地域材活用の取り組み~南会津町役場新庁舎に係る内装木質化等~
公共建築物等における地域木材の利用拡大推進のため、「南会津地域木材利用推進連絡会議」では、公共事業等に係る木材需給連絡体制の強化を図っています。
南会津町役場新庁舎の内装木質化に当たっては、南会津町が地域の木材業者等で構成されている「NPO法人みなみあいづ森林ネットワーク」と連携して、針生地区の町有林3haから約600m3の木材を伐採・搬出し、地元の製材工場で加工して、約153m3の製材品を利用しました。
地域材の活用に当たっては、十分な事前準備と発注者・設計者・工事受注者・木材供給者間の円滑な連携確保が重要です。
新庁舎竣工までの主な経緯
年 月 |
内 容 |
平成25年2月 |
南会津町が「南会津町公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針」を制定し、町産材の利用促進を明記 |
平成25年5月 |
みなみあいづ森林ネットワークがNPO法人化し、町産材の供給を担う体制を整備 |
平成25年12月 |
南会津町が新庁舎建設計画を策定 |
平成26年3月 |
南会津町が針生地区の町有林477haでSGECの森林認証を取得 |
平成26年3月 |
南会津町が新庁舎基本・実施設計者を決定((株)青島裕之建築設計室) |
平成26年6月 |
南会津町とNPOみなみあいづ森林ネットワークが、町産材の利用について事前検討を開始 |
平成26年10月 |
南会津町がNPOみなみあいづ森林ネットワークに針生地区町有林3haを立木販売 |
平成26年10-11月 |
NPOみなみあいづ森林ネットワークが第1回伐採搬出を実施((有)日光木材、約131m3)、製材を開始((株)芳賀沼製作、関根木材工業(株)) |
平成27年3月 |
NPOみなみあいづ森林ネットワークが新庁舎設計者と建築部材に係る調整を開始 |
平成27年7月 |
南会津町が新庁舎建築本体工事の契約を締結(東邦・大桃・金子JV) |
平成27年8-9月 |
NPOみなみあいづ森林ネットワークが第2回伐採搬出を実施((有)日光木材、約487m3)、製材を開始((株)芳賀沼製作、関根木材工業(株)) |
平成28年6月 |
南会津町が新庁舎建築木工事の契約を締結(東邦・大桃・金子JV) |
平成28年6月 |
NPOみなみあいづ森林ネットワークが新庁舎設計者・工事受注者と建築部材の供給を調整開始 |
平成29年6月 |
新庁舎竣工(平成29年7月18日より新庁舎で業務開始) |
町長・住民・職員による伐採現場の調査(平成26年10月28日)
平成28年度に南会津町が活用した補助事業の内容
1 森林整備加速化・林業再生事業(木造公共施設等整備事業)
(1)事業目的
町産材(森林認証材)の活用による地元木材業の活性化と、多くの町民が利用する協働スペース等の内装木質化により、木材の魅力の発信と木材利用を推進する。
(2)事業概要
(1)床・天井の木質化
1階:エントランス、光の広場、カフェ、町民ラウンジ、多目的ホール
2階:町民ワークスペース、協働フォーラム、ミーティングルーム、応接室
3階:正庁(会議室)、議場、議長室
(2)壁面の木質化
1階:光の広場(ホール)
3階:中会議室、議員控室
(3)整備内容
(1)事業費:90,973千円(補助金額39,424千円)
(2)地域材利用量:86㎥
(3)使用樹種:カラマツ(壁面・天井)、スギ(天井)、クリ(床)
サクラ・トチ・タモ(建具等)
2 森林環境交付金事業(重点枠、内装木材工事)
(1)事業目的
町産材(森林認証材)を使用することで、林産業の活性化と町民に木の暖かさとやわらかさを感じてもらい、環境にも人にもやさしい庁舎にしていく。
(2)事業概要
(1)床・天井の木質化
2階:町長室
3階:ラウンジ、中会議室、議員控室
(2)壁面の木質化
2階:町長室
3階:ラウンジ
(3)整備内容
(1)事業費:13,958千円(補助金額10,000千円)
(2)地域材利用量:14㎥
(3)使用樹種:カラマツ(壁面・天井)、スギ(天井)、ブナ・ナラ(床)、タモ(建具等)
3 森林環境交付金事業(重点枠、木製家具)
(1)事業目的
町民等が日常触れる家具や備品について町産材を活用することで、木の暖かさや温もりを体験してもらう。
(2)事業概要
(1)木製ローカウンター 11台
(2)木製ハイカウンター 27台
(3)その他(記載台、扉等)
(3)整備内容
(1)事業費:9,817千円(補助金額3,000千円)
(2)使用樹種:クリ・カラマツ等(カウンター)
室内写真(「南会津町役場新庁舎のご案内」より抜粋)