認知症の予防と早期発見
認知症とは
認知症とは、アルツハイマー病や脳血管性疾患等の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害が起こり、社会生活を送るのに支障が生じる状態のことを指します。
● 原因となる主な疾患
・ アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症の原因疾患)
・ 脳血管障害(脳血管性認知症の原因疾患)
・ びまん性レビー小体病(レビー小体型認知症の原因疾患)
・ 前頭側頭葉変性症・ピック病など(前頭側頭型認知症の原因疾患)
その他頭部のケガ等様々な原因で発症します。
● 認知症の症状について
認知症には、記憶障害など必ずみられる症状(中核症状)と二次的に起こる症状(周辺症状)があります。
・ 中核症状
認知症となることによって、直接起こる症状は中核症状と呼ばれ、主な症状として以下の5つが挙げられます。
1 記憶障害
新しいことを覚えたり、記憶しておいたりすることができなくなります。
2 見当識障害
時間や場所がわからなくなります。進行していくと、人に関する記憶がなくなり、周囲の人がわからなくなります。
3 理解・判断力の低下
考えるスピードが遅くなったり、複雑に物事を考えることができなくなります。
4 実行機能障害
計画を立てて物事を進めていくことができなくなります。
5 感情表現の変化
周囲からの刺激や情報に対して正しい解釈ができなくなり、周囲の人が予測しない、思いがけない感情の反応を示すときがあります。
・ 周辺症状
本人の性格、環境など様々な要因がからみ合って、うつ状態のような精神症状など、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こることを周辺症状(BPSD)と呼びます。
(例)
妄想:財布や通帳を誰かが盗んだ、自分に嫌がらせをするために隠したという、「もの盗られ妄想」がでる。
幻覚:目の前に人がいるように見える。
徘徊:認知症の進行に伴い、自分の家への道など熟知しているはずの場所で迷い、行方不明になったりする。
抑うつ状態:意欲の低下や思考の障害といった、うつ病と似た症状があらわれることがある。
※ 参考文献:認知症を学び地域で支えよう(NPO法人地域ケア政策ネットワーク全国キャラバン・メイト連絡協議会)
認知症の予防
認知症を予防するためには、「脳を健康にすること」と「脳を鍛えること」により、認知症に強い脳をつくることが重要であるといわれています。
以下のパンフレット等を参照ください。
・ パンフレット「認知症の予防と早めの対応」(平成22年3月) [PDFファイル/1.58MB]
・ 認知症予防対策の進め方Q&A(市町村担当者向け) [PDFファイル/1.63MB]
・ 福島県認知症予防実践マニュアル(平成16年3月) [PDFファイル/8.99MB]
● 認知症の早期発見
認知症は早期発見が重要です。早期発見をすることにより、次の効果が期待されます。
・ 症状の進行を遅らせる
アルツハイマー型認知症は、治療によって治りませんが、薬で進行を遅らせることができ、早く使い始めると健康な時間を長くすることができます。
・ 治る認知症もある
認知症のなかには、脳腫瘍など体の病気で起こるものもあります。このような認知症は、原因となる病気を適切に治療すれば認知症の症状が治る、あるいは症状を軽くすることができる場合があります。
● 「もしかして認知症かな?」と思ったら、早めにかかりつけ医や専門医療機関など、お近くの相談窓口に気軽に相談しましょう
● 認知症に関する連絡票
県では、認知症の方の連携に活用できるよう連絡票を作成しました。
認知症の方の受診やかかりつけ医等に連絡をとる場合に、既存の連絡票がないときや、各自お使いの連絡票の添付資料としてご活用ください。