【ろうどうコラム】会長就任にあたって
H28.7.28 会長就任にあたって | ||
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この度、福島県労働委員会会長に再任されました伊藤宏です。労働委員会について、常々考えていることを述べて、会長就任のご挨拶とさせていただきたいと思います。 近年、労使を巡る環境の変化が大きく変わりつつあります。女性活躍推進法の成立、高齢者の再雇用、同一労働同一賃金の問題、これらはいずれも労働者の働く環境を改善することにより、日本の社会・経済を活性化しようというものであります。 企業の成長発展の根源的な力は従業員を含めた企業の構成員が、個々の能力を十分に発揮することにあります。そのためには、健全な労使関係、良好な労働環境が不可欠です。ES(employee satisfaction・従業員満足)という言葉があります。ESなくしてCS(customer satisfaction・顧客満足)なし、CSなくして企業の発展なしです。そして企業の健全な発展が社会の活性化に繋がります。 このような状況の中、労働委員会の役割も変化しつつあると思います。労働委員会は消防署に例えられることがあります。労使紛争という火の手があがればいち早く消火をするのはもちろんですが、日頃から労使紛争という火事が起こらないように指導・啓蒙活動を行うことも重要です。 中小零細企業における労使紛争は、経営者そして従業員が労働法等ワークルールを知らない、もしくは正しく理解していないことが原因のことが少なからずあります。お互いにワークルールの正しい知識があれば、このような問題は起きなかったのにと思う事例も少なくありません。労使紛争を未然に防ぐためにも、労働委員会としては一昨年から高校生・大学生等を対象に「ワークルール出前講座」を開催しております。今後は使用者側を対象としたものに広げていけたらと考えております。 福島県労働委員会は、今後も多様で複雑な労使関係・労働問題に対応すべき努力をしてまいります。労働委員会の存在・役割を広く知って頂き、労働委員会を活用し、健全な労使関係を構築して頂けたらと考えております。 | ||