建設工事紛争審査会
建設工事紛争審査会とは
建設工事の請負契約をめぐる紛争の解決には、建設工事に関する技術、行政、商慣行などの専門的知識が必要となることが少なくありません。 建設工事紛争審査会は、こうした建設工事の請負契約をめぐる紛争につき、専門家による迅速かつ簡便な解決を図ることを目的として、国土交通省(中央建設工事紛争審査会)及び各都道府県(都道府県建設工事紛争審査会)に設置されています。
審査会の取り扱う事件
審査会は、当事者の一方または双方が建設業者である場合の紛争のうち、工事請負代金の未払い、工事の欠陥や不具合の責任負担などのような「建設工事の請負契約」の解釈または履行をめぐる紛争の処理を行います。また、当事者双方が審査会での紛争処理に合意している場合に適用できます。
○審査会で取り扱うことができる事例
・建設工事の元請、下請の間での下請代金に関する紛争
・施主と請負業者との間での工事代金に関する紛争
・建設工事の瑕疵(欠陥や不具合)に関する紛争 など
○審査会で取り扱うことができない事例
・除染業務、がれき処理業務など、建設工事の完成が目的でない業務の委託 に関する紛争
・労務提供に係る賃金の未払いに関する紛争
・直接の請負契約関係にない元請・孫請間の紛争
・土地や建物の売買に関する紛争
・専ら設計に関する紛争
・工事に伴う近隣者との紛争 など
※ 建設工事紛争審査会は、建設業法の規定に基づいて設置された公的機関であり、公正・中立の立場で解決を図ることを目的としていますので、紛争当事者のいずれか一方のための助言や弁護活動はできません。
※ あっせんまたは調停の手続きの趣旨は、紛争当事者の歩み寄りによる解決を目指すものです。また、仲裁は、裁判によらず審査会で解決することについて、紛争当事者の合意によって成り立つものです。したがって、紛争当事者には、審査会の審理が円滑に進むよう協力し合う関係が求められます。
紛争審査会の詳しい内容については 中央建設工事紛争審査会のホームページ をご覧ください。
福島県の「建設工事請負契約に関する紛争処理申請の手引」は、こちらからダウンロードできます。
建設工事請負契約に関する紛争処理申請の手引(令和3年10月版) [PDFファイル/844KB]
※住宅紛争審査会について
住宅紛争審査会は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(住宅品確法)に基づき弁護士会が国土交通大臣から指定住宅紛争処理機関として指定を受け設置した、民間型の裁判外紛争処理機関です。
御相談は、公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター【住まいるダイヤル】・・・・電話0570-016-100
建設工事紛争の未然防止のために
建設工事の紛争で寄せられる相談の多くは、契約書がないことや契約書の記載内容が不十分であり、当事者間において口約束ですませ、後になって「言った、言わない」といったことが原因で起こります。
建設業法第18条では、「建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、信義に従って誠実にこれを履行しなければならない。」ことが請負契約の当事者の努力義務として定められています。
しかしながら、建設工事の請負契約締結の現状は、現在においても請負契約書を締結しなかったり、内容が不十分な注文書や請書などで工事に着手したり、また、契約書を定めたとしても、追加・変更工事が発生し、工事金額や工事内容、工事完成時期等について、当事者間で合意をしないまま、工事に着手する事例が多々あり、建設業界のこのような慣行によって建設工事の紛争が生じやすくなっています。
請負契約の当事者の方々におかれましては、「建設工事紛争の未然防止のため」、工事の着手に当たっては、必ず請負契約書を当事者間で合意のうえ作成するようにしてください。
※ 標準的な建設工事の請負契約書である「建設工事標準請負契約約款」は、国土交通省のホームページに掲載されていますので参考にしてください。
建設工事の紛争を未然に防止するため、発注者(注文者)、受注者(請負人)それぞれで注意すべき主なポイントを以下のとおりまとめましたので、参考にしてください。
【発注者(注文者)の方へ】
1 工事請負業者及び工事監理者の選定は信頼できる業者を選ぶこと。
2 地盤調査や基礎工事をおろそかにしないこと。
3 できれば建築事務所に工事管理を依頼すること。
4 確実な資金計画を立てること。
5 契約の際は、契約書はよく読み、納得するまで印鑑を押さないこと。その際、無理な工期は設定せず、必ず余裕をもつこと。
6 追加・変更工事は、特にトラブルの発生しやすいところです。工事金額や工事内容、工事完成時期等について当事者間で合意をしておくこと。
7 追加・変更工事に限らず、業者との打合せで合意した点については、日付を記入し、必ず書面にして、業者の確認印またはサインをもらっておくこと。
8 業者まかせにせず、現場を自分の目で見ること。
※ 住宅の新築・増改築及びリフォーム工事の際は、トラブルにならないよう事前に下記の団体等に相談するなど、情報収集してからの契約をおすすめします。
(1) 福島県耐震化・リフォーム等推進協議会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・電話024-563-6213
(2) 公益社団法人 福島県建築士会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・電話024-523-1532
(3) 一般社団法人 福島県建築士事務所協会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・電話024-521-4033
(4) 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)・・・・電話0570-016-100
【受注者(請負人)の方へ】
1 発注者(注文者)との長いつきあいを考え、発注者(注文者)との円滑なコミュニケーションを図ること。
2 きちんとした契約書を作成すること。また、建設工事の内容を発注者(注文者)にきちんと説明すること。
3 追加・変更工事に限らず、打合せで合意した点については、日付を記入し、必ず書面にして、発注者(注文者)の確認印またはサインをもらっておくこと。
4 元請負人は、下請業者の選定・監督は元請の責任であることを十分自覚し、元請としての責任を果たすこと。また、下請業者に対し契約書等を明示すること。(一括下請や不当に低い請負代金、また、不当な使用資材等の購入はいずれも建設業法違反です。)
5 下請負人は、自分の身は自分で守る気持ちを持ち、契約内容について合意したうえで元請負人と契約を締結するとともに、技術的にも法律的にもきちんとした仕事をすること。
※ 「建設工事の請負代金の支払いに関する紛争の未然防止について」は、国土交通省のホームページを参考にしてください。
福島県建設工事紛争審査会事務局 |
〒960-8670 福島市杉妻町2-16 福島県土木部技術管理課建設産業室 電話:024-521-7452(直通) |