環境衛生Q&A
Q1 井戸水の検査項目について詳しく知りたいのですが。
A 水道から供給される飲料水には水道法に基づく水質基準が適用され、定められた水質基準を満たすよう定期的に水質検査が行われ、安全な水が供給されています。水質基準には、細菌類や有害物質をはじめとして50項目に及ぶ基準が定められています 一方、一般家庭で使われている井戸水は、水道法等の規制を受けませんが、自主的に井戸の点検や定期的な水質検査を行い、適切に維持管理することが必要になります。 細菌類や有機性物質等による汚染状況を確認するものとして基本的には10項目の検査がありますが、この他に、井戸の構造、深さ、周囲の状況等によっては、検査項目を増やさなければならない場合があります。 水質検査は、福島県衛生研究所の他、水道法第20条第3項の規定に基づく民間検査機関等で実施することが出来ますので、水質検査を行いたい場合には、お問い合わせ下さい。
項目 | 基準値 | 解説 |
一般細菌 | 100個/ml以下 | 平常時は水道水中にはきわめて少なく、これが著しく増加した場合には、汚水等が外部から井戸に入り込んだことを疑わせるものです。 |
大腸菌 | 検出されないこと | 大腸菌は、飲料水がふん便性の病原菌を含む汚水などにより汚染されているかどうかを示す指標です。大腸菌は、通常人や動物の腸管内に生息しており、飲料水で検出されることは、多くの場合その水が人や動物の糞尿などに汚染されている可能性を示しています。 |
亜硝酸態窒素 | 0.04mg/リットル以下 | 自然界に広く存在しており、窒素肥料、生活排水等からの汚染がある場合があります。高濃度に含まれると乳児にメトヘモグロビン血症を起こすことがあります。 亜硝酸態窒素は、極めて低い濃度で健康影響があるため、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の項目とは別に、単独で基準値が設定されています。 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 10mg/リットル以下 | 自然界に広く存在しており、窒素肥料、生活排水等からの汚染がある場合があります。高濃度に含まれると幼児にメトヘモグロビン血症を起こすことがあります。 硝酸態窒素と亜硝酸態窒素の合計値として基準値が設定されています。 |
塩化物イオン | 200mg/リットル以下 | 飲料水中の塩素イオンは、自然界由来のものが多く、特に海岸地帯では海水の影響がありますが、その他には家庭排水、工場排水、ふん尿等の混入汚染により、増加する場合もあります。 |
有機物等(TOC) | 3mg/リットル以下 | 飲料水の有機物汚染の度合いをあらわします。土壌に原因するほか、し尿、下水、工場排水等の混入による場合もあります。 |
pH値 | 5.8以上8.6以下 | 酸・アルカリの液性を示すもので0から14の数値で表されます。pH7は中性を表し、pH7より値が大きくなるほどアルカリ性が強くなり、値が小さくなるほど酸性が強くなります。 |
味 | 異常でないこと | 水の味は、地質または海水、工場排水、化学薬品等の混入及び藻類等生物の繁殖に原因します。 |
臭気 | 異常でないこと | 水の臭気は、化学物質による汚染、藻類の繁殖、下水の混入及び地質等に原因します。 |
色度 | 5度以下 | 水の着色の程度を示すもので、基準値以下であれば、ほぼ無色です。 |
濁度 | 2度以下 | 水の濁りの程度を示すもので、基準値以下であれば、ほぼ透明です。 |
※上記10項目に追加して検査しなければならないときがある項目の例 追加項目の必要性については、環境衛生チーム等に気軽に問い合わせ下さい。
鉄 | 0.3mg/リットル以下 | 飲料水中の鉄分は、地質由来のものや鋳鉄管、鋼管の給排水管等の老朽化により溶出するもの等があります。鉄分が多くなると、水に色はつき、布地や器物等を黄褐色に着色したり、臭気や味に苦みを与えるようになります。 |
カルシウム、マグネシウム等 (硬度) | 300mg/リットル以下 | 水の硬度は、石けんの洗浄効果を阻害する能力を示し、水の味に影響を与えています。カルシウムやマグネシウム等が多く含まれているのを硬水といい、口に残る味がします。また、これらの含有量が少ないものを軟水といい、淡白でコクのない味がするといわれています。 飲料水中のカルシウムとマグネシウムは主として地質に由来しますが、海水、工場排水、下水などの混入によるともいわれています。 |
蒸発残留物 | 500mg/リットル以下 | 蒸発残留物は、水中に溶解または浮遊している物質の総量をいい、主な蒸発残留物は、カルシウム、マグネシウム等の塩類や有機物です。また、蒸発残留物に含まれる無機塩類は、味にも影響します。蒸発残留物は、天然に由来するもののほか、下水放流水、工場排水等の混入も考えられます。 |
Q2 アタマジラミが発生した場合の駆除方法について教えてください。
A アタマジラミは清潔にしていても、接触の機会があればうつります。 髪の毛に産み付けられた卵を発見した場合は、日常生活で次のことを注意しながら、薬により駆除してください。きちんと対応すれば10日位で駆除できます。 また、シラミは不衛生だから発生するのではありませんので、誤解の無いようお願いします。 なお、不明な点等は気軽にお問い合わせ下さい。
できるだけ毎日洗髪する。 | アタマジラミの成虫や幼虫を洗い流す。 小さいお子さんは自分で洗うと洗い方が不十分なので必ず洗髪してあげて下さい。 この時、殺虫効果のあるシャンプーを使用すると効果的です。 |
ドライヤーで髪を乾かす。 | 卵などは熱に弱い。 |
髪はできるだけ短くする。 | アタマジラミは頭髪にしがみついて生息するので生息場所を少なくします。 |
洗髪後、目の細かいクシで髪をすく。 | 髪の毛に産み付けられた卵を取ります。 |
枕カバー・シーツ・タオル・下着類を毎日取り替え、洗濯の前に熱湯処理する | 寝具についたアタマジラミや抜毛についている卵を駆除します。 55℃以上の温水で殺せます。 |
駆除剤の使用方法
駆除剤はフェノトリンを主成分とした「スミスリン」の商品名で販売されており、最寄りの薬局などで購入できます。
パウダー剤の使い方 |
ア 自分で散布するとムラになりやすいので、ふりかけてもらう。 |
イ 頭髪全体に散布して1時間待ち、洗い流します。 |
ウ 薬は成虫や幼虫には効きますが卵には効きません。 |
シャンプーの場合 |
ア 1日1回2日おきに3~4回続けて下さい。 |
イ あらかじめ髪を湿らせておき、シャンプーする要領で塗布して5分間待ち、洗い流します。 |
ウ 液体なので卵まで浸透して殺卵効果があります。 |
エ 1日1回2日おきに3~4回続けて下さい。 |
Q3 蜂が自宅庭に巣を作りました。駆除してもらえますか。
A 保健所では、駆除作業を行っていません。蜂の巣を見つけたら、巣を自分で取り除くのは危険なので、専門家に頼むのが良いでしょう。専門業者はタウンページやインターネットで検索して下さい。また、一度刺された経験がある方は、アレルギー抗体が体内にできている場合があります。 体内にアレルギー抗体が出来た方は、2回目以降蜂に刺された時に、救急処置を行わないとアレルギーショックにより短時間で死亡してしまうことがありますので、蜂に刺された経験のある方で不安な方は、抗体検査等について医師に相談しておきましょう。