。しかしこれはブラジルかアルゼンチンからの輸入ものらしいのです。パラグアイのマンゴは日本で売っているペリカンマンゴ(小さくて黄色いやつ)が各家庭の庭先とか街路樹として植わっています。12月になると道いっぱいに落ちてくるのです(写真1)。
私たち夫婦は毎日これを拾いに行って食後のデザートとして食べています。こちらの人は食べないのかと言うと、ほとんど食べないようです。なぜかと言うと、繊維がたくさんあってナイフで削れないのです。私たちは皮をむいてムシャブリつくのです。繊維を残して少しの実と汁をすするように食べています。日本の柔らかくなった柿のようです。私たちには、輸入もののアップルマンゴよりこちらの方の味が濃厚でおいしと感じます。というわけで、オレンジに続いてマンゴを毎日タダで食べています。
ところで、道路に毎日このようにマンゴが落ちて、我々以外誰も拾わないと当然ゴミになるわけで、事実マンゴが入ったビニール袋が多数、例のゴミかごにすてられているのを見ました。通信(1)でゴミかごの話をしましたが、ゴミのその後をお知らせします。かごの中に出されたゴミは、夕方暗くなるころ道路がクロスしている角に人の手で集められます。そして夜中の12時頃日本のゴミ収集車の倍ぐらいある大きなゴミ収集車で道路のかど角に集められたゴミをひろってゆきます。そして最終的には埋め立て処分地に持って行くのです(写真2)。
その埋め立て地はアスンシオン市の郊外、私の働いているカトリック大学の裏、パラグアイ川の河川敷です。この処分場もあと3~4年で満杯になるとかで、次の埋め立て地の候補を探しているようです。現在比較的きれいに埋め立てられ、悪臭もほとんどありませんが、10年ぐらい前までは悪臭がひどく、大学で授業ができないぐらいだったらしいです。そのせいか、このキャンパスで働いている教授・職員のガンにかかっている人の数が、他のカトリック大学キャンパスで働いている人より多いそうです。 しかしタダのマンゴの山、何とか利用する方法はないものでしょうかね。
写真1
歩道に落ちたマンゴーの実が一杯ある
写真2
最終ゴミ処分場(Cateura(カテウラ)埋立地) 手前が埋め立て終了地、その手前にその前の終了地がガス抜き管が立てられ、木が植えられ、公園予定地として存在しています。前回報告の赤い土がここにもあります。
廣瀬 靖夫 (シニアボランティア 環境工学)