治山事業
はじめに
世界的に見て、日本は急峻な地形、火山灰土に広く覆われているなどの脆弱な地質、梅雨や台風による多雨という特徴を持ち、山崩れ、土石流等の山地災害が発生しやすい条件下にあり、毎年のように山地災害が発生しております。
治山事業は、森林の適正な維持・造成を主体に、山崩れや土石流、地すべり等の災害を防ぎ、同時に、水源かん養機能や保健休養機能といった、森林の持ついろんな機能を向上させることを目的とした公共事業です。土石流の恐れがある渓流に治山ダム等を設置し、渓畔林の発達を促し、危険性を少なくし、森林を再生するなど、安全で快適な県土の形成をめざしています。
山地災害の防止と復旧
・・・ 「ちさん」ってどんなことやるの?
1.山地災害を防止しています!
1 災害を未然に防ぐため、山地災害の危険がある箇所を調査し、危険度の高い箇所について優先的に治山事業に着手しています。現時点で安定しているかに見える渓流であっても、上流部に崩壊地を抱えていたり、流域の森林が荒れていると、突然の大雨で土石流が起きることがあります。下記をクリックしていただくと山地災害の危険のある箇所(山地災害危険地区)の位置図がご覧になれます。
2 県砂防課と協力して災害弱者関連施設に係る土砂災害危険地区区域図を作製しています。
3 山地防災ヘルパーを認定し、山地災害の発生が予想される梅雨や台風の時期には、県内各地で山地の監視活動を行っていただいています。
2.山地災害を復旧しています!
毎年のように集中豪雨が県内で発生しており、中でも平成10年8月末豪雨災、平成16年8月の福島・新潟豪雨災では多大なる被害を受けました。治山事業では、そうした災害箇所の復旧も行っています。崩壊した箇所は、いち早く森林に復元することが重要なので、積極的に草本類の導入や植栽を行っています。
3.「おやっ?」と思ったら早めの山地災害危険チェック
この世の中「絶対」「完全」「完璧」といったものは’絶対’に存在しません。現在の科学技術の粋を集めたとしても、完全に山地災害を予測する事はできませんし、いかに堅固なコンクリート壁を作ろうとも、自然災害の前では絶対安全な場所などあり得ません。だからといって、見えない糸で紡ぎあげられた、森林という名の生態系を治山ダムだらけにするのもナンセンスです。どんなときも、常に災害の危険があることを心に留めておき、雨がたくさん降ったときは特に、家の周辺で変わったことが起きていないか注意するようにしてください。
次のような異変が確認されたら要注意!特に大雨の際や大雨の後の地盤がゆるんでいるときは気を付けましょう。