ドメスティックバイオレンスとは
ドメスティック・バイオレンス(DV)とは
ドメスティック・バイオレンス(DV)とは、配偶者や恋人、パートナーなど親密な関係にある者、または、親密な関係にあった者から振るわれる暴力(※1)のことをいいます。
多くの場合は、男性から女性に対するもので、加害者となる男性の中には、夫、内縁の夫、別居中の夫、元夫、元婚約者、交際中の恋人(※2)、以前に交際していた男性なども含みます。
DVは、加害者や被害者の個人的な問題と捉えられがちですが、ジェンダー(社会的、文化的につくられた性差)が原因とされる男女の固定的な役割や経済的な格差などによる政治的・経済的・社会的優劣関係が、私的関係において発現したもので、女性差別に根差す構造的な問題であり、犯罪となる行為を含む重大な人権侵害です。
※1 暴力とは、身体に対する不法な攻撃であって、生命または身体に危害を及ぼすもの、または、心身に有害な影響を及ぼす言動をいいます。
※2 高校生や大学生など未婚の若い男女の間でも、親密な関係になると大人のDVと同様のことが起こることがありますが、これを特にデートDVといいます。
身体的暴力
- 足で蹴る
- 平手やげんこつで殴る
- 押す、つかむ、つねる
- 刃物などの凶器を進退につきつけるなどの一方的な暴力行為
など身体に対する暴力を行うもの
精神的暴力
- 大声で怒鳴る、口汚くののしる
- 無視する
- 「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」と見下す
- 「別れたら自殺する」と脅す
- 相手が大切にしている物を壊したり、捨てたりする
など心ない言動等により、相手の心を傷つけるもの
性的暴力
- 嫌がっているのに性行為を強要する
- ポルノビデオや雑誌を無理やり見せる
- 中絶を強要する
- 刃物などの凶器を身体につきつけるなど一方的な暴力行為
など
経済的暴力
- 仕事を制限する
- 生活費を入れない
- 支出した内容を細かくチェックする
- 家の金を持ち出す
- 妻名義の借金を繰り返す
- 買い物の指図をする
など
社会的暴力
- 妻の生活や人間関係、行動などに対して、管理したり制限したりする
- 実家や友人の付き合いを制限し、妻を独占しようとする
- 交友関係や電話を細かくチェックする
など社会的生活をする上で、人間関係や行動を制限する
子どもを利用した暴力
- 子供に暴力を加えたり、暴力をふるう場面を見せたりする
- 「子供がけがをしてもいいのか」と脅す
- 妻から子供を取り上げる
- 子供に母親を中傷、非難することを言わせる
など子供を利用して精神的苦痛を与える
~繰り返される暴力~
DVは、3つの局面を経てエスカレートしていくといわれています。
下図のように、暴力の後、謝罪を繰り返し、急に優しくなることもあります。
被害者も暴力は一過性のもので、例外的な出来事としてとらえようとします。そのため、第3者も介入しにくく、被害からの救済がうまくいかないことがあります。
そして、暴力は繰り返され、サイクルの期間も短くなり、エスカレートしていくといわれています。