測定の評価について
次のとおりホールボディカウンター測定の線量評価を変更しましたので、お知らせいたします。
平成24年2月1日
福島県保健福祉部
独立行政法人放射線医学総合研究所
独立行政法人日本原子力研究開発機構
福島県住民ホールボディカウンター測定の線量評価の方針について
線量評価の基本方針
体内のセシウム137及び134を対象としたホールボディカウンター(WBC)測定にあたっては、急性摂取シナリオ※注1による線量評価(概ね一生涯の線量である預託実効線量※注2の推定)を実施してきたところであります。これまでに検査した約14,000人の検査結果においては、過剰に推測する可能性のある急性摂取シナリオでも最大3mSvという結果であり、健康に影響を及ぼすようなケースは確認されませんでした。
一方で、福島第一原子力発電所から放射性物質の放出が始まった3月12日に、もし放射性セシウムを吸入した場合、現在まで体内に残留している量は、8歳以上13歳未満の子どもについておよそ0.3%程度に減衰しています。これ以下の年齢ではさらに小さな値にまで減少しています。初期の吸入量を最大に見積もっても、それらは検出されないため、現実的な線量評価が困難になってきています。
さらに、食品、飲料水に対する不安が高まっており、長期的な県民の健康管理の上では、今後は事故後の時間経過に伴い、偶然発生した短期間の内部被ばくや、長期間にわたる日常的な内部被ばく(放射性物質の体内への取り込み)の影響を評価することが重要となってきております。
以上のことから、今後は将来にわたった長期間の内部被ばくの影響を評価する観点から日常的な摂取シナリオ※注3による線量評価を行うことといたします。
検査結果の様式
住民へ配布する検査結果については、日常的な摂取シナリオに基づく線量評価結果を記載した様式を用います。
※注1 急性摂取シナリオ:平成23年3月12日に吸入摂取したと仮定して線量を推定
※注2 預託実効線量:成人では50年間、子供では70歳までに体内から受けると思われる内部被ばく量
※注3 日常的な摂取シナリオ:平成23年3月12日から1年間、毎日均等な量を継続して日常的に経口摂取したと仮定した最大線量を推定
変更の時期
平成24年2月1日