安達太良山火山防災訓練を実施しました
安達太良山火山防災訓練
安達太良山火山防災協議会では、安達太良山の火山活動が活発化し、噴火が発生したという想定の下、火山防災協議会の関係機関が緊密に連携し、火口周辺における登山者等の避難誘導、行方不明者の捜索・救助活動、立入規制等の防災対応について、8月29日(火曜日)に実働訓練を、8月30日(水曜日)に図上訓練(基礎研修)を実施しました。
1 日時・会場
【実動訓練】
日時:令和5年8月29日(火曜日)13時00分~17時45分
会場:安達太良山周辺(奥岳登山口、塩沢登山口、沼尻登山口)
【図上訓練】
日時:令和5年8月30日(水曜日)10時30分~16時30分
会場:福島県危機管理センター、各関係機関の執務室にて実施(オンライン)
2 参加機関
福島県、福島市、郡山市、二本松市、本宮市、大玉村、猪苗代町、福島県警察本部、
福島市消防本部、郡山地方広域消防組合消防本部、安達地方広域行政組合消防本部、
会津若松地方広域市町村圏整備組合消防本部、陸上自衛隊第44普通科連隊、
福島地方気象台、福島河川国道事務所
3 訓練形式
【実動訓練】
噴火により登山者数名が行方不明になったと想定し、現地災害対策本部で情報を整理しながら、実際に登山道に入り行方不明者の捜索・救助訓練を実施。
【図上訓練】
実際の初動対応を再現するため、参加機関は各執務場所で訓練に参加し、メール及び電話、オンライン接続を用いて、関係機関が相互に情報を共有しながら、住民等の避難誘導や立入規制等の防災対応を行う情報伝達形式の図上訓練を実施。
4 災害想定
【実働訓練】
○ 令和5年8月28日正午から火山活動が活発化し、しばらくして噴火が発生。その後、火山活動が沈静化。
これを受けて、県・市・警察・消防・自衛隊・気象台で協議し、翌29日午後から行方不明者の捜索・救助活動の実施を決定。
陸上自衛隊第44普通科連隊に対して、行方不明者の捜索・救助に係る災害派遣要請。
~~~~~訓練開始~~~~~
○ 8月29日、13時30分、あだたら高原スキー場(レストランランデブー)に現地災害対策本部を設置。行方不明者の情報・火山活動の状況・気象情報などを伝達。
○ 同日、14時15分、捜索開始。発見次第、救助。
○ 行方不明者8名全員の捜索・救助完了、撤収。
~~~~~訓練終了~~~~~
【図上訓練】
○ 令和5年8月上旬から、傾斜計で沼ノ平火口方向上がり傾斜変動が継続。
○ 8月中旬から、火山性地震の発生がやや増加傾向となる。
~~~~~訓練開始~~~~~
○ 13時30分、仙台管区気象台(福島地方気象台)は安達太良山の「火山の状況に関する解説情報(臨時)」を発表。
○ 13時45分、仙台管区気象台(福島地方気象台)から「噴火警報(火口周辺警報)」の発表見通しを県、関係市町村及び関係機関へ伝達。
○ 14時30分、仙台管区気象台(福島地方気象台)が「噴火警報(火口周辺警報)」を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げ。
○ 14時45分、仙台管区気象台(福島地方気象台)が「火山の状況に関する解説情報」(噴火警報の補足としての解説情報)を発表。
○ 15時00分、安達太良山沼ノ平火口付近で噴火発生。
○ 15時10分、仙台管区気象台(福島地方気象台)が「火山の状況に関する解説情報(噴火の発生)」及び「降灰予報(速報)」を発表。
○ 15時20分、仙台管区気象台(福島地方気象台)が「降灰予報(詳細)」を発表。
○ 15時30分、仙台管区気象台(福島地方気象台)が「火山の状況に関する解説情報」を発表。
~~~~~訓練終了~~~~~
※実働訓練と図上訓練は連続しない別事象による火山活動によるものを想定
5 訓練項目
【実働訓練】
ア 現地災害対策本部における調整訓練(各参加機関)
イ 行方不明者の捜索、救助、応急訓練(警察、消防、自衛隊)
【図上訓練】
ウ 登山者の避難誘導(県、市町村)
エ 登山道の規制対応(市町村)
オ 噴火発生・火口周辺規制の情報発信(気象台、県、市町村)
カ 関係機関との情報共有(各参加機関)
キ 入山者の把握、下山者の安否確認(市町村、警察、消防)
ク 行方不明者の情報把握、捜索・救助計画の立案(警察、消防、自衛隊)
ケ 緊急減災対策の実施検討(県、国土交通省)
6 訓練の様子
実働訓練の様子
基礎研修の様子
(講師として、内閣府火山防災エキスパートである「杉本 伸一(すぎもと しんいち)雲仙岳災害記念館 館長(オンライン)」と「米満 義人(よねみつ よしと)元宮崎県危機管理担当主幹(現地)」に講話をいただきました。)